シュートボクシング 11.18 両国国技館:海人、健太・UMAら3選手KOしS-cup 65kg世界トーナメント優勝。チャムアトーンと再戦を約束
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SHOOT BOXING S-cup 65kg 世界 TOURANAMENT 2018
2018年11月18日(日)両国国技館
レポート&写真:井原芳徳
S-cup 65kg世界トーナメント
第1試合 一回戦(1)(肘有り) 3分3R(延長1R)
○海人(TEAM F.O.D/SB日本スーパーライト級王者/64.75kg)
×チョ・ギョンジェ(韓国/MAX FC推薦/64.7kg)
1R 2’19” TKO (2ダウン:右ストレート)
2年前の前回世界トーナメント覇者・ザカリア・ゾウガリーの欠場が12日に発表され、9月の後楽園で海人の連勝を9で止めたチャムアトーンら2名が欠場と16日にも発表される等、出場メンバーが大幅に変動。組合せも大会1週間を切った12日にようやく明らかになる等、混乱が続いた今回のS-cup。前日会見で海人は「出場メンバーが変わりましたけど、僕が取るのは変わらない」「僕が主役なので、主役がベルトを取って当たり前」と決意表明し、試合でも一回戦からその意気込みを存分に発揮する。
1R、サウスポーのギョンジェが、右に回りながらリズム良くロー、ミドル、前蹴りを当て、バックハンドブローも絡める。海人はじわじわ詰め、やや慎重な立ち上がりだったが、時折ロー、膝を当てると、中盤過ぎ、前に出て組み際に右肘をこめかみ当たりにヒットしダウンを奪取。全く対応できていなかったギョンジェは立ち上がったものの、ダメージが大きく、海人が右ストレートで2ダウン目を奪い、トーナメント規定によりTKO勝ち。無傷で初戦を突破した。
第2試合 一回戦(2)(肘有り) 3分3R(延長1R)
○健太(E.S.G/WBCムエタイ日本統一ウェルター級王者、SB日本スーパーライト級王座決定トーナメント2017準優勝/64.95kg)
×トレント・ギルダム(オーストラリア/65.0kg)
判定2-0 (30-29/29-29/29-28)
月1ペースで試合をこなす健太。SB参戦は昨年11月のTDC大会のSB日本王座決定トーナメント以来となる。
1R、サウスポーでMMA経験もあるギルダムが、変則的な動きから左ミドル、左フック等を当て先手を取る。健太も少しずつ動きを把握し、右ミドル、右フックを返すようになる。
2R、ギルダムが中盤までややヒット数が多く、タックルも絡めてうまく健太の攻撃を寸断する。健太は終盤に右フック、右肘等のヒットを増やし挽回する。
3R、健太が右フック、右アッパーの連打を決めたり、左フック、右肘も当てるが、ギルダムもタックルで倒したり、バック肘を当てたりして抵抗。一進一退の攻防を展開する。
記者採点は30-30。3Rは健太につけるか迷うところだった。ジャッジも僅差だが2者が健太を支持し、健太が初戦突破を果たした。ギルダムは初戦敗退したが、SBルールへの適応力が高く、継続参戦して欲しい選手と感じた。
第3試合 一回戦(3)(肘有り) 3分3R(延長1R)
×アレクセイ・フェドシーブ[Aleksei Fedoseev](ロシア/65.35kg→65.0kg)
○鈴木真治(フジマキックムエタイジム/team REBELS/元J-NETWORKスーパーライト級王者/65.0kg)
1R 1’26” TKO (ドクターストップ:額のカット)
フェドシーブがアグレッシブに前に出て、右フック等を当て、胴タックルから豪快に持ち上げて倒し、シュートポイント1を獲得。優位に試合を運んでいたが、鈴木の右肘が当たった模様で、額から出血しドクターチェックが入りストップがかかった。
第4試合 一回戦(4)(肘有り) 3分3R(延長1R)
×ランボー・ペットポートオー[Rambo Phet Por.Tor.Aor」(タイ/BBTVスーパーライト級王者、ルンピニー同級6位/65.0kg)
○UMA(K&K BOXING CLUB/team REBELS/元REBELS 65kg級王者/64.85kg)
判定0-3 (28-29/28-29/27-29)
1R、サウスポーのUMAに対し、ランボーは右ミドルを何発も当てる。UMAはある程度グローブでブロックできており、ランボーが飛び膝で突っ込んでくると、捕まえて腰投げを決めてシュートポイント1を獲得する。その後も上段回転蹴りを当てるなどして差をつけさせない。
2R、ランボーは執拗に右ミドルを当て続け、右ハイも絡め、少しUMAは苦しそう。だがこのラウンドでも腰投げを決めてシュートポイント1を獲得し、合計点では差をつける。
3Rもランボーは右ミドルを蹴り続けていたが、UMAがボディ狙いの前蹴りを返していると、ランボーの勢いは低下し、終盤はUMAもパンチを返して持ち直す。UMAがシュートポイント合計2点で差をつけ勝利した。
