RISE 1.14 後楽園ホール(レポ):大雅、チャンヒョンに判定勝ちしスーパーフェザー級王者に。ONEでの大一番控える武尊にエール。小林愛理奈、ワン・チンロンを2R KOし小林愛三にOFGマッチを要求
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RISE 175
2024年1月14日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
大雅、チャンヒョンに判定勝ちしスーパーフェザー級王者に。ONEでの大一番控える武尊にエール
第11試合 メインイベント RISEスーパーフェザー級(60kg)タイトルマッチ 3分5R(無制限延長R)
×チャンヒョン・リー[イ・チャンヒョン](韓国/RAON GYM/王者)※3度目の防衛戦
○大雅(TRY HARD GYM/2位、元K-1同級王者、元Krushスーパー・バンタム級(55kg)王者)
判定0-3 (和田49-50/豊永48-50/長瀬47-50)
※大雅が王者に
チャンヒョンは17年に野辺広大を破りRISEスーパーフェザー級王者に。19年の-61kgトーナメントでは裕樹に勝利し、準決勝で梅野源治に敗れた。コロナ禍の影響で2年間試合から遠ざかっていたが、22年7月のRISEで復帰し、暫定王者の一馬をKOし、王座統一と初防衛を果たす。22年10月には中村寛に2R TKO勝ち。昨年1月、常陸飛雄馬に延長判定勝ちし王座2度目の防衛に成功すると「これからは1個上の階級に挑戦したいです」とコメントした。7月には1階級上のライト級(63kg)でのOFGマッチで山口侑馬を71秒でKOしたが、8月のライト級での秀樹戦ではパンチの空振りが多く2R目から失速し判定負け。今回はスーパーフェザー級に戻って3度目の王座防衛を目指す。
大雅は元K-1同級王者。19年からRISEに上がり、21年11月以降、梅野源治ら相手に3勝1分負け無しだったが、昨年3月の一馬戦の前日、減量苦の影響で肺の破ける縦隔気腫となり欠場した。6月には武尊の出場したパリの大会に参戦し、ポール・カーポウィッツに判定勝ち。8月のRISEでは当時スーパーフェザー級2位の常陸と接戦の末に延長判定勝ちすると、「タイトルマッチやりたいです」とマイクアピールしていた。
前日の公式計量で、チャンヒョンは60kgリミットから50gアンダーの59.5kgでクリアした。挑戦者の大雅はパンツを脱いでも60.05kgで50gオーバーしてしまうが、約10分後の2度目の計量で無事60kgジャストでクリアした。
1R、チャンヒョンが圧力をかけ、大雅がサウスポーでステップして距離を取る構図が続くが、チャンヒョンが右インローを当てた直後、大雅が左フックをクリーンヒットし、チャンヒョンの腰が落ちる。大雅はその後も左ミドル、右バックハンドブローをヒット。だがチャンヒョンは前に出続け、右ローや左ボディを返す。記者採点もジャッジ3者も大雅。
すると2R、チャンヒョンは前に出続けると、右の奥足狙いのローを度々ヒットするように。大雅はもらい続けると、足取りが悪くなる。大雅も左フックを当てるが、下がる時間が続きやや印象が悪い。記者採点は僅差だがチャンヒョン。ジャッジ2名はイーブンだが、長瀬ジャッジは大雅のパンチを評価したか?大雅を支持する。
3R、チャンヒョンは前に出て、右奥ローを当てるが、大雅は耐え、随所で左フックや右アッパーをお返し。するとチャンヒョンの圧力も落ち、最後は大雅が前に出返し、チャンヒョンを下がらせて終える。記者採点もジャッジ3者もイーブン。
4R、お互い消耗が激しい中で、チャンヒョンは前に出続け、パンチを連打するが、大雅はブロックして耐えてから、左フックや右アッパーを返す。大雅はノーガードでの挑発も絡める。チャンヒョンは終盤に右ローも再び出すようになるが、力は入りきらない。試合後の話によると、3Rの途中で右足を痛めたという。だが大雅も強打が減り、五分の状態に。記者採点はイーブン。なお、今大会から、タイトルマッチのオープンスコアリングシステムの発表は3R目までとなった。合計点を見る限り、このラウンドは3者イーブンだった可能性が高い。
5R、チャンヒョンはパンチを細かく出すが力が入りきらない。大雅も随所で左右のフックを放つが、クリーンヒットにはならない。とはいえ大雅のパンチのほうが精度は上で、終盤、残りの力を振り絞るようにパンチのヒットを増やして終える。記者採点は大雅。合計48-49で大雅。ジャッジ3者とも1~3点差で大雅を支持し、大雅が判定勝ちでベルト奪取を果たした。
