RIZIN 5.31 韓国(レポ):ホベルト・サトシ・ソウザ、キ・ウォンビンを50秒裸絞め葬。佐藤将光、キム・スーチョルに判定勝ちし13年越しリベンジ。金太郎・武田光司・中原由貴、韓国勢にKO負け
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RIZIN WORLD SERIES in KOREA
2025年5月31日(土)韓国・仁川(インチョン)広域市:インチョンパラダイスシティ
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)RIZIN FF
中継:ABEMA、U-NEXT、RIZIN 100 Club、RIZIN LIVE(当日5,500円/アーカイブ3,300円)、スカパー(5,500円)
RIZIN、初の韓国大会を開催
RIZINの海外大会は、23年11月のアゼルバイジャン大会以来2度目。韓国大会にはROAD FC、BLACK COMBAT、ZFN(コリアンゾンビことジョン・チャンソン主催)等といった韓国の各プロモーションの推薦選手が赤コーナー側に集まり、青コーナー側のRIZIN推薦選手との対抗戦を行う構図で、11試合が行われた。
試合場はRIZIN LANDMARKシリーズ同様にケージを採用(ただしROAD FCのケージを使用し、通常のRIZINで使用しているケージよりは小さめ)。会場となるカジノ内のホールのキャパシティは約2千人と、通常のRIZINの地方大会と比べても少な目だ。
RIZINの榊原信行CEOは4月16日の韓国での記者会見で「一回だけの思い出作りで韓国で大会を開くということではなく、今回がキックオフです。熱が作り出せていけば、何千人、何万人っていう形にスケールアップしていくってことは簡単だと思います」と今回の狙いを説明している。韓国では無料配信され、RIZINの認知度アップを優先する戦略を取る。大会名も「RIZIN WORLD SERIES」とし、RIZIN 10年目からの本格的な世界進出のきっかけとしたいようだ。
サトシ・ソウザ、ウォンビンを50秒裸絞め葬
第11試合 MMA ライト級(71kg) 5分3R
×キ・ウォンビン[Ki WonBin](韓国/元GLADIATOR&Double Gライト級王者/コリアンゾンビZFN推薦)
○ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル/ボンサイ柔術/RIZINライト級(71kg)王者、元REALスーパーライト級(74.2kg)王者)
1R 0’50” 裸絞め
韓国大会のメインイベントに登場したサトシは35歳。23年5月の有明大会でスパイク・カーライルに判定勝ちしたが、7月のベラトール・ライト級GP一回戦に緊急出場しパトリッキー・“ピットブル”・フレイレに3R TKO負け。昨年3月の神戸大会で中村K太郎に右ハイからのパンチ連打で103秒TKO勝ち。9月にはルイス・グスタボを左ストレートからのパウンドでわずか21秒で仕留めて王座3度目の防衛。大晦日大会ではヴガール・ケラモフに1R三角絞めで一本勝ちし、王座4度目の防衛を果たしている。今回はノンタイトル戦で、青コーナー側に立つ。
ウォンビンは34歳。MMA戦績27戦18勝(12KO/3一本)9敗。ROAD FCで試合を重ねた後、18年から日本の修斗、DEEPにも参戦し、大阪で開催されているGLADIATORのライト級王座を獲得。22年のRoad To UFCでは一回戦で鹿志村仁之介に1R KO勝ちしたが、準決勝でKO負け。23年のRTUでは後頭部打撃の反則で初戦で散った。昨年5月のRTUでは非トーナメント戦で雑賀“ヤン坊”達也(パンクラス・ライト級王者)との打撃戦を制し2R TKO勝ちしている。
試合はあっという間の決着に。1R、ウォンビンが中央で構えてプレッシャーをかけ、サトシは距離を取り金網を背負う形になる。ウォンビンが右ローを放つと、サトシは右フックを放ちつつ左手を下げ、ニータップの動作を見せたが、これはフェイントで、すぐに再び右フックを放つとアゴにクリーヒットし、ウォンビンはダウンする。サトシはすぐさまマウントを奪い、パウンドを当てると、嫌がったウォンビンが背中を向ける。サトシはバックマウントから足4の字ロックでがっちりと捕獲し、裸絞めで絞め落とした。
