RISE 3.29 両国国技館(レポ/前半):-61.5kgトーナメント開幕、中村寛、チャンヒョンを豪打で追い詰め判定勝ち。笠原友希、漢気王パヌワットを2R KO。常陸飛雄馬とエン・ペンジェーが初戦突破し再戦へ
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RISE ELDORADO 2025
2025年3月29日(土)東京・両国国技館
レポート&写真:井原芳徳 (※後半戦のレポは別記事に掲載します)
中継:ABEMA PPV
-61.5kgトーナメント開幕、中村寛、チャンヒョンを豪打で追い詰め判定勝ち
第8試合 RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament 一回戦(1) 3分3R(延長1R)
○中村 寛[かん](BK GYM/RISEライト級(63kg)王者、元DEEP☆KICK -60kg王者)
×チャンヒョン・リー[Lee Chanhyeong](韓国/RAON/RISEスーパーフェザー級(60kg)2位・元王者)
判定3-0 (大沢29-28/長瀬29-28/北尻30-27)
「RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament」は8選手が参加し、3月の両国大会で一回戦、6月21日の横浜BUNTAI大会で準決勝、8月2日の東京都大田区総合体育館大会で決勝が行われる。優勝賞金は1千万円。中村寛らRISEのレギュラー勢5名に加え、シュートボクシング(SB)王者の笠原友希が参戦し、海外から2選手が初参戦する。
中村は28歳。23年4月、直樹に判定勝ちし、RISEライト王座を獲得。昨年3月のRISE ELDORADOではK-1の与座優貴とのライト級王者対決を行ったが負傷判定負け。6月の大阪大会ではタリソン・フェレイラに3R左ハイでKO勝ち。9月の横浜大会ではエン・ペンジェーと対戦したが、1Rにパンチをもらって左まぶたがふさがった影響で苦戦し、延長の末に判定勝ちしている。事前インタビューで中村は「初めて当たり前のように実戦をこなしてきました」と話し、スパーリングを増やしたことを明かし、2年半前にチャンヒョンに敗れた頃と「変わり過ぎて跡形がない」と進化に自信を示していた。
チャンヒョンは32歳。19年のRISE WORLD SERIES -61kgトーナメントでは準決勝で梅野源治に敗れる。22年10月に中村と対戦し2Rパンチ連打でTKO勝ち。その後も常陸飛雄馬、山口侑馬に連勝したが、23年8月の秀樹戦以降、24年1月の大雅戦、昨年12月のパヌワット戦と3連続で判定負けしている。
1R、中村がサウスポーで構え、スピードのある左ストレート、左右のハイ等を当てる。チャンヒョンが前に出続け、右ストレートを当てていると、中村は鼻血を出す。すると終盤、中村は圧を強め、最後はコーナーに詰め、パンチと膝とハイのラッシュでチャンヒョンを追い詰める。記者採点は中村。
2R、チャンヒョンは変わらず前に出るが、中村は右ジャブ、左ハイを当てるとすぐ離れる、ヒット&アウェーを徹底する。終盤に圧を強めることなく終了する。チャンヒョンはパンチを時折当てるが攻撃が減る。記者採点は中村だがジャッジは割れた模様だ。
3R、中村は序盤こそヒット&アウェーだったが、中盤から圧力を強め、度々ロープやコーナーに詰め、パンチをまとめ追い詰める。チャンヒョンも右膝を返して抵抗したが、中村は最後まで圧を落とさない。最後は中村がコーナーに詰めて左右のフックで仕留めにかかるが、チャンヒョンがブロックして耐えて終える。記者採点は中村。合計30-27で中村。ジャッジ3者も中村を支持し、中村が判定勝ちした。
笠原友希、漢気王パヌワットを2R KO
第7試合 RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament 一回戦(2) 3分3R(延長1R)
○笠原友希(シーザージム/シュートボクシング日本スーパーフェザー級(60kg)王者、元同フェザー級王者)
×パヌワット・TGT[Panuwat TGT](タイ/TARGET/RISEスーパーフェザー級(60kg)1位、RISEスーパーフェザー級漢気トーナメント2024優勝)
2R 2’49” KO (左ストレート)
