シュートボクシング 10.11 後楽園ホール(レポ):海人、元ラジャダムナン王者ペットマイに判定勝ちし連敗ストップ。11.24 SB 40周年、12.30 KNOCK OUTの代々木2連戦に意欲

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SHOOT BOXING 2025 act.5
2025年10月11日(土)東京・後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
海人、元ラジャダムナン王者ペットマイに判定勝ちし連敗ストップ
第10試合 メインイベント スーパーウェルター級(70kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(無制限延長R)
○海人(TEAM F.O.D/シュートボクシング(SB)世界スーパーウェルター級(70kg)王者、KNOCK OUT-BLACK同級王者、RISEミドル級(70kg)王者、元SB日本スーパーライト級(65kg)王者)
×ペットマイ・スィアダムムーパーラー[ペッチマイ/Petchmai Siadam Mhooprara](タイ/元ラジャダムナン認定ミドル級1位)
判定3-0 (神谷30-29/大村30-29/木村30-29)
海人は28歳。23年8月のGLORYオランダ大会でティジャニ・ベスタティのGLORYライト級王座に挑戦したが判定負けし連勝が18でストップ。その後、マサロ・グランダー、ジェームズ・コンデを1R KO。昨年2月のSBでは元ONE&ルンピニー王者・ペットモラコットに延長判定負けしたが、4月に海人がSB世界王座を懸けて再戦し判定勝ちでリベンジした。
海人は再び1年後のGLORY王座奪取を目指し、昨年6月から12月までGLORYの元王者のダビッド・キリア、元ランカーのゲリック・ビレット、アルマン・ハンバリアンら相手に4連勝する。
ところが今年3月のONE日本大会でのマラット・グレゴリアン戦が決まってから状況が一変する。大会前日、グレゴリアン陣営・ONE側と計量を巡ってトラブルが生じ、試合を拒否した海人をONEのチャトリ・シットヨートンCEOは批判したが、SB側が抗議し、チャトリ氏は謝罪する騒動が起こる。ONEは5月初旬の海人×グレゴリアンを提案したが、グレゴリアン側の調整がつかず、5月23日のONEでモハメド・シアサラニ戦が急きょ組まれた。海人は準備不足を隠せず判定負け。さらにONEの試合前に決まっていた6月22日のSBでのエンリコ・ケール戦でも海人は判定負けし、キャリア初の2連敗を喫してしまった。海人はSBのエースとして、11月24日の代々木競技場第二体育館でのSB創設40周年記念大会に欠かせない存在で、3連敗は何としても免れたい状況だ。
海人の再起戦の相手、ペットマイはRWS(ラジャダムナン・ワールド・シリーズ)を主戦場とする26歳。昨年2月のRWS日本大会ではMIKE JOEに判定勝ちしている。
1R、海人が開始すぐからプレッシャーをかけて、ペットマイはロープを背負う構図が続く。海人は右ローを主体に、左インロー、ミドルを当て続け、右ストレートでもひるませる。最後はサウスポーに切り替えて左ミドルを当てる場面も。記者採点は海人。ジャッジは1名が海人だが、2名がイーブンとし、意外にも海人に厳しい。
2R、変わらず海人が前に出て詰めるが、1Rほど蹴らせてもらえなくなる。ペットマイは右ミドルを当てつつ、組んで膝を当てる頻度が上がる。それでも終盤、海人が右ローを蹴っていると、ペットマイは少しバランスを崩し、海人がやや優位で終える。記者採点はイーブンだが海人でも不思議ではない。ジャッジ1名は海人、2名はイーブン。
3R、海人は前に出て、右ローを主体に、ミドル、ストレートもヒットする。ペットマイも組んで右膝を当て、ミドルも当てるが、攻撃が少ないまま終わる。記者採点は海人。合計30-28で海人。ジャッジ3者とも30-29と1点差で海人を支持し、海人が判定勝ちした。
マイクを持った海人は「2連敗してから勝ってほっとしています。世界最強になるのは自分やとはっきり言えます。色んな団体の70kgが盛り上がっていますけど、僕自身がそっちに行って世界最強を証明します」とアピールした。
