RISE 7.28 後楽園ホール:工藤政英、ピンチ乗り越え竹内将生を1R KO。南原健太、キックデビュー戦は3R KO勝ち
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RISE 151
2021年7月28日(水) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第8試合 RISEフェザー級(57.5kg)タイトルマッチ 3分5R(無制限延長R)
○工藤政英(新宿レフティージム/王者)
×竹内将生(エイワスポーツジム/1位、Bigbangフェザー級王者、元MA日本スーパーバンタム級王者、元WPMF日本&J-NETWORKバンタム級王者)
1R 1’48” KO (3ダウン:右フック)
※工藤が初防衛
工藤は18年6月に森本“狂犬”義久に勝利し王者に。以降はONE Championshipでタイの強豪相手に苦戦したが、RISEに戻ると今年1月に大田拓真、4月に田渕神太を下し2連勝中だ。
対する竹内は4つの王座を獲得し、1月のRISEでの王座挑戦者決定戦で当時無敗の門口佳佑に判定勝ちし5連勝中だ。
1R、開始10秒ほどで竹内が左ジャブからの右ストレートをクリーンヒットしてダウンを奪う。竹内はさらにダウンを奪おうとパンチを連打し、工藤がブロックして防御すると、竹内はつかんでから膝を2連打する反則を犯してしまい、レフェリーからイエローカードをもらってしまう。RISEではつかんでからの攻撃は1回のみ可能で、まだ減点とはならない。
しかしこれで工藤は一息つけた形で、再開後は前に出て、左ジャブからの右ローをヒット。竹内はセコンドの指示に従って蹴り主体に切り替え、左のミドルとテンカオを連続で放つ。だが工藤は竹内の膝の直後に右フックを2連打しダウンを奪い返す。すると竹内は大振りのパンチを連打してくるが、工藤はブロックしてしのいでから、竹内の右にカウンターの右フックを合わせて2ダウン目を奪取する。最後もダメージの残る竹内に、工藤がカウンターで右フックを当て、3ダウン目を奪って見事逆転KO勝ちした。
ベルトを巻いた工藤は「1Rから来るとは思ってなくてベルトへの意気込みを感じました。竹内選手がいたからこういう試合になったと思います」と話した後、ジムの同僚や仲間に感謝の言葉を述べた。
第7試合 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
×良星(FIGHT CLUB 428/Team Bull/RISE 2位、元Bigbangスーパーバンタム級王者)※Team Bullから所属表記変更
○知花デビット(エイワスポーツジム/元WMC日本バンタム級&フェザー級王者)
4R 判定1-2 (大沢10-9/長瀬9-10/豊永9-10)
3R 判定0-0 (大沢29-29/長瀬29-29/豊永29-29)
両者は2月大会で戦う予定だったが、知花の負傷欠場で中止となっていた。1R、良星がスピードを活かし、積極的に右フック、右ミドル、左ボディ等を当てる。だが体格で勝る知花はひるまず、随所でパンチと蹴りを返し、はっきりした差はつけさせない。良星がやや上だが記者採点はイーブン。
2Rも基本的に同じ構図だが、知花がローもコツコツ当て、中盤からパンチとミドルの数を増やすと、良星はスリップしてしまう。だが良星も終盤、手数を上げ、右フック等を当て返して巻き返す。知花がやや上だが記者採点はイーブン。
3R、両者接近戦でパンチ主体の攻防に。序盤は良星が手数で上回るが、攻め疲れて口が開いてくると、中盤は知花がパンチをまとめ攻勢に。しかし良星も力を振り絞り、右アッパー、右ミドル等を返し、終盤はやや手数上で終える。記者採点はイーブン。合計30-30でイーブン。ジャッジ3者とも29-29で延長へ。
