RIZIN 12.31 さいたまスーパーアリーナ(終盤戦レポ):堀口恭司、vs扇久保博正3はカーフ→グラウンドコントロールで完勝。サトシ、クレベル、スーチョル、武田光司らRIZIN勢はベラトール勢に全敗
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2022年12月31日(土) さいたまスーパーアリーナ
レポート&写真:井原芳徳
※序~中盤戦は別記事でお伝えします。
※ABEMA PPV ONLINE LIVE、RIZIN STREAM PASS、U-NEXT、スカパーで中継(アーカイブ配信あり)
猪木氏が亡くなり、打倒紅白のテーマも無くなった2022年の大晦日RIZINは打倒ベラトール、しかし…
恒例となった大晦日の格闘技大会。そのルーツは今年亡くなったアントニオ猪木氏が2000年に大阪ドームで開催したプロレスイベント「INOKI BOM-BA-YE」だった。翌01年大晦日の2回目からは格闘技の大会に変わり、TBS系列で紅白歌合戦の裏番組として放送され、高い視聴率を記録し、以降、格闘技中継が大晦日の風物詩として定着する。地上波中継が途絶えた時代を経て、15年末に旗揚げしたRIZINも、元々はフジテレビの紅白の裏番組として生まれたコンテンツだった。ところが今年、6月のTHE MATCH 2022のフジテレビ中継の中止をきっかけに、フジでのRIZINの放送も終了する。大晦日のRIZINも地上波中継が無くなったことで、地上波の視聴率を意識したようなカードが無くなり、通常のRIZINの豪華版ともいえる顔ぶれが実現した。会場の客席も変わらず満席で、RIZIN人気は衰えない。(主催者発表の観客数は23,661人)
そのRIZIN大晦日の本格派のカードの目玉となったのが、RIZIN旗揚げ時から協力関係にある米国の大手MMAイベント・ベラトールとの対抗戦だ。ベラトールは19年末、RIZINの協力の元、初の日本大会をさいたまスーパーアリーナで開催。昨年9月からは米国在住のRIZINバンタム級王者・堀口恭司がベラトールに移籍し、両団体に出場している。今回の対抗戦では堀口がベラトール陣営の一員として参加し、ベラトール側はパトリシオ・ピットブル、AJ・マッキー、ファン・アーチュレッタらタイトル獲得経験者や現役ランカーを揃え、RIZIN側もホベルト・サトシ・ソウザ、クレベル・コイケの両王者や、昨年のバンタム級日本GP優勝者・扇久保博正らが迎え撃った。
大会は中盤までの10試合の後の休憩を経て、ベラトールとの対抗戦のパートに入る。冒頭の紹介VTRは、RIZINの榊原信行CEOが15年前の07年、PRIDEをUFCに売却した際、実現できなかった対世界の対抗戦が今回実現するといったテーマに沿った内容となった。選手の入場式ではPRIDEのテーマ曲が流れ、試合前後に流れるBGM等もPRIDEのものが使用される。打倒紅白のテーマは無くなったものの、かつて打倒紅白を目指したPRIDEのモチーフが散りばめられる。
だが試合そのものは、PRIDEの事実上の後継団体・RIZINが、UFCに次ぐ米国2番手のベラトール勢相手に5戦全敗という厳しい結果となる。両団体は23年、ベラトールをホームに変えての米国での対抗戦を計画している。RIZIN勢はフィニッシュを許さず、反撃で持ち味を生かした選手もいたが、ベラトール勢がホームで戦えば、より強さを発揮する可能性が高い。ベラトールを普段愛好する米国等の海外のファンに、RIZIN勢の実力がどう映ったか?ベラトール主催での対抗戦第2弾の機運が高まったかは気になるところだ。
今回の対抗戦のルールはRIZINルールが採用された。ベラトールが採用する米国統一(ユニファイド)ルールとは、グラウンド状態での頭部攻撃が有効で、トータルマスト判定となる点などが異なる。対抗戦5試合とも、レフェリーは米国人のジェイソン・ハーゾグ氏が務め、ジャッジ3名のうち1名にも米国人のブライアン・マイナー氏が加わった。ハーゾグ氏はコロナ禍以前のRIZINでもレフェリーを務めており、今もUFCやベラトールの多数のビッグマッチを裁いている。
大将戦:サトシ・ソウザ、元ベラトール王者マッキーを柔術で追い込むも判定負け
