シュートボクシング 4.12 後楽園ホール(レポ):フェザー級S-cup前哨戦、山田彪太朗が過去1勝1敗の川上叶に逆転判定勝ちし王座初防衛。同級では魁斗&植山征紀が判定勝ち
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SHOOT BOXING 2025 act.2
2025年4月12日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
山田彪太朗、過去1勝1敗の川上叶に逆転判定勝ちし日本フェザー級王座初防衛
第12試合 シュートボクシング日本フェザー級(57.5kg)タイトルマッチ 3分5R(無制限延長R)
○山田彪太朗[こたろう](シーザージム/王者)
×川上 叶[きょう](龍生塾/1位、元フェザー級&バンタム級王者)
判定2-0 (野畑50-48/津山49-49/竹村49-48)
※彪太朗が初防衛
山田ツインズの兄・彪太朗は22歳。川上とは2度対戦し1勝1敗で、21年12月の初対戦では川上が延長判定勝ちし、23年4月のSB日本フェザー級タイトルマッチでは彪太朗が判定勝ちしている。以降、彪太朗は8連勝。タイ人相手に3勝し、昨年4月に栗秋祥梧に判定勝ち。6月のKNOCK OUTの龍聖戦は左手の指の怪我により欠場。10月のSBでは一仁を1R KO。12月のTDCホール大会ではカオムーカイ(タイ)に判定勝ち。今年2月にはルエル・カタラン(フィリピン)に2R KO勝ちしている。
川上は25歳。23年7月のRISE大阪大会で門口佳佑に判定負けしたが、12月のK-1大阪大会では斗麗に判定勝ち。昨年4月のKNOCK OUTでは龍聖に判定負け。他怪我の療養を経て、今年2月のSBで復帰すると、山田ツインズの弟・虎矢太と対戦し、サウスポーからの左のパンチで2ダウンを奪い判定勝ち。試合後のマイクでは川上は「弟を倒されて黙っている兄貴じゃないと思うので、やり返しに来てくれることを期待しています」とアピールし、彪太朗も「川上選手とは1勝1敗で決着がついていないので、自分のベルトを懸けて防衛戦がしたい」と話し、早速4月大会で両者の3度目の対戦が組まれた。
なお、シュートボクシング創設40周年記念 11月24日 代々木競技場第二体育館大会で、S-cup世界フェザー級トーナメントの開催が決まっており、そこに参加するためにも両者負けられない試合となる。
1R、彪太朗がオーソドックス、川上がサウスポーで構え、お互いインローを当てつつ、パンチも時折交錯する。川上が右の前手でのジャブ、フックを的確に当てつつ、左のフックも当てる。彪太朗もパンチを返すが手数が少ない。記者採点はまだイーブンだが川上についても不思議ではない。ジャッジ3者ともイーブン。
2Rもお互いインロー、ストレートを当てる。1Rよりも差が縮まり、彪太朗のヒットも増えるが、川上も返し続け、差が乏しいまま終わる。記者採点はイーブン。ジャッジ3者もイーブン。
3R、川上が左ハイを当て、インロー、ミドルを散らしつつ、再び左ハイを当てると、彪太朗は右まぶたをカットし、ドクターチェックが入る。再開後、彪太朗は圧を強め、右ロー、ストレートを当てて必死に反撃する。川上はオーソドックスに切り替えるようになるが耐える。記者採点は川上。ジャッジは2名が川上としたが、野畑氏のみがイーブンとする。
4R、彪太朗は変わらず前に出続け、右インロー、ストレートを随所で当てる。強打は少ないものの、川上は回り続け、ほとんど攻撃が返せず印象が悪い。記者採点は彪太朗。ジャッジは2者が彪太朗につけ、津山氏のみイーブンとする。
5R、最初こそ川上も前に出たが、彪太朗ペースは変わらず、彪太朗が前に出続ける。なかなかヒットにつながらないものの、終盤には右ストレートでのけぞらせ、積極的に攻め続け終了する。記者採点は彪太朗。合計49-48で彪太朗。ジャッジは津山氏のみイーブンとしたが、2者が彪太朗を支持し、彪太朗が判定勝ち。彪太朗が初防衛を果たした。
試合後、川上も負けを認め、笑顔で彪太朗と握手。川上は先にリングを降りたが、SB協会のシーザー武志会長が川上を呼び戻し、両選手の手を高く掲げ、両者を称えるという、珍しい光景が繰り広げられた。