第7試合 準決勝(1)(肘有り) 3分3R(延長1R)
○海人(TEAM F.O.D/SB日本スーパーライト級王者/64.75kg)
×健太(E.S.G/WBCムエタイ日本統一ウェルター級王者、SB日本スーパーライト級王座決定トーナメント2017準優勝/64.95kg)
3R 0’42” TKO (レフェリーストップ:鼻の負傷)
昨年の日本王座決定トーナメント決勝の再戦で、前回は海人が勝利している。1R、海人が右ローを度々ヒットし、右肘や飛び膝も絡め、やや優勢。だが健太もロー以外はクリーンヒットは免れ、右ハイを返す等して大差はつけさせない。
2R、健太がスイッチやフェイントを絡めつつ、右フックを度々ヒット。ノーモーションや頭を沈めてからのフックも当たる。左ハイも当て、右肘も度々放って海人を脅かす。海人は逆に手数が落ちてしまう。
だが3R、開始すぐに海人が縦肘を当てると、健太は鼻から大量に出血。海人がコーナーに詰めて健太にパンチと肘をラッシュした後、和田レフェリーがドクターチェックを要請するとストップ。海人がTKO勝ちした。健太は再戦でも敗れたものの、試合ごとに進化を遂げる海人を手こずらせ、評価をさらに高める試合となったと言えよう。
第8試合 準決勝(2)(肘有り) 3分3R(延長1R)
○鈴木真治(フジマキックムエタイジム/team REBELS/元J-NETWORKスーパーライト級王者/65.0kg)
×UMA(K&K BOXING CLUB/team REBELS/元REBELS 65kg級王者/64.85kg)
判定2-0 (29-29/29-28/29-28)
こちらのブロックはREBELSが派遣した選手同士の対戦に。1R、UMAがサウスポーからの右ジャブ、左ミドルを当て、鈴木もローを返し、ほぼ互角の展開。終盤、鈴木がラッシュを仕掛けるが、UMAが捕まえると前方への投げでシュートポイント1を奪う。記者採点は9-10でUMA。
2R、UMAが回って距離を取りながら左膝を当てているが、鈴木はひるまず前に出続け、左ボディを効かせるように。右フックも当て続け、終盤にはぐらつかせて追い詰める。短い準備期間、一回戦3R戦かったことも、UMAの消耗に影響しているかもしれない。記者採点10-9で鈴木。
3R、鈴木が1Rからコツコツ当てていた左ローが効き目を発揮。UMAはバランスが悪くなり、攻撃が減る。UMAは投げを狙って差を広げようとするが失敗。終盤まで鈴木がローで攻勢を維持する。記者採点10-9で鈴木。合計29-28で鈴木。ジャッジ2者も同じ採点で、鈴木が決勝に駒を進めた。
第12試合 決勝(肘有り) 3分3R(延長1R)
○海人(TEAM F.O.D/SB日本スーパーライト級王者/64.75kg)
×UMA(K&K BOXING CLUB/team REBELS/元REBELS 65kg級王者/64.85kg)
1R 1’22” TKO (タオル投入:左ローキック)
※海人が優勝。賞金300万円獲得
鈴木真治が眼窩底骨折でドクターストップがかかり、UMAが決勝に上がることに。開始すぐからUMAは飛び膝を仕掛け、組み付いては投げを狙い、積極的に仕掛けるが、ランボーと鈴木にもらったローのダメージがある様子で、足元がおぼつかない。すると海人はオーソドックスからサウスポーにスイッチし、UMAのステップをかく乱させて圧力をかけると、左ローを連打。するとUMAはダウンし、足を棒にしたまま顔をしかめ、セコンドがタオルを投入した。
タフさ・クレバーさを見せつけ、3試合ともKO勝ちで、見事に試合前の言葉通り「主役」を務めあげた海人。「今回は欠場者とか色々あったねすけど 優勝することに変わりないと言ったので、優勝できて良かったです。シュートボクシングを始めた時からS-cupのベルトを巻きたかったんですけど、まだ満足していないので、もっと広い世界に行きたいです。2人に負けていて、やり返したい人がいるので、来年にでもすぐできればと思います」と話すと、欠場したチャムアトーンがリングインし握手した(冒頭写真)。最後に海人は「これからも僕と広い世界に行きましょう」とファンに呼びかけた。
ワンマッチ
第11試合 SB日本スーパーバンタム級(55kg)王座決定トーナメント決勝戦 3分5R(無制限延長R)
○植山征紀(龍生塾ファントム道場/SB日本1位/55.0kg)
×笠原友希(シーザージム/SB日本2位/55.0kg)
3R 0’56” TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)
※植山が王者に
内藤大樹が返上したベルトを賭けて約半年の間行われたトーナメントの決勝。1R、笠原兄弟の弟・友希がサウスポーからの左ハイ、ミドルを当てているが、植山も右ミドルを返し、詰めてパンチの連打を返し、五分の展開を維持する。記者もジャッジ3者も10-10。3Rまでオープンスコアだ。