バックステージでのインタビューで海人は、11月24日の代々木大会について「世界最強に一歩踏み入れられるような相手を用意してほしいです」とコメントした。5月でONEで敗れたシアサラニ、6月にSBで敗れたエンリコ・ケールについて話を振られると「エンリコ選手にもシアサラニ選手もリベンジしたいですけど、せっかくの40周年に、自分だけリベンジしたい(というテーマ)では盛り上がらないんで」と答え、11月の代々木での対戦には消極的で「シアサラニ選手はONEはやり返したいです。エンリコ選手はワンマッチだけだと盛り上がらないと思います」と語り、他の選手との試合を希望した。
また、KNOCK OUTが海人のBLACKスーパーウェルター級王座防衛戦の相手として契約した元ONEのトップ選手のシッティチャイについては「12月(30日の代々木第二大会で)やりたいです。シッティチャイであれば、KNOCK OUTベルト持たせてもらっているのでやらせてほしいです」と積極姿勢を示し、2か月連続での代々木第二での試合にも前向きだった。
都木航佑、ベルギー人選手を2R KO
第9試合 スーパーウェルター級(70kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(無制限延長R)
○都木航佑[たかぎ こうすけ](キャピタルレイズ fighting GlaNz/SB日本スーパーウェルター級王者)
×サイヤン・ウォーリヤー(ベルギー)
2R 2’54” KO (右膝蹴り)
都木は26歳。極真空手をベースとし、23年9月からSBに参戦し9戦全勝。村田義光、RYOTARO、ヨークディーゼル、ロクク・ダリ、風間大輝、ピラポンを下すと、2月にRYOTAROに判定2-0で勝利しSB日本スーパーウェルター級王者となる。6月には竜也に判定勝ち。8月の荒尾祐太戦では首相撲の展開が繰り返され、両者攻めあぐね。再延長の末に都木が判定勝ちした。今回はアフリカ出身・ベルギー在住のサイヤン・ウォーリヤーと対戦する。
1R、開始すぐ、サイヤンが前に出てパンチを振るい、右ストレートを当ててやや優位に進める。だが都木は耐えると、中盤から組んで膝を当ててサイヤンを苦しめると、最後は左ミドルも当て、追い詰めて終える。記者採点は都木。ジャッジは2者が都木につけ、1者がイーブンとする。
2R、序盤にサイヤンが右バックハンドブローを当てて場内をどよめかせたが、都木はすぐ持ち直すと、首相撲からの膝蹴りを何発も当て続けてサイヤンを追い詰める。最後は突き放すと、右フックでひるませ、倒れ際に右ミドルと膝も当てる。ダウンしたサイヤンは立てず、都木のKO勝ちとなった。
マイクを持った都木は「11月(代々木大会)ぜひ出場お願いします。海人選手と勝負論あると言われるぐらい頑張ります」とアピールした。
川上叶、牧野騎士にKO勝ちしS-cupフェザー級出場志願
第8試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(無制限延長R)
○川上 叶[きょう](龍生塾/SB日本フェザー級1位・元同級王者・元バンタム級王者)
×牧野騎士[ないと](FASCINATE FIGHT TEAM/SB日本フェザー級4位、RISE同級20位、元DEEP☆KICK -57.5kg王者、元RKSスーパーバンタム級王者)
2R 0’53” KO (右膝蹴り)
SB 40周年記念となる11月24日 両国国技館大会では、フェザー級(57.5kg)での世界トーナメント・S-cupの開催が決まっており、今大会ではその最終選考となる2試合が組まれた。なお、大会中には、S-cupへの山田彪太朗、山田虎矢太、安本晴翔の出場が発表された。
川上は昨年4月のKNOCK OUTで龍聖に判定負けした後、怪我の療養を経て、今年2月のSBで復帰すると、山田ツインズの弟・虎矢太と対戦し、サウスポーからの左のパンチで2ダウンを奪い判定勝ち。試合後、虎矢太の兄・彪太朗に対戦要求し、4月、彪太朗のフェザー級王座に挑戦し判定負けした。7月の愛知大会では内藤凌太に判定勝ちし、S-cup出場者戦線で生き残った。
牧野はDEEP☆KICKとRISEを主戦場とし。SB初参戦となった6月大会では植山征紀に延長R(4R)にKO勝ちし、S-cup出場者候補に急浮上した。
