UFC 2.8 ヒューストン:ジョン・ジョーンズ、ドミニク・レイエス相手に薄氷防衛。女子フライ級王者シェフチェンコは完勝
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UFC 247: Jones vs. Reyes
2020年2月8日(土/現地時間)米国テキサス州ヒューストン:トヨタ・センター
レポート:井原芳徳
第12試合 メインイベント UFCライトヘビー級チャンピオンシップ 5分5R
○ジョン・ジョーンズ(王者)
×ドミニク・レイエス(4位)
判定3-0 (48-47/48-47/49-46)
※ジョーンズが3度目の防衛
ジョーンズは昨年7月、チアゴ・サントスに判定2-1で勝利して以来となる防衛戦。レイエスはMMA 12戦全勝、UFC 6連勝。昨年10月に元ミドル級王者のクリス・ワイドマンを1Rで粉砕し、30歳での王座初挑戦につなげた。
1R、ジョーンズはスイッチを繰り返しつつ、圧力をかけ、レイエスの右足にロー、関節蹴りをヒットする。中盤、ジョーンズの左ミドルのタイミングで、レイエスは左ストレートを出し、スリップさせる。立った後、レイエスは左ストレートを連続で当て、ジョーンズを後退させる。ジョーンズはしばらくして持ち直し、再び圧力をかけ続ける。終盤、ジョーンズが左ハイを当てるが、レイエスはひるまない。記者採点はレイエス。
2R、レイエスが詰めてパンチを連打するが、今度はジョーンズが回って頭を振ってかわし続けて被弾しない。その後もジョーンズが圧をかける構図が続く。お互いヒットは少ないが、レイエスも右ボディストレート、左アッパー、右ローを巧く当て、王者と渡り合っている。僅差だが、記者採点はヒット数で勝るレイエス。
3Rも同じような構図が続く。お互いステップを止めない状態が続き、中盤、ジョーンズがタックルに行くが、レイエスは耐えて突き放す。レイエスは回りながら左アッパー、左フック、右ローを当て、手数では上回る。終了間際、ジョーンズは飛び蹴りを出すが、レイエスはかわす。記者採点はレイエス。ジョーンズは攻撃は少ないが、大崩れせず、圧をかけ続けているため、ポイントがついている可能性はある。
4R、レイエスが序盤から左ストレートを連打すると、ジョーンズはタックルで倒しにかかる。劣勢のジョーンズはグラウンドで打開を図ろうとしたが、レイエスは耐え、一瞬倒されてもすぐスタンドに戻す。中盤にもジョーンズはタックルから組み付くが、これもレイエスが突き放す。レイエスは細かくパンチをヒット。ジョーンズは鼻血を出しており、表情からも焦りが見える。終盤、ジョーンズがパンチのヒットを増やすが、詰め切れず終える。記者採点はジョーンズ。トップキープできなかったが、打撃で差は小さかったため、積極性を評価した。
5R、ジョーンズは片足タックルで倒し、バックを奪いそうになるが、レイエスは立つ。またもジョーンズが圧をかけ、レイエスが回る構図に戻る。お互い心身共に疲労が蓄積しているはずだが、足取りは止まらない。ジョーンズはバックスピンキック、左ハイを出すが、うまく当てられない。とはいえ随所でロー、ミドルと細かい攻撃はヒット。レイエスは3Rまでのような攻撃数には至らず、空振りが多い。記者採点はジョーンズ。合計47-48でレイエスとしたが、48-47でジョーンズでも不思議ではない。
ジャッジは48-47、48-47、49-46で、3者ともジョーンズ。レイエスは手を広げ、ジョーンズも驚いた様子だった。ジョーンズは「ドミニクは最高の試合をした。尊敬している。凄い試合だった。テイクダウンの後にトップキープできなかったが、作戦を変えて蹴りを増やした。テイクダウンで流れが変わった。3Rまでは接戦だった」と、苦戦を認めた。それでもこれでUFC史上最多のチャンピオンシップ勝利数の14に到達し、ジョルジュ・サン・ピエールの記録を超える快挙を成し遂げた。敗れたレイエスは「1~3Rは取ったと思った。4・5Rは取られた。結果は結果だ。文句は言わない。自分が本物だと自分がわかっている」と静かにコメントした。