延長Rも両者接近戦で激しく打ち合うが、なかなか均衡が崩れない。手数ではやや良星が上だが、知花も手数は多く出し、時折重みのあるミドルも絡める。やや知花が上の印象だが、RISEルールは延長Rはマスト判定ではないため記者採点はイーブン。ジャッジは3者ともポイントを割り振り、2者が知花を支持し、知花の判定勝ちとなった。
これでRISEバンタム級上位入りが確実となった知花は「RISEの55kgのタイトルを獲れるようもっと頑張ります」とアピールした。
なお、大会後のインタビューで知花は、2月の欠場の理由について「試合2週間前、マススパーリングだから大丈夫だろうと、ファウルカップをつけなかった自分が悪いんですけど、膝蹴りをもらって、右精巣外傷という、要はタマが潰れて、摘出手術になりました」と明かし「左だけになったんですけど、左が強くなったせいか、やる気に満ち溢れているというか、テストステロン数値が上がった気がしています。ファウルカップのスポンサーをお待ちしています」と、シリアスな話題もジョークを絡めて笑顔で話した。
第6試合 52.5kg契約 3分3R
△竜哉・エイワスポーツジム(エイワスポーツジム/ラジャダムナン・WPMF世界・IBFムエタイ世界ミニフライ級王者)
△数島大陸[かずしま りく](及川道場/新空手K-3 GP 2019軽軽量級優勝、JAPAN CUP 2017 K-3 -45kg級優勝)
判定0-1 (長瀬28-29/大沢29-29/和田28-28)
竜哉は2月以来RISE 2度目の出場。今回、新設のフライ級(51.5kg)の試合を予定していたが、薩摩3373の負傷欠場により、数島との52.5kg契約の試合に変わった。
数島は昨年9月のRISE新宿大会でプロデビューし4戦3勝(2KO)1分の18歳。滉大、有井渚海と同門だ。
1R、サウスポーでプレッシャーをかける数島に対し、竜哉が右ミドルを何発も当て続け優位をキープする。数島はなかなかパンチを当てさせてもらえなかったが、終了間際、チャンスをつかむことに。
数島がじわじわ詰めると、左ジャブでひるませてから、右フック、左ストレートを立て続けに当ててさらにひるませ、右フックを後頭部に当ててそのままなぎ倒したところで、レフェリーはダウンを宣告する。エイワスポーツジムの中川夏生代表が試合後、このダウンの裁定についてRISEの伊藤隆代表に抗議したことを、伊藤氏は大会後の総括で明かし「レフェリー陣と見直してジムに文面で(回答を)出そうと思います」と話した。問題の右フックはコンビネーションの流れで出て、故意といった様子はなく、直前の左ストレートで既に竜哉はフラついていたため、レフェリーがあの状況でダウン宣告したこと自体は不思議ではなかった。記者採点は8-10で数島。ジャッジは1者が9-10とつけたが、ダウンとみなさなかったか、それまでの竜哉の攻勢を評価した可能性がある。
2R、挽回を狙う竜哉は右ミドルを増やしつつ、右のパンチも増やし反撃。中盤過ぎ、数島も左フックで竜哉をひるませるが、ダウンは取れず、攻撃数で差が開く。記者採点は竜哉。
3Rも竜哉が多く右ミドル、左右のストレートを当て優勢。2Rよりはヒットは減ったももの、数島もほとんど攻撃を返せなくなっている。記者採点は竜哉。合計28-28でドロー。ジャッジ2者イーブンでドローとなった。なお、ノーランカー対決のため延長は無かった。
試合全体としてはラジャダムナン王者・竜哉の蹴りの技術の高さが特に印象に残り、新設のRISEフライ級の主力としての活躍が期待できる内容だった。だが数島もダウン裁定の問題が残ったとはいえ、あのシーンでパンチ技術の高さを印象付けた。今回は緊急出場で、竜哉のミドル対策と体力作りが十分にできていれば、もっとチャンスが作れた可能性はある。まだプロ5戦目で、今後の伸びしろを感じる試合内容だった。
第5試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×山川賢誠(Kickboxing Academy Sapporo/RISE 5位)
