シュートボクシング 6.22 後楽園ホール:海人、GLORY強豪ケール戦が決定「またグレゴリアンとはいつか戦う」|シーザー会長、ONEとの“和解”をファンに報告「減量というのは大変」
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シュートボクシング(SB)4月12日 後楽園ホール大会の休憩時間明け、SB世界スーパーウェルター級王者の海人がリングに登場し、次回6月22日の後楽園大会で、チンギス・アラゾフにも勝った実績のあるエンリコ・ケール(ドイツ/元GLORYライト級1位)と対戦することが発表された。また、海人はONEのチャトリ・シットヨートンCEOから直接謝罪されたことを明かし、SB協会のシーザー武志会長は“シーザータイム”と大会後の総括の中で改めて今回のONEとの騒動への思いを述べた。
スーパーウェルター級(70kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(無制限延長R)
海人(TEAM F.O.D/シュートボクシング(SB)世界スーパーウェルター級(70kg)王者、KNOCK OUT-BLACK同級―マラット・グレゴリアン[Marat Grigorian](アルメニア/元K-1スーパー・ウェルター級(70kg)王者、元王者、RISEミドル級(70kg)王者、元SB日本スーパーライト級(65kg)王者)
エンリコ・ケール[Enriko Kehl](ドイツ/元GLORYライト級1位、K-1 WORLD MAX 2014世界トーナメント優勝)
海人は27歳。23年8月のGLORYオランダ大会でティジャニ・ベスタティのGLORYライト級王座に挑戦したが判定負けし連勝が18でストップ。その後、マサロ・グランダー、ジェームズ・コンデを1R KO。昨年2月のSBでは元ONE&ルンピニー王者・ペットモラコットに延長判定負けしたが、4月に海人がSB世界王座を懸けて再戦し判定勝ちでリベンジした。
海人は再びGLORY王座を目指し、6月に元GLORYライト級9位のアルマン・ハンバリアンを2R左フックでKO。8月に元同級6位のドラゴミール・ペトロフを2R KO。10月に元同級王者のダビッド・キリアに判定勝ち。12月に元同級3位にゲリック・ビレットに判定勝ちした。なお、今回の相手、ケールとの試合は12月大会でも計画されていたが、ケールの怪我により実現していなかった。
その頃、今年夏のベスタティのGLORY王座再挑戦が内定していると発表されていたが、海人は3月のONE日本大会にスポット参戦し、元GLORY&K-1王者のマラット・グレゴリアンと戦うことになった。ところがグレゴリアンが計量オーバーし、計量の過程を不審に思った海人とSB協会が試合を拒否。大会後、ONEのチャトリ・シットヨートンCEOが「海人は怖がって楽な道を選んだ」「今回は300gだけ」「海人は小さいプロモーションで戦っていればいい」等と批判すると、SB協会が「あまりに無責任な暴言」とチャトリ氏を批判し、チャトリ氏が撤回・謝罪する騒動となっていた。
SB 4月12日 後楽園ホール大会の休憩時間明け、海人の6月22日の後楽園大会出場と、エンリコ・ケールとの一戦が発表された。まず最初にSB協会の緒形健一代表が「ONEのチャトリ代表と先日お会いして、本当に誠心誠意、誠なる全面的な謝罪をいただきました。この格闘技界を健全な形で発展させることを合意しましたので、海人の次戦、ご期待ください」と、ONEとの騒動のその後について報告した。
続けて海人は「3月の試合を楽しみにしていただいた皆様、試合が見せられず、すみませんでした。緒形社長も言っていた通り、チャトリCEOとお話させていただいて、こちら側が100%悪いと謝罪をしていただきました。ただ、このことについての解決方法はグレゴリアンとの完全決着しかないと思っているので、またグレゴリアンとはいつか戦うと思います。今回は見せられなかったんですけど、しっかり勝つ姿を皆さんに見せるので、その時はまた皆さん期待して楽しみにしていてください。そして6月22日はGLORYの続きをまた再開します。GLORYの1位のエンリコ・ケールをしっかり倒して、ベスタティにつなげて、次はGLORYのベルトをしっかり取りに行くので、皆さん楽しみにしていてください。よろしくお願いします」とアピールした。