第15試合 RIZIN vs. Bellator全面対抗戦 大将戦 MMA ライト級(71kg)(ノンタイトル戦) 5分3R
×ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル/ボンサイ柔術/RIZINライト級王者、元REALスーパーライト級(74.2kg)王者
○AJ・マッキー(米国/チーム・ボディショップMMA/ベラトール・ライト級8位、フェザー級2位・元王者)
判定0-3 (松宮=マッキー/松宮=マッキー/豊永=マッキー)
サトシは4月のRIZIN調布大会でジョニー・ケースに1R腕ひしぎ三角固めで一本勝ちしRIZINライト級王座の2度目の防衛をして以来の試合。現在5連勝、5連続一本勝ち中だ。コイケ同様、ベラトールのトップ勢にボンサイ勢の柔術テクニックがどこまで通用するかが見ものだ。
マッキーは15年のプロデビュー戦からベラトール一筋の選手で戦績20戦19勝1敗。19~21年にかけて行われたフェザー級GPではダリオン・コールドウェル、パトリシオらを破り優勝すると共にフェザー級王者に。今年4月にパトリシオに敗れ王座陥落し、プロ19戦目で初黒星を喫した。10月1日の試合ではライト級に階級を上げてスパイク・カーライルに判定勝ちしており、今回もライト級での試合となる。
1R、序盤からサトシが低空タックルを仕掛け、引き込んで下になることに成功する。サトシは執拗に足を登らせて腕十字等を狙おうとするが、マッキーは防御を続け、鉄槌を随所で当てて攻勢を印象付ける。RIZINでは無類の強さを誇るサトシの寝技も、マッキーはしっかりと封じて見せる。
2R、スタンドの攻防が続き、サトシもサウスポーのマッキーに右ハイを当てる等、打撃で応戦するように。中盤、マッキーが左ミドルを効かせると、サトシはスリップしたが、立ち上がると、打撃を狙って詰めて来たマッキーに組み付くことに成功する。サトシは背後に回りつつ引き込み、バックマウントを取って裸絞めを狙う。だがこれもマッキーは防御し、スタンドに戻してしまう。
3Rもサトシが再三タックルや引き込みでグラウンドに持ち込む展開が続く。サトシはバックを取り、腕十字や裸絞めを何度もトライする。マッキーは一個一個キャッチには至らせず、防御を続け、ギロチンを狙い返す場面も。とはいえマッキーがパウンドを当てるような場面は乏しく、基本的には防戦が続く展開に。最後もサトシがバックから裸絞めを狙うが、マッキーが防御して終える。
記者採点はどちらか迷ったがサトシ。2R中盤までマッキーだが、以降のサトシの怒涛のグラウンドワークを評価した。ジャッジは3者ともマッキーにつける。マッキーが打撃で優位で、サトシがサブミッションでキャッチと言える状態に持ち込めなかったため、ジャッジの解釈も理解できる試合だった。
なお、対抗戦をリングサイド最前列席で見守ったベラトールのスコット・コーカーCEOは大会後のインタビューで、対抗戦のMVPとしてマッキーの名前を挙げ「危ない場面も何度かあったがうまく脱出した。サトシは危険で世界トップ10に入る選手ではないか」と話し、サトシのことも高く評価していた。
副将戦:ピットブル、クレベルの寝技封じ現フェザー級王者対決制す
第14試合 RIZIN vs. Bellator全面対抗戦 副将戦 MMA フェザー級(66kg)(ノンタイトル戦) 5分3R
×クレベル・コイケ(ブラジル/ボンサイ柔術/RIZINフェザー級王者)
○パトリシオ・“ピットブル”・フレイレ(ブラジル/ピットブル・ブラザーズ/ベラトール・フェザー級王者、元ライト級王者)
判定0-3 (松宮=フレイレ/マイナー=フレイレ/豊永=フレイレ)
コイケは昨年6月の東京ドーム大会で朝倉未来に2R三角絞めで勝利。今年2月の静岡大会では佐々木憂流迦に2R裸絞めで一本勝ち。5月のRIZIN LANDMARKでも萩原京平を1R裸絞めで仕留めた。10月23日の福岡大会では牛久絢太郎に2R裸絞めで一本勝ちしフェザー級王者となり、約2カ月間隔でベラトール王者との頂上対決に臨む。RIZIN参戦からの6連続一本勝ち中のコイケ。世界に向け、“極め”台詞の「ポペガー(vou pegar/ポルトガル語で「極める」)」と叫ぶことができるのか?