SBの笠原三兄弟の次男・友希は23歳。昨年4月にONE Friday Fightsに初参戦するとペットシーモックに1R KO勝ち。8月のSB後楽園大会ではペットモラコット・スーパーボンジム(元ルンピニースタジアム4階級王者)に1R KO勝ちし連勝を8に伸ばす。10月のONE Friday Fightsではソンラックに2ダウンを奪われ判定負け。12月のSBで組まれたRISE 61.5kgトーナメント前哨戦ではGUMPから3Rにダウンを奪って判定勝ちした。
パヌワットは26歳。タイから来日後、長年TARGETおよびTEPPENジムで指導し、那須川天心の練習相手も務めていた。昨年4月のRISEでのスーパーフェザー級漢気(おとこぎ)トーナメントでは髙橋亮を1R左ストレートで、岩郷泰成を2R右ハイでKOして優勝。12月のRISE幕張大会ではチャンヒョンに延長判定勝ちした。
1R、友希がサウスポー、パヌワットがオーソドックスで構え、お互いミドル、ボディ、顔面へのストレートを当てる。友希が蹴り、パヌワットがパンチの比重が少し高い。両者積極的に攻めるが、まだ差は乏しい。記者採点はイーブン。
2R、友希がプレッシャーを強めると、パヌワットはロープを背負って攻撃が出せなくなる。友希が左ミドル、ストレート等を的確に当て続け、主導権を握る。すると終盤、友希が左ミドルを効かせてから、左ストレートをクリーンヒット。ダウンしたパヌワットは座ったまま立てず、友希のKO勝ちとなった。
常陸飛雄馬とエン・ペンジェーが初戦突破し再戦へ
第6試合 RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament 一回戦(3) 3分3R(延長1R)
○常陸飛雄馬(TARGET SHIBUYA/RISEスーパーフェザー級(60kg)3位)
×シャクリヨール・ユラエフ[Shakhriyor Juraev](ウズベキスタン/Temur Kurbanov team/WMF -63.5kg級王者)
3R 2’55” KO (右三日月蹴り)
常陸は27歳。23年8月の大田大会では大雅に延長判定負け。12月に勝次を2R KO。昨年3月のK-1では江川優生に延長判定2-1で惜敗。9月のRISEではアリシェル・カルメノフに判定勝ちし、今年1月25日の後楽園大会でのエン・ペンジェー戦でも判定勝ち。61.5kgトーナメント査定試合で海外勢相手に2連勝し、出場権を獲得した。
RISE初参戦のユラエフは22歳。戦績46戦42勝(20KO)4敗。構えはサウスポー。身長は常陸と同じ171cm。ONE Friday Fightsでタイ人と4戦し1勝3敗。1勝は左肘打ちによるKO勝ち、3敗はいずれも判定負けだ。
1R、常陸がオーソドックス、ユラエフがサウスポーで構え、ローの応酬から始まる。中盤から常陸が右ボディストレート、ミドル、ユラエフが左ミドルを増やすが、また均衡は崩れない。記者採点はイーブン。
2R、ユラエフが序盤こそ右のバックハンドブロー、左テンカオを当てて先手を取るが、常陸はプレッシャーをかけ続けると、終盤、左右のボディを効かせ、終了間際には顔面にパンチを当てつつ、右ボディでダウンを奪う。
3R、常陸は前に出続けると、終盤、左右のストレートからの左ボディでダウンを奪う。ユラエフは立ったがダメージが大きく、最後は常陸が右三日月蹴りで再びダウンを奪ったところで、北尻レフェリーがストップした。
第5試合 RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament 一回戦(4) 3分3R(延長1R)
○エン・ペンジェー[Yuan Pengjie](中国/仏山温拿拳館)
×レダ・ベラーセン[Rida Bellahcen](モロッコ/オランダ/ファイトチーム・リンガー/Enfusionバンタム級(61kg)王者)
判定3-0 (秋谷30-28/北尻30-28/和田30-27)
ペンジェーは22歳。戦績41戦39勝2敗。RISEで2戦し、昨年9月に中村寛と延長戦の末に判定負け。1月25日の後楽園大会では常陸飛雄馬に判定負けしたが、2Rには常陸をダウン寸前まで追い詰めており、2連敗ながらも実力の高さを印象付けていた。
RISE初参戦のペラーセンはモロッコ出身オランダ在住の25歳。戦績17戦14勝(1KO)3敗。構えはオーソドックス。
1R、長身のペンジェーがサウスポーに構え細かく出入りし、ベラーセンはどっしり構えプレッシャーをかける。お互いまだヒットは乏しく、的を絞り切れていない様子だ。記者採点はイーブン。
2Rも似た構図で差は乏しいが、ペンジェーが右前蹴り、左ミドル等のヒットを増やし、若干だが優位に。記者採点はペンジェー。
