RISE 10.22 後楽園ホール(レポ):一馬、石月祐作との死闘制しスーパーフェザー級暫定王者に。直樹との王者対決に意欲
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RISE 152
2021年10月22日(金) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第8試合 メインイベント RISEスーパーフェザー級(60kg)暫定王者決定戦 3分5R(無制限延長R)
○一馬(MONSTAR GYM/RISE 1位)
×石月祐作(KAGAYAKI/RISE 2位、KROSS×OVER&DBS同級王者)
5R 0’42” TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)
RISEスーパーフェザー級王者・イ・チャンヒョン(韓国)がコロナ禍の影響で来日が難しいことから、同級1位の一馬と2位の石月祐作の間で暫定王座決定戦が行われた。
一馬はここ4年程、1年に1回程度の試合ペースだが、今年5月の試合まで、竹内皇貴、前口太尊、ノラシン・スペチアーレジム相手に3連続KO勝ちと勢いに乗る。石月は昨年、DBSとKROSS×OVERでベルトを獲得し、6月のRISEではINNOVATION王者の櫻井健を破り、今回の暫定王座戦につなげた。
1R、石月は序盤から圧力を強め、積極的にパンチを当て、中盤には少し一馬をひるませる。終盤にはサウスポーに切り替えた一馬に、右のミドル、三日月蹴りを度々当てて攻勢を印象付ける。記者採点は石月。
2R、一馬はオーソドックスに戻し、回って距離を取りながら左ジャブを度々当て、右ストレートのヒットを増やし反撃する。記者採点は一馬。
3Rも石月が前に詰め続け、お互いパンチを当てる場面が増える。その中で一馬は左のミドル、三日月、石月も左ボディを当て、削り合うが、とちらもひるまない。記者採点はイーブン。
4Rも激しい打ち合いとなるが、序盤のバッティングで石月は左眉をカットしドクターチェックを受ける。再開後、一馬が左フックをヒットし石月をひるませる。石月は血だるまに。両者声を上げながらパンチを打ち合い、石月が一馬をひるませる場面も作り、一進一退の展開が続く。記者採点はイーブン。
5R、開始すぐに石月に再びドクターチェックが入る。再開後、石月は雄たけびを上げ、打ち合いに臨むが、一馬が左フックでダウンを奪う。石月は立ち上がるが、ダメージが溜まっており、一馬がコーナーに詰めてパンチを連打し、石月が棒立ちになったところで秋谷レフェリーがストップした。
死闘を制し暫定王者となった一馬は「石月選手、強かったです。正直負けてました。バッティングもしてしまって、減点でもおかしくない試合でした。(正規の)ベルトを取ったらもう一回戦やってください。次こそ反則無しの試合をしたいです」とまずは石月に再戦を呼びかけた。続けて「チャンヒョン・リーがいつ来るかわからないので、王者対決、面白くないですか?Twitterでやってほしい選手を挙げてください」とファンに呼びかけた。
バックステージでは一馬は「試合内容では完敗でした。バッティングがあった影響で石月選手が前に出てくれたから勝てました。過去一強い選手でした。拳が硬くて、こんなにボコボコにされたことは練習でもないです。サウスポーで蹴りを多用したかったんですけど、圧力が想像以上で飲まれました。途中から、もらってもいいから、的確にアゴを当てようと切り替えて、効いてくれました」と試合を振り返った。「こんなんじゃチャンヒョンに勝てないですし、他のRISEの王者に並ぶのは失礼です」と話しつつも「ぜひ王者対決をやりたいです。個人としては63kgのチャンピオン(=直樹)とやりたいです」と改めてアピールした。
RISEの伊藤隆代表は一馬 vs. 直樹について「面白いですね。ファイトスタイルは似ていますし。直樹とも話したいです」と話し、実現に前向きなコメント。今回の試合自体についても「やっぱりタイトルマッチは5Rだなと思いました。負けた石月も素晴らしかった。タイトルマッチにふさわしいファイトでした」と称えた。
第7試合 セミファイナル スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×SEIDO(LARA TOKYO/RISE 5位)
○常陸飛雄馬(TARGET SHIBUYA/RISE 7位)
判定0-3 (豊永29-30/佐藤28-30/秋谷28-30)
1R、お互いパンチ、ローを軽く当てる程度でまだ慎重だが、常陸が終盤に左ミドル、左ボディをまとめ、やや攻勢で終える。