パトリシオは同じくベラトールの主力として活躍するパトリッキー・“ピットブル”・フレイレの弟。2010年からベラトールに上がり続け、14年以降はフェザー級で王座戴冠後、2度の返り咲き、通算8度の防衛を果たしている。その間、19年5月にはマイケル・チャンドラーを破りライト級との同時2階級制覇を果たした。昨年10月にフェザー級王座奪還を目指しライト級王座を返上した。今年4月にAJ・マッキーを下しフェザー級王座を奪還し、10月1日にはアダム・ボリッチに判定勝ちし初防衛している。
1R、ピットブルが大半の時間、コイケを赤コーナーに詰め、パンチを狙う構図に。コイケは序盤こそタックルからグラウンドに引き込むが、すぐ立たれた上、以降はタックルを切られ続ける。最後、首投げで倒したが、すぐピットブルは立ち、右フックを当てて終える。
2Rもピットブルがプレッシャーをかけ続ける。コイケはタックルに行かず、打撃で応戦する場面もあるが、ピットブルの右フックの的確さが上回る。終盤にはコイケがおそらく右フックをもらった影響で左の眉の上をカットし出血する。
3R、コイケは序盤からテイクダウンを奪うが、ピットブルはすぐ立ち、左右に動いてローを当て続け、長時間猪木アリ状態をキープする。ハーゾグ・レフェリーはなかなかブレイクせず、コイケにとって貴重な時間が過ぎていく。猪木アリ状態になって1分半ほどしてようやくブレイクがかかる。以降もピットブルはコイケにタックルや引き込みでテイクダウンされても、長時間のトップキープや下からの技の仕掛けを一切許さず、全て突き放し続け、反撃を封じて終える。記者採点もジャッジ3者もピットブルで、ピットブルがコイケの寝技を封じ判定勝ちした。
ピットブルは「彼はチャンピオンに値する選手です。次はベルトを懸けて戦いたいです」とコイケを称えた。
中堅戦:堀口恭司、扇久保博正との3度目の対戦はカーフ→グラウンドコントロールで完勝
第13試合 RIZIN vs. Bellator全面対抗戦 中堅戦 MMA フライ級(57kg) 5分3R
×扇久保博正(パラエストラ松戸/RIZINバンタム級日本GP 2021優勝、元修斗フライ級&バンタム級世界王者)
○堀口恭司(アメリカン・トップチーム/ベラトール・バンタム級5位・元王者、RIZIN同級王者、元修斗世界同級王者、元UFCフライ級3位)
判定3-0 (松宮=堀口/豊永=堀口/マイナー=堀口)
堀口は昨年12月のベラトールでベラトール・バンタム級王者・セルジオ・ペティスに挑戦し4RにKO負け。今年4月、ベラトール・バンタム級GP一回戦でパッチー・ミックスの寝技につかまり5R判定負けし2連敗となったが、9月25日の埼玉大会では金太郎に2R肩固めで一本勝ちした。
扇久保は昨年6月から大晦日にかけて行われたRIZINバンタム級日本GPで春日井“寒天”たけし、大塚隆史、井上直樹、朝倉海を下して優勝し、優勝賞金1千万円とRIZINバンタム級王者・堀口への挑戦権を獲得した。9月の埼玉大会ではキム・スーチョルに判定負けしている。
堀口と扇久保は13年3月の修斗世界フェザー級(60kg・現在のバンタム級)チャンピオンシップで初対戦。王者・扇久保を伸び盛りの新鋭・堀口が圧倒し、2Rにタックルを切ってパウンドを効かせた後、裸絞めで一本勝ちした。18年7月のRIZINで5年ぶりに再戦し(60kg契約)、堀口が打撃でも寝技でも圧倒し判定勝ちした。両選手とも最近の試合で体格差に苦しんでいることから、今回からフライ級に下げ、3度目の対戦が実現した。
1R、堀口は朝倉海戦を思い出させるような右のカーフキックを当て続け、扇久保は少しずつダメージが溜まる。扇久保は低めの重心でベタ足で構え、ほとんどステップしないため、細かく動く堀口にとっては当てやすい状態だ。お互い押し込む展開を繰り返すが、終盤、堀口の右カーフをもらった扇久保がついにスリップする。扇久保はすぐ立つが、堀口はロープ際に詰め、左右のストレートを連打すると、扇久保はダウンする。最後は堀口がロープ際で上になってパウンドを落とし続けて終わる。
