那須川天心×武尊がついに決定。舞台は22年6月、58kg契約。RIZIN榊原氏が総合プロデューサーに
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
センチャイムエタイジム
中野駅徒歩9分。本場のムエタイ、教えます。まずは見学・体験を!
K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者・武尊とRISE世界フェザー級王者・那須川天心が、2022年6月に対戦することが正式に決まった。12月24日正午からの東京ドームホテルでの記者会見で発表された。15年8月1日のBLADEのトーナメントで天心が優勝後に武尊との対戦を希望してから約7年。幾多の波乱を経て、ようやく両巨頭の対決が実現する。
キックボクシングルール(つかんでからの攻撃は1回。肘無し) 58kg契約(当日62kg) R数未定
那須川天心(TARGET/Cygames/RISE WORLD SERIES 2019 -58kgトーナメント優勝、RISE世界フェザー級(57.15kg)王者、ISKAフリースタイル世界フェザー級(57kg)王者、ISKAオリエンタル世界バンタム級(55kg)王者)
武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級(60kg)王者)
日本キックボクシング界の2大スター、武尊と天心の対戦は、長年ファンから望まれながらも団体間の壁があり実現しなかった。だが、昨年大晦日のRIZINさいたまスーパーアリーナ大会を武尊が突如訪問し、天心の試合を観戦したことをきっかけに実現ムードが一気に高まった(下写真)。
今年3月のK-1日本武道館での武尊のレオナ・ペタス戦には、逆に天心が観戦に訪問。RIZINの仲介で、6月13日の東京ドームでの武尊と天心の対戦が計画されたが、武尊がレオナ戦で右拳を負傷し、先送りとなっていた。天心はキックボクシング引退とボクシング転向を控えており、残された試合の場はRIZIN大晦日大会と来年4月2日のRISE代々木競技場第1体育館大会の2つのみとされてきた。タイムリミットが迫る中、榊原信行RIZIN CEOは長らくノーコメントを貫いたが、天心にキック引退の先延ばしを提案し、天心も受け入れ、来年6月実現という形でようやく整った。クリスマスイブの発表会見には約70社・約100名のマスコミが取材に訪れ、世間一般を含めた注目度の高さが反映されていた。
登壇者のコメント要約
◆榊原氏
夢のカードと言うと安っぽくなりますけど、世紀の一戦が決まりました。調整はここからです。試合の場はRISEさんでもK-1でもRIZINでもないです。新しい格闘技をイベントを立ち上げ、制作委員会を作り、私が総合プロデューサー的な立場で作り上げます。
体重は前日計量58kg、翌日4kg戻りまでで当日計量62kgです。ルールはワンキャッチ・ワンアタック(=つかんでからの攻撃は1回)のキックルールです。レフェリー、ジャッジの基準も明確化します。できればラウンドごとに10-9や10-10とか見える化したいです。
日時と会場は6月某日で、日本で一番インパクトとスケール感のある会場で最終調整します。(会場候補は)これからです。24時間前に最終調整して今日発表できました。東京ドームもですし、ワンチャンで国立競技場とかもあると思います。
(来年6月の大会のアンダーカードは?)中立な舞台ですから、各団体の垣根を超えたマッチアップにしたい。RISE、K-1、RIZINもですし、その他の団体も含めて、ファンが期待するカードをラインナップしたい。
(天心の大晦日の相手は?)明日、別会場での会見で発表します。
◆武尊
中立の舞台ですることが意味のあることと言い続けて、中立なリングで実現するのがうれしいです。ファンの人達、応援してくれる人達、K-1の後輩たち、色々な人達の気持ちを背負って、この試合、必ず勝ちます。
(天心をどう思っていたか)この試合が実現できなくて、色々な溝が生まれ、存在を恨んだ時期もありましたが、天心選手がいたからここまでやってこれたという、今は感謝の気持ちが大きいです。
