K-1 3.20 代々木第一(レポ/1-3):鈴木勇人、復帰戦の卜部功也とのダウンの応酬制す。玖村将史、再起戦はイタリアの選手に判定勝ち。朝久裕貴、レオナに勝ったレミー・パラに判定勝ち。ぱんちゃん璃奈、平岡琴に僅差の判定勝ち
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2024年3月20日(水/祝) 東京・国立代々木競技場第一体育館
レポート&写真:井原芳徳 (3ページに分けてレポートを掲載します/中盤のRISEとの対抗戦・終盤の70kgトーナメント開幕戦)
鈴木勇人、3年ぶり復帰の卜部功也とのダウンの応酬制す
第8試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
×卜部功也(ALONZA ABLAZE/元K-1ライト級&スーパー・フェザー級王者、K-1スーパー・フェザー級世界最強決定トーナメント2016優勝、元ISKA世界ライト級王者)
○鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス/元Krushスーパー・ライト級王者)
判定0-3 (岡田25-28/水谷26-28/西村26-28)
卜部兄弟の弟・功也は09年のKrush草創期にプロデビューし、新生K-1旗揚げ初年度の15年1月にK-1初代スーパー・フェザー級王者となり、18年にライト級王者となる。19年にライト級王座から陥落し、続くジュ―・シュアイ戦で敗れ、その後は3連勝したが、21年7月に大沢文也に勝利して以降は試合から遠ざかっていた。現在33歳で、今回スーパー・ライト級に階級を上げて約3年ぶりに復帰する。
鈴木は功也同じくサウスポーで34歳。26歳だった16年にプロデビューし、19年にKrushスーパー・ライト級王座を獲得。年3~4試合ペースで戦い続け、昨年は3月にパコーンに判定負けしたが、その後はデンサヤーム、モハメド・イスラム、豊樹相手に3連勝中だ。イスラム戦では死闘で沸かせ、豊樹では真のプロの技巧をしっかり見せ、ReBIRTH K-1体制においてしっかり仕事をしている。
今大会はプレリミナリー含め10時間、RISEとの対抗戦や70kgトーナメントや2階級王座戦等、盛りだくさんの内容となったが、正味の試合内容で一番ファンを沸かせたのは、新生K-1で地道に成果を残してきた功也と鈴木の一戦だったのではないだろうか。
1R、両者サウスポーで構え、功也がミドルを絡めつつ、左のカーフキックを執拗に当てていると効き目を発揮し、残り1分でカーフでダウンを奪うことに成功する。だが鈴木はカーフを嫌って前に詰めると、終了間際に左ストレートでダウンを奪い返す。記者採点は8-8。
2R、鈴木が序盤、前に出てパンチ、膝を当て、功也を追い詰める。だが功也も攻撃を返し続けていると、終盤は左ボディ、ミドルを当てつつ、ストレートにもつなげ、カーフも効かせて巻き返し、場内を沸かせる。記者採点は功也だがイーブンの可能性はある。
すると3R、開始すぐに鈴木が左フックを当ててダウンを奪う。だが功也は前に出て、左ボディ、膝、カーフを効かせ、またも鈴木を追い詰めるが、鈴木は必死に耐え、自分の攻撃も返して功也の逆転を封じて終了する。記者採点は8-10で鈴木。合計26-27で鈴木。ジャッジ3者とも2~3点差で鈴木を支持し、鈴木が死闘を制した。
なお、この一戦は、大和哲也の返上で空位となったK-1スーパー・ライト級王座を争うトーナメントの出場選手の査定試合として行われた。4月28日のKrushで組み合わせが当日決定する3試合を含めた4試合が査定対象だが、3月12日の記者会見でKrushの宮田充プロデューサーは「K-1のトーナメントは早くて9月かなと思うんですよね。ただ、勝ちイコール、トーナメント決定ではないです。素晴らしい戦いが繰り広げられた場合は、敗者でもトーナメントに入るという可能性も全然あります」と話していたため、敗れた功也も王座奪取に向けての芽は消えていない状況といえよう。
玖村将史、再起戦はイタリアの選手に判定勝ち
第7試合 56kg契約 3分3R(延長1R)
○玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/元Krushスーパー・バンタム級王者)
×ルカ・チェケッティ[Luca Cecchetti](イタリア/キック&パンチ・ミラノ/WAKO世界バンタム級&フェザー級王者)
判定2-0 (水谷30-30/伊藤30-29/島村30-29)
玖村は22年6月のTHE MATCHで、後にRISE世界バンタム級王者となる志朗に判定勝ち。昨年3月のK-1では、K-1スーパー・バンタム級王者の金子晃大に勝っている鈴木真彦に判定勝ちし、RISEの同階級ツートップを下した。だが9月のK-1 ReBIRTHでの金子との1年7か月ぶり・3度目の対戦では延長判定負けし、対金子の戦績が1勝2敗となってしまい、王座奪取も果たせなかった。