ベルトを巻きマイクを持った彪太朗は「川上選手、強くて、ハイキックで切られた時はヤバい、負けるかもと思いましたが、皆さんの声援のおかげで勝てました。KOで勝つため練習して、ギリギリ判定勝ちで反省点が残りますが、フェザー級日本一、世界一を目指して頑張ります。11月24日のS-cupが正式に開催されることになりました。自分が日本代表になるだろうし、世界一を証明する戦いをします。これからも山田ツインズに注目してほしいです」とアピール。最後はセコンドについた弟の虎矢太と共に記念撮影した。
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魁斗、ギリシャのヤクミスに判定勝ち
第11試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(無制限延長R)
○魁斗(立志會館/SB日本フェザー級2位、HOOST CUP日本フェザー級王者)
×アンゲロス・ヤクミス[Angelos Giakoumis](ギリシャ/LWC Super Champスーパーフェザー級王者)
判定3-0 (野畑30-27/神谷30-27/木村30-27)
魁斗は22年4月、川上とのSB日本フェザー級王座決定戦で延長(6R)判定負けして以降、他団体で試合を重ね、23年10月、RISEフェザー級王者の門口佳佑に挑戦し判定負け。3月のホーストカップで元Krush王者の新美貴士と延長引き分け。6月のONEフライデーファイツではラン・シャンテンに判定勝ち。昨年8月、SBのリングに戻ると、平野凌我から2Rにシュートポイント合計4を奪って点差を広げ判定勝ちしたが、1Rに右拳を痛めた。療養を経て8か月ぶりに復帰する。
対する初来日のヤクミスは55戦50勝(18KO)5敗。タイを拠点とし、ルンピニースタジアムで開催されている「LWC SUPER CHAMP」のスーパーフェザー級王者。ONEフライデーファイツ、RWSにも参戦した経験がある。
1R、お互いロー、ミドルも出すが、近い距離でパンチが激しく交錯する展開に。中盤までヤクミスの左フック等のヒットが上回るが、終盤、魁斗が右フック等のヒットを増やして巻き返し、やや優位で終える。記者採点は魁斗だがイーブンもありうる。ジャッジ3者とも魁斗につける。
2R、ヤクミスは右ロー、奥足狙いの右インローのヒットを増やす。魁斗はスイッチを織り交ぜるようになりつつ、左テンカオも絡め、左右のパンチを随所で当て、やや優位を維持する。記者採点はイーブンだが魁斗もありうる。ジャッジは3者とも魁斗につける。
3R、序盤に魁斗が右ストレートを連打しヤクミスをひるませる。中盤以降、ヤクミスが持ち直し、随所でパンチを返し、魁斗はヒットが減るものの、フラつく場面はないまま終わる。記者採点はイーブンだが魁斗もありうる。合計30-29で魁斗。ジャッジ3者とも3ポイント差で魁斗を支持し、魁斗が判定勝ちした。
笠原弘希、ジャックに今回も苦戦もシュートポイントで差をつけリベンジ
第10試合 オープンフィンガーグローブマッチ 肘有り スーパーライト級(65kg) 3分3R(無制限延長R)
○笠原弘希(シーザージム/SB日本ライト級(62.5kg)王者、元スーパーフェザー級&フェザー級王者)
×ジャック・ラーチャーノン(タイ)
4R 判定3-0 (若林10-9/神谷10-9/野畑10-9)
3R 判定0-1 (若林30-30/野畑29-30/神谷29-29)
両者は昨年12月のTDCホール大会で対戦し、延長戦の末に弘希に判定負けしている。再戦が発表された際、弘希は「前回12月は不完全燃焼という形で判定負けしました。あの時は復帰して2戦目で、6~7割ぐらいしか調子が戻ってないなと思っていて、そこからずっと真面目に練習してやっていくうちに、いきなり感覚が蘇ってきて、今回は100%の笠原弘希で迎えられるので、必ず倒してやろうかな、と思っています」とコメントしていた。
1R、弘希が終始プレッシャーをかけ、ジャックはコーナー、ロープを背負う時間が続く。弘希はパンチを振るうが、まだ慎重で手数が少ない。ジャックも右ミドルを強打する場面があるが、攻撃は少ない。オープンスコアリングのジャッジは3者ともイーブンとする。記者採点もイーブン。
2R、ジャックが前に出てくるが、弘希は距離を取りつつ、右カーフ、左インローを的確に当て続ける。ジャックは左ボディ、左右のミドルを返す。最後、お互い手数を上げ、弘希が顔面へのパンチと左ミドル、ジャックが右肘を当て、弘希は眉間を少し切られるスリリングな展開に。記者採点はイーブン。ジャッジは2者がイーブンだが、1者がジャックにつける。