1R、川上がサウスポーの牧野に対し、左ミドル、インローを随所で当てる。牧野も右インローを返すが、攻撃が少なく、下がる状況が続く。記者採点は川上。ジャッジ2者も川上につけ、1者はイーブンとする。
すると2R、川上が牧野を首相撲で捕まえると、対処できない牧野に、膝蹴りを何発もヒット。ボディに膝を当て続けてから、顔面に右膝を当ててダウンを奪う。牧野は立てず、川上のKO勝ちとなった。
マイクを持った川上は「11月24日、S-cup、昔から憧れていた夢の舞台です。シーザー会長、出させて下さい」とアピールした。
古村光はタイ人選手に判定負け
第7試合 フェザー級(57.5kg)(肘有り) 3分3R(無制限延長R)
×古村 光(FURUMURA-GYM/元KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級(55kg)王者)
○サタントン・チョーハーパヤック[Satangthong Chor Hapayak](タイ/プロムエタイ協会スーパーフェザー級王者)
判定0-3 (大沢28-30/津山29-30/和田29-30)
古村は21年にSBで笠原弘希とも戦ったことのある古村匡平の弟で、KNOCK OUTを主戦場とする、昨年12月、KICKBOXING JAPAN CUP スーパーバンタム級トーナメント準決勝では森岡悠樹に判定負け。今年に入り、ONEフライデーファイツで2戦し、5月にカイス・モハメッドを1R KOし、9月12日にソンサイ・ラオラネサンを2R KOした。その2試合とも128ポンド(58.1kg)契約で、初のSBにもフェザー級(57.5kg)で乗り込み、S-cup出場を目指す。
対するサタントンもONEフライデーで2戦2勝しており、8月のSB後楽園大会で安本晴翔と対戦予定だったが欠場していたが、今回SBに初登場した。
この試合は両者の合意により肘有りで行われる。古村のセコンドには練習仲間の朝久泰央がつく。1R、古村がサウスポーで構え、左右のローを随所で当てているが、終盤、サタントンが右ストレートで倒す。これはダウンとみなされなかったが、サタントンはさらに組んで膝を当て、差を印象付けて終える。記者採点はサタントン。ジャッジ3者ともサタントンにつける。
2R、サタントンは距離を取って右ミドルを当てつつ、1R同様に右ストレートを随所で当て、有効な右肘も当てて主導権を維持する。記者採点はサタントン。ジャッジ3者ともイーブンとする。
3R、古村もローを当てる場面があるがその先に続かない。サタントンが随所で右ミドル、膝を的確に当て、反撃を封じ終了する。記者採点はサタントン。合計27-30でサタントン。ジャッジは3者とも1~2点差でサタントンを支持し、サタントンが判定勝ちした。
第6試合 オープンフィンガーグローブマッチ 63.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
○手塚翔太(Sublime guys・GONG-GYM坂戸/SB日本ライト級(62.5kg)3位)
×樋沼朝光(RIKI GYM)
1R 1’32” TKO (レフェリーストップ:左フックでダウン後)
手塚は8月の前戦では初のOFGマッチに臨み、クリスチャン・グイドに判定勝ちし、現在10連勝中だ。樋沼は39歳のベテランで、元々はMMAの選手だが23年からSBにレギュラー参戦し、5戦ともOFGマッチで、6月には奥田啓介に1R TKO勝ちしている。
1R、開始すぐから樋沼がサウスポーで構えてパンチを振るって前に出てくるが、手塚はかわしてから、右ストレートでダウンを奪う。その後も樋沼の突進をかわし、投げにも対処し続けた手塚は、左フックで再びダウンを奪うと、樋沼のダメージが大きく、レフェリーがストップすると共に、セコンドもタオルを投入した。
マイクを持った手塚は「ベルト欲しいんですけど、寂しいんですけど、組んでもらえないですかね。無傷なんで11月、お願いします」とアピールした。
第5試合 65.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