RISEとK-1の2団体制覇は過去に村越優汰が達成しており、大雅が2人目。村越はRISEバンタム級、K-1フェザー級の順に獲得した。K-1→RISEの順での王座獲得、また、同じ階級での獲得は大雅が初となる。
RISEのベルトを巻いた大雅はマイクを持つと「まだ強いでしょ、俺?」と笑顔で第一声。「もう無理だよとか、引退しろとか凄い言われた時期あったんですけど、こうやって僕のこと信じてついてきてくれるみんなのおかげで、またこうやってチャンピオンに戻ってくることができました。本当ありがとうございます。ここに来るには色んなことがあって。途中でチームドラゴンに移籍させてもらって、TRY HARDに戻って来ることになりましたけど、(ドラゴンの)前田(憲作)会長、選手のみんなに、今でも凄い感謝してて、その時があったからこそ、こうやって今、ここに立っていると思っています。そしてTRY HARDに戻ってきてから僕のメインのトレーナーの(黒沢)遥輝(下写真右)、こいつ小学校が一緒で、中学校のサッカー部の後輩だったんですけど、トレーナーの勉強して、1年前から僕のことを付きっ切りで見てくれるようになりました。本当によくやったな、お前も。本当にありがとう。本当に凄いよ。本当にみんなに感謝しています」と述べた。
続けて大雅は感極まりつつ「俺は絶対に世界チャンピオンになるんで、こんなところで終わりません。本当に正真正銘の世界で一番になります。皆さん、今後も僕の応援よろしくお願いします。それと今日、試合前、武尊選手から『頑張れよ』って連絡いただいて、僕もしっかりチャンピオンになったんで、1月28日、スーパーレック、必ずKOしてONEのチャンピオンになってくれると思うので、皆さん応援してください。僕も応援しにいくんで、武尊選手、頑張ってください。僕も世界のデカい試合をやれるように頑張るんで、僕も早くそこに追いついていけるように頑張ります。今日は本当にありがとうございました」と語り、今後に向けての決意を表明すると共に、武尊にもエールを送った。
RISEの伊藤隆代表は大雅について「K-1とRISEのベルトを取った選手って、ほとんどいないと思うので、素晴らしい偉業を達成したと思います。60kgだったらほぼ負ける気はしないと言っていたので、防衛戦をしながら世界の選手とやらせていきたいと思います」「ずっと伸び悩んでいて、RISEに来てから順風満帆の格闘技人生ではなかったんですけど、今回は本当に良かったと思います。作戦も良かったし全盛期の大雅に戻ってきたと思います。彼にとって重みのあるベルトになったと思います」とコメントしている。(大雅の談話は別記事に掲載しました)
RISE&K-1 2団体制覇の大雅、試合直後談話「武尊と一緒にフランスに行かせてもらった時に、やっぱり俺はここだなって気持ちが変わった」
小林愛理奈、ワン・チンロンを2R KO、小林愛三にOFGマッチを要求
第10試合 セミファイナル 女子49.5kg契約 3分3R(延長1R)
○小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM/RISE QUEENミニフライ級(49kg)王者)
×ワン・チンロン(台湾/TKBA/PUNCH UP)
2R 1’32” KO (左ボディフック)
小林は22年4月に宮﨑小雪のアトム級(46kg)王座に挑戦し判定負けしたが、その後は5連勝。宮﨑若菜、平岡琴、MISAKI、花田麻衣を破り、11月にはerika♡に2R左ストレートでKO勝ちし、ミニフライ級王座を獲得した。
チンロンは23歳。双子の妹と共に中学からボクシングを始め、全国大会で優勝した実績もある。18年9月のKrushで壽美(ことみ)と対戦し判定負けし、19年11月のシュートボクシング愛知大会でユリカGSBに判定負け。昨年4月のKNOCK OUTでは、ぱんちゃん璃奈と対戦。入場時からダンスを披露して沸かせ、リーチを活かしたストレートや膝で見せ場を作ったが、3Rに攻め込まれ判定負けしている。身長は167cmで小林より15cmも大きい。
1R、開始すぐから小林は距離を詰め、右フックを当て、右のロー、カーフキックを立て続けに当てる。チンロンも伸びのあるストレートを返しつつ、距離が詰まれば膝蹴りを返すが、ヒット数では小林が上回る。最後、小林は右ミドルも絡めて終える。