サトシは試合前の公約通り裸絞めで一本勝ち。マイクを持ったサトシは「イエス様、いつも守ってくれてありがとう。RIZINの名前守るできてうれしい。また世界のトップの選手と戦いたいから」とアピールした。
なお、RIZINと韓国勢の対抗戦は11戦5勝4敗1分1無効試合で、RIZIN勢の勝ち越しとなった。
佐藤将光、スーチョルを肘で切り裂き判定勝ちし13年越しリベンジ
第10試合 MMA バンタム級(61kg) 5分3R
×キム・スーチョル[Kim SooChul](韓国/ROADジム・ウォンジュMMA/ROAD FC 63kgトーナメント2023優勝、元ROAD FCバンタム&フェザー級王者、元ONE MMAバンタム級王者/ROAD FC推薦)
○佐藤将光[しょうこう](坂口道場一族/FightBase都立大/元修斗バンタム級世界王者)
判定0-3 (橋本=佐藤[D0-0/A0-0/G0-20]/石川=佐藤[D0-0/A0-30/G20-0]/松宮=佐藤[D0-0/A0-30/G20-0])
スーチョルは33歳。22年9月のRIZINで扇久保博正に判定勝ちし、大晦日大会ではフアン・アーチュレッタに判定1-2で敗れる。昨年は6~10月の韓国ROAD FCの63kgトーナメントでアレクセイ・インデンコ、ブルーノ・アゼベド、原口央に勝利し優勝。昨年4月の有明大会では中島太一を2R開始すぐに左ストレートでKO。9月の埼玉大会でのバンタム級王者決定戦では井上直樹に1R TKO負け。その後、ROAD FCでの63kgトーナメントに参戦し、10月の初戦では勝利したが、12月の決勝のヤン・ジヨン戦は1Rバッティングによりノーコンテストとなっていた。スーチョルと佐藤は12年6月のROAD FCで対戦したことがあり、その際は佐藤のカットによる出血でスーチョルが4R TKO勝ちしている。(試合動画)
佐藤は37歳。 09年から14年にパンクラスを主戦場とし、15年から修斗に主戦場を移し、17年に石橋佳大に勝利し修斗バンタム級世界王者となる。19年からONEに参戦し、同年10月にパンクラス同級王者のハファエル・シウバにTKO勝ち。23年10月、RIZINに初参戦し太田忍に判定勝ち。昨年3月の神戸大会では井上直樹に判定負け。9月の埼玉大会では牛久絢太郎に判定勝ちしている。
大会前に佐藤は「お互いの13年をぶつけ合いたい」「自分史に残るベストバウトを」と話していたが、試合はその通りお互い技術を出し合う好勝負となる。
1R、両者オーソドックスで構え、スーチョルは時折スイッチする。スーチョルは左ミドルを当てると、詰めて来た佐藤に胴タックルを仕掛けて倒してサイドで押さえる。中盤、佐藤は下から足を上げ、バギーチョークを狙いかけたが、スーチョルは対処する。佐藤が立つと、スーチョルはすぐに金網に押し込むが、佐藤が押し返し、離れ際にパンチを当てる。終盤、スーチョルが組んできたが、またも佐藤は離れ際に右フックをヒット。少しひるんだスーチョルを、佐藤は追いかけてさらにパンチを当てる。組んで離れる展開が繰り返され、最後はスーチョルが倒すが、完全に寝かせる前に終わる。僅差だがここまで佐藤がやや優位だ。
2R、スーチョルが押し込み、片足タックルを仕掛けるが、佐藤は離れて押し返す。中盤の離れ際、佐藤が右フックを放つが、かわしたスーチョルは追いかけてサウスポーから左フックを当てる。組み合いの後離れると、スーチョルが左ミドルを当ててから前に出るが、佐藤はかわしつつ右フックを当て、スーチョルをひるませ、さらにパンチを連打して追い詰める。終盤も金網際で押し合う展開が続き、スーチョルがタックルで倒すが、佐藤はすぐ立つ。スーチョルが押し込み、またも倒すが、佐藤は寝転んだ状態から右肘を当て、蹴り上げも空振りになるが放ち、スーチョルに攻撃の機会を与えない。ここまで佐藤がしっかり随所で打撃で印象を作る展開に。
