RIZIN 12.31 さいたまスーパーアリーナ(レポ):扇久保博正、優勝候補の井上直樹&朝倉海を撃破しバンタム級日本GP制覇。朝倉未来、斎藤裕にリベンジ。サトシ、矢地祐介を返り討ち
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Yogibo presents RIZIN.33
2021年12月31日(金) さいたまスーパーアリーナ
レポート&写真:井原芳徳
昨年2020年からコロナ禍の影響で、客席数を制限して開催されてきたRIZINだが、21年の大晦日大会は開催地の埼玉県からの承認も得て、満員となる22,499人(主催者発表)を収容して開催された。
13時30分からの開幕式では、夏の東京オリンピックのスケートボード男子ストリート金メダリスト・堀米雄斗が、花道に置かれたレールを使ったパフォーマンスを繰り広げ、友人の那須川天心がリングサイドで迎える光景から幕を開けた。大会の模様は今年もフジテレビ系で全国に放送され、最後の5試合は夜8時頃から11時頃まで生放送された。
RIZIN JAPAN GRAND-PRIX 2021 バンタム級(61kg)トーナメント(MMAルール)
扇久保博正、優勝候補の井上直樹&朝倉海を撃破し優勝
今大会のメインイベントは半年に渡り行われたバンタム級日本トーナメントの決勝。16選手が参加し、優勝者はRIZINバンタム級王者・堀口恭司への挑戦権を得られる。賞金総額2000万円で内訳は優勝1000万円、準優勝500万円、ベストバウト賞やベストKO賞等の各賞100万円が5本。6月に東京と大阪の大会で一回戦、9月の埼玉大会で準決勝が行われ、大晦日に準決勝と決勝が1日で行われた。
第2試合 準決勝 5分3R
○朝倉 海(トライフォース赤坂/元RIZINバンタム級王者、元THE OUTSIDER 55-60kg級王者/60.9kg)
×瀧澤謙太(フリー/60.95kg)
判定3-0 (大藪=朝倉/松宮=朝倉/豊島=朝倉)
堀口の前のバンタム級王者・朝倉海は、初戦で渡部修斗に1R TKO勝ちしたが、2回戦のアラン“ヒロ”ヤマニハ戦では1R途中に右拳を痛めた影響で追い詰めきれず判定勝ちに終わった。瀧澤は初戦で今成正和に判定勝ちすると、2回戦では元谷に1R TKO勝ちし番狂わせを起こした。2回戦の後、海と瀧澤の準決勝を望む声がTwitter等で多かったことから、RIZIN側はこのカードを実現させた。
リングアナウンサーは海とも交流のあるタレントの中川翔子さんが務める。中川さんはテレビ中継席のゲストとしても参加した。
1R、海がプレッシャーをかけ続け、左インロー、三日月蹴り、ボディブローを散らしつつ、顔面に左フックを随所でヒットし優勢。瀧澤も終盤に左ハイ、上段後ろ廻し蹴りを返すが単発止まりだ。
2R、開始すぐに瀧澤が右ストレートをヒット。海が圧をかけ続け、瀧澤が回る構図がこのラウンドも続き、お互い攻撃を当てるものの、なかなか均衡は崩れない。とはいえ手数ではやや海が上で、主導権は維持している。
3Rもお互い慎重な展開だが、見方を変えれば優勢の海はリスクを取らず、瀧澤は反撃の糸口をつかめない状態。3分過ぎ、海の左フックで瀧澤がダウン。その後も海がパンチを当て、瀧澤はひるみ出血する。瀧澤も少しパンチを返すが、海はひるまず、最後はパンチをスウェーし逃げ切る形で終了。海がダメージを負わない安全運転をしつつ、優位を維持ししっかり山を作って判定勝ちしたかに見えたが、海は9月のヤマニハ戦同様、右拳を負傷していた。
第3試合 準決勝 5分3R
○扇久保博正(パラエストラ松戸/元修斗フライ級&バンタム級世界王者/60.95kg)
×井上直樹(セラ・ロンゴ・ファイトチーム/60.9kg)
判定3-0
ベテラン・扇久保は春日井“寒天”たけし、大塚隆史を下して準決勝へ。海の対抗馬と目される元UFCファイターの井上は初戦で石渡伸太郎に1R TKO勝ち。だが石渡戦で負傷した右拳が完治しないまま金太郎との2回戦に臨み、左のカーフキックを駆使し判定勝ちした。
1R、井上がプレッシャーをかけ続け、左ジャブ、右のストレート、カーフキック等を的確に当て続ける。中盤、扇久保のタックルを井上が潰し、ハーフマウントから肘を落とし続ける。終盤、スタンドに戻るが、井上ペースは変わらず、最後は扇久保のタックルを井上が切り、バックに回って裸絞めを狙い続ける。
2R、井上が飛び膝から組み付いて倒し、しばらくしてマウントに。下になっても扇久保の脇を抱え防御する。だが終盤、扇久保がパウンドを落とし、井上の立ち際に扇久保がバックに回ると、裸絞めを狙って挽回する。大会後、扇久保は「1Rに井上選手にバックを取られた時、息が上がっていて、2Rから行けるなと思った」と明かしている。