第11試合 セミメインイベント UFC女子フライ級チャンピオンシップ 5分5R
○ヴァレンティーナ・シェフチェンコ(王者)
×ケイトリン・チョケイジアン(1位)
3R 1’03” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※シェフチェンコが3度目の防衛
シェフチェンコは昨年8月にリズ・カムーシュに判定勝ちして以来となる防衛戦。チョケイジアンは18年12月にジェシカ・アイに敗れたが、昨年は6月にジョアン・コールダウッド、11月にジェニファー・マイア相手に連勝し、王座初挑戦する。
1R、シェフチェンコがサウスポーに構え、チョケイジアンがオーソドックスに構え、お互いフェイントをかけて慎重にチャンスをうかがう。3分半過ぎ、チョケイジアンが右ミドルを当てると、シェフチェンコは蹴り足をつかんで倒し、中央付近でトップをキープする。終了間際、シェフチェンコがスペースを作って右肘を当てると、チョケイジアンは左の眉の上を切られ、大量に出血する。シェフチェンコがポイントを取る。
2Rもお互い慎重だが、着実にパンチと蹴りを当てるのはシェフチェンコのほうだ。中盤には左の上段後ろ回し蹴りをヒット。するとチョケイジアンは焦ったか?右ミドルをまた出すと、シェフチェンコはつかんで倒し、トップ、ハーフ、トップと動く。ヘンゾ・グレイシーの弟子のチョケイジアンは足を登らせるが、シェフチェンコは密着してその先を許さない。このラウンドもシェフチェンコがポイントを取る。
3R、チョケイジアンはまたも右ミドルを出すと、シェフチェンコは足をつかむが、チョケイジアンはすぐに飛びついて三角絞めの奇襲を仕掛ける。だが足が上がりきらず失敗して着地すると、シェフチェンコはすぐに足をかけて倒す。そのままサイドを奪うと、両足でチョケイジアンの左足を挟む、マット・ヒューズ・ポジションで捕獲する。シェフチェンコは右のパウンドを連打すると、レフェリーがストップした。
盤石の強さで3度目の防衛に成功したシェフチェンコは、勝利者インタビューで「ヒューストンにはレガシーFCに上がっていた当時、2年半住んでいました。戻って来れてうれしいです。ありがとうヒューストン」とアピールし、観客からの拍手を浴びた。
第10試合 ヘビー級 5分3R
×フアン・アダムス
○ジャスティン・タファ
1R 1’59” TKO
第9試合 フェザー級 5分3R
×ミアサド・ベクティック
○ダン・イゲ
判定1-2(28-29/29-28/28-29)
第8試合 ヘビー級 5分3R
○デリック・ルイス
×イリル・ラティフィ
判定3-0 (29-28/29-28/29-28)
第7試合 ミドル級 5分3R
○トレヴィン・ジャイルズ
×アントニオ・アロヨ
判定2-1 (28-29/29-28/29-28)
第6試合 女子フライ級 5分3R
○ローレン・マーフィー
×アンドレア・リー
判定2-1 (28-29/29-28/30-27)
第5試合 ウェルター級 5分3R
×アレックス・モロノ
○ケイオス・ウィリアムズ
1R 0’27” KO
第4試合 バンタム級 5分3R
×マイルズ・ジョーンズ
○マリオ・バティスタ
2R 1’41” TKO
第3試合 バンタム級 5分3R
×ドミンゴ・ピラーテ
○ジャーニー・ニューソン
1R 0’38” TKO
第2試合 バンタム級 5分3R
○アンドレ・イーウェル
×ジョナサン・マルチネス
判定2-1 (28-29/29-28/30-27)
第1試合 フェザー級 5分3R
×オースティン・リンゴ
○ユーセフ・ザラル
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)