3R、スーチョルが組みに行くとバッティングとなり、福田レフェリーは一時中断する。再開後、スーチョルはすぐ佐藤を金網に押し込み、繰り返しテイクダウンを狙うが、なかなか倒せない。佐藤はスペースを作り、右肘を当てると、スーチョルは右まぶたを切られ出血する。13年前に顔面を切られたお返しをする形に。するとスーチョルは火がついたように力を出して倒すが、すぐに佐藤は立ち、ここでも反撃を封じる。終盤、離れると、スーチョルは血だるまになりながらも前に出て、またも組み付き、執拗に反撃を狙う。だが佐藤は倒されても寝かされず終わる。終了後、両者抱き合い健闘を称え合う。記者採点はダメージ0-0、アグレッシブネス0-30、ジェネラルシップ0-20の合計0-50で佐藤。ジャッジ3者も佐藤を支持し、佐藤が判定勝ちで13年越しのリベンジを果たした。
マイクを持った佐藤は「ヌルヌルじゃなくアツアツの試合、どうでしたか?スーチョルが熱すぎて引っ張られました。滅茶苦茶強くなっていました。彼と試合してからの今までの思いの丈を(戦いを通じて)いっぱい話し合えてよかったです。また彼とは巡り合えたらと思います。韓国のファイター、滅茶苦茶熱いですよね。これからも1年で1回でいいんで、韓国の色んな団体集めて、日本人とでも外国とでもいいんで、RIZINを定期的にできたら、韓国も盛り上がって相乗して日本の格闘技も盛り上がると思うんで、お協力して切磋琢磨して、世界目指して行けたらと思います。これからも韓国でのRIZINもよろしくお願いします」とアピールした。
体重超過のジョニー・ケース、大原樹理を1Rで沈めるも無効試合に
第9試合 MMA ライト級(71kg) 5分3R
―大原樹理(KIBAマーシャルアーツクラブ/元BLACK COMBAT&DEEPライト級王者/BLACK COMBAT推薦)
―ジョニー・ケース[Johnny Case](米国/MMAラボ)
1R 2’22” ノーコンテスト
※ケースが前日公式計量0.33kgオーバーしイエローカード1枚(減点20)、勝った場合はノーコンテスト
大原は34歳。23年2月、DEEPの推薦で韓国の新興イベント・BLACK COMBATに初参戦すると、その後も継続参戦し人気を高め、昨年9月、イ・ソンハにニンジャチョークで勝利しライト級王座を獲得。12月にはムン・ギボムに判定負けし王座陥落したが、今回はBLACK COMBATの推薦で、22年9月のルイス・グスタボ戦以来約3年ぶりにRIZINに参戦する。
ケースは35歳。UFC 6戦4勝2敗で、18年からRIZINに上がり、矢地祐介、北岡悟、ホベルト・サトシ・ソウザをKOし3連勝したが、トフィック・ムサエフにKO負け。22年4月、サトシのライト級王座に挑戦するも一本負け。その後も武田光司に判定負けし3連敗を喫したが、22年大晦日に大尊伸光をKOし連敗を止めた。昨年6月、1年半ぶりにRIZINに参戦したが、計量で1kgオーバーし減点され、ベイノアに判定負けした。今回も計量オーバーしてしまう。
1R、ケースは左ジャブ、右カーフを当て、時折左右のパンチを振って前に詰める。すると中盤、ケースの右カーフで、早くも大原の足が流れがちになる。ケースは右ローのモーションを見せ、大原を少し後退させてから、左ジャブをヒット。ひるんだ大原は下がり、右フックを放ったが、ケースはかわすと、すぐに右フックをこめかみクリーンヒットし、大原を一撃でKOした。ケースは計量オーバーのためノーコンテストとなり、すぐに正座して反省の意を示した。
ケイト・ロータス、シン・ユリを随所で追い詰め判定勝ち
第8試合 MMA 女子スーパーアトム級(49kg) 5分3R
×シン・ユリ[Shim Yuri](韓国/チーム・ジーニアス/元ROAD FC女子アトム級王者/ROAD FC推薦)
○ケイト・ロータス(フリー)
判定0-3 (橋本=ロータス[D0-0/A0-0/G0-20]/石川=ロータス[D0-0/A0-30/G0-20]/松宮=ロータス[D0-0/A0-0/G0-20])
