UFC 4.13 マイアミ(レポ):ヴォルカノフスキー、ディエゴ・ロペスに判定勝ちしフェザー級王座返り咲き。ピンブレット、チャンドラーに3R TKO勝ち。ヤイール・ロドリゲス、UFC初戦のパトリシオ・ピットブルに完勝
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UFC 314: Volkanovski vs Lopes
2025年4月13日(日)米国フロリダ州マイアミ:カセヤセンター
レポート:井原芳徳
ヴォルカノフスキー、ディエゴ・ロペスに判定勝ちしフェザー級王座返り咲き
第13試合 メインイベント UFCフェザー級チャンピオンシップ(王者決定戦) 5分5R
○アレクサンダー・ヴォルカノフスキー(1位、元王者)
×ディエゴ・ロペス(3位)
判定3-0 (48–47/49–46/49–46)
ヴォルカノフスキーは23年2月と10月、1階級上のライト級のイスラム・マカチェフの王座に2度挑戦しいずれも敗れる。昨年2月、フェザー級王座6度目の防衛戦でイリア・トプリアに2R KO負けし王座から陥落した。トプリアは10月にマックス・ホロウェイを下して初防衛した。トプリアはライト級に階級を上げるため、今年2月にフェザー級王座を返上し、今回、フェザー級王者決定戦が組まれた。ヴォルカノフスキーはトプリアに敗れてから1年2カ月ぶりの試合となる。
ロペスは23年5月のUFC初戦こそモフサル・エフロエフに判定負けしたが、23年8月から昨年9月までハイペースで試合をこなし5連勝。昨年9月、3位のブライアン・オルテガに判定勝ちし、13位から一気にジャンプアップし、UFC参戦2年で王座決定戦に辿り着いたが、ヴォルカノフスキーの壁は高かった。

MIAMI, FLORIDA – APRIL 12: (L-R) Alexander Volkanovski of Australia punches Diego Lopes of Brazil in the UFC featherweight championship bout during the UFC 314 event at Kaseya Center on April 12, 2025 in Miami, Florida. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
1R、スタンドの攻防が続き、時折お互いのパンチが交錯する。序盤、ロペスの右アッパーが当たる場面もあったが、終盤、ヴォルカノフスキーがコンビネーションの中で左フックを強打し、一瞬ロペスの腰が落ちる。残り1分、ヴォルカノフスキーから組みに行き、足を掛けて倒すと、上からパウンドを連打し、差をつけて終える。ロペスは鼻柱から出血する。記者採点はヴォルカノフスキー。ジャッジは3者ともヴォルカノフスキーにつける。
2R、お互いジャブを振るがなかなか攻撃の出ない状態が続く。終盤、ヴォルカノフスキーの右と左のフックが連続で当たり、フラついたロペスに組み付いて倒そうとするが、ロペスは突き放す。ロペスが左ジャブを当てると、ヴォルカノフスキーは右目の下から出血する。すると終了間際、ロペスが圧を強め、右フックでダウンを奪う。ヴォルカノフスキーはすぐ立って終える。記者採点はロペス。ジャッジは1者がヴォルカノフスキー、2者がロペスにつける。
3R、引き続きパンチ主体の攻防で、お互い当てるが均衡は崩れない。パンチの相打ちとなる場面も。僅差だが、若干ヴォルカノフスキーの積極性と手数が上回る。記者採点はヴォルカノフスキー。ジャッジは3者ともヴォルカノフスキーにつける。

MIAMI, FLORIDA – APRIL 12: (L-R) Diego Lopes of Brazil punches Alexander Volkanovski of Australia in the UFC featherweight championship bout during the UFC 314 event at Kaseya Center on April 12, 2025 in Miami, Florida. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
4R、見合う状態が続いたが、中盤、ロペスが左ジャブを放つと、左目に入ったか?ヴォルカノフスキーは左目を気にする動きをするが、レフェリーは続行し、ロペスはパンチを振いながら追いかける。ヴォルカノフスキーは持ち直し、序盤同様に随所で左ジャブを当て、手数では上回った状態で終える。記者採点はヴォルカノフスキー。ジャッジは1者がヴォルカノフスキー、2者がロペスにつける。
5R、ロペスが前に出るが、ヴォルカノフスキーは引き続き右回りで距離を取りつつ、随所で左ジャブを当て、反撃を封じる。残り1分、ロペスは両手を広げるなどして打合いを誘うが、ヴォルカノフスキーは乗らずに距離を取り続け終える。記者採点はヴォルカノフスキー。ジャッジは3者ともヴォルカノフスキーにつける。合計49-46でヴォルカノフスキー。ジャッジ3者もヴォルカノフスキーを支持し、ヴォルカノフスキーが判定勝ちした。

