RISE 6.15 エディオンアリーナ大阪(レポ/後半):大﨑一貴、政所仁に判定勝ちし53kg王座2度目の防衛「ONEに孔稀と乗り込む」。中村寛、タリソン・フェレイラと死闘の末3R KO勝ち。那須川龍心、塚本望夢との接戦制し数島大陸の王座挑戦へ
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RISE WORLD SERIES 2024 OSAKA
2024年6月15日(土) エディオンアリーナ大阪 第一競技場
レポート&写真:井原芳徳 ※前半戦のレポートは別記事に掲載します。
大﨑一貴、政所仁に判定勝ちし53kg王座2度目の防衛
第14試合 メインイベント RISEスーパーフライ級(53kg)タイトルマッチ 3分5R(無制限延長R)
○大﨑一貴(OISHI GYM/王者、ISKAオリエンタルルール世界フライ級(53.5kg)王者、元WMC&ルンピニー日本フライ級王者)
×政所 仁(魁塾/1位、RISE NEW WARRIORS スーパーフライ級トーナメント2023優勝、WBKF世界スーパーフライ級王者、元J-NETWORKフライ級王者)
判定3-0 (大沢49-47長瀬50-47/豊永50-47)
※大﨑が2度目の防衛戦
RISEは年1回、大阪大会を開催しており、昨年7月以来の大阪大会となる。メインイベントでは地元大阪の政所がスーパーフライ級王者の一貴に挑んだ。
大﨑兄弟の兄・一貴は27歳。昨年4月、ニコラス・リヴァースに4R左後ろ上段廻し蹴りでKO勝ちし、ISKAオリエンタルルール世界王座を獲得。-54kg世界トーナメントでは7月の一回戦でアイマン・ラマーをKOし、19連勝、RISE 13連勝としたが、8月の準決勝では田丸辰に判定0-2で敗れ、決勝進出を逃した。12月の両国大会ではタイの名門・ペッティンディーアカデミー推薦の17歳・ジャルンスックに苦戦も延長判定勝ち。3月のRISE ELDORADOではジラリー・キャルービーに判定勝ちし、ISKA王座を初防衛した。その試合後、6月の大阪大会での政所との防衛戦が発表されていた。
政所は25歳。20年7月に一貴に延長判定負けし、約4年越しのリベンジマッチに辿り着いた。その後は13戦10勝2敗1無効試合、5連勝中。風音、花岡竜に対しても昨年の再戦ではリベンジし、昨年11月のRISE NEW WARRIORS スーパーフライ級トーナメントで花岡と長谷川海翔を下し、一貴への挑戦権を獲得した。
1R、開始すぐから一貴が前傾姿勢でプレッシャーをかけ続け、パンチを出しつつも、右のカーフキックを強打する。政所は回って距離を取り続け、同様に右カーフを返す。一貴の積極性が上回るが、まだひるませるほどにはならない。記者採点はイーブン。RISEの王座戦は3Rまでオープンスコアリングシステムで、ジャッジ3者ともイーブンと発表される。
2R、一貴は変わらず前に出て、右カーフ、ローを当て、途中から左ボディも強打する。政所も前に出返す場面があるが、下がる時間が長く、右カーフ、太ももに押し付けるような右ローを返す。このラウンドも積極性は一貴という印象だが、まだ差は小さい。記者採点はイーブン。ジャッジも2者イーブンだが、大沢氏のみ意外にも政所につける。
3R、一貴は執拗に前に出て、右カーフ、ロー、左ボディを随所でヒットする。政所は回り続け、ローが減り、顔面狙いの膝を多用するが、空振りが続き、ヒットが減って印象を悪くする。記者採点は一貴。ジャッジ3者も一貴につける。
4R、一貴はポイントを取ったことで自信を持った様子で、圧力を強め、これまでの右ロー、カーフ、左ボディに加え、右ストレートも増やし、手数を上げる。政所も序盤は受けて笑顔を見せていたが、終盤になると焦りの表情を見せるように。記者採点は一貴。
5R、後の無い政所陣営からは「倒されてもええねん。打ち合え」との声が飛び、政所もガムシャラにパンチを振るうが、一貴は落ち着いて前に出て自分のパンチを当て続け主導権を維持する。終盤、政所も左フックをクリーンヒットし、その後も鼻血を出しながらも必死に打ち合い、場内を沸かせたが、王者はひるまずパンチを当て続け終了する。記者採点は一貴。合計50-47で一貴。ジャッジ3者も一貴を支持し、一貴が判定勝ちで王座2度目の防衛を果たした。