ロータスは27歳。20年12月にデビューし、当初は長野美香、須田萌里らに敗れたが、着実に力をつけ、昨年3月のDEEP JEWELSでは桐生裕子に1R TKO勝ち。7月の超RIZIN.3ではRENAの相手に抜てきされるも2R TKO負け。11月のDEEPでは月井隼南に2R裸絞めで一本負けしている。
ユリは30歳。21年9月にパク・ジョンウンに判定勝ちしROAD FC女子アトム級王者に。23年末に王座を返上し、同王座戦以来1年半ぶりの試合で昨年3月、RIZINに出場すると、RENAに判定負けし。11月のRIZIN名古屋大会では浜崎朱加を打撃で苦しめたが、2Rキムラロックで一本負けしている。
1R、サウスポーのロータスに対し、ユリはオーソドックスでプレッシャーをかけ、リーチ差を活かして右ストレートを随所で当てる。ユリは右ミドルも絡めて距離を作る。終盤もユリ優位な状況が続いたが、最後、ユリが詰めて来たところ、ロータスも左ストレートを返し、ようやく印象を作る。インターバル中、ロータスのセコンドの横田一則・K-Clann代表は、タックルに行くよう指示する。
2R、ロータスは序盤からタックルで倒すが、その先に持ち込めず。ユリはスタンドに戻す。中盤、ロータスが組み付いて金網に押し込むが、ユリは首相撲で振り回して膝を当ててから離れる。終盤、ロータスはタックルでテイクダウンを奪い、金網際で押さえる。これもユリが金網を背にして立つが、ロータスはまたも倒すと、膝立ちのユリの顔面に膝を連打し、このラウンドも最後に印象を作って終える。
3R、金網際の組みの展開で、ユリが膝を当てれば、ロータスもパンチを返す。ロータスは離れると左ハイを当てるが、すぐユリは組む。中盤、ユリは首相撲で捕まえ、左膝を立て続け強打し、ロータスを削る。だがロータスは払い腰で倒してトップキープする。終盤、ユリは立つと、首相撲で膝をまたも当てるが、ここでもロータスが投げ倒し、今度はマウントを奪い、パウンドを当て、最後はオンブから裸絞めを狙い、またもいい形で終える。記者採点はダメージ0-0、アグレッシブネス0-30、ジェネラルシップ20-0の合計20-30でロータス。ジャッジ3者もロータスを支持し、ロータスが判定勝ちした。
宇佐美正パトリックは判定勝ち
第7試合 MMA ライト級(71kg) 5分3R
×キム・シウォン[Kim SiWon](韓国/コリアンゾンビMMA/コリアンゾンビZFN推薦)
○宇佐美正パトリック(Battle-Box)
判定0-3 (松宮=宇佐美[D0-0/A0-0/G0-20]/橋本=宇佐美[D0-0/A0-0/G0-20]/石川=宇佐美[D0-0/A0-0/G0-20])
宇佐美兄弟の兄・パトリックは25歳。アマボクシングで高校6冠を達成。21年に修斗でMMAデビュー。22年10月からRIZINに参戦すると、佐々木信治とベイノアをパンチでKO。23年4月、キム・ギョンピョに1R裸絞めで一本負け。9月のRIZINではキックルールで安保瑠輝也に判定負け。昨年6月の1年ぶりのMMAでは徳留一樹を1R右ストレートからのパウンドで仕留めたが、9月の矢地祐介戦では寝技で攻め込まれ判定負け。12月8日のDEEPでも西川大和に判定1-2で惜敗。大晦日のRIZINでは細川一颯とキックルールで対戦し2R KO勝ちしている。
シウォンは23歳。テコンドーをベースとし、21年にMMAデビューし5戦4勝(2KO)1敗。
1R、しばらく見合った後、パトリックが右ロー、右ストレートを当てる。両者中央でフェイントをかけ合い見合う状況が続く。シウォンがタックルを仕掛けるが、パトリックは切る。終盤、シウォンはワンツーからの右ハイを肩口に当て、ようやく印象を作るが、パトリックはその先の攻めは許さない。まだ差は乏しい。
2R、シウォンが右カーフを立て続けに当て、右ストレートを当てる。パトリックも右カーフを返すが、見合う時間が続くのは1Rとは変わらない。終盤、シウォンがまたも右ストレートをヒット。パトリックは攻撃を出す場面はあるものの、消極的な感は否めない。