○村田聖明(シーザージム/SB日本スーパーライト級(65kg)1位・元スーパーフェザー級(60)王者)
×庄司啓馬(TEAM TEPPEN/M-1日本ライト級王者)
判定2-0(木村30-29/若林29-29/大沢30-29)
村田はシーザー武志・SB協会会長の息子で、アキレス腱を断裂し休養が続いてたが、6月大会で約3年ぶりに復帰し、MMA選手の恵真に判定勝ちしている。
庄司はSB参戦後2連勝中で、4月の初戦では有馬伶弍に、6月の2戦目では野口貴大に勝利している。
1R、村田が左右のボディ、庄司が左ミドル等の蹴りを当てるが、お互い攻撃がまだ少ない。記者採点はイーブン。
2R、村田は変わらずパンチ主体、庄司が左ミドルを当てつつ左右のローと膝も増やす。やや庄司が手数で差をつけるが、まだ村田を追い詰めるほどにはならない。記者採点はイーブン。
3R、庄司が膝蹴り、ミドル、ローのヒットを増やして優位に。最後、村田も右のパンチを立て続けに当てるが、庄司も攻撃を返して終える。記者採点は庄司。合計29-30で庄司。ジャッジは1者がイーブンとしたが、2者は村田のパンチを高く評価した模様で、村田が判定勝ちした。
第4試合 スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(無制限延長R)
○笠原直希(シーザージム/SB日本スーパーバンタム級1位)
×中田史斗(究道会館/DEEP☆KICKバンタム級1位)
判定3-0 (北尻30-26/神谷30-27/若林30-28)
笠原三兄弟の末っ子・直希は、昨年9月のスック・ワンキントーンで森岡悠樹に敗れて以降は4連勝中。SB日本スーパーバンタム級は山田虎矢太が階級変更により王座を返上する模様で、今大会の野村勇人 vs, 内藤啓人の勝者と直希が王座決定戦で対戦する可能性が高いとSB協会は発表している。
1R、開始すぐから中田が前に出てパンチを振るい膝を放つが、直希は対処する。中盤、直希は左ボディを効かせてから、右フックも効かせ、右ストレートでダウンを奪う。終盤、直希がパンチ主体で中田を引き続き苦しめる。
2R、直希の右フック、ミドルがやや目立つが、疲れが見え始め、中田も回復し、1Rのように追い詰められなくなる。
3R、直希の攻撃がやや目立つものの、パンチの空振りが投げの失敗が多く、追い詰めきれず終了。逆転は許さず、直希が判定勝ちした。
第3試合 バンタム級(52.5kg) 3分3R(無制限延長R)
○片山 魁(TEAM FOREST/SB日本フライ級(50kg)1位)
×ワン・アミン(マレーシア)
1R 3’00” TKO (レフェリーストップ:左ストレートでダウン後)
1R、両者サウスポーで構え、片山が右ボディ、左カーフキック等を的確に当てて主導権を握る。マレーシアから急きょ来たアミンだが、スピードに対応できていない様子だ。すると中盤過ぎ、片山は首投げでシュートポイント1を奪う。終了間際には片山が左ストレートでアミンをひるませると、アミンは終了のゴングの後に倒れる。木村レフェリーは時間内の攻撃によるものと判断してダウンを宣告し、動けないアミンを見て試合をストップし、片山のTKO勝ちとなった。アミンはストレッチャーで運ばれた。
第2試合 スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(無制限延長R)
×野村勇人(GONG-GYM坂戸/SB日本スーパーバンタム級3位)
○内藤啓人(GSB大須MACS/SB日本スーパーバンタム級4位)
判定0-2 (大沢28-29/平29-29/津山30-28)
1R、サウスポーで長身の野村が左ミドル、ストレートでやや好印象。2R、野村が右の前手でのフックで内藤をひるませるが、すぐに内藤は組み、前方への投げでシュートポイント1を奪い、勝負をわからなくする。3R、やや疲れの見え始めた野村に対し、内藤が前に出て右ミドル、組んでの膝を当てて好印象を作り、ジャッジ2者から支持され判定勝ちした。
第1試合 62kg契約 3分3R(無制限延長R)
×長谷川平蔵(シーザージム/SB日本ライト級(62.5kg)5位)
○土井涼雅(グラップリングシュートボクサーズ多治見)
判定0-2 (津山28-29/平29-29/大沢28-29)

