3R、井上は右のカーフキックを当てるが、スタミナが消耗しているのか、これまでほど力が入りきらない。すると扇久保がタックルでテイクダウンに成功。井上のバックに回り、裸絞めを狙う。井上はもがくが防戦一方。扇久保が最後まで動き、バックコントロールを続け終了。結局2R終盤からの攻勢が評価され、扇久保が判定勝ちし、下馬評を覆した。
第4試合 MMA RIZIN JAPAN GRAND-PRIX 2021 バンタム級(61kg)トーナメント・リザーブマッチ 5分3R
○元谷友貴(フリー/元DEEPバンタム級&フライ級王者/61.0kg)
×金太郎(パンクラス大阪稲垣組/60.8kg)
判定3-0 (松宮=元谷/大藪=元谷/豊島=元谷)
1R、金太郎がサウスポーからの左ミドルを随所で強打。元谷が中盤に倒してバックを取り裸絞めを狙うが、金太郎は防御し、上に戻してパウンドを落とし脱出。終盤も左ミドル等の打撃を当てる。
2R、元谷がテイクダウンを奪いバックを取るが、その先には持ち込めず。金太郎はスタンドに戻し、左ミドルを強打する場面もあるが、連打にはつながらない。元谷も右ミドルを当てる。
3R、お互いミドルを当てるが、目立った攻撃は出せない状態が続く。金太郎がフックを振るうシーンも目立つが、当たり自体は浅い。僅差のまま試合終了。ジャッジは3者ともバックを2度取った元谷を支持した。
第16試合 決勝 5分3R
×朝倉 海(トライフォース赤坂/元RIZINバンタム級王者、元THE OUTSIDER 55-60kg級王者/60.9kg)
○扇久保博正(パラエストラ松戸/元修斗フライ級&バンタム級世界王者/60.95kg)
判定0-3 (松宮=扇久保/大藪=扇久保/豊島=扇久保)
※扇久保がトーナメント優勝
両者は昨年8月の王座決定戦で対戦し、海が1R TKO勝ちしている。
1R、スタンドの攻防が続き、扇久保はロー、海はパンチを軽く当てる展開が続く。中盤、扇久保が片足タックルでテイクダウンを奪い、ハーフで押さえる。終盤、ロープ際でマウント、バックを奪い、立たれても組み付き、抱えて倒す。最後は押し込んで、いい形で終える。
2R、海の左ジャブのヒットが増え、扇久保の片足タックルも切るように。だが中盤から海のパンチが減ると、扇久保の右カーフが効き目を発揮し、左右のフックのヒットも増える。扇久保はタックルで倒し、がぶりの状態から頭に膝蹴りを当てるなど、グラウンドの打撃でも海を追い詰める。大会後、扇久保は「去年、堀口選手に海選手がカーフをやられていて、1年で修正できないと思って、絶対に入ると思ってやった」と明かしている。
3R、後の無い海が圧を強めるが、扇久保は的確に右フックを当て続け、海をのけぞらせ、タックルも絡め主導権を維持する。海はパンチ、前蹴りが空を切り続ける。扇久保は最後まで動きを切らさずパンチとタックルで攻め続け終了。記者採点もジャッジも扇久保。扇久保が完勝でリベンジと優勝を果たした。
扇久保は「何回も格闘技辞めようと落ち込んだ時もあったんですけど続けて良かったです。一言だけ言いたいんですけど、ずっとここまで僕を支えてくれた彼女の京香さん、本当に支えてくれてありがとう。もし良かったら僕と結婚してください」と話すと、客席にいた京香さんはOKサインを出し、扇久保は「ありがとう。良かった。必ず幸せにします」と話した。表彰式では京香さんもリングに上がって抱き合い、扇久保は京香さんにキスをし、場内は和やかなムードに包まれた。
扇久保はこの優勝で、優勝賞金1千万とRIZINバンタム級王者・堀口への挑戦権を獲得。堀口とは13年と18年に対戦しいずれも敗れている。大会後のインタビューで扇久保は今後の展望について聞かれ「堀口選手ともう一度やるのが目標ですし、来年コロナが明けて海外の強い選手が入って来れば日本代表として迎え撃ちたい」と話している。堀口はベラトールのバンタム級GP参戦が決まっているため、そのスケジュールとの兼ね合いが必要になるだろう。
なお、敗れた海は、大会後のインタビューで「それが原因で負けたわけじゃないですけど、準決勝で右拳を骨折しました」と明かしつつ「負けたのは完全に自分の実力不足です」と完敗を認めている。
矢地祐介、粘るもサトシが今回も完勝。サトシはベラトール参戦を熱望
第15試合 MMA RIZINライト級(71kg)タイトルマッチ 5分3R
○ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル/ボンサイ柔術/王者、元REALスーパーライト級(74.2kg)王者/70.9kg)