チェケッティは初来日。戦績49戦44勝(10KO)5敗の33歳。構えはサウスポー。昨年9月のONE Friday Fightsでは中国のフオ・シャオロンに判定勝ちしている。
1R、サウスポーのチェケッティに対し、玖村が終始プレッシャーをかけ、度々コーナーに詰めつつ、左右のミドル、ロー、ボディ、ストレート等を的確に当て続け、チェケッティを圧倒する。記者採点は玖村。
2R、玖村が右の三日月、ハイ、ストレートを多く当て、主導権を維持する。だがチェケッティも左のインロー、ミドル、ストレートを随所で返す、玖村は少し鼻血を出し、1Rよりは手数が落ちてしまう。記者採点は玖村。
3R、チェケッティも雄たけびを上げて前に出て、左ストレートを返す場面もあるが、玖村は変わらず右の膝、三日月、ミドル等を当て続け、主導権を維持して終える、記者採点はイーブンか迷ったが玖村。合計30-27で玖村。ジャッジ1者は意外にもイーブンとしたが、2者が1点差で玖村を支持し、玖村が判定勝ちした。
朝久裕貴、レオナに勝ったレミー・パラに判定勝ち
第6試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○朝久裕貴(朝久道場/元WLF武林風-60kg世界王者、K-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメント2022準優勝)
×レミー・パラ[Remi Parra](フランス/カルカリアス/WAKO PRO K-1ルール世界スーパーライト級(62.2kg)王者、元IKBOムエタイ世界62kg級王者)
判定3-0 (西村30-29/伊藤30-29/島村30-28)
朝久兄弟の兄・裕貴は大岩龍矢、MOMOTARO、村越優汰に勝利し、22年9月のスーパー・フェザー級王座決定トーナメントでナックロップ・フェアテックス、横山朋哉をKOして決勝進出を果たすも、レオナ・ペタスに判定負けした。その後は中国の武林風で3戦し、5月にヤン・ミンに判定勝ちし武林風の王座を防衛し、11月にジン・インに判定負けしたが、1月27日の大会ではウェイ・ウェイヤンに判定勝ちしている。この試合前に武林風の-60kg王座は返上し、武林風では1つ上の63kg級王座を目指すことにしたが、K-1では変わらず60kgで王座を目指す。K-1にはレオナに敗れてから1年半ぶりの登場となる。中国での試合後、パラ戦を希望し、早速試合が組まれた。
パラは23歳。昨年12月のK-1大阪大会でK-1に初参戦し、K-1王者レオナとノンタイトル戦を行い、サウスポーからの左ストレートを駆使し判定勝ちしている。裕貴同じく1月27日にフランスで試合をし、フランス人選手相手に5R判定2-1で勝利し、WAKO PRO K-1ルール世界スーパーライト級王座を防衛している。
1R、裕貴はサウスポーのパラに対し、序盤から左右のロー、左ボディ、右前蹴り等を積極的に当てて先手を取る。だがパラも終盤、裕貴の独特の動きに慣れて来たか?左ミドル、ストレートのヒットを増やして巻き返して終える。記者採点はイーブン。
2R、裕貴がギアを上げ、ロー、ミドル、ボディ、前蹴り等を度々当て、手数差を広げる。パラは打たれ強く、最後に左膝を増やすが、流れは変えられない。記者採点は裕貴。
3R、パラは前に続けるが、裕貴が途切れずにミドル、ロー、ボディと顔面へのパンチを当て続け、主導権を維持する。記者採点は裕貴。合計30-28で裕貴。ジャッジ3者も裕貴を支持し、裕貴が判定勝ちした。
宇佐美秀メイソン、白須康仁を1R KO
第5試合 ウェルター級(67.5kg) 3分3R(延長1R)
○宇佐美秀メイソン(カナダ/Battle Box/ISKAインターコンチネンタル・ウェルター級暫定王者)
×白須康仁(PROTAGONIST/元WMAF世界スーパーウェルター級王者、元MA日本ウェルター級王者)
1R 2’37” KO (右フック)
1R、メイソンが序盤からパワフルなミドル、右ボディを当て優位に進めると、終盤、右ボディを強打しつつつ、左フックをクリーンヒットしダウンを奪う。白須は立ち上がったがダメージが大きく、メイソンがパンチの連打から右フックで2ダウン目を奪ったところで、三浦レフェリーがストップした。
ぱんちゃん璃奈、平岡琴に僅差の判定勝ち
第4試合 女子47.5kg契約 3分3R(延長1R)
○ぱんちゃん璃奈(フリー/元KNOCK OUT-BLACK女子ミニマム級(47.5kg)&アトム級(46kg)王者)
×平岡 琴(TRY HARD GYM/RISE QUEENアトム級(46kg)2位)
判定2-0 (伊藤30-29/岡田30-30/三浦30-28)
