ONE 5.9 ルンピニー（レポ）：古村光、ONE初戦はアルジェリア出身選手に1R KO勝ち。柳仙香、打撃に苦しむも2R逆転一本勝ち

ONE Friday Fights 107
2025年5月9日（金）タイ・バンコク・ルンピニースタジアム

レポート：井原芳徳　　写真提供：(C)ONE Championship

第4試合　ムエタイ　128ポンド契約　3分3R
×カイス・モハメッド（フランス/アルジェリア）
○古村　光（FURUMURA-GYM／元KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者）
1R 1’33” KO (左フック)

　古村はキック15戦9勝(7KO)5敗1分の24歳。兄の匡平（きょうへい）と共にKNOCK OUTを主戦場とし、最近では昨年12月の55kgトーナメント準決勝で、優勝者にしてフライデーファイツでKO勝ちの実績もある森岡悠樹に判定負けしている。対するモハメッドは17歳。

＼ 古村 光がONE初戦KO勝利 ／

鋭い左カウンターでダウンを
奪取した古村がカイス・モハメッドを猛連打でフィニッシュ

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— ONECHAMPJP (@ONECHAMPJP) May 9, 2025

　1R、古村がサウスポーで構え、左ストレート、ミドル、インローを当てる。次第にモハメッドがプレッシャーを強め、右インロー、ストレートを返すようになるが、中盤、モハメッドの右インローのタイミングで左ストレートをアゴに当ててダウンを奪う。モハメッドは苦しそうだが、なんとか立ち続行する。古村はチャンスを逃さず前に出て、モハメッドをコーナーに詰めてパンチを当て続け、左フックで再びダウンを奪ったところで、レフェリーがストップした。

　勝利者インタビューで古村は「1Rから倒そうと思っていたので、倒せて良かったです。2連続で負けてて、どう勝ったらいいか悩んでいたんですけど、ガンガン行っちゃえ、それが色んな人の心に響くと思って、最初から行くと決めていました」と話した。インタビューはあったものの35万バーツ（約150万円）のボーナスは出なかった。

第1試合　MMA　女子ストロー級　5分3R
×ゼムフィラ・アリエワ（アゼルバイジャン）
○柳　仙香［りゅう のりか］（ALLIANCE）
2R 4’53” 三角絞め

　柳はMMA 3戦全勝の31歳。22年7月、後にパンクラス王者となるソルトに2R 腕十字で一本勝ち。膝の怪我で長期療養していたが、昨年から戦列復帰すると、10月にONEフライデーファイツに初参戦し、マリアンヌ・マリアーノに判定勝ちしている。対するアリエワもMMA 4戦全勝で、ONEで1勝しており、柳とキャリアが似ている。

　試合はアリエワの打撃に柳が苦しむも、アリエワの寝技の粗さに救われる展開に。1R、アリエワが開始すぐ右ストレートを当てると、柳は膝をついたが、すぐ立って組み付くと、コーナーに押し込みながら足を掛け、あっさりとテイクダウンを奪う。アリエワはスタンドに戻し、左ストレートを当て、組み付いて首投げで倒し、袈裟固めで押さえる。だが下になった柳は、少しずつ動いてバックに回り、足4の字ロックで捕獲する。柳は最後、マウント、サイドと動き、顔面に膝とパウンドを当て、印象を作って終える。

　2R、アリエワはノーガードも絡めつつ、柳の顔面に度々パンチを当てる。柳はかわしたりブロックできずもらいっぱなしになってしまう。中盤過ぎ、アリエワは倒すと、バックから裸絞めを仕掛けるが、ロープの外に出てしまい、十分絞めることができず、柳が脱出して上になる。終盤、スタンドに戻り、柳は膝と肘をもらってしまうが、それでもテイクダウンを奪うと、マウントから腕十字を仕掛ける。アリエワは顔面を蹴る反則を犯しながらも必死に防御するが、柳は下になり、三角絞めに切り替えると、これが極まり、残り10秒を切ったところでタップを奪った。

　勝利者インタビューで柳は「負けるかと思いました。打撃も頑張ったんですけど、寝技を頑張った歴が長いんで、今まで培ったものが出てきて良かったと思います」と試合を振り返り、三角絞めのフィニッシュについて「下からの寝技が得意なんで、自然に出ました」と説明した。その後、35万バーツ（約150万円）のボーナス獲得が発表されると、柳はONEのチャトリCEOに英語で感謝を述べた。