3R、ようやくパトリックは圧を強め、左ボディ、フックをようやく当てるように。中盤、パトリックは右カーフも効かせる。終盤、シウォンは回り続けた後、タックルを仕掛けるが、パトリックは突き放すと、左ボディを強打する。最後はパトリックが追いかけ続けて好印象で終える。記者採点はダメージ0-0、アグレッシブネス0-0、ジェネラルシップ0-20の合計0-20でパトリック。3Rに差をつけたことを評価した。ジャッジ3者もパトリックを支持し、パトリックが判定勝ちしたものの、上位進出に向けてのインパクトは乏しい内容となってしまった。
金太郎、ヤン・ジヨンに3R TKO負け
第6試合 MMA バンタム級(61kg) 5分3R
○ヤン・ジヨン[Yang JiYong](韓国/チェジュ・チーム・ザ・キング/ROAD FC推薦)
×金太郎(アメリカン・トップチーム)
3R 0’19” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
金太郎は32歳。22年9月に堀口恭司に2R肩固めで一本負け。23年4月に石司晃一に判定1-2で惜敗。昨年3月の神戸大会でダイキ・ライトイヤーに判定勝ちし連敗を4でストップした。ATTに移籍して初戦となる9月の秋元強真戦では1R TKO負けしている。
ジヨンは29歳。キック12戦11勝1敗でWAKO韓国王座を獲得後MMAに転向し、ROAD FCで勝利を重ね、22年7月のRIZIN初戦では昇侍に3R裸絞めで一本勝ち。11月の2戦目は魚井フルスイングを2R左ストレートでKOした。23年年はROAD FCで5戦4勝1敗。昨年4月のRIZINでは倉本一真に判定1-2で惜敗。8月のROAD FC 63kgトーナメント一回戦ではアレクセイ・インデンコを35秒でKO。12月のキム・スーチョルとの決勝は1Rバッティングでノーコンテストに。3月の再起戦ではモンゴルのムングントシューズ・ナンディン・エルデンに1R TKO負けしている。
1R、両者サウスポーで構え、見合う状況が続いたが、1分ごろ、ジヨンが細かく出入りしてから、飛び込んで左ストレートを当てて金太郎をスリップさせる。中盤、ジヨンは下がるが、左フックを当ててダウンを奪う。倒れた金太郎は下から足をつかみ関節技を狙うが、ジヨンはすぐ脱出しスタンドに戻す。終盤、パンチが交錯すると、ジヨンが胴タックルを仕掛けて倒し、金網際でマウント奪うと、肩固めを狙う。ジヨンはバックに回るが、金太郎は立つ。残り10秒、金太郎は掛け蹴りを放つが、ジヨンはかわし、すぐ押し倒して終える。ここまでジヨンがアグレッシブネスで差をつける。
2R、ジヨンはタックルを仕掛けて押し込みテイクダウンを奪う。ジヨンはハーフで押さえる。中盤、金太郎は下から足をつかむが、ジヨンは体をひねって脱出し、すぐ金太郎のバックに回り込んでしがみつく。終盤、ジヨンは背後から金太郎を押し込み続け、残り30秒を切ってか豊永レフェリーはブレイクする。するとジヨンは左ストレート、テンカオを立て続けに当てて倒し、パウンドを狙い、はっきり差を示して終える。
すると3R、ジヨンは開始すぐ、左ローを金太郎のふくらはぎの裏に強打し、下に意識を向けさせてから、すぐに左ストレートをクリーンヒット。足が止まりひるんだ金太郎に、ジヨンがパンチを振いながら詰めて押し倒すと、パウンドをまとめたところで豊永レフェリーがストップした。
ジヨンは「ROAD FCから来たヤン・ジヨンです。ROAD FCの代表に感謝しています。RIZINの榊原信行社長、RIZIN上位の選手との試合か、タイトルマッチをお願いします」とアピールした。
武田光司、BLACK COMBATの19歳・ジ・ヒョクミンに2R逆転TKO負け
第5試合 MMA フェザー級(66kg) 5分3R
○ジ・ヒョクミン[Ji Hyuk Min](韓国/チュンチョン・チームMAD/BLACK COMBAT推薦)
×武田光司(TRIBE TOKYO MMA/元DEEPライト級王者)※フリーから所属変更
2R 4’13” TKO (レフェリーストップ:右フック→グラウンドパンチ)
武田は29歳。ライト級で海外勢に3連敗すると、昨年3月の大阪大会でのフェザー級初戦で萩原京平に完勝したが、6月に初参戦のラジャブアリ・シェイドゥラエフに1R裸絞めで一本負けした。7月にBRAVEから独立しフリーに。大晦日大会の新居すぐる戦では新居のローブローにより武田が続行不可能となり、2R途中までの採点で武田が判定勝ちしている。今年2月にはTRIBE TOKYO MMAへの加入を発表した。
