UFC 11.11 ニューヨーク(レポ):元ミドル級王者・アレックス・ペレイラ、プロハースカを2R KOしライトヘビー級も制覇。アスピナル、パブロビッチとのフィニッシャー対決で69秒KO勝ちし暫定ヘビー級王者に
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UFC 295: Procházka vs. Pereira
2023年11月11日(土/現地時間)米国ニューヨーク州ニューヨーク:マディソン・スクエア・ガーデン
レポート:井原芳徳
元ミドル級王者・アレックス・ペレイラ、プロハースカを2R KOしライトヘビー級も制覇
第13試合 メインイベント UFCライトヘビー級王者決定戦 5分5R
×イリー・プロハースカ(1位・元王者、元RIZIN同級王者)
○アレックス・ペレイラ(3位、元ミドル級王者)
2R 4’08” KO (右肘打ち)
※ペレイラが王者に
プロハースカは12年に母国チェコでMMAデビューし、15年末の旗揚げ大会からRIZINに上がり、19年4月のライトヘビー級王座決定戦でキング・モーをKOしリベンジすると、同年12月に元UFCランカーのC.B.ダラウェイをKOし初防衛した。この試合を最後にUFCに移籍すると、ヴォルカン・オーズデミア、ドミニク・レイエスとランカーを次々KO。昨年6月、グローバー・テイシェイラのライトヘビー級王座に挑戦し5R裸絞めで勝利し、13連勝・11連続フィニッシュでUFC王座を獲得した。12月にテイシェイラとのリターンマッチが組まれたが、右肩の負傷により欠場し、王座も返上した。
その後、今年1月の王者決定戦でジャマール・ヒルがテイシェイラに判定勝ちし王者となったが、7月の練習中にアキレス腱を断裂し、王座を返上。今回、プロハースカの1年半ぶりの復帰戦で、ペレイラとの王者決定戦が組まれた。
ペレイラは元ミドル級王者。キックボクシングのGLORY時代からのイスラエル・アデサニヤとライバル争いを繰り広げ、昨年11月にアデサニヤからミドル級王座を奪取したが、今年4月のリターンマッチでKO負けし王座陥落した。7月の再起戦ではライトヘビー級に階級を上げ、元同級王者で3位のヤン・ブラホヴィッチに判定勝ちしている。
1R、プロハースカは低めのガードでスイッチを繰り返し、タックルのフェイントから右アッパーを振う等、ややトリッキーな攻め。だがペレイラが右のカーフキック一発でプロハースカはスリップしてしまう。その後のペレイラの軽めの右カーフでもプロハースカはバランスを崩すように。中盤、ペレイラが右カーフを当てた直後、プロハースカは片足タックルを仕掛けてペレイラを金網に押し込む。ペレイラは首を抱えてギロチンを狙うが、プロハースカは対処してタックルで倒し、ハーフガードをキープする。プロハースカは時折スペースを作りながら軽めのパウンドと肘を当てる。終盤、プロハースカはようやく右肘を連打できるように。ペレイラは金網を背にして立って脱出するが、残り時間が少なく、反撃できず終わる。記者採点はプロハースカ。ジャッジ3者もプロハースカにつける。とはいえプロハースカはカーフキックのダメージが尾を引くことに。
2R、プロハースカはプレッシャーをかけ、スイッチと細かい前蹴りも織り交ぜて動き続け、ペレイラに蹴りを打たせない。だが中盤、ペレイラがサウスポーになったプロハースカに右ミドルを当てると、プロハースカがすぐにオーソドックスに戻したところで、ペレイラが右のカーフをヒットする。プロハースカは首を縦に振って効いていないかのようなアピールをすると、ペレイラはまたも右カーフを当てる。プロハースカはステップがぎこちなくなるが、距離を詰めてペレイラを金網に詰め、パンチを振う。ペレイラは対処し、随所で右カーフをヒットし、じっくり痛めつける。すると終盤、プロハースカが左右のパンチを振って前進してきたところで、ペレイラが右フックを合わせ、さらに左フックをアゴに当ててダウンを奪う。プロハースカは苦し紛れにタックルを仕掛けるが、ペレイラは金網を背にして切りながら右の肘を連打すると、プロハースカは力が抜け後ろに倒れ、ペレイラがマウントになったところでレフェリーがストップした。
イリー・プロハースカをノックアウトして・・・ライトヘビー級王座獲得#アレックス・ペレイラ #UFC295 pic.twitter.com/0pQD6assYG
— UFC Japan (@ufc_jp) November 12, 2023
プロハースカは連勝が13で止まり、UFC初黒星。2階級制覇を達成したペレイラは「アデサニヤとライトヘビー級でやるのもいい。ヒルの復活も待っている」とコメント。プロハースカはインタビュアーのジョー・ローガン氏から「ストップが早かったのでは?」と聞かれると「意識が飛んでいたから妥当だ。僕は死んでも体が動くんだ。とにかく、もっと強くなって戻ってくる。アレックスには学ばせてもらった。ありがとう。まだ戻ってきます」と話し、潔く負けを受け入れていた。
アスピナル、パブロビッチとのフィニッシャー対決で69秒KO勝ちし暫定ヘビー級王者に
第12試合 コーメインイベント UFCヘビー級暫定王者決定戦 5分5R
×セルゲイ・パブロビッチ(2位)
○トム・アスピナル(4位)
1R 1’09” KO (右フック)
※アスピナルが暫定王者に
