ムエタイ 11.14 ラジャダムナン:39歳の石毛慎也、2年ぶり試合でTKO勝ち。大月晴明の活躍も刺激に
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スック・チューチャルン・ムエタイ
2018年11月14日(水) タイ・バンコク・ラジャダムナンスタジアム
記事提供:早田寛(Photo & Text by Hiroshi Soda)
第8試合 158ポンド契約
×ヨードリット・ソーウィセット
○シンヤ・ホクセイジム(石毛慎也)
2R TKO
元NKBウェルター級王者で、現LAILAPS東京北星ジム代表の石毛慎也がラジャダムナンスタジアムに出場した。石毛は現在39歳。選手としては決して若くはないが、石毛自身が鍼灸マッサージ師の国家規格を持つことや、ジム経営と接骨院での現場に携わる中で、体のケアやより良い減量方法なども身につけ、この年齢まで現役活動している。石毛は日本での試合は20代で締めくくり、30歳以降はタイでしか闘っておらず、そういった現状ではタイの方が試合が決まりやすい。今回は2016年5月のラジャダムナン以来の試合だ。
試合は初回、ヨードリットは素早いミドルキックを蹴り上げると石毛は距離を詰めローキックを合わせた。このローが絶妙な角度でヒットし、石毛が「ローを蹴ったら三発目くらいで効いたのがわかった」というように、当たった瞬間、ヨードリットがバランスを崩す場面も。石毛はセコンド陣からの「さらにローキックを蹴り続けろ」という指示どおり、ローを軸に攻撃を散らす。石毛のヒット数が目立ち始めたところで、初回終了ゴング。
だが2ラウンドからヨードリットが本来の?攻めを見せはじめた。ヨードリットは足が効いていたのか、早い回で決着をつけようとミドルの連打で石毛を追いつめた。そこに石毛はパンチを連打、そして最後はボディ打ちをヒットさせると、ヨードリットは石毛のボディ打ちに対し、すかさず肘打ちを合わせてくるテクニシャンだった。そして石毛をパンチやローキックの距離に入れまいと、ミドル、前蹴り、そしてまたミドルと、一秒間隔で蹴り上げてくるほどの連蹴りをみせた。
この蹴り数には会場も圧倒され、誰もが“やはりヨードリットの若さには敵わないのか…”と思う程に。早くも石毛はヨードリットの連蹴りに対処できず、棒立ち状態になってしまった…と思いきや、石毛が素早く放った右肘がヨードリットの鼻頭にヒット。その瞬間ヨードリットは後ろに仰け反り崩れ落ちた。レフェリーはカウントを数えるもヨードリットはピクリとも動かず、カウント6で石毛のTKO勝ちを宣言した。
一瞬何が起こったか分からないほどのコンパクトな肘打ちだったが、石毛が「相手のスタミナ切れるようにボディーを打って様子を見て、止まった瞬間にパンチまとめたら、右上が空いたのが見えたので、即座に肘を振ったら当たった」と言う様に相手のガードの隙を見つけると同時に肘打ちを決めることができた。石毛は「ジムで会員さんのミットを持つようになり、相手を観察して瞬時に隙を見つける事ができるようになった」とも話す。40戦以上を闘ってきて、右の打ち下ろした肘打ちで相手を倒したのは初めてとの事だ。
石毛は勝利後の感想として「こんな年齢までやってきて怪我も多かったけど、競技も仕事も両立したなかで復帰でき、次世代に何を聞かれても答えられると思う。今回で現役は終わり、という気持ちで、締めくくりとして臨んだ試合だけど、自分よりも6つも年上でも日本一華がある大月(晴明)さんに憧れる気持ちもある。今回TKO勝ちできた事で、またラジャダムナンで試合ができるのならば…」と、その心境を語った。
今回が現役最後として挑んだラジャダムナン参戦だったが、今後、石毛の現役続行はあるのだろうか。