×矢地祐介(フリー/挑戦者、元修斗環太平洋&PXCフェザー級王者/70.85kg)
2R 3’30” 腕ひしぎ三角固め
※ソウザが初防衛
サトシは昨年8月の横浜大会2DAYS初日では矢地に1R TKO勝ちし、今年3月の名古屋大会では、徳留一樹を1R三角絞めで仕留めると、6月の東京ドーム大会でのライト級初代王者決定戦でトフィック・ムサエフに1R三角絞めで勝利しベルトを巻いた。今回、ジョニー・ケースとの初防衛戦が計画されていたが、新型コロナウイルスのオミクロン株の水際対策の影響で、日本人との試合となった。
矢地は昨年8月からサトシ、大原樹理に連敗したが、練習拠点をロータス世田谷に移すと成長を遂げ、6月の大阪大会では修斗ライト級世界王者の川名TENCHO雄生に、9月の埼玉大会ではDEEP同級王者の武田光司に判定勝ちし連勝すると、サトシのライト級王座への挑戦を熱望していた。
1R、サトシが右フックを当てながら組み付き、コーナーに押し込んでから倒し、グラウンドでバックを狙い続けて早速主導権を握る。矢地は必死に防御し、トップに戻したり立ったりするが、サトシは組み付いたまま離れない。中盤、矢地が上になるが、サトシは三角絞めを狙いながらリバースして上に。最後はマウントを取り、パウンドを連打し、矢地が耐えて終える。
2Rもサトシがパンチを振りながら組み付いて、序盤から簡単に上に。ハーフで押さえ続ける。中盤、アームロックを狙いつつ、サイドに移ると、三角絞めを仕掛けながら腕十字を極めタップを奪取。矢地は前回よりは粘ったが、今回もサトシの完勝であることに変わりは無かった。
サトシは「(RIZINの運営会社の)榊原(信行)社長にお願いです。私も堀口選手と同じになりたい。ベラトールと戦いたい。ダブルチャンピオンになりたい」と日本語でアピールした。
朝倉未来、斎藤裕から左フックでダウン奪いリベンジ
第14試合 MMA フェザー級(66kg) 5分3R
×斎藤 裕(パラエストラ小岩/元RIZIN&修斗世界フェザー級王者)
○朝倉未来(トライフォース赤坂/元THE OUTSIDER 65-70kg級・60-65kg級王者)
判定0-3 (片岡=朝倉/松宮=朝倉/大藪=朝倉)
未来は昨年11月の大阪大会でのRIZINフェザー級初代王座決定戦で斎藤裕に判定負け。大晦日に弥益ドミネーター聡志に1R KO勝ち。6月の東京ドーム大会ではクレベル・コイケに2R三角絞めで一本負けした。10月のRIZIN LANDMARKでの再起戦では萩原京平に判定勝ちした。11月20日のABEMA「朝倉未来にストリートファイトで勝ったら1000万円」で左膝半月板を痛めていたが、大晦日出場を表明していた。
斎藤は修斗の世界王者として昨年8月からRIZINに上がり、2戦目で未来に判定勝ちしRIZIN王者に。6月の東京ドーム大会ではヴガール・ケラモフに判定勝ち。10月の横浜大会ではRIZIN初参戦のDEEPフェザー級王者を相手にRIZIN王座の初防衛戦を行ったが、2Rの牛久の左の飛び膝蹴りで右まぶたをカットしドクターストップがかかり、ベルトを失っていた。
1R、未来がサウスポー、斎藤がオーソドックスに構え、お見合いを続け、中盤、斎藤が組み付いてコーナーに押し込むが、膠着ブレイクがかかる。終盤、斎藤の右ローが軽くローブローとなり一時中断。再開後、斎藤が左ジャブを一発当てるが、その先は続かず終わる。まだ差はほとんどない。
2R、斎藤が右ボディを当て、腰を下げるフェイントを時折見せ、タックルを仕掛け一瞬倒すが、すぐ未来は立ち、斎藤がコーナーに押し込む。離れると、しばらくお見合いが続くが、右フックの相打ちで未来の右フックがクリーンヒット。一瞬斎藤の腰が落ちると、未来はさらにじわじわ詰めて左フックを当て、斎藤をダウンさせる。斎藤は鼻血を出し苦しそう。未来はパンチラッシュ後、組んできた斎藤を潰して上になり、バックマウントも伺い、上から押さえて時折パウンドを当てる。斎藤は鼻血を出し苦しそうだ。
3R、しばらくお見合いの後、未来が最近多用する、腕を上下に広げるニータップでのタックルでテイクダウンを奪う。コーナー際で押さえ、斎藤がすぐ立ち、コーナーに押し返すが、未来の膝がローブローとなり一時中断する。離れて再開後、斎藤はタックルを繰り返すが、未来は切り続け、終盤にはタックルを潰して上に。ハーフで押さえながら、斎藤の顔にパウンドと膝を当て続けて終了する。記者採点は未来。ジャッジ3者も同様で、未来が見事完勝でリベンジに成功した。
