BOM 11.7(レポ)横浜大さん橋ホール:石井一成、RISE DoA -53kgからの再起戦は判定勝ち「何万人もの前で試合したい」。伊藤紗弥も判定勝ち
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BOM (The Battle Of MuayThai) WAVE 06 – Get Over The COVID-19 –
2021年11月7日(日)横浜大さん橋ホール
レポート&写真:井原芳徳
第13試合 メインイベント 53.3kg契約(バンタム級相当) 3分5R
○イッセイ・ウォーワンチャイ[石井一成](ウォーワンチャイプロモーション/BOM&WPMF世界スーパーフライ級王者、WPMF世界&IBFムエタイ世界フライ級王者、元KNOCK OUT&True4U同級王者、元プンパンムアン・ミニフライ級王者)
×小嶋・ノーナクシン(ノーナクシンムエタイジム東京/WPMF日本バンタム級王者、元ルンピニー日本&J-NETWORK同級王者)
判定3-0 (ゲンナロン49-48/ナルンチョン49-48/大成49-48)
石井は4月の横浜大会夜の部でサンチャイ・TEPPEN GYMにKO勝ちして以来のBOM登場。最近では7月のRISE DoA -53kgトーナメント一回戦で大﨑一貴に判定負けしている。今回はムエタイルールでRISEとはルールが違うとはいえ、石井は頭を坊主にして再起を図る。試合前の紹介映像では「完全復帰するためKOで倒します」と宣言する。
小嶋は4月の横浜大会昼の部ではHIROYUKIにKO負け。所属ジムが主催するスック・ワンキントーンを主戦場とし、6月の大会ではWBCムエタイ日本統一バンタム級王者の一航と好勝負の末に引き分けている。
1R、石井は開始すぐから距離を詰め、小嶋にロープを背負わせ、右ロー、右ボディを打ちつつ、右ストレートを狙う。小嶋はムエタイ式に高く構え、左前蹴りで距離を作ろうとするが、石井の圧力は落ちない。記者採点は石井。
2Rも石井はひたすら前に詰めるスタイル。小嶋も1Rよりも右ミドルを当てる場面が目立つようになるが、それ以上に石井のボディと顔面へのパンチ、ローが目立つ。とはいえ小嶋も崩れず、石井はスイッチや右肘も絡めるが、なかなか追い詰めきれない。記者採点はイーブン。
3R、石井は変わらず前に出て、時折左ボディ、右ストレートを強打。さすがに小嶋も攻撃が減ってしまう。終盤、石井は組んで膝を連打してから崩しも決め、ムエタイ式の攻めでも印象を残す。記者採点は石井。
4R、石井は左ボディを強打する場面もあるが、まだ小嶋は崩れず。小嶋が組んで膝を連打すれば、石井も膝を返してから崩し、悪印象をすぐに潰そうとする。終盤には右ミドルの応酬も。記者採点はイーブンだが、小嶋についてもおかしくない。
5R、石井は序盤から小嶋を詰めると、右肘で左まぶたを切り裂く。ドクターチェック後、すぐ再開したが、小嶋は血だるまに。石井はさらに圧力を強め、パンチと肘のラッシュで小嶋を倒しにかかるが、小嶋は時折笑顔を浮かべながら、膝で応戦し、最後まで耐えきり終了する。記者採点は石井。合計50-47で石井。ジャッジ3者とも49-48で石井を支持し、石井の勝利となった。
石井は「RISEのトーナメントの一回戦で負けて、挽回する試合をするつもりでしたけど、こんなんじゃダメですね。もっと練習します」と反省しつつ「次回、1月9日のNO KICK NO LIFEに出ますので応援に来てください」とアピールし、「そして何万人もの前で僕も試合したいので、中川(夏生・エイワスポーツジム&BOMプロモーション)会長はじめ格闘技界の皆さん、よろしくお願いします」と話し、RIZINへの出場を希望した。最後はリングにエイワ所属の吉成名高を呼び込み、1か月前にはじめたYouTubeの「成×成(なりなり)ちゃんねる」を紹介し、名高は「チャンネル登録お願いします」と呼びかけた。最後に石井はスポンサーに感謝を述べ「ここから石井一成・第2章始めますんで、応援お願いします」とアピールした。
第12試合 セミファイナル BOM女子ライトフライ級(48.98kg)初代王者決定戦 2分5R
○伊藤紗弥(尚武会/BOM女子ピン級(45.36kg)王者、元WPMF世界女子同級王者、元WMC世界&WBCムエタイ世界女子ミニフライ級(47.62kg)王者)
×RINA(谷山ジム小田原支部/ミネルヴァ・ライトフライ級5位)
判定3-0 (岡林50-49/ナルンチョン49-48/ゲンナロン49-46)
※伊藤が王者に