3Rもペンジェーが左ミドルを当てて離れる戦法を貫き、ペラーセンを完封する。記者採点はペンジェー。合計30-28でペンジェー。ジャッジ3者もペンジェーを支持し、ペンジェーが判定勝ちした。ペンジェーの準決勝は常陸とのリベンジ戦となる。
6月21日の横浜BUNTAI大会での準決勝の組み合わせは中村×笠原、常陸×ペンジェーに決まった。
◆笠原 中村選手、今、滅茶苦茶面白い試合をしたので、本当は嫌ですけど、楽しみです。
◆中村 次の相手、気合入ったことを言っていて、許せないんで、ボコボコとつきまわします。シュート(ボクシング)の全員で倒しにかかってください。
◆常陸 再戦ですけどKOで勝って決勝に進みます。
◆ペンジェー 次の試合を楽しみにしてください。
大﨑一貴が1R KO勝ち。5月の名古屋での世界戦の相手も発表
第4試合 スーパーフライ級(53kg) 3分3R(延長1R)
○大﨑一貴(OISHI GYM/元RISEスーパーフライ級王者、ISKAオリエンタルルール世界フライ級(53.5kg)王者、元WMC&ルンピニー日本フライ級王者)
×アレスター・タグレ[Alester Tagure](フィリピン/WCCSフィリピンBALDUGANチーム)
1R 0’48” KO (左ボディフック)
大﨑兄弟の兄・一貴は28歳。昨年3月のRISE ELDORADOでジラリー・キャルービーに判定勝ちし、ISKAフライ級王座を初防衛。6月の大阪大会でのは政所仁に判定勝ちし、RISEスーパーフライ級王座2度目の防衛に成功した。10月には王座を返上。RISEが同級の世界王座設立を準備していることが理由だった。12月のRISE幕張メッセ大会でアルベルト・カンポスに判定勝ちすると、改めて世界王座設立と名古屋大会開催を熱望した。その後、RISEは5月11日に愛知・ポートメッセなごや大会の開催を発表。一貴がメインイベンターを務め、念願の世界王座決定戦を行うことが内定しており、今回3月の試合を無事クリアしたいところ。
対するタグレは22歳。キック23戦21勝2敗、MMA 4戦4勝でRISE初参戦。構えはオーソドックス。
試合は短時間決着となる。1R、序盤からダグレが組んできて、一貴のパンチを警戒している様子を見せると、一貴は組んで逆に崩しを決め、コーナーに詰めて左ミドルを当てる。最後は左ボディを効かせて、ダメ押しの右フックも当て、マットに沈めた。
この試合後、5月大会での世界スーパーフライ級王座決定戦での一貴の相手がコーリー・ニコルソン(オーストラリア)になると発表された。一貴は「世界5冠王ということですけど、名古屋で倒します」と話した。
宇佐美秀メイソンが2R KO勝ち。セコンドに武尊
第3試合 ウェルター級(67.5kg) 3分3R(延長1R)
○宇佐美秀メイソン(カナダ/team VASILEUS/RISEウェルター級王者、ISKAインターコンチネンタル・ウェルター級(67kg)暫定王者)※クレイスから所属変更
×ジェラルド・ヴィーラーデ[Jerald Villarde](フィリピン/WCCSフィリピンBALDUGANチーム)
2R 1’41” KO (左膝蹴り)
メイソンは23歳。キック7戦6勝(3KO)1分。フルコンタクト空手をベースとし、ボクシングでも西日本U15大会で準優勝。22年4月のPOUND STORMでMMAデビュー。12月のINOKI BOM-BA-YE×巌流島でキックデビューしアルバート・クラウスに判定勝ち。KNOCK OUTで2連勝、K-1で2連勝後、昨年6月の大阪大会でRISEに初参戦し中野椋太を追い詰めたが、負傷判定ドロー。12月の幕張大会では中野の返上したウェルター級王座を懸け、實方拓海と対戦し判定勝ちしベルトを獲得した。今回の試合から武尊や野杁正明のいるteam VASILEUS所属となる。セコンドには6日前のONE日本大会でロッタンにKO負けしたばかりの武尊がつく。
RISE初参戦のヴィーラーデは27歳。キック17戦16勝1敗、MMA 12戦9勝3敗。構えはオーソドックス。
1R、メイソンはサウスポーで構え、左ミドル、ハイ、テンカオ、ストレートを度々当てて優位に進める。ヴィーラーデはまだひるまないが、右フックの空振りが続く。記者採点はメイソン。
2R、序盤からメイソンが左ストレートでダウンを奪う。メイソンは二段式の左ハイを当ててから、首相撲で捕まえて左膝を顔面に叩き込んでKO勝ちした。
YURA、山口裕人をOFGマッチで1R KO
第2試合 オープンフィンガーグローブマッチ 65kg契約 3分3R