3R、弘希はジャックの蹴り足をつかんでパンチを振るうが、ジャックはかわし続ける。お互いロー、ミドルを当て、投げも狙い合うが、決定打の出ないまま終わる。記者採点はイーブン。合計30-30でイーブン。なぜか集計に時間がかかるが、ジャッジは1者がジャックを支持し、2者がイーブンとし延長へ。
4R、ジャックは左右のミドルを随所で強打し、やや優位に進める。だが中盤、弘希が首投げを放つ。やや低めだったが、シュートポイント1を獲得し、点差を広げる。だが最後、ジャックが右ミドル、右回転肘を当て、さらに右フックでひるませて終える。記者採点は9-9でイーブン。ジャッジは3者とも10-9で弘希を支持し、弘希が苦しみながらもジャックへのリベンジを果たした。
笠原直希、1R KO勝ちし王座戦熱望
第9試合 肘有り スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(無制限延長R)
○笠原直希(シーザージム/SB日本スーパーバンタム級1位)
×佐野佑馬(創心會/WKBA日本バンタム級王者、元WMC日本スーパーバンタム級王者)
1R 1’56” TKO (レフェリーストップ:右フック)
笠原三兄弟の三男・直希は昨年12月の庄司理玖斗戦、2月の内藤啓人戦と連勝。佐野はムエタイをベースとしSBに初参戦する。
1R、佐野がサウスポー、直樹がオーソドックスで構え、お互い離れた距離から蹴りを出し合い、静かな立ち上がり。だが中盤、佐野が左右のパンチを振って詰めて来ると、直希が左フックを合わせて当てる。佐野がコーナーまで下がると、直希は右ミドル、右ボディストレートを強打してから、左ボディからの右フックをクリーンヒット。ダウンした佐野は立ってファイティングポーズを取ったものの、コーナーを背にして目が虚ろなため、神谷レフェリーがストップし、直希のTKO勝ちとなった。
マイクを持った直希は「先輩の虎矢太君が階級転向して、自分の階級が空位になっているので近々タイトルマッチお願いします」とアピールした。現時点では山田虎矢太が日本スーパーバンタム級王座を保持しているが、虎矢太はフェザー級での戦いが続き、直希戦の後にリングに上がると「11月に行われるフェザー級S-cupに出場できるように頑張ります」と話していたため、スーパーバンタム級王座の返上は内定しているようだ。
風間大輝、竜也とのダウン・シュート・キャッチポイントの応酬制し判定勝ち
第8試合 スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(無制限延長R)
○風間大輝(橋本道場/SB日本スーパーウェルター級4位)
×竜也[たつや](CRISS-CROSS/SB日本ウェルター級(67.5kg)1位)
判定3-0 (平27-24/野畑27-25/津山26-25)
1R、サウスポーの風間に対し、竜也が左右のボディ、右フックを強打し、やや優位に進めていたが、風間もパンチを返し続け、終了間際に右ストレートでダウンを奪う。風間が10-8でポイントを取る。
2R、竜也が右ストレートでダウンを奪い返すが、その後の打ち合いで風間が右ストレートでダウンを奪い返し、一進一退の展開に。竜也のほうがパンチのダメージが溜まり苦しそうだ。8-8のラウンドで、ジャッジ2者も同じ採点だったが、平氏のみ8-7で風間が優勢とする。
3R、竜也は序盤から水車落としのような形で投げ、シュートポイント1を獲得し、さらにギロチンチョークも仕掛け、キャッチポイント1を獲得し、ポイントをイーブンとする。
だが竜也は疲労とダメージが大きく、風間が首投げでシュートポイント1を奪い返し、点差を広げ終了する。8-9で竜也が取るラウンドに。ジャッジは津山氏も同じく8-9だったが、平氏と野畑氏は9-9としている。記者採点合計26-25で風間。ジャッジの集計に時間がかかり、ポイントもバラついたが、3者が風間を支持し、風間が判定勝ちした。なお、野畑氏の採点は27-27と当初アナウンスされたが、公式記録では27-25に訂正されている。
シーザー会長は試合終了後、笑顔で拍手し、大会後の総括でも「一番シュートボクシングらしいのは風間と竜也。あれはお互いにすごい試合でしたね」と両者を称えていた。
植山征紀、土井涼雅との仕切り直し戦で判定勝ち