未来は「強気な性格ですけど、毎日悪夢を見るぐらいのプレッシャーに耐え、勝つことができたのでうれしいです」と喜びを語り「斎藤選手、強いですし、絶対負けたくないと思って戦いました。練習からキツいことをやったので、強くなったのは斎藤選手のおかげです」と斎藤を称え「コロナとかあるんですけどまた大勢の前で試合できて幸せです。テレビの前で見ている人にも格闘技は素晴らしいと伝えたいです」とアピールした。
バックステージでのインタビューで未来は「ミット打ちを毎日続けて、打撃が0点何秒速くなって、近い距離に自信が持てるようになって、プレッシャーが強くなり、カウンターも入りやすくなった。ウェイトトレーニングと組み技のスパーリングで組み力もついた」「(打撃は)スパーリングだけやっていた頃と全然違う」と、前回の斎藤戦の敗戦以降の取り組みの成果を語った。斎藤も「(未来が)前と比べて全体的にパワーがついている印象でした。自分がいい組手でもコントロールできなかったんで」と未来の成長を認めた。未来は今後戦いたい相手について「誰でもいつでもいいですし、できればクレベル選手か牛久選手とやりたい」と話している。
那須川天心、RIZINラストマッチ後に涙。武尊も登場
第13試合 スタンディングバウト特別ルール(非公式戦) 3分2R
―那須川天心(TARGET/Cygames/RISE WORLD SERIES 2019 -58kgトーナメント優勝、RISE世界フェザー級(57.15kg)王者、ISKAフリースタイル世界フェザー級(57kg)王者、ISKAオリエンタル世界バンタム級(55kg)王者/62kg)
―五味隆典(イーストリンカンラスカルジム/元PRIDEライト級(73kg)王者、元修斗世界ウェルター級(70kg)王者/75.3kg)
勝敗無し
天心は16年末のRIZINでのMMA 2連戦をきっかけに世間の認知度を高め、RIZINではキック9試合、MMA 4試合、ミックスルール1試合を経験しいずれも勝利(ボクシング形式のエキシビションマッチも2大会で4選手相手に経験)。1週間前の発表の通り、来年6月の武尊戦を最後にキック引退・ボクシング転向が決まっており、残すは大晦日のRIZIN、4月のRISEと合わせ3試合のみ。エキシとはなったが、今回がRIZINラストマッチとなる。
五味は昨年大晦日のRIZINでの皇治とのボクシング形式の試合で判定勝ちして以来のRIZIN登場。現在43歳。天心も前回RIZIN出場した6月の東京ドーム大会では3選手とのボクシング形式のエキシを行っており、両者ともボクシング形式でのRIZIN連続出場となる。
1R、天心がサウスポーに構え、スピードを生かし、左ボディを中心に時折パンチの連打をまとめる。五味はフックを返すが、天心はもらってもポイントをずらし、多くは頭を振ってかわす。
2Rも途中まで天心ペースだったが、中盤から五味が右ボディを2発当てると、天心は動きが落ち、五味がクリンチから押し込んでタックルのようにマットに倒す一幕も。終盤には五味のジャブ、フックのヒットが増え、天心が耐えながら必死にパンチを返す展開で終了。幸い大きなダメージはなかったとはいえ、やや天心が押され気味で終わった。
五味は「俺、いくつだと思ってんだよ、榊原さん。2週間前のオファーで天心とやらせるなよ。2週間じゃダメだよ、2か月じゃなきゃ」と、自身の「判定ダメだよ、KOじゃなきゃ」の決めセリフをもじって観客を楽しませ、「天心、武尊はもっと強いよ。武尊君といい試合して盛り上げてもらえるように」と、来年6月のビッグマッチでの好勝負を期待した。
天心は「体格差というよりプライドが拳に宿っていました。ちょっと寂しくもあり、色んな気持ちの混ざった試合でした」と話しすと「本当、RIZINが大好きで」と話して涙を流し「何物でもない僕にチャンスを与えてくれた榊原さん、快く送り出してくれた(RISE代表の)伊藤(隆)会長、チームの皆さん、ありがとうございます。あと2試合、4月のRISEと6月の武尊選手との試合が残っています。RIZIN代表として勝ってキックボクシングを卒業します。あと子供たちに伝えたいですが、僕は色んな人に止められましたが、何でも挑戦すれば、人の決めた限界を超えられます。僕は学校や大人が教えないことを伝えたいです。これから何があっても信念を持って貫いてください」とアピールした。
また、最後に五味は「僕がPRIDEで初めてここのリングに上がった時、リングに上がったて最初に喜んでくれた木口宣昭先生が先日亡くなりました。ルミナ選手、マッハ選手、KID選手、僕を育てた偉大な先生がいたことを皆さんに気持ちに留めて欲しいです。天国の木口先生が喜んでくれていると思います。天心、これからもがんばれよ」とも話した。
