UFC 11.6 ニューヨーク(レポ):ウスマン&ナマユナス、挑戦者との再戦は僅差の勝利。ゲイジー、チャンドラーとの殴り合い制す
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UFC 268:Usman vs. Covington 2
2021年11月6日(土/現地時間)米国ニューヨーク州ニューヨーク:マディソン・スクエア・ガーデン
レポート:井原芳徳
第14試合 メインイベント UFCウェルター級タイトルマッチ 5分5R
○カマル・ウスマン(王者)
×コルビー・コビントン(1位)
判定3-0 (48-47/48-47/49-46)
※ウスマンが5度目の防衛
ウスマンは19年12月、2度目の防衛戦でコビントンに5R TKO勝ちしている。4月にホルヘ・マスヴィダルに2R KO勝ちして以来の防衛戦。コビントンは昨年9月、タイロン・ウッドリー相手に復帰戦で勝利している。
1R、ウスマンはオーソドックス、コビントンはサウスポー主体で時折スイッチ。スタンドの展開が続いた後、コビントンがタックルを仕掛け、ウスマンは一瞬倒れるが、すぐスタンドに戻す。中盤、コビントンがパンチで突っ込むと、今度はウスマンがタックルで倒すが、すぐコビントンは立つ。終盤、ウスマンのバッティングで、コビントンは右頬を切り少し出血する。記者採点は圧を掛け続けたウスマン。正味の攻撃ではほとんど差は無いため難しかったが、ジャッジ3者もウスマンにつける。
2R、スタンドでお見合いが続き、中盤、ウスマンが右ストレートを当てると、コビントンは押し込んで難を逃れる。すると終盤、コビントンのサウスポーからの左フックに対し、ウスマンのカウンターの左フックが炸裂し、コビントンはダウン。コビントンはすぐ立つが再びウスマンの左フックが当たりコビントンはダウン。最後はウスマンが上から押さえてパウンドで追い詰め終える。記者採点はウスマン。
3R、ウスマンが圧を掛け続け、コビントンのタックルも切り、主導権を維持する。終盤、コビントンが前に出て、パンチを当ててからタックルを仕掛けてしがみつくが、ウスマンは金網際で中腰で耐える。記者採点はウスマンだが、割れても不思議ではなく、ジャッジも2者がウスマン、1者がコビントンにつける。
4R、お見合いが続くが、中盤にコビントンが右フック、アッパーを連続で当て、少しウスマンがひるむ。ウスマンもボディ、顔面にパンチをお返し。オクタゴン中央付近での攻防が増え、ほぼ五分だ。終盤、コビントンがタックルを仕掛け、押し込み、最後は離れて左フックを当てて終える。記者採点は僅差だがコビントン。ジャッジ3者もコビントン。
試合は初対決同様5Rへ。ウスマンは序盤から圧を強め、パンチを積極的に放つ。コビントンが右アッパーでウスマンをのけぞらせ、タックルを仕掛けるが、ウスマンはがぶって切って突き放す。中盤、コビントンが前に出て左ハイを放つと、下がってかわそうとしたウスマンがバランスを崩し、コビントンが押し込む。終盤に離れると、残り30秒にウスマンが下がりながら出した左手がコビントンの右目に入ってしまい一時中断する。再開後はお互い有効打が乏しいまま終わる。記者採点は序盤の右フックで印象を作ったコビントン。だがこのラウンドも僅差のため割れ、2者がウスマン、1者がコビントンにつける。合計48-47でウスマン。僅差のラウンドの多い試合となったが、ジャッジ3者とも1~3点差でウスマンを支持し、ウスマンの防衛となった。
第13試合 セミメインイベント UFC女子ストロー級タイトルマッチ 5分5R
○ローズ・ナマユナス(王者)
×ジャン・ウェイリー(1位、元王者)
判定2-1 (47-48/48-47/49-46)
※ナマユナスが初防衛
両者は4月に対戦し、ナマユナスが1R、左ハイからのパウンドでわずか78秒でKO勝ちし、ウェイリーから王座を奪取。あまりにも短時間決着だったことから、再戦を望む声があり、さっそくリターンマッチが組まれた。