なお、緒形代表と海人の登壇前、SB協会のシーザー武志会長が恒例の“シーザータイム”で登場し、ONEの計量騒動に触れ「相手のトップは『300(グラム)ぐらいやれよ』みたいな(こと言ったので)、僕が『300ぐらい落としてこい』って言っちゃったの、間違ってますか? それは(減量の)苦しさを知らない人間の言うことで。僕はよくわかっているので、彼らが血の出る思いで一生懸命頑張っているのに、そんなことをよく言えるなと思って、ちょっとSNSで厳しい言葉を書きましたけど、ちょうど和解しましたので、あんまりこれ以上言いませんけど。減量というのは大変で、自分の力は限りがあるんですけど、ファンの皆さんが周りで応援してくれるからみんな頑張れるんです。これからも選手を応援してやってください」と述べ、観客から拍手を浴びた。
シーザー会長は大会後の総括で、ONEのチャトリ代表からの謝罪について確認されると「俺は会ってないです。海人と緒形と。(SBとONEを放送している)U-NEXTさんが仲介してくれて、詫び入れた」と、謝罪の席に立ち会っていないことを明かした。記者から「和解したんですか?」と聞かれると、シーザー会長は「和解したみたいだね。僕は許してないけど。選手を侮辱されて、許せないよ。団体のことも『ちっこい団体』みたいに言って、歴史を知らないんだよ」と話し、改めてリング上での発言同様に、チャトリ氏の発言の問題点を指摘。記者から「一番許せなかったのって、やっぱり元選手として、たった300というのが一番大きかったじゃないですか?」と聞かれると、シーザー会長は「そうだね。『たった』って言うなら、その選手(=グレゴリアン)に『たった300だから落として来い』って言えばいいじゃない。(海人は)体重もちゃんとして時間も遅れずに来てやっているのに、そこを責めるっていうのは、たぶん彼は選手の気持ちもわからないし、プロモーターとして、試合をさせればいいという感覚しか無いんじゃないんですか。選手の気持ちを少しでもわかっている人じゃないと、格闘技界おかしくなる」と警鐘を鳴らした。
なお、シーザー会長はリング上での発言について「一応、俺は今日は説明しておかなきゃいけないんで。わかんない人もいるから。ちょっと喋っただけ」とも説明している。これまでSB側は会長自身のFacebook、協会の声明文といった形でしか見解を示していなかった。会長は“シーザータイム”で日頃SBを支えているファンに自分の肉声で直接、SBのポリシーを伝えることを大事にしたかったようだ。SBの大会のスケジュールの都合で、団体間の「和解」と“シーザータイム”の時系列が前後しただけで、この日の会長の発言をもって騒動が振出しに戻る恐れは低いだろう。
また、6月大会には山田虎矢太(シーザージム/SB日本スーパーバンタム級(55kg)王者)も出場することが発表された。虎矢太は「前回(2月)川上(叶)選手にやられてしまって本当に悔しい思いをしたんですけど、もう絶対に負ける姿は見せないんで、必ず強くなって残り2ヶ月くらいあるんですけど、もっともっと強くなって熱い試合を皆さんに望んでいるので楽しみにしていてください。そしてこの後、先輩の(笠原)弘希君、そしてフェザー級2試合、そしてメインは(双子の兄の)彪太朗の防衛戦があります。僕も今年の11月に行われるフェザー級S-cupに向けて必ず仕上げて出場できるように頑張ります。そしてまずは彪太朗が必ずベルトを守ってくれると思うので、皆さん盛り上がっていきましょう」と話した。
シュートボクシング 4.12 後楽園ホール(レポ):フェザー級S-cup前哨戦、山田彪太朗が過去1勝1敗の川上叶に逆転判定勝ちし王座初防衛。同級では魁斗&植山征紀が判定勝ち