MIAMI, FLORIDA – APRIL 12: Alexander Volkanovski of Australia reacts after his unanimous-decision victory against Diego Lopes of Brazil in the UFC featherweight championship bout during the UFC 314 event at Kaseya Center on April 12, 2025 in Miami, Florida. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
フェザー級王者に返り咲いたヴォルカノフスキーは勝利者インタビューで「2度のKO負けと35歳の呪いから、多くの人が僕をあきらめていたことが伝わりました。僕は36歳で、長い休みがありました。そして戻ってきて、ディエゴ・ロペスみたいな強豪を倒しました。戻って来られてうれしいです。逆境は人を成長させる特権です。本当にそうです。この瞬間は信じられないよ」と喜びを口にした。
ピンブレット、チャンドラーに3R TKO勝ち
第12試合 コーメインイベント ライト級 5分5R
×マイケル・チャンドラー(7位)
○パディ・ピンブレット(12位)
3R 3’07” TKO (レフェリーストップ:マウントからの肘打ち)
元ベラトール王者のチャンドラーはUFC 6戦2勝4敗。22年5月にトニー・ファーガソンをKOし連敗を2で止めたが、22年11月にダスティン・ポワリエに裸絞めで敗れ、昨年11月の2年ぶりの試合ではチャールズ・オリベイラに判定負けし2連敗中だ。
ピンブレットは21年のUFC参戦から5連勝で迎えた昨年7月のキング・グリーン戦で1R三角絞めで一本勝ちしランク入りした。

MIAMI, FLORIDA – APRIL 12: (L-R) Paddy Pimblett of England punches Michael Chandler in a lightweight bout during the UFC 314 event at Kaseya Center on April 12, 2025 in Miami, Florida. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
1R、小柄なチャンドラーがプレッシャーをかけ、タックルを仕掛け、抱え上げて倒し、金網際で背後からしがみついてコントロールする。ピンブレットが立ってもチャンドラーが押し込んでいると、ピンブレットが飛びついて三角絞めを狙うが、チャンドラーは振り落とし、スタンドに戻す。終盤、ピンブレットが前に出続け、右カーフ、ストレート、左テンカオ等を当て、やや優位で終える。記者採点はピンブレット。ジャッジは割れ、2者がコントロールの長かったチャンドラー、1者が打撃で反撃したピンブレットにつける。
2R、ピンブレットが右カーフを当てていると、チャンドラーは足が流れがちに。中盤、チャンドラーはタックルを仕掛け、抱え上げて倒し、バックマウントを取ろうとしたが、ピンブレットは振り落として上になる。終盤、ピンブレットは金網際でサイドで押さえ、ハーフに戻ると、チャンドラーがブリッジで逃げようと動いたタイミングでバックに回り込む。ピンブレットはマウントに移ってパウンドを連打してから、バックに戻り、足4の字で捕まえ、パウンドと肘を当てて追い詰める。記者採点はピンブレット。ジャッジは3者ともピンブレットで、1者は8-10と差をつける。
3R、ピンブレットが右飛び膝を当てると、チャンドラーは左頬から出血する。下がるチャンドラーをピンブレットは追いかけ、組み付くとお返しとばかりに抱え上げて倒し、金網際で背後から押さえる。中盤、ピンブレットは裸絞めを狙いつつパウンドを当て、最後はマウントからパウンドと肘を当て続けたところでレフェリーがストップした。
ピンブレットは「練習してきた通りです。これが俺たちの勝ち方です。ゲームプランを立て、ファイトIQを駆使し、誰にでも勝つ。俺は世界タイトルが欲しい。みんな笑いながら、俺はチャンピオンにはなれない、ランキングにも入れない、トップ10にも入れないと言っていました。でも、キノコ野郎ども、次は何をするんだ?ダスティン(ポイエー)、ジャスティン(ゲイジー)、チャールズ(オリベイラ)、それともあのお洒落なアルマン(ツァルキヤン)と戦いたい。4人のうち誰かじゃなく、全員だ」とアピールした
ヤイール・ロドリゲス、UFC初戦のパトリシオ・ピットブルに完勝
第11試合 フェザー級 5分3R
○ヤイール・ロドリゲス(5位、元暫定王者)
×パトリシオ・ピットブル
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
ロドリゲスは23年2月のフェザー級暫定王者決定戦でジョシュ・エメットに2R三角絞めで一本勝ちしたが、7月の正規王者アレキサンダー・ヴォルカノフスキーとの王座統一戦で3R TKO負け。昨年2月にはブライアン・オルテガに3R肩固めで一本負けし2連敗中だ。
パトリシオは2013年からベラトールに上がり、フェザー級とライト級で王者となり、主力選手として活躍する。23年7月のRIZINでは鈴木千裕に1R KO負け。昨年3月、ジェレミー・ケネディに3R TKO勝ちし、フェザー級王座を防衛すると、ベラトールおよびベラトールを買収したPFLでもなかなか試合が決まらず、37歳にしてUFCに初参戦したが、厳しい結果が待ち受ける。