○梅井泰成(TEAM TEPPEN/RISE 7位)
2R 0’07” TKO (ドクターストップ:右目の負傷)
1R、両者サウスポーに構え、お互い序盤から左のカーフキックを当てるが、効き目を発揮したのは梅井のカーフで、山川は時折もらってスリップしてしまう。梅井は左ストレートも当てる。記者採点は梅井。
勝負はこれからといった雰囲気だったが、2R開始すぐ、山川にドクターチェックが入る。1Rに左ストレートをもらった右目の視界がボヤけていたようで、眼窩底(がんかてい)骨折の疑いがあるとしてストップがかかった。
梅井は「先週、先輩の前口太尊さんが引退されました。僕が移籍して不安な時、一番最初に声をかけていただき、今の自分います。ありがとうございました。そして同じ京都出身の風音がこの間、下馬評を覆して(DoA -53kgトーナメント一回戦で江幡睦に)勝って、勇気をもらいました。絶対優勝してほしいです。同じ京都出身なんで自分も頑張ります」とアピールした。試合後の記念撮影で那須川天心が嫌そうな顔をしているが、これは風音との記念撮影でも同様で、天心なりの愛情表現といえよう。セコンドの天心の的確な指示も梅井の1Rの攻勢の要因となっていた。
第4試合 スーパーフェザー級(60kg) 3分3R
×瑠夏(L-REX)※新潟誠道館から所属変更
○奥平将太(FIGHT CLUB 428/Team Bull/Bigbangアマチュア6階級王者)※Team Bullから所属表記変更
判定0-3 (佐藤29-30/秋谷28-30/和田28-30)
第3試合 85kg契約 3分3R
×佐野勇海[いさみ](拳之会)
○南原健太(極真会館/極真会館全日本ウェイト制2018重量級(+90kg)準優勝)
3R 2’20” KO (右フック)
那須川天心のジュニア空手時代のライバルとしても知られる、極真会館重量級の主力の一人・南原がキックデビュー戦。対する佐野は昨年11月のRIZINでは全日本テコンドー協会全日本9連覇の実績のある江畑秀範とのプロデビュー戦対決で判定勝ちしており、今回も他競技のエリート相手と戦う構図となる。
1R、開始すぐから佐野が前に詰めてパンチラッシュを仕掛けるが、南原は耐え、回って距離を取ると、右ロー、左ジャブ、上段後ろ廻し蹴り、顔面への前蹴り等を当て挽回する。空振りながらカカト落としを出す場面も。空手の試合よりも大技を多く出している印象だ。だが終盤には佐野もパンチを当て返す。
2Rは南原がボディと顔面へのパンチ、左テンカオ、上段後ろ廻し蹴り等を何発も当てて優位をキープ。佐野はほとんど攻撃を返せないが、打たれ強く、なかなか倒れない。
しかし3R、南原が執拗にボディにパンチを当て続けると、さすがに佐野は耐えきれなくなりついにダウン。最後は右テンカオ、右フックの連打で2ダウン目を奪ったところでレフェリーがストップした。
南原は「倒すのは目標にしていたのでKOできてホッとしています。対戦してくれた佐野選手ありがとうございました。RISEヘビー級のスターになりたいと思っていますので、応援お願いします」とアピールした。
第2試合 61kg契約 3分3R
×藤井重綺(トイカツ道場)
○三輪力斗(真正会/新空手K-2 JAPAN CUP選抜トーナメント2019 65kg級優勝)
判定0-2 (長瀬28-29/豊永28-28/秋谷28-29)
※2R左フックで藤井に1ダウン。
第1試合 スーパーフライ級(53kg) 3分3R
△星 憂雅(IDEAL GYM/Amateur RISE Nova全日本大会2019 -55kg級優勝・大会MVP)
△金塚聖也(チームドラゴン)
判定1-0 (長瀬28-28/大沢28-27/豊永28-28)
※1R右ストレートで星に1ダウン。3R左フックで金塚に1ダウン