UFC 8.7 ヒューストン:マネル・ケイプ、計量オーバーも1R飛び膝KO勝ちでUFC初白星。シリル・ガーヌ、MMA 10戦全勝でヘビー級暫定王者に
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UFC 265: Lewis vs Gane
2021年8月7日(土/現地時間) 米国テキサス州ヒューストン:トヨタ・センター
レポート:井原芳徳
UFCは4月のUFC 261フロリダ大会から完全有観客の大会を再開。毎週のように行われるファイトナイトシリーズはこれまで同様無観客だが、月1回のナンバーシリーズはフロリダ、テキサス、アリゾナ、ネバダと開催地を変えつつ観客を入れている。どの有観客大会も観客の大多数がマスクを着けておらず、日本とは別世界のようだ。しかしフロリダとテキサスの2州で、過去1週間の全米の新型コロナウイルス新規感染者数の3分の1を占めていると米国政府が2日に発表している(参照:ロイターの記事)。共和党から選出された知事のいる両州と、民主党から選出された大統領のいる政府とで方針が真逆なのも米国らしい。
元RIZINバンタム級王者・マネル・ケイプ、計量オーバーも3戦目でUFC初白星
第4試合 129ポンド契約 5分3R
○マネル・ケイプ
×オデー・オズボーン
1R 4’44” KO (右飛び膝蹴り)
ケイプは17年10月からRIZINに上がり、19年の大晦日大会で朝倉海に2R TKO勝ちしRIZINバンタム級王者に。その3か月後、RIZINの王座を返上し、UFCと契約。コロナ禍の影響もあり試合機会がなかなか訪れなかったが、今年2月にUFCデビューし、当時フライ級5位のアレッシャンドリ・パントージャに判定負け。3月の2戦目は大会10日を切って試合が発表され、準備不足も災いしマテウス・ニコラウに判定負けし2連敗となってしまった。
今回の相手・オズボーンはジャマイカ系の米国人で、MMA戦績は9勝3敗1無効試合の29歳。昨年1月のUFC初戦ではブライアン・ケレハーに1Rギロチンで一本負けしたが、今年2月の2戦目ではジェロム・リベラに1R左フックでKO勝ちしている。
ケイプは前日計量でフライ級ワンマッチの126ポンド(57.15kg)のリミットを3ポンド(1.36kg)オーバーし、ファイトマネーの20%をオズボーンに譲渡するペナルティが科された。
1R、両者サウスポーに構え、ケイプは序盤から左フック、ストレートを多用する。ケイプが左ローを放つと、オズボーンが足をすくって倒し、パウンドを一発当てると、ケイプはすぐ立って笑顔を浮かべる。
中盤にはオズボーンが膝下狙いの低空タックルを2度仕掛けるが、ケイプはすぐ離れる。その後、リーチで勝るオズボーンが左ストレートを随所でヒットする。
若干オズボーンが優勢も、お互い慎重なファイトが続いたが、ラウンド終了間際、一気に試合が動く。オズボーンがじわじわ圧を強めていると、ケイプは下がりながらオーソドックスに切り替えると、右の飛び膝をオズボーンのアゴにクリーンヒット。オズボーンのタックルのカウンターとなり、オズボーンは真後ろにダウンする。ケイプが上から右のパウンドを連打したところでレフェリーがストップした。
計量オーバーはありながらも、なんとか3戦目でUFC初白星をもぎ取ったケイプ。勝利者インタビューでは「俺はトップ5に入れる」とアピールし「彼女が妊娠中なので、勝てて良かった」とも話した。
シリル・ガーヌ、MMA 10戦全勝でヘビー級暫定王者に
第13試合 メインイベント UFCヘビー級暫定王座決定戦 5分5R
×デリック・ルイス(2位)
○シリル・ガーヌ(3位)
3R 4’11” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※ガーヌが暫定王者に
ルイスの地元ヒューストンで行われる今大会では、ヘビー級王者のフランシス・ガヌーにルイスが挑戦予定だったが、ガヌーがコンディション不良を理由に防衛を見送ったため、ルイス vs. シリル・ガーヌの暫定王座決定戦が行われた。
ルイスは10年にMMAデビューし、レガシーFCで王座防衛後、14年からUFCに出場。18年6月にガヌーに判定勝ちし、その5か月後にダニエル・コーミエの持つヘビー級王座に挑戦したが2R裸絞めで一本負けした。続くジュニオール・ドス・サントス戦でもTKO負けしたものの、以降はアレクセイ・オレイニク、カーティス・ブレイズら相手に4連勝中だ。UFCヘビー級最多の12のKO勝ちの実績がある。
ガーヌはムエタイで約2年のキャリアを積んだ後、3年前の18年にMMAに転向。デビュー戦でカナダのTKOヘビー級王座を獲得後、2度防衛すると、19年8月からUFCに参戦。ジュニオール・ドス・サントス、ジャルジーニョ・ホーゼンストライク、アレキサンダー・ヴォルコフら相手にUFC 6連勝している。MMAはこれまで9戦全勝。正規王者・ガヌーの元練習仲間でもあった。
1R、長身のガーヌがサウスポーに構えてプレッシャーをかける。ルイスは右ハイを放つが、ガーヌはブロックし吹き飛ばす。ガーヌはオリンピック空手の選手のようにガードを下げて軽快にステップしつつ、右ローをコツコツと当てる。ルイスの右ローがローブローとなる場面もあったがすぐ再開する。終盤、ガーヌが左ジャブ、右ローを連続で当て、好印象で終える。記者採点はガーヌ。