その後、会場が暗転すると、1週間前の天心×武尊の会見映像を使った紹介映像が流れてから、武尊がいつもの入場テーマに乗って、花道からリングイン。武尊は「来年6月に那須川天心選手と試合を決定することができました。K-1でもRIZINでもRISEでもなく、中立な新しいリングを作るという、格闘技界が一つになるきっかけになる試合になります。日本格闘技史上最高の試合が並んで、日本格闘技史上最高の試合にして必ず勝ちます。天心選手、待たせたので、6月は最高の果し合いをしましょう」と話した。
天心は「しんみりモードから切り替えが大変なんですけど、皆さんが待っていた試合が決まって僕もワクワクしています。来年キックを引退しますけど、これ見なきゃ終われないと皆さんも思いますよね。武尊選手とは元々階級が一緒で、僕から対戦要求して、僕から始めた物語なので、僕が終わらせます」と話した。両者の間に立った榊原氏は「(6月の天心×武尊の)会場は年明けに発表します」と明かした。
なお、全試合終了後には、天心の「RIZIN卒業式」が行われ、改めて天心がRIZINやファンに感謝の言葉を述べ、最後は選手たちに胴上げされた。
パク・シウ、RENAとの接戦制す
第12試合 MMA 女子50kg契約 5分3R
×RENA(シーザージム/シュートボクシング女子世界フライ級(51kg)王者)
○パク・シウ(韓国/KRAZY BEE)
判定0-3 (片岡=パク/大藪=パク/松宮=パク)
RENAは昨年9月の埼玉大会で富松恵美に勝利後「あと2・3試合で、このリングから降りようと思っています」と話していたが、その後、残り試合数にこだわらず戦い続けることを表明。11月の沖縄大会では山本美憂と5年ぶりに再戦し、2R、美憂のタックルのカウンターで右膝蹴りをクリーンヒットしダウンさせると、パウンドでTKO勝ちし返り討ちに成功している。
シウはRIZIN初参戦。韓国出身だがDEEP JEWELSを主戦場とし、コロナ禍の影響で韓国との行き来が難しくなったため、昨年12月の試合以降は日本に定住し、美憂のいるKRAZY BEEを練習拠点にしている。これまで富松、青野ひかる、大島沙緒里に勝利。昨年6月の大島との再戦では1R腕十字で敗れリベンジを許した。10月には49kgに体重を上げて伊澤星花と対戦し判定負け。キックボクシングがベースのため、RENAとの打撃戦が見ものだ。
1R、スタンドの打撃戦で、RENAは左インロー、シウは右ストレートを随所でヒット。シウのヒットが少し増えると、シウは組んでコーナーに押し込み、左膝とパンチを細かく当てる。終盤、RENAが押し返すと、左ボディを強打。離れたシウは少し苦しそうな表情を浮かべる。
2R、パンチを打ち合った後、RENAがシウを押し込む。離れると、シウはタックルでテイクダウンを奪う。シウは立ち上がり際、RENAの顔に膝をヒット。パンチの打ち合いでは、RENAが左ボディを強打し、膝も当てる。中盤、RENAが首投げを決めるが、すぐシウが立つ。その後もパンチの打ち合いと組んでの攻防が繰り返され、どちらも一歩も引かない。
3R、シウの疲れが見え始めると、RENAがパンチと膝のヒットを少し増やしやや優位に。序盤と中盤にはテイクダウンに成功。序盤は猪木アリ状態になるとシウを立たせたが、中盤は中に入ると、シウの蹴り上げを連続もらって印象を悪くする。終盤、ブレイクでスタンドに戻り、組みとパンチの攻防が繰り返されるが、差の乏しいまま終了する。記者採点はパンチの有効打で上回ったRENAとした。ジャッジは3者とも蹴り上げを評価したか?シウを支持し、シウの判定勝ちとなったが、僅差の内容で、どちらについても不思議ではない試合だった
伊澤星花、プロ5戦で絶対王者・浜崎朱加を圧倒
第11試合 MMA 女子スーパーアトム級(49kg)(ノンタイトル戦) 5分3R
×浜崎朱加(AACC/RIZIN女子スーパーアトム級(49kg)王者、元INVICTA世界アトム級(47.6kg)王者、元JEWELSライト級(52kg)王者)
○伊澤星花(フリー/DEEP JEWELSストロー級(52.2kg)王者)
2R 2’50” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
浜崎は3月の名古屋大会で浅倉カンナに判定勝ちし王座初防衛。9月の埼玉大会ではパンクラス女子ストロー級王者の藤野恵実に判定勝ちした。
伊澤は中学時代にレスリング全国中学生選手権で優勝し、高校時代に柔道でインターハイ3位に入賞。昨年6月からMMAを始めたばかりだが、今年6月のDEEP JEWELSで本野美樹に1R 腕十字で一本勝ちし、プロ3戦目でEEP JEWELSストロー級王座を獲得した。10月のDEEPではRIZIN女子スーパーアトム級と同じ49kgに体重を落とし、パク・シウに判定勝ちしている。