ベルトを巻きマイクを持った一貴は「マジで最高です。ここ最近調子悪くて、会長はじめシュン君(大石駿介氏)だったりトレーナーだったりサポートしてくれて、いい環境で練習させてもらって、勝つことができて、恩返しできました。タイトルマッチの価値を高めてくれた政所選手に感謝しています。政所選手に勝つためにいい練習ができたので感謝しています。これで53kg最強を証明できたと思います。名だたるチャンピオンが負けてしまっているONEの舞台に(弟の)孔稀と乗り込んで、RISEチャンピオンとしてONEのベルト持ってくるんで楽しみにしてください」とアピールした。
一貴は左足のダメージが大きく、ベイノアに肩車で運ばれてインタビュースペースに登場した。一貴は「相手は5Rの経験があんまりないですし、体力もあんまりない方だと思ったので、1Rから前に出て、後半のラウンドに倒せたらいいと思いました。カーフは痛かったですけど、自分のカーフは効かせられました。空手をやっていたのでローでは倒れないです。政所選手が勝つと言われていて、逆に燃えてモチベーションになりました」と試合を振り返った。ONE挑戦については「日本人がいっぱい出て、負けていますけど、僕たちだったら勝てるし、やりたいことなので、楽しみにして欲しいです」と話した。
敗れた政所は「完敗です。想像通り強かったです。やりたかったことができなかったです。勝つためにやってきたのに、どこか魅せて勝とうと変な色気が出てしまいました。効くはずのローでも大﨑選手が表情を変えなかったことでも面喰らいました」と話した。
RISEの伊藤隆代表は「ONEとは一貴についてというわけではなく、他にも出たい選手がいるので交渉中です。ONEフライデーに出るより、本戦に出るとなると契約がどうなるか交渉しています。チャンピオンがどこにも出れないというのは違うと思っています」とコメントしている。
中村寛、タリソン・フェレイラと死闘の末3R KO勝ち
第13試合 セミファイナル ライト級(63kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○中村 寛[かん](BK GYM/RISEライト級王者、元DEEP☆KICK -60kg王者)
×タリソン・フェレイラ(ブラジル/チャンピオンズ・ファクトリー)
3R 2’58” KO (左ハイキック)
中村は27歳。昨年4月、直樹に判定勝ちし、RISEライト王座を獲得。8月のアリシェル・カルメノフ戦は無効試合に終わったが、12月のアフマド・アコーダッド戦では2R左フックでKO勝ち。今年3月のRISE ELDORADOではK-1の与座優貴とのライト級王者対決を行ったが、3Rに与座に攻め込まれた場面でローブローをもらい、負傷判定負けとなっていた。完全決着を希望する声も少なくなかったが、結局今回は違う相手との試合が組まれた。
フェレイラは19戦16勝(7KO)3敗の28歳。日本では過去にスアキムにKO負けしたが2度ダウンを奪って追い詰め、大雅、森本“狂犬”義久に勝利している。昨年3月のELDORADOでは山口裕人と65kg契約でのOFGマッチを行い、ダウンの応酬の末に裕人が2R右バックハンドブローでKO勝ちしている。元々、3月のRISEで中村と戦う予定だったが、フェレイラのバイク事故により実現しなかった。
1R、中村はサウスポーで構え、オーソドックスのフェレイラに対し、左三日月蹴りを当ててからの左フック、左ボディを当ててからの左ハイといったように、上下に攻撃を散らして強打を狙い続ける。距離を取ってはいきなり飛び掛かり、野性的な攻めで観客を沸かせる。タリソンもボディへのパンチを返すが、中村の勢いに押されている感がある。記者採点は中村。
2R、開始すぐにフェレイラがパンチを振るって前進すると、バッティングとなり、中村が鼻柱から出血しドクターチェックが入る。再開するが、中村はバッティングのダメージと消耗が相まってか、口が開いてしまう。逆にフェレイラは勢いよく前に出続け、ボディ、顔面にパンチを当て反撃する。中村も左インローを随所で返し、時折フェレイラを止めるが、フェレイラはすぐ前進し、攻勢を維持する。記者採点はフェレイラ。