すると2R、小林が右のローを当てていると、チンロンの足が止まるように。小林が右ローから右フックにつなげてロープ際に詰めると、右フックの連打でダウンを奪う。小林はチャンスを逃さず、すぐにロープに詰め、左ボディの連打でチンロンをマットに沈めた。
完勝の小林はマイクを持つと「今日はチャンピオンになってから初めての試合で、初めての国際戦で、KOで勝てて良かったです」と話した後、「名前出したい選手がいるんですけど、小林愛三選手、どうですか」と話し、リング近くで観戦していたRISE QUEENフライ級王者の愛三に呼び掛け、愛三もリングに上がる。続けて愛理奈は「愛三選手は私がキックを始めた時から活躍していた選手で、上に行ったらやりたいと思っていました。オープンフィンガーでどうですか」とアピールし、小林も「私もオープンフィンガーでやりたいと言いに来たので、是非このカード決めていただきたいと思います」と回答し、対戦を承諾した。最後、愛理奈は「女子格闘技おもんないと言われるんですけど、自分らなら盛り上げれるんで楽しみにしてください」とアピールした。
バックステージでのインタビューで愛理奈は「結構作戦が当てはまった感じで、KOでちゃんと仕留めることができました」「元々ボクサーで前足に重心がかかっている選手なんで、まず前足を潰しました。結構最初ジャブの差し合いとかしちゃうと、相手のペースになるなと思いました。やっぱりパンチも強かったし、今までで一番上手かったと感じました。カーフ効かして、そこから顔で仕留めようと思ってたんですけど、顔がめっちゃ打たれ強くてボディに変えましたね」「膝蹴りのタイミングが思ったより上手かったです」「(チンロンの)戦い方が想定していた感じだったんですけど、パワーが想定外でしたね」「1R終了する頃には足が完全に効いていたんで、それをフェイントにパンチにつなげて行こう、2R目から中に入って行こうという作戦でした」と試合内容について振り返った。
階級が上の愛三戦の契約体重については「49と52の間取って50とか、多分足りないんですけど(苦笑)全然合わせるんで、そこは勝手に決めてもらって大丈夫です」と話し、何kgでも戦う構え。時期についても「いつでもいいです」と話した。
RISEの伊藤隆代表は大会後の総括で、この一戦を3月17日のRISE ELDORADO東京体育館大会か、7月の大阪大会で実現させたい考えを示している。
FIGHT CLUBから帰還の木村“ケルベロス”颯太が判定勝ち
第9試合 スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○木村“ケルベロス”颯太(心将塾/ライト級9位、元DEEP☆KICK -65kg王者)
×チャッピー吉沼(TANG TANG FIGHT CLUB/スーパーライト級8位)
判定3-0 (長瀬30-28/小川30-27/秋谷30-27)
木村は22年7月にKENTAに判定負けして以来となるRISE出場。昨年は4月のRIZIN大阪大会で進撃の祐基に3R KO勝ちすると、5月のRIZIN有明大会でも城戸康裕から終盤に逆転のダウンを奪って判定勝ち。11月のOFGマッチ大会・FIGHT CLUBでは朝倉未来推薦の白川陸斗と激しい打ち合いを繰り広げ印象を残した(規定により時間切れドロー)。
吉沼はRISE参戦当初は北井智大、森香津眞、麻火佑太郎に3連敗したが、22年は5月に稲石竜弥、11月に小川悠太に判定勝ちし2連勝中。試合はそれから1年2ヶ月ぶりとなる。
1R、サウスポーの吉沼は、木村の蹴り足をすくってから左フックを当て、左ミドルや三日月も当てる。木村も右のインロー、カーフキックを度々返し、右ストレートも絡める。まだ差は付かない。
2R、吉沼は序盤にパンチをまとめ、中盤には左テンカオを効かせる。だが木村は吉沼の左テンカオのタイミングで右ストレートを合わせると、終盤にも右ストレートを当ててダウンを奪う。
3R、吉沼も左フックを返して巻き返すが、中盤、木村も右ストレートをクリーンヒットし巻き返す。最後はパンチで打ち合い終了。結局、木村が2Rに奪ったダウンが決め手となり、木村が判定勝ちした。マイクを持った木村は「今年65のベルト取ります」とアピールした。
福岡の翔、フェザー級上位の山川賢誠を左ボディKO「RISE WESTをもっと大きい舞台にしたい」
第8試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×山川賢誠(Kickboxing Academy Sapporo/6位)
○翔[かける](REVOLT/11位)