2Rも笠原が左の蹴りを当てるが、植山は蹴り足をつかんで倒したり、パンチをヒット。圧力をかけ、度々顔面とボディにパンチを当て、友希を苦しめる。ジャッジ3者は10-10だが、記者は10-9で植山とした。
そして3R、いきなりフィニッシュは訪れる。植山がプレッシャーをかけると、左フックをクリーンヒットし、友希がダウン。友希は立ち上がるがフラついており、それでも平レフェリーは続行したが、植山のラッシュに友希が抵抗できずにいると、レフェリーがストップした。
第10試合 63kg契約 3分3R(無制限延長R)
○西岡蓮太(龍生塾/SB日本ライト級(62.5kg)王者/63.0kg)
×大月晴明(マスクマンズ/元Krush -60kg王者、元WPKC世界ムエタイ&全日本ライト級王者/62.8kg)
判定3-0 (28-27/28-26/28-26)
1R、大月は左ミドル、左ボディ、左ローを効かせるが、西岡も距離を取って慎重に探りながら、右ハイ、右ストレート、右アッパー、右ローをお返しし渡り合う。
2R、大月が左ボディを当て続けて西岡を苦しめると、背後に回り込み、ジャーマンスープレックスで2ポイント奪い、会場がどよめく。だが西岡も次第に右フックのカウンターを合わせるようになり、終盤に右フックでダウンを奪い、ポイントを五分に戻す。
3R、お互い激しく打ち合うが、次第に西岡が優勢に。西岡の右のローが効きだし、大月のスリップが増え、西岡の右フックも度々決まる。大月も西岡を詰めてボディと顔面にパンチを連打する場面があるが、西岡は耐えて終了。西岡が最終Rのポイントで差をつけ、激戦を制した。
第9試合 58kg契約 3分3R(無制限延長R)
×笠原弘希(シーザージム/SB日本フェザー級(57.5kg)王者/58.15kg→58.0kg)
○MOMOTARO(OGUNI GYM/WBCムエタイ・インターナショナル・フェザー級王者/57.75kg)
判定0-3 (29-30/29-30/29-30)
1R、MOMOTAROはサウスポーに構えてヒット&アウェーを徹底。笠原兄弟の兄・弘希はなかなか詰め切れずお互い手数が乏しい。2RもMOMOTAROが度々左ミドルを当て主導権を維持し、テクニシャンぶりは印象付けるが、はっきりと差をつけられない。3RもMOMOTAROが左ミドル、顔面への前蹴り、膝、肘、右ハイ等を当て続け、主導権をキープ。2Rよりもヒット数を増やし、差を印象付けて判定勝ちした。
第6試合 スーパーウェルター級(70kg)(肘有り) 3分3R(無制限延長R)
○北斗拳太郎(ボスジムジャパン/SB日本王者/70.0kg)
×宍戸大樹(シーザージム/元SB東洋太平洋ウェルター級(67.5kg)王者/69.7kg)
判定3-0 (30-29/30-28/30-28)
1R、北斗が右ローを当てつつ、接近戦で右ストレート、肘を的確に当て続け終始主導権を維持する。2Rは北斗が序盤から左右のパンチ、ロー、肘等を何発も当て続けて圧倒。終盤には肩固めも仕掛ける。3Rも北斗がパンチと肘を当て続け、肩固めと投げも仕掛け、終盤には左フックでぐらつかせ、穴戸を圧倒し続け完勝した。
第5試合 61.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
○村田聖明(シーザージム/元SB日本スーパーフェザー級(60kg)王者/61.5kg)
×前口太尊(PHOENIX/元J-NETWORKライト級王者/61.5kg)
判定3-0 (29-28/30-29/30-29)
1R、前口が序盤にパンチラッシュで先手を取るが、中盤は村田が右ストレート、アッパー等を連打し反撃。前口が蹴りの連打からの右フックで持ち直すが、終盤にも村田が右ストレートとアッパーで追い詰める。
2R、村田がジャブ、膝蹴りを絡めつつ右ストレートを当て、前口もボディから顔面につなぐパンチを巧く度々当て、パンチで見応えある攻防を繰り広げる。
3Rもパンチ主体の攻防となり、なかなか均衡が崩れなかったが、終盤、前口の右フックのヒットが増え、少し村田の手数が落ちてしまう。
記者採点は1Rに村田、3Rに前口につけドロー。ジャッジは3者とも村田を支持し、村田の勝利となった。
オープニングファイト2 フェザー級(57.5kg) 3分3R(無制限延長R)
×手塚翔太(GONG-GYM坂戸/SB日本フェザー級3位/57.3kg)
○魁斗(立志會館/SB日本フェザー級5位/57.5kg)
判定0-3 (28-30/27-30/27-30)
オープニングファイト1 セミプロマッチ 58kg契約 2分3R(延長1R)
○山田虎矢太(シーザージム/全日本アマチュアSB -50kg級王者)
×横田凛太郎(ストライキングジムAres)
2R 1’18” TKO