1R、伊澤が開始すぐからタックルを仕掛け、押し込むなどしてテイクダウンを狙い続ける。中盤に伊澤が倒すが、浜崎はすぐにリバースして上になる。だが伊澤は下から足を登らせつつ、パウンドを狙う浜崎を再三下から蹴り上げる。さらには蹴り上げの連打でひるませて、脱出して上になると、最後はギロチンチョークを狙って追い詰める。
2R、浜崎がテイクダウンを奪うが、伊澤はギロチンで迎撃。外されても下から三角絞めを仕掛け、鉄槌を連打し浜崎を追い詰める。そのままリバースして三角絞めの状態をキープしたままマウントポジションを奪うと、肘打ちを連打する。最後はパウンドを連打し、浜崎が動けずもらいっぱなしになったところでレフェリーがストップした。
プロ5戦全勝でRIZIN王者越えを果たした伊澤が「MMAを1年半しかやっていないですけど」と話し出すと、場内はどよめく。続けて伊澤は「本気で世界で一番強くなりたいです。藤井恵さんや浜崎さんは“ジョシカク”って言葉が嫌いと言っていますが、私は凄く過ぎです。でも男子格闘技が上と見られるのが悔しくて、女子でもこれだげ技術があってしなやかな動きができる魅力があるので、もっとジョシカクを引っ張って、男子に負けないぐらいの競技にしたいので、これからも伊澤星花の応援をお願いします」とアピールした。
武田光司、ベイノアの打撃耐え一本勝ち
第10試合 MMA ライト級(71kg) 5分3R
○武田光司(BRAVE/DEEPライト級王者)
דブラックパンサー”ベイノア(極真会館/RISEウェルター級(67.5kg)王者、元J-NETWORK同級王者、極真会館全日本ウェイト制2018軽量級優勝)
2R 4’12” 腕ひしぎ十字固め
武田は昨年9月に修斗ライト級世界王者の川名TENCHO雄生に、3月の名古屋大会ではパンクラス同級王者の久米鷹介に判定勝ちし4連勝としていたが、9月の埼玉大会では矢地祐介に判定負けしている。
空手家にしてキックボクサーのベイノアは、6月の東京ドーム大会でのMMAデビュー戦で弥益ドミネーター聡志に判定負けしたが、11月20日の沖縄大会ではロクク・ダリに3R右フックでKO勝ちし、MMA初白星をもぎ取った。
1R、武田がサウスポーで圧をかけると、ベイノアは右ミドルを当て続ける。クリンチから右肘も当てるが、そのまま武田が組み付くと、ジャーマンスープレックスで倒し、グラウンドでベイノアを追い詰める。アームロック、マウントパンチで攻め続け、立たれても高く抱え上げ、頭から落とし場内を沸かせる。
2R、ベイノアが右フックで武田をダウンさせるが、武田はすぐ立ち、中盤に倒してまたも上に。今度はコーナー際でじっくり押さえて追い詰めてから、腕十字を極めタップを奪った。
関根“シュレック”秀樹、初の大晦日は逆転勝ち
第9試合 MMAルール ヘビー級(120kg) 5分3R
×シビサイ頌真(パラエストラ東京/巌流島/111.05kg)
○関根“シュレック”秀樹(ボンサイブルテリア/118.15kg)
2R 2’09” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
シビサイは6月の東京ドーム大会でスダリオ剛に3R裸絞めで一本勝ちし、RIZIN 3連勝。
関根は昨年2月のRIZIN浜松大会でロッキー・マルティネスに1R KO負けして以来のRIZIN出場で、以降はDEEPで1敗のあと2勝している。現在48歳。
1R、関根は開始すぐから引き込むが、シビサイは立ち上がり、立ち際の膝やサッカーボールキック、スタンドでのパンチ連打で関根を苦しめる。関根は終盤、バックドロップで倒し、上になって叫びながらパウンドを落とす。
2R、関根は叫びながらパンチを振るうが、スタミナが切れ、力が入らず、空振りが続く。だがシビサイもガス欠で、攻撃が出せず。両者ともスタミナ不足を露呈する。だがその中、関根がテイクダウンを奪うと、サイドで押さえ、鉄槌を当て続ける。当たりは浅いが、シビサイが抵抗できずもらい続けていると、和田レフェリーがストップ。関根の逆転勝ちとなった。
萩原京平、鈴木博昭に判定勝ちも寝技で攻めきれず
第8試合 MMA フェザー級(66kg) 5分3R
○萩原京平(SMOKER GYM)
×鈴木博昭(BELLWOOD FIGHT TEAM/ボンサイ柔術/元シュートボクシング世界スーパーライト級(65kg)王者)
判定3-0 (松宮=萩原/大藪=萩原/片岡=萩原)
萩原は10月のRIZIN LANDMARKで朝倉未来に寝技で持ち味を封じられ判定負け。11月28日のRIZIN TRIGGER 1st神戸大会では昇侍の組み技を防御すると、2Rに右ストレートでダウンさせてからのサッカーボールキックでTKO勝ちしている。