2R 1’22” KO (左ボディフック)
山川は22年10月に安本晴翔に1R KO負けしたが、23年は3月に宮崎就斗に判定勝ちしし、6月には地元札幌でのRIZINで平野凌我に2R KO勝ちし、2連勝と勢いに乗る。
翔も22年10月にRIZIN福岡大会で栗秋祥梧に2R KO負けしたが、昨年は2月に藤井海人に判定勝ち、6月に山元剣心に延長KO勝ちし、10月に都筑海杜にTKO勝ちし、23年は全勝している。
北海道と福岡で結果を出した2人が、東京での24年初戦で激突したが、結果を出したのは福岡の翔だった。1R、山川がサウスポーからの左ミドル主体で先手を取るが、終盤、翔のパンチが効き目を発揮し、右ストレートでダウンを奪う。
すると2R、翔が顔面へのパンチを当てつつ、左ボディを効かせると、左ボディ一撃でダウンを奪う。山川はダメージが大きく、最後は翔が右と左のボディ連打で再びダウンを奪ったところで、豊永レフェリーがストップし、翔のKO勝ちとなった。
翔はこれで4連勝、3連続KO勝ち。マイクを持った翔は「僕は福岡のRISE WESTという団体で戦っています。僕のチームにはリングもサンドバッグもないですが、みんなで考えて練習しています。僕について来てくれているチームのみんなのために勝てて良かったです。まだ僕のことを知らない人が多いと思います。RISE WESTをもっと大きい舞台にしたいので、皆さんの力を貸してください。熱い試合します」とアピールした。
一馬が引退セレモニー
第7試合終了後、一馬(MONSTAR GYM/元RISEスーパーフェザー級暫定王者)の引退セレモニーが行われた。
一馬は34歳。戦績24戦14勝(8KO)7敗3分。21年10月、RISEスーパーフェザー級暫定王座決定戦で石月祐作に勝利。22年2月にはテーパリットに勝利し5連続KO勝ちとした。22年7月にチャンヒョンとの王座統一戦で4R KO負け。昨年3月に大雅と戦う予定だったが、大雅の計量後の体調悪化により、大会当日に試合中止となっていた。9月に引退を表明し「来年の2月23日が出産予定日なのですが、今後は妻と子供の支えになり、時間を大切にしたいと思い、引退を決断させていただきました」と説明していた。
引退セレモニーでは夫人、ジム関係者、RISEの伊藤隆代表が花束を贈呈した。一馬は「僕が思うRISEとは、本物の格闘家です。それを目指してやってきました。コロナ禍で世の中が苦しい時に、みんな希望と勇気を与えたいと思い、RISE王者として奮闘することができました。今思えば僕が目指した本当の強さは、その中にあったのかもしれません。最後に支えてくれた皆様、本当に長い間ありがとうございました」と話し、10カウントゴングを聞いた。
第7試合 バンタム級(55kg) 3分3R
×松山和弘(ReBORN経堂)
○若原 聖[つばさ](TEAM TEPPEN)
判定0-3 (秋谷28-29/豊永28-30/大沢28-30)
1R、開始すぐから若原の左ハイがさく裂し、松山はひるむ。若原はその後も蹴り主体で攻め続ける。
2R、松山の左ミドル、ボディフックのヒットが増え、若原は表情が曇り始めるが、最後は若原も左ハイを連打し、挽回して終える。
だが3R、若原は手数を上げ、パンチ、ミドルを度々ヒット。松山は攻撃が減ってしまう。結局若原が1Rと3Rのポイントを取り判定勝ちした。
第6試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
○久津輪将充(TBF/9+ nine plus lab./CKC 2023 -57.5kgトーナメント優勝)
×大島広也(TANG TANG FIGHT CLUB)
2R 2’38” KO (右フック)
1R、お互いパンチ、ミドル、ローを当てるが、まだ均衡は崩れず。だが2R、久津輪の右ローが効き目を発揮すると、前に出る大島に久津輪が的確にパンチを当て続け優位に。大島も右ミドルを連打するが、右ミドルのタイミングで久津輪が右フックを合わせてダウンを奪う。大島はダメージが大きく、最後も久津輪が右フックで再びダウンを奪ったところで長瀬レフェリーがストップした。
久津輪は「そろそろRISEさん、ランカーを用意してください。フェザー級、強い選手が集まっていますけど、みんな華が無いんで、僕が一番強くて稼ぐ選手になります」とアピールした。
第5試合 スーパーフェザー級(60kg) 3分3R
―藤橋 光(TEAM LIBERTAD/KT)※フリーから所属変更