1R、ナマユナスが圧力をかけ、時折パンチを連打。ウェイリーはケージを広く使ってステップし、蹴りをかわす。中盤、ウェイリーが胴タックルからテイクダウンに成功し、トップをキープする。ナマユナスはその先の攻めを許さず、スタンドに戻す。終盤、ウェイリーも前回のお返しとばかり左ハイを出すが、ナマユナスはブロック。終了間際、ウェイリーはバランスを崩したところでパンチをもらいそうになってしまう。記者採点は僅差だが打撃のヒットで勝ったナマユナス。ジャッジ3者はトップキープしたウェイリーにつける。
2Rもナマユナスが圧をかけ続けるが、細かく動くウェイリーを捕まえきれずにいると、中盤、ウェイリーが左フックをヒット。ナマユナスがバランスを崩すと、ウェイリーは倒して上になる。終盤、スタンドに戻り、ナマユナスは組んで足を掛けテイクダウンを奪い返すが、少しパウンドを落とすだけで終える。記者採点はウェイリー。ジャッジは2者がナマユナス、1者がウェイリーにつける。
3R、スタンドでお互い攻めあぐねる状態が続く。中盤、ウェイリーがバランスを崩すが、すぐ立って押し込み難を逃れる。終盤、パンチが交錯するが、ウェイリーが打撃から転換し、片足タックルでテイクダウンを奪う。素早く動いてバック、マウントと動き、最後はパウンドを落として好印象を残す。記者採点はウェイリー。ジャッジは2者がウェイリー、1者が意外にもナマユナスにつける。
4Rは寝技主体の展開に。ウェイリーは片足タックルを仕掛けると、胴タックルに切り替えつつバックに回り、潰してオクタゴン中央あたりで押さえ、バックマウントをキープする。だがウェイリーは体をひねってトップを奪う。しかしウェイリーは下から抱えて防御。左手で頭を押しスペースを作り右肘を時折ヒットする。記者採点は判断に迷ったがバックを取ったウェイリー。ジャッジ3者はトップキープの長かったナマユナスにつける。
5R、今度はポイント劣勢のナマユナスがタックルでテイクダウンに成功。上から右のパウンドを時折当てる。とはいえウェイリーの防御も堅く、ナマユナスがスペースを作れば蹴り上げを狙って応戦し、パスガードも許さないまま終える。記者採点はナマユナス。合計48-47でウェイリー。ジャッジは割れ、2者がナマユナスを支持し、ナマユナスの防衛となった。
第12試合 バンタム級 5分3R
×フランキー・エドガー(8位、元ライト級王者)
○マルロン・ヴェラ(13位)
3R 3’50” KO (右上段前蹴り)
1R、10月で40歳になったベテランのエドガーが、積極的にパンチ、ローを放ち、タックルも織り交ぜる。中盤、エドガーがタックルでテイクダウンに成功し、中央付近で上になる。エドガーは上から肘を当てるが、ヴェラも下から肘を返し、蹴り上げでも応戦する。記者採点はエドガー。
2Rもエドガーが1分過ぎにテイクダウンを奪って上に。だが攻めあぐねると、スタンドに戻る。ヴェラがサウスポーで圧をかけ、右のテンカオ、左膝、ハイ、ミドル等を的確に当てて挽回する。エドガーは時折倒れたりバランスを崩し印象が悪い。記者採点はヴェラ。
3Rもヴェラが圧を掛け続け、蹴りを的確に当て主導権。エドガーはタックルを切られ続ける。すると中盤過ぎ、ヴェラがオーソドックスに戻し、左ジャブを突いてから、右の前蹴りでエドガーのアゴを蹴り上げて倒し、すぐさまレフェリーがストップした。エドガーは昨年8月のバンタム級初戦は勝利したが以降2連敗に。ヴェラは2連勝になった。
第11試合 フェザー級 5分3R
○シェーン・ブルゴス(14位)
×ビリー・クアランティーロ
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)
第10試合 ライト級 5分3R
○ジャスティン・ゲイジー(2位、元暫定王者)
×マイケル・チャンドラー(5位)
判定3-0 (29-29/29-28/30-27)
コロナ禍が続くも、ニューヨークに戻って来たUFCのメインカード冒頭は人気米国人対決。場内は入場時から大歓声に包まれる。人気はゲイジーが上か。