第7試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(無制限延長R)
○植山征紀(ONE LIFE/元SB日本スーパーバンタム級(55kg)王者)
×土井涼雅(グラップリングシュートボクサーズ多治見/SB日本フェザー級4位)
判定3-0 (津山30-27/平29-28/野畑30-28)
植山は23年2月のSB日本スーパーバンタム級タイトルマッチで挑戦者・山田虎矢太に5R KO負けし、2度目の防衛に失敗。昨年10月の復帰戦では59kg契約で土井涼雅と戦う予定だったが、減量中に倒れ、病院に搬送されたため試合中止に。2月の手塚翔太戦ではスーパーフェザー級(60kg)で当時フェザー級(57.5kg)1位の手塚翔太と対戦し、接戦の末に延長(4R)判定負けした。今回は昨年10月に中止となった土井戦が仕切り直しで組まれた。
1R、植山が開始すぐから左右のローを前足に集中し、中盤から左ミドル、ボディも当てて先手を取る。だが土井も中盤以降、右ストレートを随所で当て返す。植山は土井のパンチに反応しきれていない様子だ。記者採点はイーブン。
2Rも植山は右ロー、左ボディを当てつつ、顔面への左ストレートのヒットも増やし、手数差をつける。土井も右ストレート、テンカオを返す場面があるが、ヒットが減ってしまう。記者採点は植山。
3R、植山がバックドロップでシュートポイント2を獲得する。その後は土井のパンチを被弾する場面もあるが、反撃を封じ終える。記者採点は10-8で植山。合計30-27で植山。ジャッジ3者も植山を支持し、植山が判定勝ちした。
第6試合 オープンフィンガーグローブマッチ 肘有り スーパーライト級(65kg) 3分3R(無制限延長R)
○樋沼朝光(RIKI GYM)
×伊藤 要(シーザージム新小岩)
判定3-0 (野畑30-23/平29-23/津山30-24)
※1R左フック、右フックで伊藤に2ダウン。2R左フックで伊藤に1ダウン、樋沼にシュートポイント1
第5試合 56kg契約 3分3R(無制限延長R)
○野村勇人(GONG-GYM坂戸)
×カン・ドンヒョン(韓国)
1R 2’19” TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)
1R、野村はサウスポーで構え、開始すぐからラッシュを仕掛け、左ストレートでダウンを奪う。さらに野村が右の前蹴りで吹き飛ばすと、竹村レフェリーはダウンを宣告する。野村はその後も攻め続け、最後はコーナーに詰めて膝蹴りとパンチを当て続け、カンを防戦一方にしたところでレフェリーがストップした。
第4試合 51kg契約 3分3R(無制限延長R)
×小林大樹(龍生塾/SB日本バンタム級(52.5kg)2位)
○片山 魁(TEAM FOREST)
判定0-2 (津山28-30/若林29-29/木村29-30)
第3試合 女子44kg契約 3分3R(無制限延長R)
○風羽[ふう](龍生塾ファントム道場/SB日本女子アトム級(45kg)1位)
×Uver∞miyU[ウーバーミユ](T-KIX GYM/ミネルヴァペーパー級4位)
判定3-0 (北尻30-28/津山30-28/若林30-29)
※3R風羽にシュートポイント1
第2試合 62kg契約 3分3R(無制限延長R)
○長谷川平蔵(シーザージム/SB日本ライト級(62.5kg)5位)
×久留拓磨(ZERO ONE GYM/アマチュアSB 2024 -65kg全日本王者)
判定3-0 (竹村30-28/若林30-28/津山30-28)
※1R左ストレートで久留に1ダウン
第1試合 66kg契約 3分3R(無制限延長R)
×有馬伶弍(龍生塾)
○庄司啓馬(TEAM TEPPEN/M-1日本ライト級王者)
4R 判定0-3 (津山8-10/竹村8-10/若林8-10)
3R 判定1-0 (津山28-28/竹村29-28/若林28-28)
※1R庄司に1ダウン。3R庄司にシュートポイント1。4R庄司にシュートポイント1が2回
オープニングファイト スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(無制限延長R)
○根木哲也(TEAM FOREST)
×アン・ジョンホ(韓国)
判定3-0 (竹村30-27/若林30-26/津山30-26)