×山口裕人(道化倶楽部/元WPMF世界暫定・WBCムエタイ日本統一・INNOVATIONスーパーライト級王者、元DEEP☆KICK -63kg・-65kg級王者)
○YURA(ダイアタイガージム/RISEスーパーライト級(65kg)7位、BreakingDownフェザー級(66kg)王者)
1R 1’53” KO (左ストレート)
山口兄弟の兄・裕人は32歳。23年8月のRISE OFGM -65kg級王座決定戦でYA-MANに2R KO負け。その後も西谷大成、伊藤澄哉にKO負け。昨年10月のFIGHT CLUBでのOFGマッチでは安彦考真に判定勝ちしている。
YURAは21歳。RISEでは23年12月、ねぎ魔神、昨年3月、KENTAに判定勝ち。10月のFIGHT CLUBでのOFGマッチでは木村“ケルベロス”颯太を3R左フックでKOした。BreakingDownにも並行参戦し、12月のフェザー級(66kg)トーナメントで優勝し同級初代王者となる。大晦日のRIZINの雷神番外地では元K-1ライト級(62.5kg)王者の朝久泰央に判定負けし、キック15戦目で初黒星を喫したが、格上の泰央からダウンを奪い評価を高めた。
1R、序盤からYURAが左ジャブを的確に当て続け、左ジャブでダウンを奪う。その後もYURAが左ジャブを当て続けて裕人を翻弄すると、最後は右ストレートで動きを止めてからの左ストレートでマットに沈めた。
マイクを持ったYURAは「ここ勝ったんで、OFGのベルトをYA-MAN選手が持っているので取りに行きたいと思います」とアピールした。
GUMP、細越竜之介に判定勝ちし-61.5kgトーナメント・リザーブ権獲得
第1試合 RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament リザーブマッチ 3分3R(延長1R)
×細越竜之介(team AKATSUKI/RISEスーパーフェザー級(60kg)4位)
○GUMP(TEAM TEPPEN/RISEスーパーフェザー級(60kg)7位)
判定0-2 (秋谷29-30/大沢29-29/和田28-29)
-61.5kgトーナメントのリザーブマッチはRISEの新鋭同士のカードが組まれた。RISEの伊藤代表も「この勝者が(大雅が返上し)空位の(スーパーフェザー級)タイトルに絡むと思っています」と話している。
細越は20歳。7戦6勝(4KO)1敗、構えはサウスポー。昨年5月から12月の間にRISEで4試合をこなし、髙岩拓、勝野雅也、奥平将太、小野幹晃をいずれもKOしている。
GUMPは22歳。19戦14勝(3KO)4敗1分。昨年8月、澤谷大樹を右三日月蹴りで2R KOし、DEEP☆KICK -60kg王座を獲得。11月のRISEではスーパーフェザー級7位の岩郷泰成を2Rに左ハイでKO。12月のSBで組まれた61.5kgトーナメント査定試合では笠原友希に判定負けし、連勝が7で止まったが、伊藤代表も「素晴らしい試合だった」と高く評価した。
1R、細越がサウスポーで構え、前後にステップし、右ジャブを突きつつ、左ストレートを的確に当て、やや優位に進める。GUMPも右ミドルを時折返すが、攻撃が少ない。記者採点は細越。まだイーブンもありうる。
2Rも似た構図だが、1Rよりは差が縮まり、GUMPの右膝、三日月のヒットが増える。だが細越も変わらず左右のパンチを当てており、形勢逆転までは許さない。記者採点はイーブン。
3R、GUMPの右インロー、三日月が効き目を発揮し、右ストレート等の顔面へのパンチのヒットが終盤にかけて増え形勢逆転する。細越はパンチの空振りとクリンチが増えてしまう。記者採点はGUMP。合計29-29でイーブン。ジャッジは1者がイーブンとしたが、2RがGUMPを支持し、GUMPが判定勝ちし、リザーバー権を獲得した。
オープニングファイト3 フライ級(51.5kg) 3分3R
○伊藤琉之助(EX ARES/CKC 2024 -51.5kgトーナメント優勝)
×水野夢斗(TEAM TEPPEN/Stand Up King of Rookie 2024 -51.5kg級優勝)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)
オープニングファイト2 ウェルター級(67.5kg) 3分3R
○琉樺(LA GYM JAPAN)
×純樹(KSR GYM)
1R 1’48” KO (左膝蹴り)
オープニングファイト1 フェザー級(57.5kg) 3分3R
×志水 薫(マスタージム)
○羅粋[らいき](TARGET)
1R 2’42” KO (左フック)