MIAMI, FLORIDA – APRIL 12: Yair Rodriguez of Mexico (R) fights Patricio Pitbull of Brazil in a featherweight fight during UFC 314 at Kaseya Center on April 12, 2025 in Miami, Florida. (Photo by Megan Briggs/Getty Images)
試合はロドリゲスが手堅くも差を示す内容に。1R、序盤は両者距離を取って、中央付近で見合う状態が続く。中盤、体格で勝るロドリゲスがじわじわとプレッシャーを強めるが、パトリシオも中央側に回る時間もある。なかなかお互い攻撃が出ない状態は変わらない。終盤、ロドリゲスが右ハイ、左三日月蹴りを当てると、パトリシオが組んできたが、ロドリゲスは膝蹴りを当ててから崩し、少しずつ印象に残る場面を作るように。ロドリゲスの左ミドルのタイミングで、パトリシオが右ローを放つと、軸足刈りとなり、パトリシオが上になったが、ロドリゲスは下からしがみつき、追撃できず終わる。記者採点は僅差だがロドリゲス。
2R、スタンドの攻防が続き、お互い攻撃が少ない状態は変わらない。中盤過ぎ、パトリシオがタックルでロドリゲスを倒すが、すぐスタンドに戻る。終盤、ロドリゲスは右ハイ、ミドルを連続でヒット。パトリシオが圧を強めるが、ロドリゲスはスイッチを繰り返しつつ距離を取り、左右のミドルを何発も当てて寄せ付けない。それでもまたパトリシオはタックルを仕掛けてくる。ロドリゲスは金網を背にし、足を踏みつける嫌がらせを繰り返した後、足を掛けて倒して上になり、差をはっきり印象付けて終える。記者採点はロドリゲス。
3R、後の無いパトリシオは圧力を強め、左フックを当てる場面もあるが、ロドリゲスはステップで追撃を封じる。すると中盤、パトリシオの左フックのタイミングで、ロドリゲスが左ジャブと右ストレートを連続で当ててダウンを奪う。中央付近でロドリゲスが上から押さえ、パウンドと肘を連打してパトリシオを追い詰める。終盤、パトリシオは下から腕十字を仕掛け、場内はどよめくが、ロドリゲスは立って振りほどく。足関の取り合いとなり、残り30秒、スタンドに戻り、最後はロドリゲスが両手を高く広げ、流して終える。記者採点はロドリゲス。合計30-27でロドリゲス。ジャッジ3者も同じ採点でロドリゲスを支持し、ロドリゲスが判定勝ちした。
勝利者インタビューでロドリゲスは「1Rで決めたかったが、パトリシオが強くてうまく行きませんでした」と話し「次は今日のタイトルマッチの勝者と9月のメキシコ大会でやりたい」とアピールした。
第10試合 フェザー級 5分3R
×ブライス・ミッチェル(13位)
○ジェアン・シウバ
2R 3’52” ニンジャチョーク
第9試合 ライトヘビー級 5分3R
×ニキータ・クリロフ(8位)
○ドミニク・レイエス(11位)
1R 2’24” KO
第8試合 フェザー級 5分3R
○ダン・イゲ(15位)
×ショーン・ウッドソン
3R 1’12” TKO
第7試合 女子ストロー級 5分3R
×ヤン・シャオナン(1位)
○ビルナ・ジャンジロバ(3位)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
第6試合 ライト級 5分3R
×ジム・ミラー
○チェイス・フーパー
判定0-3 (27-30/28-29/28-29)
第5試合 フェザー級 5分3R
×ダレン・エルキンス
○ジュリアン・エローサ
1R 4’15” TKO
第4試合 ミドル級 5分3R
×セドリクエス・ドゥマス
○ミハル・オレクシェイチュク
1R 2’49” TKO
第3試合 フライ級 5分3R
○ス・ムダルジ
×ミッチ・ラポーゾ
判定2-1 (28–29/29–28/29–28)
第2試合 ミドル級 5分3R
×トレーシャン・ゴア
○マルコ・トゥリオ
2R 3’16” TKO
第1試合 女子バンタム級 5分3R
○ノハ・コノル(13位)
×ヘイリー・カワン
2R 1’52” 裸絞め
※コノルが計量1.5ポンドオーバー。対戦相手にファイトマネーの20%を譲渡