2R、常陸が右ローを当てていると、SEIDOはバランスを崩し、効き目を発揮する。その後も常陸が圧力をかけ、パンチと左ミドル等でやや手数多く攻める。
3Rも常陸が右ストレート、左ボディ、膝蹴り、ミドル、二段蹴り等で手数多く攻め続け、明確な差を見せて判定勝ちした。
第6試合 スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×手塚翔太(Sublime guys・GONG-GYM坂戸/シュートボクシング日本フェザー級(57.5kg)1位)
○平野凌我(MTS/RISEフェザー級(57.5kg)9位)
2R 1’52” KO (右カーフキック)
1R、手塚が左ジャブ、右ロー、平野が右のカーフキック主体の攻防。手塚はシュートボクシングのロングスパッツを履いているためダメージ度合がわかりにくかったが、終盤、少し平野のカーフが効いてくると、最後に右ハイを当ててダウンを奪う。
2R、平野が右のカーフを前足だけでなく奥足にも当てると、手塚は踏ん張りが効かなくなり、バランスを崩したところで平野が右ストレートを当てダウンを奪う。最後は右のカーフキックで2ダウン目を奪ったところで和田レフェリーがストップした。
第5試合 スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○森香津眞(チームドラゴン/RISE 6位)
×松本芳道(KICK-DIET吉野町/元新日本ライト級王者)
判定3-0 (和田30-27/秋谷30-27/長瀬30-26)
1R、序盤から森が右のカーフキックを効かせ、その後も当て続けると、松本はフラつき、時折パンチで前に出る追い足も遅くなる。
2R、回復した松本は前に出続け、森のローの打ちたい距離を潰す。お互いパンチを当てるが、決定打が出ない。
3R、開始すぐから松本にコーナーに詰められた森だが、パンチの打ち合いで左フックを当ててダウンを奪う。その後もロー、膝、パンチを随所で当て、反撃を許さず判定勝ちした。
第4試合 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○良星(FIGHT CLUB 428/Team Bull/RISE 2位)
×拓也(蹴空ジム/RISE 4位)
判定3-0 (佐藤30-27/長瀬30-27/和田30-26)
1R、良星が右のカーフキックを多用しつつ、左ボディ、右ミドル、右ストレートも絡め、手数多く攻める。2Rも先手を取ると、右ハイでダウンを奪う。3Rも手数多く攻め、右のカーフも効かせ、反撃を許さず判定勝ちした。
第3試合 ライト級(63kg) 3分3R
×瑠夏(L-REX/2017年RISING ROOKIES CUPスーパーフェザー級優勝)
○大石健作(TEAM TEPPEN/DEEP☆KICK -63kg 2位)
3R 1’35” KO (左ストレート)
1R、大石がサウスポーからの左ミドルを序盤から度々強打。大きな炸裂音に場内はどよめく。終盤には左ミドル一発で吹き飛ばし、ダウンでも不思議ではない倒し方をする。2Rはやや慎重になるも、随所で左ストレート、ミドルを当てて主導権を維持する。
3R、瑠夏の右フックでフラつき、あわやダウンかという場面のあった大石だが、パンチの打ち合いでカウンターの左ストレートをクリーンヒットしダウンを奪う。瑠夏は立ち上がるがフラつき、大石のKO勝ちとなった。
第2試合 82kg契約 3分3R
×クワン・サックランシット(タイ/サックランシット)
○南原健太(極真会館/極真会館全日本ウェイト制空手道選手権2018重量級(+90kg)準優勝)
2R 0’39” TKO (コーナーストップ)
極真会館のホープ・南原健太は7月大会でのプロキックデビュー戦で佐野勇海に3R KO勝ちし今回が2戦目。
1R、南原が終始圧力をかけ、ボディブロー、ローキックを効かせ、終盤に左の三日月蹴りを効かせてからのパンチ連打でスタンディングダウンを奪う。2Rも南原が序盤からパンチを連打していると、クワン陣営がタオルを投入し試合終了。まだダメージの小さい状況での投入のため、南原はやや不満げなまま勝ち名乗りを受けた。
第1試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
×杉山豪基(鹿浜TOP TEAM)
○山科直史(極真会館)
判定0-3 (佐藤28-30/豊永28-30/秋谷28-30)
1R、距離を取って回る杉山をなかなか捕まえられなかった山科だが、2Rに左ボディを効かせると、顔面とボディへのパンチを度々当てて杉山を苦しめる。3Rも膝、ミドルも絡めながらパンチ主体で圧倒し判定勝ちした。