すると3R、フェレイラも消耗が激しくなっており、中村が攻撃を当てていると、フェレイラが下がるように。すると中盤、中村が左ストレート、ミドルを効かせてロープ際まで下がらせ、左ストレートでダウンを奪う。フェレイラはダメージが大きく、さらに中村が左フックでダウンを奪うと、最後はロープに詰めての左ハイで、終了間際に見事フィニッシュした。
マイクを持った中村は「情けない試合で、内容が内容ですけど、盛り上がったんちゃいますか。パワー与えるつもりでしたが、パワーをもらいました」と笑顔で話し「前回の(与座との)試合、RISEも自分を応援してくれるサポーターの気持ちも背負えず、過去一で情けない試合をしたと思っています。申し訳ございませんでした。今回この内容でまだまだ言えることではないですけど、心の部分、気の部分、メンタルが整っているんで、誰とやっても二度と負けないです。全員倒しきります。61.5kgか62kgぐらいがベストなんで、価値のある世界のベルト作ってもらいます。必ず世界一なります」とアピールした。
中野椋太×宇佐美秀メイソンは負傷判定ドロー
第12試合 ウェルター級(67.5kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
△中野椋太(誠至会/RISEウェルター級王者、S1世界ウェルター級王者、元WBCムエタイ日本統一・NJKF同級王者)
△宇佐美秀メイソン(カナダ/Battle Box/ISKAインターコンチネンタル・ウェルター級(67kg)暫定王者)
2R テクニカル判定0-1 (19-20/板坂19-19/小川20-20)
中野は27歳。22年5月、稲井良弥に2R KO勝ちしRISEウェルター級王者となる。その後は外国勢との試合が続き、22年8月にチャド・コリンズに1R KO負け、昨年7月にイ・ソンヒョンに2R KO勝ち、12月にGLORY推薦のペトル・モラリに判定負けしている。4月の後楽園大会では稲井を相手に王座初防衛戦を予定していたが、稲井の欠場により中止・延期となっていた。
メイソンはキック5戦5勝(3KO) の23歳。宇佐美正パトリックの弟。大阪出身で、フルコン空手をベースとし、ボクシングでも西日本U15大会で準優勝。母の母国・カナダの刑務所に約2年入っていたが、更生のため格闘技を再開し、22年4月のPOUND STORMでMMAデビュー。12月のINOKI BOM-BA-YE×巌流島でキックデビューし、ブランク明けのアルバート・クラウスに判定勝ち。昨年3月のKNOCK OUTでは杉原新也に判定勝ち。9月のKNOCK OUTではフランス人選手とのISKAタイトルマッチが組まれ、1R KO勝ちしベルトを獲得。12月のK-1では海斗を2R KOし、今年3月のK-1では白須康仁を1R KOし、今回RISEに初参戦する。
1R、中野はオーソドックス、メイソンはサウスポーで構え、メイソンが左ストレート主体で勢いよく攻める。だが中野は対処しつつ、右ミドルを当て、左のストレートも随所で当てる。最後、メイソンが前に出てパンチラッシュを仕掛けるが、中野は対処し終える。記者採点はイーブン。
2R、中野は執拗に右ミドルを当てて、メイソンの腕を潰そうとしている様子だが、メイソンは左ストレートを随所で当て続ける。すると途中で中野の左まぶたが腫れ、ドクターチェックを受ける。再開後、メイソンの左ローがローブローとなり、一時中断すると共に、再びまぶたのドクターチェックも入ると、眼窩底骨折の疑いがあるとみなされストップがかかった。
レフェリーはバッティングによるものと判断し、この時点までの内容で判定が行われ、1者は宇佐美を支持したが、2者はイーブンでドローとなった。メイソンは負傷判定という扱いに不満を示すと共に、セコンドについた兄のパトリックも怒りを示し、退場時にはRISEの伊藤代表に「さすがにこれは納得いっていない」と話しかけ、審議を求めた。大会後の総括で伊藤氏は「レフェリー陣と検証したいです。メイソンが怒るのもわかりますので、早急に対応したいです」と話している。