―愛翔[あいと](Kickboxing Academy Sapporo)
1R 1’01” ノーコンテスト
1R、序盤に藤橋のサウスポーからの左奥ローがローブローとなる。愛翔のダメージが大きく、一時中断するが、回復が見込めず、ドクターストップがかかり、無効試合の裁定となった。
第4試合 スーパーフェザー級(60kg) 3分3R
×戸田龍将(TRY HARD GYM)
○原口アンドレイ(TEAM TEPPEN)
2R 2’54” KO (右フック)
1R、戸田がサウスポーからの左ミドル主体でやや優位に。だが終盤、原口が前に出て詰め、右ストレートでダウンを奪う。ところが直後、原口の右ストレートに、戸田が左フックを合わせ、ダウンを奪い返し、ポイントを五分に戻す。原口は左眉から出血しているが、計量時からその箇所に絆創膏を貼っていたため、元々あった傷が開いた模様だ。
2R、戸田のほうがダメージが残っており、クリンチやスリップを時折してしまう。パンチの攻防で戸田も返すが、原口も当て続けると、終盤に原口がダウンを奪う。原口の右フックは当たっていないように見えたが、戸田が前のめりでスリップしたことで、秋谷レフェリーはダウンを判断した模様だ。最後は原口が右フックで累計3度目のダウンを奪ったところで秋谷レフェリーがストップし、戸田のKO勝ちとなった。
第3試合 女子バンタム級(55kg) 3分3R
△山本“魂武羅”知美(FAITH)
△RINA(TEAM TEPPEN)※Crazy Gorilla Gymから所属変更
判定0-1 (長瀬28-29/小川29-29/秋谷29-29
1R、RINAが前に出続け、度々コーナーに魂武羅(コブラ)を詰め、パンチを振るう。離れれば魂武羅も右ミドルを強打するが、RINAの圧力に手を焼いている感は否めない。
2R、変わらずRINAは前に出続けるが、パンチのヒットが減る。魂武羅が右ローを随所で当て、RINAの勢いを削るように。
3Rも同様だが、RINAのパンチが終盤増え、魂武羅の攻撃が減り終了する。1者がRINAを支持したが、2者がイーブンでドローで終わった。
第2試合 女子アトム級(46kg) 3分3R
×菊地美乃里(GONG-GYM坂戸)
○岩永唯伽(OISHI GYM)
判定0-2 (秋谷28-29/小川28-28/大沢28-29)
岩永は高校1年生。フルコンタクト空手をベースとし、JKJO全日本ジュニア中学女子2.3年女子43kg級で優勝実績がある。昨年10月のRISE福岡大会でプロデビューし世愛に判定勝ちし、今回2戦目で後楽園のリングに立った。
1R、菊地が開始すぐ、距離を縮めて顔面とボディにパンチを連打すると、岩永が鼻血を出して苦しい展開に。顔面パンチへの対応はまだ甘いか。だが岩永は顔面やボディへの前蹴りを返し、終盤には組んでの膝を度々当てて挽回する。組んだまま2発以上当てたように見える場面もあったが、豊永レフェリーから注意は入らない。
2Rも岩永は菊地にパンチを当てさせず、組んでの膝、離れての前蹴りを当て、主導権を維持する。終盤には岩永が組んで膝を連打した後にレフェリーから注意が入る。
3Rも同様に岩永が攻め、最後に左前蹴りで倒すと、レフェリーはダウンを宣告。これで差がつき岩永の判定勝ちとなった。
第1試合 バンタム級(55kg) 3分3R
×堀本祐惺(TRY HARD GYM)
○奥村将真(TEAM TEPPEN/第2回(2023年)東アジアユース競技大会 ボクシング男子60kg級優勝)
判定0-2 (秋谷29-30/豊永29-29/大沢28-29)
奥村は高校3年生。極真空手をベースとし、大阪の興国高校のボクシング部に在籍し、上記のとおり8月の東アジアユース競技大会で優勝。TEPPEN GYM 大阪でキックを習い、NEXT☆LEVEL等のアマ大会で3戦3勝し、早速プロデビューする。堀本も16歳でデビュー戦だ。
1R、堀本もパンチと蹴りを返し、まだほぼ五分だが、奥村が終盤、左ボディ、右ハイを当てやや優位に。
2R、堀本は右ロー、左前蹴り、奥村は右フック、左ボディ等をヒット。まだはっきりした差はつかない。
3R、奥村の左ボディ、右ロー、左ミドルのヒットがやや目立つように。堀本は崩れないが攻撃のヒットが減ってしまう。ジャッジは1者がドローとしたが、2者が1点差で奥村を支持し、奥村が判定勝ちした。
能登半島地震の被災者支援の募金活動
大会の開場時に入口で、元日に発生した能登半島地震の被災者支援の募金活動が行われ、原口健飛と大﨑孔稀の両王者が、来場者に募金を呼び掛けた。