ヒョクミンは19歳。キックボクシングをベースとし、MMA 5戦(3KO)4勝1敗。23年11月から昨年12月までBLACK COMBATで3戦し、初戦は敗れたが以降は2連勝している。
1R、両者サウスポーで構え、武田がタックルを仕掛け、金網に押し込んでから、肩でかついで倒す。立てれも武田は背後から持ち上げジャーマンスープレックス気味に倒す。武田は立たれても押し込み続け、ジェネラルシップを取るが、ヒョクミンもスペースを作って膝をボディに当てる場面があり、攻められっぱなしにはならない。逆にヒョクミンは組まれる状況を想定済で、体力温存しているようにも見える。
2R、ヒョクミンが左ローを当てると、武田はタックルを仕掛けるが、ヒョクミンは離れながら右ストレートを当て、武田をひるませる。さらにヒョクミンはパンチを当てたが、武田は組み付いて金網に押し込み、難を逃れる。すぐヒョクミンは離れ、中盤、武田はまたも金網に押し込むが、ヒョクミンは顔を押してスペースを作って左肘を当てると、武田は顔面から出血する。すると終盤、出血の影響も相まって、武田は少し疲れが見えて始めると、ヒョクミンは突き放す。ヒョクミンは武田の両足タックルを切って離れ、左ストレートをヒット。しがみつく武田を、ヒョクミンは首相撲で捕まえてボディに左膝蹴りを連打し、金網に詰めてパンチを連打し、右フックで倒すと、最後は亀になった武田にパウンドをまとめたところで、松宮レフェリーがストップした。
ヒョクミンは「三浦選手は負けたのですが、日韓イケメン対決をしましょう」とマイクアピールした。この試合の中継の解説を務めた、武田の練習仲間の萩原京平は「BLACK COMBATに乗り込んでいい。いい選手なんで試合したい」とコメントしている。
中原由貴、RTU出場ヨンジェに3R逆転KO負け
第4試合 MMA フェザー級(66kg) 5分3R
○ソン・ヨンジェ[Song YoungJae](韓国/ハバスMMA/AFCバンタム級王者、同フェザー級暫定王者/キム・ドンヒョン推薦)
×中原由貴(マッハ道場/MAJESTIC/元GLADIATORフェザー級王者)
3R 1’28” KO (右ストレート)
中原は32歳。GLADIATOR、パンクラス、ONEを経て22年にRIZINに参戦し、関鉄矢、原口央相手に連勝したが、大晦日大会では鈴木千裕に1R KO負け。23年9月には白川陸斗に判定勝ち。昨年4月、ビクター・コレスニックの打撃に苦戦し判定負けしている。今回それ以来約1年ぶりの試合だ。
ヨンジェは29歳。韓国のAFCの主力選手で、24年5月のROAD TO UFCフェザー級トーナメント一回戦では河名マストに判定負けし、プロ7戦目で初黒星。11月のAFCでは高木亮に1R TKO勝ちしている。
1R、サウスポーの中原に対し、ヨンジェはオーソドックスで構えてプレッシャーをかけるが、中原は下がりっぱなしにならない。中盤、中原は片足タックルで倒すと、金網際ハーフガードで押さえ、立とうとするヨンジェの背後から随所でパウンドや膝を当てる。終盤、ヨンジェは立つが、中原は引き続き組み付き、両脇を差して抱え上げて倒し、トップで押さえる。中原はまたも立とうと動くヨンジェの背後に回りつつ、押さえつけながらパウンドと膝を当て主導権を維持する。ここまで中原優勢だ。
2R、中原は引き続き押し込むが、ヨンジェが耐えると、松宮レフェリーは膠着ブレイクをかける。だが中原は引き続き組み付き、払い腰でテイクダウンを奪い、立たれても押し込む。中原がジェネラルシップを取っているが、正味のダメージはなかなか与えられない。
すると3R、ヨンジェは少し疲れて来た中原に組ませず、右ミドル、ストレートを当てて流れを変える。するとヨンジェは中原を金網に詰め、右のバックハンドブローをクリーンヒットしてひるませる。中原は立ったがヨンジェは左ハイ、パンチを当て続け、最後は右ストレートでマットに沈めた。
三浦孝太、4連続KO負け