鈴木はシュートボクシング(SB)のエースとして活躍後、18年からはONE Championshipに上がり3戦2勝1敗。ボンサイ柔術勢との交流をきっかけに寝技の練習を重ね、10月のRIZIN LANDMARKで36歳にしてMMAデビューすると、レスリング出身のプロレスラー・奥田啓介を顔面への左膝蹴りで1R KOした。
1R、鈴木はサウスポーで構え、左のインローを度々当てる。萩原はある程度カットしつつ、右テンカオ、上段後ろ廻し蹴りを時折出すが、当たりは浅い。まだお互い決め手に欠ける。
2R、スタンドの打撃戦で、鈴木が左フックを当てるが、なかなかその先につながらず。中盤、萩原が組み付いてテイクダウンに成功する。ハーフ、サイドで押さえ。主導権を握るが、あまりパウンドは打てず。攻勢にはなったが今一つ攻めきれない。鈴木も立ち上がることができない。
3R、序盤から鈴木の蹴り足をすくって萩原がテイクダウンに成功。トップキープするが、攻めあぐね終了する。記者採点は萩原。ジャッジ3者も順当に萩原を支持し萩原が勝利したが、見せ場に欠ける内容で、鈴木と共に課題が多く見える試合となった。
YA-MAN、皇治との殴り合い制す
第7試合 キックルール(つかんでからの攻撃は1回。肘無し) 62kg契約 3分3R
×皇治(TEAM ONE/元ISKA K-1ルール世界ライト級(61kg)王者)
○YA-MAN[ヤーマン](TARGET SHIBUYA/RISEライト級(63kg)9位)
判定0-3 (大藪29-30/片岡30-30/和田28-30)
皇治は昨年K-1を離れRIZINに戦場と移したが、昨年9月の那須川天心戦、大晦日の五味隆典戦と2連敗。今年6月の大阪でのトーナメントでも梅野源治戦はバッティングによるノーコンテスト、決勝は白鳥大珠に判定負け。11月の沖縄大会では祖根寿麻に判定勝ちし、RIZIN 5戦目で初白星をもぎ取った。これで2年連続大晦日出場が内定すると、試合後のマイクでは「シバターでも、大雅でも、誰でしたっけ、こないだ試合したピーマン(=YA-MAN)でも誰でもいいですよ」と話し、YA-MANも候補に挙げていた。
YA-MANはRIZIN初参戦の25歳でキック12戦9勝(3KO)3敗。RISEを主戦場とし、今年5月のオープンフィンガーグローブ(OFG)着用特別ルールの試合に抜てきされ、山口侑馬をKOすると脚光を浴び、9月のOFGマッチでも北井智大を秒殺KO。11月のRISE大阪大会では通常グローブ着用で中村寛と激しい打ち合いを繰り広げた末に判定勝ちし、中継の解説を務めた天心もYA-MANの闘志を絶賛していた。その試合後のマイクアピールでは、薬物中毒で刑務所に入った父親、父親からの養育費を持ち逃げした母方の祖父母、YA-MANを一人で育てた母のエピソードを明かしたことでも話題になっていた。
1R、しばらくお見合いの後、バッティングとなり、さらに皇治の左ローがローブローとなり、一時中断する。皇治に注意。再開後、YA-MANは意を決したようにロープに皇治を詰め、左ボディ、右フック等のパンチラッシュを仕掛けるが、またもバッティングに。皇治に警告。再開後、パンチ主体の打ち合いが続き、YA-MANの手数が上回る。
2R、パンチ主体の打ち合いの中で、YA-MANが右ローを絡めつつ、左フック、右アッパーを度々ヒット。皇治も右テンカオ、フックを返すが、被弾する場面のほうが多く、手数でも差を付けられる。
3Rもお互いパンチを打ち合う。YA-MANは2Rまでよりは精度は下がるものの、手数では上回り、優位を維持し終了。記者採点は1Rと2RにYA-MANにつけ28-30でYA-MAN。ジャッジ1者は30-30と意外な採点だったが、YA-MANが2者に順当に支持され判定勝ちした。
YA-MANは「底辺からここまで来ました。僕が伝えたいことは一つ。どんな環境からでも成り上がれるんで、今キツい人は道を切り開いてください。僕は切り開きました」と涙ながらにアピールした。
シバター、体重差活かし久保優太から一本
第6試合 MMA特別ルール 90kg契約 3分2R
○シバター(フリー/88.65kg)
×久保優太(PURGE TOKYO/BRAVE/元K-1 WORLD GPウェルター級(67.5kg)王者/76.2kg)
1R 2’16” 腕ひしぎ十字固め
※判定決着無し。時間切れの場合はドロー。ただし減点割合(イエローorレッドカード)に差が生じた場合、減点割合の少ない選手が優勢勝ち。15kg以上差があってもグラウンド状態での足および膝による頭部・顔面への攻撃が有効。