数島大陸、タイ人のスドローをKO
第11試合 52kg契約 3分3R(延長1R)
○数島大陸[りく](及川道場/RISEフライ級(51.5kg)王者)
×スドロー・ソージョートンプラシン[Sudlor Sor Jor Tong Prachin](タイ/元タイ7chミニマム級(47.627kg)王者)
3R 2’25” KO (左ストレート)
数島は16戦12勝(6KO)2分2敗の21歳。22年10月、RISEフライ級初代王者決定戦で田丸辰に判定負け。その後は4連勝中で、田丸が返上した王座を懸けての昨年10月の試合で松本天志に判定勝ちし王者となる。2月の後楽園大会のメインイベントではタイの名門ペッティンディーが送り込むクンスックに手を焼くも延長戦の末に判定勝ちした。今回の相手・スドローは79戦60勝14負5分の20歳でRISE初参戦だ。
1R、数島がサウスポーで構え、左ボディを随所で当て、中盤以降には左ローも増やす。まだスドローは耐えているが、攻撃がほとんど返せない。記者採点は数島。
2Rも数島優勢。スドローも1Rよりはミドルや膝を返すようになるが、力は入りきらず。終盤、数島がコーナーに詰めてパンチを連打する場面もあるが、強打にはつなげられない。記者採点は数島。
3R、スドローが組む場面が増え、豊永レフェリーは注意を出す。数島は攻撃が寸断され続けたが、終盤、左ストレートを効かせて、パンチの連打でロープ際まで下がらせると、最後はフラフラのスドローを押し倒すような形となったが、スドローが倒れダウンが宣告されると、ダメージが大きいと判断したか?レフェリーはストップし、数島のKO勝ちとなった。
那須川龍心、塚本望夢との接戦制し数島大陸の王座挑戦へ
第10試合 フライ級(51.5kg) 3分3R(延長1R)
○那須川龍心[りゅうじん](TEAM TEPPEN/1位)
×塚本望夢[もうむ](team Bonds/3位、元DEEP☆KICK -51kg王者)
判定2-1 (大沢28-29/豊永30-29/向井29-28)
那須川天心の弟・龍心は17歳。アマチュア時代に塚本に判定負けしたことがあり、昨年2月のNEW WARRIORSフライ級トーナメント一回戦でも塚本に判定負けした。だが龍心は6月に相沢晟に、8月にJINに判定勝ちし、12月の両国大会では龍太郎に3R TKO勝ち。大晦日のRIZINではMMAに初挑戦し、シン・ジョンミンに2R TKO勝ちした。3月のRISE ELDORADOでは、フライ級2位の松本天志に判定勝ちしている。
塚本は兵庫出身の18歳。昨年2月のフライ級トーナメント一回戦で龍心を下したが、決勝で松本に3R KO負け。だがその後は7月の大阪大会で山川敏弘を1R KOし、10月に酒井柚樹に判定勝ち、今年2月にJINに判定勝ちし3連勝中だ。
1R、両者ステップは少な目で中央付近での接近戦が続く。時折パンチが交錯するが、まだどちらもクリーンヒットにはならない。龍心の左ボディの強打が一発目立つ程度か。記者採点はイーブン。
2Rも接近戦が続き、パンチ主体の攻防で、差がつかない。龍心が右テンカオを連打する場面もあるが先に続かない。終盤、塚本はサウスポーも織り交ぜ、左ミドルを当てるが、主導権を握るほどにはならない。記者採点はイーブン。
3Rも同様で、お互いパンチを積極的に出すが、なかなかクリーンヒットにつながらないまま終わる。記者採点はイーブン。合計30-30でイーブン。ジャッジは三者三様のポイントとなりつつも、イーブンは無く割れ、2者が龍心を支持し、龍心が判定勝ちした。
なお、RISEの伊藤代表は大会後の総括で「ドローでもいいかなと思いました。延長があってもいいと思いました。望夢サイドから何か(異議申し立てが)あれば検証したいです」とコメントしている。
