UFC 6.8 シカゴ:「俺はトリプルチャンプだ」ヘンリー・セフード、五輪、フライ級に続きバンタム級を制覇。シェフチェンコ、左ハイでKO勝ちし初防衛
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UFC 238: Cejudo vs. Moraes
2019年6月8日(土/現地時間) 米国イリノイ州シカゴ:ユナイテッド・センター
レポート:井原芳徳 選手コメント提供:UFC日本広報 Photos by Jeff Bottari/Zuffa LLC/UFC
第13試合 メインイベント UFCバンタム級王座決定戦 5分5R
○ヘンリー・セフード(フライ級王者)
×マルロン・モラエス(1位)
3R 4’51” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※セフードが王者に
セフードは1月に1階級上のバンタム級王者のT.J.ディラショーを相手にフライ級王座の防衛戦を行い、1R TKO勝ちした。ディラショーはその後、ドラッグテストで失格となり、バンタム級のベルトを剥奪され、セフードとモラエスによる王座決定戦が今回組まれた。モラエスはWSOF王座を5度防衛した後、17年からUFCに上がり、初戦は敗れたものの、以降は4連勝し、2月には初戦で敗れたハファエル・アスンソンにリベンジしている。
1R、スタンドの展開が続き、お互い細かくフェイントをかけ合い、攻撃はなかなか出せない。大差は無いが、モラエスのほうが回って距離を取りながらもローキック、右フック等を的確に当てている。
2Rも同様な構図が続くが、中盤過ぎからセフードが圧力を強めると、積極的にパンチを振るってヒットを増やす。終盤にはセフードがモラエスを首相撲で捕まえて膝蹴りを連打し、攻勢を印象付ける。
3Rもセフードがパンチと膝を随所でヒットし主導権を維持する。中盤、セフードはがぶりの状態からアナコンダチョークを仕掛ける。セフードはチョークを外すと、そこから金網際でトップをキープし、右のパウンドと肘を当て続ける。すると効き目を発揮し、セフードが右の鉄槌を連打してモラエスの動きが止まったところでレフェリーがストップした。
セフードは08年の北京五輪のレスリング競技で獲得した金メダルを首にかけ、両肩にはUFC 2階級ベルトをかけ、「俺はトリプルチャンプのヘンリー・セフードだ」と偉業をアピール。「足の怪我もあって心配だったが、デメトリアス・ジョンソンにも勝てたことを思い出して頑張った」と話した。
◆セフード「自分はダブルチャンピオンじゃない。トリプルチャンピオンだ。オリンピック王者にフライ級王者、そしてこれでUFCバンタム級王者だ。このタイトルを手に入れたのは世界中でオレ一人。他の誰にもなし得ていない。俺のことが嫌いだろうと好いてくれていようと、俺こそがパウンド・フォー・パウンドのキングだ。チームのことを信じている。俺がここにいるのは彼らのおかげだ。今は休んで、今年末の試合に備えたい。“セフードの”階級で試合する。フライ級でもバンタム級でも、フェザー級でだって戦えるぞ。どの階級でもかかってこい」
第12試合 セミメインイベント UFC女子フライ級チャンピオンシップ 5分5R
○ワレンチナ・シェフチェンコ(王者)
×ジェシカ・アイ(1位)
2R 0’26” KO (左ハイキック)
※シェフチェンコが初防衛
シェフチェンコはテコンドーをベースとし、WMCやクンルンファイトでタイトルを奪取し、プロ56勝2敗。MMAも並行して戦い、15年からUFCに参戦。昨年12月にヨアンナとの王座決定戦で勝利し、今回が初防衛戦だ。アイはバンタム級では4連敗と苦戦し、フライ級に戻してからは3連勝していたが、シェフチェンコの壁は高すぎた。
1R、元キックボクサーのシェフチェンコがサウスポーに構え、開始すぐから左ミドルを連打し、40秒ほどでタックルを仕掛けて倒して上になる。シェフチェンコはハーフガードから密着しつつマウントポジションを狙う。終盤、アイが金網を背にして立つが、シェフチェンコは足を掛けて倒してサイドで押さえ込む。最後はマット・ヒューズ・ポジションからアームロックを仕掛けて終える。2R、シェフチェンコが左ミドルを2発当て、前進するアイを回ってかわした後、左ハイをクリーンヒットして、一発でアイをKOした。
第11試合 ライト級 5分3R
○トニー・ファーガソン(2位、元暫定王者)
×ドナルド・セローニ(4位)
2R 終了時 TKO (ドクターストップ)
ファーガソンは怪我のため暫定王座を返上したが11連勝中。セローニは5月4日にアル・アイキンタに5R判定勝ちしてからわずか35日間隔での出場。現在3連勝中で、着々と悲願の王座奪取に近づいている。セローニ人気を反映してか、試合前はタイトルマッチのように場内の照明が暗くなる。
1R、両者序盤からジャブの相打ちを繰り返すなど、積極的にパンチを振るう。セローニは崩れないものの、ファーガソンが着実にジャブ、左ミドル、右前蹴りを当て続ける。
2Rもファーガソンがコツコツと攻撃を当て続ける。セローニもパンチを返すが、時折崩れる場面もあり、手数で差をつけられる。インターバル中、セローニの右まぶたが完全にふさがっていることがわかり、ドクターストップがかかった。
第10試合 バンタム級 5分3R
×ジミー・リベラ(7位)
○ピョートル・ヤン(9位)
判定0-3 (28-29/28-29/27-30)
スタンドの打撃戦主体で、1Rと2R終盤にヤンがパンチでリベラをぐらつかせ、3Rは接戦となるも最後にしっかりテイクダウンを奪ってポイント差をつけ判定勝ち。自身の連勝を8、UFCでの連勝を5に伸ばし、メインのタイトルマッチの予想を聞かれると「どっちが勝ったとしても勝ったほうとやりたい」とアピールした。
第9試合 ヘビー級 5分3R
×タイ・トゥイバサ(11位)
○ブラゴイ・イワノフ(13位)
判定0-3 (28-29/27-30/27-30)
第8試合 女子ストロー級 5分3R
○タティアナ・スアレス(1位)
×ニーナ・アンサロフ(3位)
判定3-0 (29-28/29-28/29-28)
第7試合 バンタム級 5分3R
○アルジャメイン・スターリング(3位)
×ペドロ・ムニョス(4位)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
第6試合 女子ストロー級 5分3R
×カロリーナ・コバルケビッチ(10位)
○アレクサ・グラッソ(13位)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
第5試合 フェザー級 5分3R
×リカルド・ラマス(10位)
○カルヴィン・ケーター(15位)
1R 4’06” KO
第4試合 女子ストロー級 5分3R
○ヤン・シャオナン
×アンジェラ・ヒル
判定3-0 (29-28/29-28/29-28)
第3試合 ミドル級 5分3R
×ベヴォン・ルイス
○ダレン・スチュワート
判定0-3 (28-29/28-29/27-30)
第2試合 バンタム級 5分3R
○エディ・ワインランド
×グリゴリー・ポポフ
2R 4’47” TKO
第1試合 女子フライ級 5分3R
○ケイトリン・チョケイジアン(2位)
×ジョアン・コールダウッド(6位)
判定3-0 (30-27/29-28/29-28)