2R、扇久保はカーフを嫌ってサウスポーにスイッチしつつ、オーソドックスに戻すが、堀口に組み付かれるとあっさりと倒される。堀口はグラウンドでバックを取るなどコントロールを続け、裸絞めや腕十字を狙って主導権を維持する。
3R、開始前に扇久保の求めで両者グローブタッチしたが、堀口はすぐ左フックを当て、扇久保はダウンする。堀口はグラウンドコントロールを続け、時折パウンドを当てる。終盤、扇久保は脱出してスタンドに戻すが、足の力が入りきらず、簡単に堀口にグラウンドに戻され、堀口がコントロールを続けて終了する。
記者採点もジャッジ3者も堀口で、堀口が3度目の対決も完勝した。堀口は「扇久保選手が凄いタフでKOできなかったです。そんな大晦日にしてすみません。次は盛り上げるんで楽しみにしてください」とアピールした。
副将戦:元ベラトール王者アーチュレッタ、韓国ROAD王者スーチョルに判定勝ち
第12試合 RIZIN vs. Bellator全面対抗戦 次鋒戦 MMA バンタム級(61kg) 5分3R
×キム・スーチョル(韓国/ROADジム・ウォンジュMMA/ROAD FCフェザー級王者、元同バンタム級王者、元ONE同級王者)
○フアン・アーチュレッタ(米国/ザ・トレーニングラボ、HBアルティメット&グレイシーバッハ/ベラトール・バンタム級3位・元王者)
判定0-3 (マイナー=キム/松宮=アーチュレッタ/豊永=アーチュレッタ)
スーチョルは韓国のROAD FCとシンガポールが拠点のONEに並行して上がり、12年にONEでバンタム級初代王者に。対日本人では佐藤将光、手塚基伸、中原太陽、田村一聖らに勝利。15年大晦日に一度だけ、旗揚げ間もないRIZINに上がり、マイケ・リニャーレスに判定勝ちしている。パニック障害の影響で一度引退したが、昨年9月、4年ぶりのMMAの試合をROADで行い、パク・ヘジンに1Rギロチンで一本負け。今年5月の再戦では2R KO勝ちし、ROADフェザー級王座を獲得した。9月には約7年ぶりにRIZINに上がり、バンタム級に階級を戻し、扇久保博正に判定勝ちし、健在ぶりをアピールした。
アーチュレッタは米国の老舗大会・KOTCで4階級制覇後、18年からベラトールに上がり、19年9月のフェザー級タイトルマッチでパトリシオに判定負けしたが、階級を下げ、20年9月にはパトリック・ミックスに判定勝ちしバンタム級王者になる。昨年5月、セルジオ・ペティスに判定負けし初防衛に失敗し、今年4月のバンタム級暫定王座決定戦兼バンタム級GP1回戦でもラウフェオン・ストッツに3R KO負けしたが、10月1日の再起戦ではエンリケ・バルソラに判定勝ちした。現在アーチュレッタはベラトール・バンタム級3位で、アジアで長年活躍してきたスーチョルにとってはようやく世界に実力を示す機会となる。
1R、パワーで勝るアーチュレッタが、スーチョルのタックルを潰して倒したり、押し込み主導権を握る。離れるとパンチの打ち合いとなり、お互い当てるが、終盤もアーチュレッタが押し込んでから倒す。最後もスタンドに戻るが、アーチュレッタが左ストレートを当てて終える。
2R、スーチョルが左フックを空振りすると、アーチュレッタがタックルを合わせて倒し、上で押さえる。スーチョルは立つが、アーチュレッタはまたもタックルで倒す展開が繰り返される。ここまでアーチュレッタが優勢だ。
3R、スタンドでもつれると、スーチョルが首を抱えギロチンを狙いつつ、潰して上になる。少し膠着すると、ハーゾグ・レフェリーはブレイクする。最後のラウンドのためブレイクも早めか。その後もアーチュレッタが押し込み続け、スーチョルはギロチンを狙うが、極まらず終了する。