メイソン同様にKNOCK OUT推薦のぱんちゃんと、RISE推薦でかつてK-1 GROUPにいた平岡の一戦が、K-1のリングで組まれた。レフェリーは梅木良則氏が務めた。
1R、体格で勝るぱんちゃんのパンチやミドルの積極性がやや上回るが、平岡も随所で左右のフックを返したり、後ろ上段廻し蹴りを放ち、大差はつけさせず進める。記者採点はイーブンだがぱんちゃんにつく可能性はある。
2R、平岡が顔面狙いの左前蹴り、左右のフックを随所で的確に当てる。体格差もあってか、ぱんちゃんはひるまないが、自分の攻撃のヒットが減ってしまい、やや印象が悪い。記者採点は平岡だがイーブンの可能性はある。
3R、ぱんちゃんは序盤こそパンチを当てたが、中盤以降、平岡が左右のフック、バックスピンキックを当て、やや手数と積極性の上回る状態を維持する。記者採点は僅差だが平岡。合計28-30で平岡。ジャッジは1者がイーブンとしたが、2者はぱんちゃんを支持し、ぱんちゃんが判定勝ちした。3Rとも僅差のため、ファンや関係者の間でも評価が割れる試合だった。
第3試合 スーパー・ヘビー級(+100kg) 3分3R(延長1R)
○クォン・ジャンウォン[Kwon Jangwon](韓国/チョンハク・ムエタイジム/元MAX FCヘビー級王者/126.8kg)
×安藤優介(猛者連 team OGRE/元IKCヘビー級王者/94.4kg)
1R 1’47” KO (右フック)
ONEと契約している秋山成勲が推薦するクォンと、RIZINと契約している皇治が推薦する安藤の試合が、K-1のリングで組まれた。両者初参戦だ。
1R、体格で勝るクォンが序盤から右フックを効かせ、右フックでダウンを奪うと、パンチの連打で2ダウン目を奪ったところでレフェリーがストップした。
第2試合 64kg契約 3分3R(延長1R)
○大沢文也(ザウルスプロモーション/元Krushライト級(62.5kg)王者)
×友尊[ゆたか](TEAM K/BLUE DOG GYM/元NJKFスーパーフェザー級王者)
判定3-0 (西村30-29/岡田30-29/キム30-29)
1R、大沢が離れた距離から蹴りを出し、サウスポーの友尊が時折パンチを当てるが、どちらもまだ慎重で攻撃が少ない。記者採点はイーブン。
2R、友尊の手数が上がり左ボディを強打するものの、大沢も左ボディを返し、右ハイや膝等も絡め、はっきり差をつけさせない。記者採点はイーブン。
3R、大沢がハイ、ミドル、友尊が左ボディ、ミドルを強打する場面があり、やや大沢のハイが目立つ展開で終わる。記者採点はイーブンだが大沢につく可能性はある。合計30-30でイーブン。ジャッジ3者とも大沢を支持し、大沢が判定勝ちした。
第1試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
×壬生狼一輝(力道場静岡/元Krushバンタム級王者)
○大久保琉唯(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER/元Krushフライ級王者、K-1甲子園2021 -55kg優勝)
判定0-3 (29-30/29-30/29-30)
1R、長身の大久保の右のミドルや前蹴りがやや目立つが、壬生狼も右のカーフ、ストレートを返し、まだ差は乏しい。記者採点はイーブン。
2R、距離が詰まると、大久保が左ジャブを突きつつ、左フック、右ストレートのヒットを増やし、右膝蹴りも絡め、次第に差がつくように。記者採点は大久保。
3R、クリンチが増えてレフェリーが両者に注意を出すが、その中で大久保が的確にパンチと膝を当てて攻勢をキープする。記者採点は大久保。合計28-30で大久保。ジャッジ3者とも大久保を支持し、大久保が判定勝ちした。
プレリミナリーファイト第3試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
○村田健悟(ALONZA ABLAZE)
×嶋 拓実(K-1 GYM横浜infinity)
1R 0’52” KO (パンチ連打)
プレリミナリーファイト第2試合 ライト級(62.5kg) 3分3R
×龍之介(K-1 GYM HIKARIMACHI TEAM BEAST/RKSフェザー級王者)
○上野空大[くうと](kickboxing gym SHINYUUKI+)※K-1ジム大宮チームレオンから所属変更
判定0-3 (28-30/28-30/28-30)
プレリミナリーファイト第1試合 95kg契約 3分3R
○木村太地(TEAM RHAPSODY/Bigbangヘビー級王者)
×藤倉 悠(ポゴナ・クラブジム)
判定3-0 (30-27/30-26/30-26)
K-1 3.20 代々木第一(レポ/2-3):RISEとの対抗戦はK-1勢が4勝1敗も接戦の連続。軍司泰斗が門口佳佑との、宮﨑小雪が菅原美優との、江川優生が常陸飛雄馬との延長戦制す