1R、チャンドラーが右のカーフキックを着実に当てていると、ゲージは少し足を引きずるように。ゲイジーはパンチの空振りが続く。中盤、チャンドラーは右ストレートでゲイジーをひるませると、ゲイジーも左フックをお返し。チャンドラーは前に出てパンチを連打しゲイジーを下がらせると、場内はさらに湧く。だがゲイジーは耐えると、少しずつ右のカーフ、右アッパーをお返し。チャンドラーも血を吐き、右瞼から出血し、足を引きずり辛そうだ。記者採点はチャンドラーだが、ゲイジーが巻き上げるラウンドとなり、1者はゲイジーにつける。
2Rもゲイジーの流れが続き、ゲイジーが右カーフ等をコツコツ当てていると、1分半過ぎに右アッパーが炸裂し、チャンドラーがダウンする。ゲイジーは上になり、パウンドを連打し、耐えたチャンドラーをがぶりで押さえる。中盤、スタンドに戻り、チャンドラーは右ボディを当てつつ、手を振って挑発。下がって回った後、右のスーパーマンパンチを当て、巻き返しのムードを作る。とはいえ追い打ちのパワーは無く、ゲイジーもパンチ、右ロー、前蹴りを細かく返す。チャンドラーはカーフを嫌って時折スイッチする。終了間際、チャンドラーの指がゲイジーが右目に入るアクシデントがあったが、ゲイジーはレフェリーの中断を拒み、そのままラウンドは終わる。記者採点はゲイジー。
3R、チャンドラーがボディ狙いのパンチを細かく当てるが、ゲイジーも右フックを的確にお返し。すると中盤、チャンドラーがタックルで抱えて倒し、場内を沸かせるが、力が入りきらず、ゲイジーは脱出する。チャンドラーは手を振って挑発してから、パンチを連打して前に詰めるが、ゲイジーも耐え、右フックでチャンドラーを度々ひるませ、一進一退の展開に。場内の歓声と悲鳴がやまない。終盤は消耗と警戒でお互い攻撃は乏しくなり、そのまま終了。ブザーが鳴ると両者称え合い、場内からも両者に拍手が起こる。記者採点はゲイジー。合計28-29でゲイジー。ジャッジ3者もゲイジーを支持し、ゲイジーの勝利となった。
第9試合 ミドル級 5分3R
○アレックス・ペレイラ
×アンドレアス・マイカライディス
2R 0’18” TKO (レフェリーストップ:左飛び膝蹴り→グラウンドパンチ)
第8試合 ライト級 5分3R
×アル・アイアキンタ
○ボビー・グリーン
1R 2’25” TKO (レフェリーストップ:右ストレート→グラウンドパンチ)
第7試合 ミドル級 5分3R
×フィル・ハウズ
○クリス・カーティス
1R 4’27” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第6試合 ミドル級 5分3R
×エドメン・シャバージアン
○ナッソーディン・イマボフ
2R 4’42” TKO (レフェリーストップ:グラウンド肘打ち)
第5試合 ウェルター級 5分3R
○イアン・ギャリー
×ジョーダン・ウィリアムズ
1R 4’59” KO (右ストレート)
第4試合 ヘビー級 5分3R
×ジアン・ヴィランテ
○クリス・バーネット
2R 2’23” TKO (レフェリーストップ:右上段後ろ廻し蹴り→グラウンドパンチ)
第3試合 ライトヘビー級 5分3R
○ダスティン・ジャコビー
×ジョン・アラン
判定3-0 (29–28/29–28/30–27)
第2試合 フェザー級 5分3R
○メルシック・バダザリアン
×ブルーノ・ソウザ
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)
※ソウザは計量2.4ポンドオーバー。ファイトマネーの20%をバダザリアンに譲渡
第1試合 フライ級 5分3R
×C.J.ベルガラ
○オデー・オズボーン
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
※ベルガラは計量1.4ポンドオーバー。ファイトマネーの20%をオズボーンに譲渡