マイクを持った龍心は「塚本選手とはアマチュアと合わせて3回目の対戦で、今日勝てないと次はないと思っていたので、勝てて良かったです。2対1でどっちが勝ってもおかしくなかったですけど、僅差でも勝てたのもTEAM TEPPENのおかげです。これで挑戦者決定でいですかね、伊藤会長?見たいですよね?でもこのままじゃ数島選手に勝てないと思うので、会長とTEAM TEPPENのみんなとめっちゃ強くなって帰ってきます。7月21日に放送のABEMAの『今日、好きになりました。』に出るので、彼女作って、強くなって帰ってきます。7月20日に天心の試合もあるんで応援してあげてください」とアピールした。
次の試合でKO勝ちした数島はマイクを持つと「那須川選手、おめでとうございます。メディアに出て注目されて、そんなことしてたら僕に勝てないと思うんですけど」と龍心を皮肉りつつ「僕もフライ級のベルトを守る気無いんで、どんどん攻めていきます。那須川選手、ぜひやりましょう」と対戦を承諾した。続けて龍心もリングに戻ると「決定かわからないですけど、決定で大丈夫ですかね、伊藤代表。いつやるかわからないですけど、ぶっ倒せるよう、めっちゃ強くなるんで期待してください」と話した。
大雅、ダニエル・プエルタスに判定勝ち
第9試合 スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○大雅(TRY HARD GYM/RISEスーパーフェザー級(60kg)王者、元K-1同級王者、元Krushスーパー・バンタム級(55kg)王者)
×ダニエル・プエルタス[ピュータス/Daniel Puertas](スペイン/アルティメットファイトスクール/元ISKA世界スーパーフェザー級(59kg)&スーパーライト級(65kg)王者)
判定3-0 (長瀬30-29/島原30-28/豊永30-28)
大雅は27歳。昨年6月に武尊・白鳥大珠と共にパリの大会に参戦し、ポール・カーポウィッツに判定勝ち。8月のRISEでは当時スーパーフェザー級2位の常陸と接戦の末に延長判定勝ちすると、今年1月大会でチャンヒョンの持つ同級王座に挑戦し判定勝ちし、K-1との2団体制覇を達成した。
プエルタスは31歳。18年9月のK-1で武尊とで対戦し1R KO負け(その際の日本語表記はダニエル・ピュータス)。21年から昨年までONEに上がり3戦1勝2敗で、昨年1月にはスーパーレックの王座に挑戦し判定負けしている。ONEとの契約が切れ、今回、大雅の希望で試合が組まれた。日本では武尊戦以来約6年ぶりの試合となる。
1R、大雅がサウスポーで構え、左ボディ、膝、フックを積極的に放つ。プエルタスはある程度ブロックしたりかわしたりしつつ、大きなダメージは負わず、まだ崩れないものの、返す攻撃が少なく印象が悪い。記者採点は大雅。
2Rも同様で、大雅が積極的に攻め、主導権を維持する。終盤、大雅の手数が少し落ち、プエルタスも右インローを返し、少し大雅のバランスが崩れるが、最後は大雅も攻撃を返し、反撃を許さない。記者採点は大雅だがイーブンもありうる。
3R、大雅は左ボディ、フック等を当て、手数では上回るが、プエルタスも左ボディ、顔面狙いの右膝蹴りを随所で返し、底力を見せて終了する。記者採点はイーブン。合計30-28で大雅。ジャッジ3者とも1~2点差で大雅を支持し、大雅が判定勝ちした。
大雅は「今回の相手、指名させてもらったんですけど強くて、硬くなってしまいました。自分が世界で一番だと思っているんで、もっと強い選手呼んでください。来年トーナメントあるみたいですけど、僕も出たいです。スーパーレックよりも強いと思っているんで。誰でもやらせてください」とアピールした。
麻原将平 引退セレモニー
休憩前には麻原将平の引退セレモニーが行われた。麻原は滋賀出身、大阪在住の39歳。RISEでプロデビューし、通算戦績45戦27勝18敗1分(8KO)。HOOST CUP初代スーパーライト級王者で、RISEでは、イ・ソンヒョン、不可思と王座を争った。麻原が16年のキャリアを振り返ったRISE公式インタビュー記事はこちら。引退式では裕樹、マネージャーの武蔵氏らが花束を贈呈した。
麻原は関係者に感謝の言葉を述べ「今日で引退しますが、大阪でキックボクシングのフィットネスジムをオープンしています。そこで一人でもキックボクシングの素晴らしさを伝えたいです。今までありがとうございます」と話し、10カウントゴングを聞いた。