記者採点は主導権を握り続けたアーチュレッタ。米国から参加したマイナー氏のみ、最後のギロチンを評価したか?スーチョルを支持したが、日本のRIZIN側のジャッジ2名は順当にアーチュレッタを支持し、アーチュレッタが判定勝ちした。
先鋒戦:武田光司、ヌルマゴメドフ推薦ラバダノフ相手に健闘も判定負け
第11試合 RIZIN vs. Bellator全面対抗戦 先鋒戦 MMA ライト級(71kg) 5分3R
×武田光司(BRAVE/元DEEPライト級王者)
○ガジ・ラバダノフ[Gadzhi Rabadanov](ロシア/マミシェフチーム/ベラトール・ライト級10位)
判定0-3 (マイナー=ラバダノフ/松宮=ラバダノフ/豊永=ラバダノフ)
武田は昨年の大晦日大会では“ブラックパンサー”ベイノアに腕十字で一本勝ち。今年4月のRIZIN.35でスパイク・カーライルに2R一本負けしたが、7月のさいたま大会ではジョニー・ケースに判定勝ち。10月23日の福岡大会では、ハワイでのRIZINトライアウトで選抜されたザック・ゼインを寝技で圧倒し1R腕十字で一本勝ちしている。
ラバダノフは元UFCライト級王者・ハビブ・ヌルマゴメドフの推薦する選手。セコンドにはヌルマゴメドフがつく。ヌルマゴメドフ同様にロシアのダゲスタン共和国出身で29歳。MMA戦績24戦18勝(6KO/5一本)4敗2分。コンバットサンボをベースとし、13年にMMAデビュー。20年2月、ダゲスタンのゴリラFC(GFC)でライト級王座を獲得。GFCがヌルマゴメドフに買収されイーグルFCと改称し、ラバダノフは自動的にイーグルFC王者となったが、同年12月の初防衛戦で敗れる。昨年2月のイーグルFCでの再起戦で勝利すると、6月からベラトールに移籍し3戦3勝(1KO)し、ライト級ランキング入りしている。
1R、スタンドの攻防が続き、サウスポーの武田、オーソドックスのラバダノフが前手を突き、パンチを狙う展開。中盤、ラバダノフの右ストレートで武田がダウンし、パンチラッシュで武田は追い詰められるが、左フック、右ジャブを返し、なんとか持ち直す。
2R、武田はタックルを仕掛け、切られたが、続けてタックルのフェイントを織り交ぜつつ、右フックを当て、すぐ組み付く。離れると、武田は左インローを当てつつ、パンチも随所でヒットする。ラバダノフもパンチを返すが、1Rほどの勢いは無い。武田がタックルを仕掛けると、ラバダノフは切り返して倒そうとしたが、武田は耐え、場内は沸きあがる。
3R、ラバダノフがテイクダウンを奪い、バックを取るが、武田は振り落として脱出する。武田はがぶった状態から膝を頭に当てると、場内は沸きあがる。だがその先に持ち込めず、終盤はラバダノフにコーナーに押し込まれ続ける。最後は離れたが、左ミドルを当てた後スリップし、ラバダノフが上になって終了する。記者採点はラバダノフ。ジャッジ3者もラバダノフを支持し、ラバダノフが判定勝ちしたが、大方の予想以上に健闘した武田にも観客は暖かい拍手を送った。
対抗戦はベラトール勢の5戦全勝。RIZIN榊原CEO「今日は完敗です」
RIZINとベラトールとの対抗戦はベラトール勢の5戦全勝に。大会最後にRIZINの榊原CEOは「スコットに胸を借りましたがメジャーリーグは上です。これからみんなで精進し、ぶっ倒せる日を目指します。今日は完敗です」と話した。最後はRIZINの高田延彦キャプテンの音頭で、猪木氏を追悼する「1、2、3、ダー」をベラトール勢とも一緒に叫び大会は幕を閉じた。
RIZIN 2023春3大会でフェザー級前王者 牛久絢太郎×朝倉未来、同級元王者 斎藤裕×平本蓮、元K-1対決 芦澤竜誠×皇治。パッキャオも夏以降登場