第3試合 MMA 63kg契約 5分3R
○クォン・ヨンチョル[Kwon YongCheol](韓国/チーム・ジュンジン)
×三浦孝太(BRAVE)
1R 2’46” TKO (レフェリーストップ:グラウンド膝蹴り)
三浦は21年のMMAデビューから2連続TKO勝ちしたが、その後は3連続TKO負けで、最近では昨年晦日のRIZINで冨澤大智に1R TKO負けしている。当初、タイで人気の火が付いた三浦は、今やInstagramのフォロワー数が255万人と日本の格闘家では最多に。ほかのアジア各国でも人気が高まり、韓国でも人気だ。対するヨンチョルはキックボクサーでMMAは今回初戦だ。
1R、蹴りの攻防の後、三浦が組み付いてあっさりと倒し、マウント奪うと、バックに回り込み、裸絞めを狙う。ヨンチョルは防御できないが、三浦も雑になり、両足のロックが不十分で、ヨンチョルが暴れて脱出する。ヨンチョルが前に出てパンチと膝を当て、三浦は鼻血を出し苦しそうにする。三浦はタックルを仕掛けて金網に押し込むが、ヨンチョルは切って潰すと、鉄槌と肘を何発も当て、三浦は防戦一方に。ヨンチョルが金網際で三浦を倒して押さえ、パウンドを当て続け、最後は顔面に膝を当てたところで、福田レフェリーがストップした。
宇佐美秀メイソンはダウン奪われドロー
第2試合 キック 67.5kg契約(ウェルター級相当) 3分3R
△ジョ・サンへ[Jo SangHae](韓国/ジンヘ・ジャスティスジム/元MAX FC&KBCライト級王者)
△宇佐美秀メイソン(team VASILEUS/RISEウェルター級(67.5kg)王者、ISKAインターコンチネンタル・ウェルター級(67kg)暫定王者)
判定0-0 (石川=28-28/松宮28-28/豊永28-28)
宇佐美兄弟の弟・メイソンは24歳。キック8戦7勝(3KO)1分。フルコンタクト空手をベースとし、ボクシングでも西日本U15大会で準優勝。22年4月のPOUND STORMでMMAデビュー。12月のINOKI BOM-BA-YE×巌流島でキックデビューしアルバート・クラウスに判定勝ち。KNOCK OUTで2連勝、K-1で2連勝後、昨年6月の大阪大会でRISEに初参戦し中野椋太を追い詰めたが、負傷判定ドロー。12月の幕張大会では中野の返上したウェルター級王座を懸け、實方拓海と対戦し判定勝ちしベルトを獲得。その後、武尊率いるteam VASILEUSに移籍。3月のRISE両国大会ではジェラルド・ヴィーラーデに2R KO勝ちし、今回RIZINに初出場する。
サンヘは29歳。12歳からキックを始め、プロ戦績は13戦11勝(7KO)2敗。韓国の2団体で王者獲得実績があり、20年のMAX FCではシュートボクサーのイモト・ボルケーノに判定勝ちしている。
1R、メイソンがサウスポーで構え、左ミドル、膝を狙う右の関節蹴りを度々当てて、序盤から主導権を握る。中盤からはメイソンは左テンカオ、ボディ、インローでも削る。サンヘは劣勢だが耐え、随所で右ストレートを返す。記者採点はメイソン。
ところが2R、サンへは前に出て、次第に右ストレートを返すようになる。中盤、サンへがメイソンを金網に詰め、サウスポーに切り替え、左ストレートでひるませてから、右アッパーでダウンを奪う。だがサンヘも攻め疲れる。メイソンは持ち直し攻撃を返すが、逆転のダウンは奪えない。10-8でサンへがポイントを取る。
3R、メイソンがやや積極的に攻めるが、鼻血を出し口が開きしんどそうだ。サンヘは打たれ強くひるまない。終盤、パンチの打ち合いでサンヘも巻き返すが、すぐにメイソンも当て返し、一進一退の死闘に。最後、メイソンが左膝、インローを当てるが、サンヘが耐えて終える。記者採点はメイソン。合計28-28でイーブン。ジャッジ3者も同じ採点でドローとなった。
第1試合 キック 62kg契約(ライト級相当) 3分3R
×カン・ボムジュン[Kangm BeomJun](韓国/ヤクジム/MAX FCライト級1位)
○井上聖矢(SK.ACTIVE/RUSH ONフェザー級王者)
判定0-3 (石川28-29/松宮28-29/豊永27-30)