今大会ではヘビー級王者のジョン・ジョーンズが元王者で3位のスティーペ・ミオシッチを相手に防衛戦を予定していたが、ジョーンズが左胸の筋肉を負傷したため欠場し、大会の半月前にパブロビッチとアスピナルによる暫定王者決定戦が組まれた。
ロシア人のパブロビッチは18年のUFC初戦こそアリスター・オーフレイムに1R TKO負けしたものの、以降は6試合とも1R KO/TKO勝利。最近ではデリック・ルイス、タイ・トゥイバサをKOし、4月にカーティス・ブレイズを1R KOすると、王座挑戦を希望していた。
アスピナルは地元イギリスの大会で活躍後、20年からUFCに上がり7戦6勝(4KO/2一本)1敗。昨年7月のブレイズ戦では開始早々に右ひざを負傷しTKO負けしたが、今年7月の復帰戦ではマルチン・ティブラをわずか73秒でKO。UFC 6勝のうち5勝が1Rフィニッシュだ。
フィニッシャー対決はやはり短時間決着に。1R、開始すぐにアスピナルが右のカーフキックをヒットし、左右に動いて左前蹴りも放つ。パブロビッチが距離を詰めて左フックを当てるが、アスピナルはその後はパブロビッチパンチをかわすようになり、さらに右カーフを当てる。するとアスピナルは一旦ステップバックしてから、一気に詰めてワンツーでの右ストレートをヒット。パブロビッチがひるむと、アスピナルは隙を逃さずさらに右フックを当ててダウンを奪い、さらに鉄槌を連打したところでレフェリーがストップした。
ヘビー級暫定王者となったアスピナルは「このベルトを父に捧げます」と話して、セコンドについた父の肩にベルトを掛け、「クレイジーな数週間でしたが、やるとなったらやると試合を受けた甲斐がありました」「距離感に手こずりましたが、勝てて良かったです」と話した。
ジェシカ・アンドラージ、連敗を3でストップ
第11試合 女子ストロー級 5分3R
○ジェシカ・アンドラージ(5位・元王者、フライ級5位)
×マッケンジー・ダーン(7位)
2R 3’15” KO (右ストレート)
アンドラージはフライ級でもランクインしているが、昨年4月からストロー級に専念し、アマンダ・レモス、ローレン・マーフィーに勝ったが、今年に入ってからは2月にエリン・ブランチフィールドに、5月にはヤン・シャオナンに、8月にタチアナ・スアレスに、いずれもフィニッシュされ3連敗中だ。
ダーンは21年4月のニーナ・アンサロフ戦以降5戦3勝2敗で、勝ち負けを繰り返す状態で、昨年10月にシャオナンに判定負けし、5月にはアンジェラ・ヒルに判定勝ちしている。
1R、アンドラージがプレッシャーをかけ、ダーンが払い腰でアンドラージを倒すが、アンドラージはすぐ立つ。中盤、アンドラージは右カーフキックを随所で当てる。左インローや通常のローキックも絡めると、ダーンはステップがぎこちなくなる。ダーンは前進し、ストレートをアンドラージに当てるが、前進の勢いでスリップしてしまい、左足のダメージが隠せなくなる。ダーンが組もうとしても、足に力が入らず、アンドラージは突き放し続ける。終了間際にはアンドラージが右フックでダウンを奪い、ダーンはタックルでしのぐ。記者採点はアンドラージ。
2R、アンドラージは変わらずプレッシャーをかけ、随所で右のロー、カーフをヒットする。中盤、ダーンのタックルを突き放し、右フックを当てる。ダーンが声を上げてパンチを振っても軽々とスウェーする。さらに組もうとしたダーンに対し、左フックを当ててダウンさせる。ダーンは寝技勝負を望んで手を振るが、アンドラージは拒否する。ダーンは左右のフックを返すが、アンドラージが右フックでまたもダウンを奪う。最後は戦意喪失気味で後退するダーンに、アンドラージが左右のストレートを当て、4度目のダウンを奪ったところでレフェリーがストップした。
第10試合 ライト級 5分3R
×マット・フレボラ(14位)
○ブノワ・サン・デニ
1R 1’31” KO (左ハイキック)
第9試合 フェザー級 5分3R
○ディエゴ・ロペス
×パット・サバティーニ
1R 1’30” KO (スタンドパンチ→グラウンドパンチ)
第8試合 フライ級 5分3R
○スティーブ・エルセグ(14位)
×アレッサンドロ・コスタ
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)
第7試合 女子ストロー級 5分3R
×タバサ・リッチ(10位)
○ルーピー・ゴディネス(13位)
判定1-2 (30-27/28-29/28-29)
第6試合 ライト級 5分3R
○マテウシュ・レベツキ
×ルーズベルト・ロバーツ
1R 3’08” 腕ひしぎ十字固め
※ロバーツは計量2ポンドオーバー。レベツキにファイトマネーの20%を譲渡
第5試合 ライト級 5分3R
△ナジム・サディコフ
△ヴィチェスラフ・ボルシェフ
判定1-0 (29–28/28–28/28–28)
第4試合 ライト級 5分3R
○ジャレッド・ゴードン
×マルク・マドセン
1R 4’42” TKO
第3試合 138ポンド(62.60kg)契約 5分3R
○ジョン・カスタネーダ
×カン・ギョンホ
判定3-0 (30–27/30–27/30–27)
第2試合 フライ級 5分3R
○ジョシュア・ヴァン
×ケビン・ボルハス
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)
第1試合 フェザー級 5分3R
×デニス・ブズカ
○ジャマル・エマース
1R 0’49” TKO
※エマースが計量1ポンドオーバー。ブズカにファイトマネーの20%を譲渡