シバターは昨年大晦日大会で、久保と同じくK-1出身のHIROYAと、キックボクシングとMMAのミックスルールで対戦し、2R腕十字で一本勝ちして以来のRIZIN出場。昨年同様、フジテレビの中継での高視聴率獲得を期待されての起用だ。
久保は昨年6月にはボクシング転向とK-1王座返上を表明したが、MMAに転向し、今年9月の太田忍と対戦し、グラウンドで押さえ込まれ続け判定負けしている。
1R、久保がサウスポーからの左ミドル、ローを当てると、シバターはプロレスラーのリック・フレアーのように膝立ちで許しを請うポーズを取ったり、走って背中を向けて逃げたりし、場内の笑いを誘う。だが久保の蹴りの打ち終わりに、右フックを当てると、久保がダウン。体重差が如実に出る形となり、その後も右フックで久保をひるませる。久保は首相撲からの膝の連打で挽回を狙うが、シバターはひるまない。シバターは飛びつき腕十字を仕掛けて極めると、久保はしばらく耐えたが、久保陣営がストップを要請するバトンをリングに投げ入れ、シバターの勝利となった。
太田忍、祖根寿麻を圧倒
第5試合 MMA バンタム級(61kg) 5分3R
×祖根寿麻(ZOOMER/修斗バンタム級世界6位・元環太平洋王者、元DXFC&TENKAICHI MMA同級王者)
○太田 忍(パラエストラ柏/2016年リオ五輪レスリング・グレコローマン59kg級銀メダル)
2R 3’55” TKO (レフェリーストップ:グラウンドキック)
祖根は3年前からRIZINに上がり、元谷友貴、ジャスティン・スコッギンスに敗れ、今年3月の名古屋大会では獅庵に1R KO負け。その間の修斗やRoad to ONEでも岡田遼、根津優太、後藤丈治に敗れているが、今年1月には石原夜叉坊に判定勝ちしている。11月には故郷沖縄のRIZINに上がり、キックルールで皇治と対戦し判定負けしている。
太田は昨年大晦日大会でMMAデビューし、所英男に2R腕十字で一本負け。今年に入り、扇久保博正・浅倉カンナらと同じパラエストラ千葉ネットワークのパラエストラ柏に加入し、元K-1王者の久保優太をテイクダウンからのトップキープで圧倒し判定勝ちし、MMA初白星をあげている。
試合は高いポテンシャルを持つ太田、負けの込んでいる祖根の差が如実に表れる内容に。1R、太田がかんぬきからの後ろへの投げや、タックルでテイクダウンを重ね、祖根が下から腕十字を狙えば抱え上げて外す。最後はサイドで押さえて頭に膝を当て、優位を維持する。
2R、太田がバックハンドブローを当て祖根をダウンさせる。下になった祖根が足関を狙うが、太田は対処して上をキープする。またもサイドで押さえ膝を当てると、最後は立って上からサッカーボールキック、踏みつけを連打したところでレフェリーがストップした。
カズJr. 三浦孝太、MMA初戦はTKO勝ち
第1試合 MMAチャレンジルール(踏みつけ・4点膝禁止) フェザー級(66kg) 3分3R
○三浦孝太(BRAVE/65.6kg)
×YUSHI(HI ROLLERS ENTERTAINMENT/62.45kg)
1R 3’00” TKO (レフェリーストップ:サッカーボールキック)
三浦はサッカー元日本代表で“キング・カズ”こと三浦知良の次男で19歳。数年前からキックボクシングを習い、今年春の高校卒業後、MMAでプロを目指しBRAVEの内弟子に。9月のRIZIN埼玉大会でリングに上がり、大晦日のプロデビューを表明していた。ブラジル人選手が対戦相手として計画されていたが、コロナ禍の水際対策の影響で来日できず、日本人との試合になった。
YUSHIもプロデビュー戦で33歳。ホストが出場する、いわゆる地下格闘技大会の「宴」で王者になったことがあり、ボディビルダーやモデルとして活動している。
1R、開始すぐからのパンチの打ち合いで両者被弾する。YUSHIは鼻血を出し、タックルで倒すが、三浦は倒れつつギロチンチョークで迎撃する。一瞬落ちたかに見えたが、和田レフェリーは続行。その後もギロチン、横三角絞め、腕十字で追い詰める。いずれも極めが甘かったが、最後は立たせると、父譲りではないがサッカーボールキックを胸元に当てると、背中を向けロープ際に向かってひるんだYUSHIに、パンチで襲い掛かったところでレフェリーがストップした。試合後はリングサイドの両親と抱き合って勝利を喜んだ。マイクを持つと「これから格闘技界で“キング”になります」とアピールした。
RIZIN TRIGGER 2.23 静岡エコパアリーナにクレベル・コイケ出場。平本蓮、2月のRIZIN LANDMARKでの萩原京平との再戦を希望