2Rもガーヌが低めに構えてステップし、時折スイッチもしながら、右ローを着実に当てる。ルイスは時折強引に詰めて組みに行くが、ガーヌは突き放し続ける。中盤以降、時折ガーヌが押し込み、膝を当てるように。離れ際に右肘を当てる場面も。記者採点はガーヌ。お互い慎重だがガーヌが試合を支配している。
3R、ガーヌは序盤から右のローを的確にヒット。ルイスは左の前足の踏ん張りが弱まって来た。ルイスは前に出るが、ガーヌが軽々とかわし続ける。地元テキサスのガーヌへの声援も2Rまでは飛んでいたが、3Rは場内も静かになる。ガーヌとしてはいつでも仕留められる状態に。すると中盤過ぎ、ガーヌが右ローでルイスの足を止めると、左ジャブからのパンチ連打で仕留めにかかる。ルイスは亀になったり、背中を向けたりして防御を続け、戦意を喪失しているようにも見えたが、レフェリーは続行。それでもルイスはパンチを振り回す場面もあるが、力が入りきらない。さらにガーヌがパンチを当て続け、ルイスが金網際で崩れ落ち、ガーヌがパウンドを連打したところで、ようやくレフェリーがストップ。ガーヌがプロ10戦全勝、UFC 7戦全勝で暫定王者となった。
2階級制覇目指すジョゼ・アルドが連勝
第12試合 セミメインイベント バンタム級 5分3R
○ジョゼ・アルド(5位、元フェザー級王者)
○ペドロ・ムニョス(9位)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
アルドは昨年7月のバンタム級王座決定戦でピョートル・ヤンにTKO負けし3連敗となったが、12月の再起戦ではマルロン・ヴェラに判定勝ちした。ムニュスも今年2月にジミー・リベラに判定勝ちし連敗を2で止めた。ブラジル人同士のセミメインイベントに。体格はややアルドが上か。
1R、ムニョスはカーフキック狙いで、アルドはボディと顔面へのパンチ狙い。中盤、ムニョスの右フックの直後に、アルドが右のテンカオを合わせるが、以降は元通りの攻防に。アルドはムニョスのカーフをカットし続けると、ムニョスは次第にカーフが減り、終盤はアルドのパンチがやや目立つように。記者採点は僅差でアルド。
2R、アルドも右ローを出し、左ジャブをヒット。ムニョスも距離を詰めパンチを返す。ムニョスが圧をかける時間が長いが、お互いなかなか明確なヒットには繋げられない。それでも終盤、ムニョスが右のカーフ、左インローをヒット。アルドはヒットが乏しい。記者採点はムニョスで合計19-19。
3R、お互い序盤からパンチを当てるが、すぐにムニョスが圧をかけ、見合う状態に戻る。だが中盤、アルドの左右のストレートの連打が炸裂し、右のカーフキックも当たり、やや優位に。さらに右のカーフを当てると、ムニョスはスリップしてしまう。終盤もアルドがパンチ、右カーフを有効にヒット。最後もアルドがパンチとカーフをまとめ好印象で終える。記者採点はアルド。合計29-28でアルド。ジャッジは3者とも30-27でアルドを支持し、アルドの判定勝ちとなった。
第11試合 ウェルター級 5分3R
×マイケル・キエーザ(5位)
○ビセンテ・ルーケ(6位)
1R 3’25” ダースチョーク
キエーザは4連勝、ルーケは3連勝と、勢いのある選手同士の顔合わせ。1R、ルーケがスイッチしつつ圧を掛け、キエーザがサウスポーに構えながらグルグル回る展開が続く。ルーケは左のカーフキックを随所で当てつつ、右フックを効かせる。だが、キエーザは胴タックルを仕掛けて倒すと、金網際でバックマウントを奪い、裸絞めに再三トライする。ルーケは間一髪で防御を続け、キエーザが腕十字狙いに切り替えたところで、体をひねって正対すると、潜り込んできたキエーザの首を抱え、ダースチョークの奇襲に成功。隙を突かれたキエーザはタップ。ルーケがスリリングな攻防を制した。
第10試合 女子ストロー級 5分3R
○テシア・トーレス(10位)
×アンジェラ・ヒル(12位)
判定3-0 (30-27/30-27/29-28)
第9試合 バンタム級 5分3R
○ソン・ヤドン
×ケイシー・ケニー
判定2-1 (28–29/29–28/30–27)
第8試合 ライト級 5分3R
×ボビー・グリーン
○ラファエル・フィジエフ
判定3-0 (30–27/29–28/29–28)
第7試合 バンタム級 5分3R
○ヴィンス・モラレス
×ドラコ・ロドリゲス
判定3-0 (30–27/29–28/29–28)
第6試合 ライトヘビー級 5分3R
×エド・ハーマン
○アロンゾ・メニフィールド
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
第5試合 ストロー級 5分3R
×カロリーナ・コバルケビッチ
○ジェシカ・ペネ
1R 4’32” 腕ひしぎ十字固め
第試合 バンタム級 5分3R
○マイルズ・ジョンズ
×アンデルソン・ドス・サントス
3R 1’16” KO
第試合 女子フライ級 5分3R
○メリッサ・ガト
×ビクトリア・レオナルド
2R 5’00” TKO (ドクターストップ)
第試合 バンタム級 5分3R
○ジョニー・ムノス
×ジェイミー・シモンズ
2R 2’35” 裸絞め