(6月までに試合をする?)今年の大晦日に向けて追い込みと体作りをやってきたので、他の相手が頭に浮かばないですけど、前回(3月)の試合やってから1年以上開いてしまうので、6月までにどこかで一戦挟みたいです。
(ルールと体重について)この体重に合わせて作りたいです。いつもやっているルールと違うので、半年かけて調整します。ラウンド数はこれから決まると思いますけど、この試合に判定とかドローという結果はいらないと思うので、延長無制限ラウンドでやりたいです。僕はこれまで延長に行ったことがないですし、おそらく本戦で決まると思いますが、完全決着ルールを希望します。
(相手より優っている点、警戒している点)天心選手は素晴らしいファイターで、トップで、コンプリートファイターですが、気持ちで負けなければ絶対勝てるとこれまでの試合で体現してきました。気持ちでは絶対的に自信があります。
(年齢的にラストマッチになるか?)いつもそのつもりで上がっていて、1回でも負けたら引退する気持ちです。年齢的にと言われますけど、今が一番強いです。
(この一戦決定までに譲れなかった点)どこかの団体(の値打ち)が落ちたり、格闘技界が落ちたりしたら、この試合をやる意味が無いと思っていました。僕のせいでこれまでK-1やK-1ファイターが批判され、逆のこと(=天心側が批判されること)もあったと思いますが、これで無くなると思います。RIZIN、RISE、K-1、他の団体全員が、みんなで上がるための試合にならないと意味がないと思うし、そこが一番こだわっていた部分です。この試合を見て格闘技は面白いって気付く人がたくさんいると思うので、格闘技界がもっとデカくなると思います。
◆那須川天心
皆さんメリークリスマス。クリスマスイブに発表できてうれしいです。最高のクリスマスプレゼントを渡せたと思います。昔からやりたかった試合ですし、団体同士の色々があってできなくてというのが続いたんですけど、中立な舞台で試合できることがうれしいです。
4月でキックボクシング引退のはずでしたけど、この試合のために6月に延ばすことで、格闘技を好きな人にはうれしいと思います。何だよと思う人もいると思いますし、ボクシングやテレビの関係者に申し訳ない気持ちもありますが、最後のけじめとして勝ってキックボクシングを引退しようと思います。
(武尊をどう思っていたか?)ONE PIECEとNARUTOみたいに交わらないと…、違うか、ディズニーとユニバの世界が交わるというか、別の世界で作ってきたのがやっと交わるという感じです。
- 12月24日の会見での那須川天心(左)と武尊
(大晦日のRIZINは出る?)大晦日は出ます。4月の(RISEの)試合も出ます。言った以上格闘家として男としてやらないといけないことなので、そこから(武尊との)試合を迎えます。
(相手より優っている点、警戒している点)一発があって、圧力はあるんですけど、そこはしっかり対策します。優っている部分はいっぱいあるんですけど、マインドですかね。(もうちょっと噛み砕いて言うと?)まあそこは雰囲気で(笑)。
(武尊は無制限延長Rを希望しているが?)関係者やチームで相談して決めてもらえればなと思います。ただ本戦で決着すると思いますし、ジャッジやレフェリーを悩ませない、一番いい終わり方はKOじゃないですか。皆さん期待してください。
(この一戦決定までに譲れなかった点)来年4月にキックを引退すると言っていましたが、榊原さんから引退を延ばしてくれと提案されて、まさかそれ来るか、しつこいなというか、その発想ないよねというのが凄いありました。でもみんなが(武尊戦を)見たいと思ってくれているし、調整してやっと決まりました。譲れない点というのは、ファイターとしてやっぱり強い相手と戦いたいというか。最近はずっと挑戦を受ける立場で、どうせ勝つだろうとか言われて、モチベーションが上がらない中、武尊選手との試合が決まって、久々にチャレンジャーというか、やってやるよって気分になりましたね。あと、武尊選手も言っていたんですけど、K-1、RISE、RIZIN、誰も下がらないよう、平和で行こうよと思いましたね。団体だけじゃなく、フジテレビ、ABEMAの放送の問題とか、全て仲良くピースでいこうよと思います。いがみ合いを無しにして、全部整えて置き土産にして、勝ってキックを去りたいなという気持ちはあります。