伊藤は石井一成や那須川天心と同学年の22歳。所属ジムが主催するムエロークの4月大会では、AyakaとBOM女子ピン級初代王座決定戦を争い判定勝ち。7月のBOMではオープンフィンガーグローブ着用のONEムエタイルールでMIREYと対戦し3R判定勝ちした。最近では9月のRISEで宮﨑小雪と対戦し延長判定負けしている。
RINAは所属ジム主催のBigbang、NJKFや沖縄のTENKAICHI等で行われたミネルヴァ公式戦などで戦い、19年10月のBOMでは奥脇奈々に判定負け。4月のムエロークでは祥子JSKに判定勝ちしている。
計量でRINAは0.36kg低かったが、伊藤は46.78kgと、実質1階級分下の2.2kgでクリアしている。
1R、RINAは序盤から前に出て、右ストレート、右ロー主体で攻めるが、伊藤はあまり被弾せず、距離を取って回りつつ、自分の左ジャブ、前蹴り、右ローを当てる。記者採点はイーブン。
2Rも前に出るRINAに、伊藤が的確に左右のミドル、左ジャブを当て、崩しも決める。とはいえRINAもやられっぱなしにはならず、賞味のダメージは小さく、圧力を弱めない。記者採点は伊藤。
3R、伊藤は度々右ミドルを当て、組めば膝を当て、崩しも再三決める。RINAは右ミドルを出すもかわされたり、伊藤につかまれたから右ミドルをもらったりし印象が悪い。記者採点は伊藤。
4Rは3Rほど伊藤のミドルや崩しが決まらないものの、RINAの有効打はもらわず、主導権を維持。記者採点は伊藤。5Rも首相撲での膝と崩しでRINAの反撃を封じる。記者採点はイーブン。合計50-47で伊藤。ジャッジ3者のポイントはバラついたものの、全員一致で伊藤を支持し、伊藤が判定勝ちした。
第11試合 ライト級 3分5R
○キヨソンセン・フライスカイジム(タイ/FLYSKY GYM/WMCインターコンチネンタル・スーパーフェザー級王者)
×健太(E.S.G/元WBCムエタイ日本ウェルター級王者、元NJKFウェルター級&スーパーウェルター級王者、元Krushスーパー・ウェルター級(70kg)王者)
判定3-0 (アラビア49-47/岡林49-48/ゲンナロン49-46)
キヨソンセンは約200戦のキャリアがあり、4月のBOMで梅野源治にリベンジを許して以来の試合。健太は7月のBOMでのBOMスーパーライト級初代王座決定戦でNOBU BRAVELYに判定負け。9月のNJKFでのキャリア100戦目では鈴木翔也に判定勝ちしている。
1R、お互い蹴り主体の攻防。まだどちらも攻撃は少ないが、キヨソンセンは急に距離を詰めて攻撃を出す場面も。
2R、どちらもベテランらしく多様なフェイントを絡めつつ、蹴りの頻度を増やす。どちらも右ローが目立つが、まだバランスは崩れない。
すると3R、キヨソンセンが勝負に出る。序盤から首相撲で健太を捕まえ、膝を連打して崩しに成功。健太は首相撲を嫌って距離を取るが、キヨソンセンは追いかけ続け、中盤に捕まえると膝を連打してから、右肘でダウンを奪う。その後も膝を何発も当て続け健太を圧倒する。
4R、健太も右フック、右肘を当てる場面もあるが、キヨソンセンの勢いは止まらず、首相撲での膝を何発も当て、肘、右ローも絡め、主導権を維持する。
5R、点差を広げたキヨソンセンは完全に逃げ切りモード。前に出る健太から、前手のジャブで距離を取って回り続け、時折前蹴り、膝を当て、反撃を封じ終了。キヨソンセンの完勝に終わった。ジャッジの点差はバラついたが、タイ人2人の2~3点差が妥当なところだろう。
第10試合 WMC日本&KING OF STRIKERSウェルター級タイトルマッチ 3分5R
○KAZU(蒼天塾/GTジム/WMC日本王者)
×森木一吉(K-Fit-Lab/KOS王者)※RAOU GYMから所属変更
4R 2’08” TKO (ドクターストップ:右肘打ちによる額のカット)
※KAZUがWMC王座防衛、KOS王者に
1R、KAZUがサウスポー、森木がオーソドックスに構え、パンチが交錯した後、首相撲の展開となる状態が繰り返されるが、まだはっきり差がつかない。
2R、森木が執拗に右インローを当てていると、中盤からKAZUが時折バランスを崩し印象を悪くする。
3Rも森木が離れ際中心に右ローを当て続け優勢。終盤、KAZUの左肘で森木が右まぶたを切られ、ドクターチェックとなるが、すぐ再開する。
だが4R、これでKAZUは自信を得たか、肘を多用し、右肘で森木の額を切り裂く。序盤のドクターチェック後は再開したが、すぐ出血が激しくなり、終盤の2度目のドクターチェックでストップがかかった。
第9試合 WMCインターコンチネンタル・ウェルター級タイトルマッチ 3分5R
○滝口幸成(キング・ムエ/王者)
×峯山竜哉(ウィラサクレック・フェアテックス西川口/挑戦者、元J-NETWORK王者)
判定3-0 (ナルンチョン49-47/大成49-48/アラビア50-46)
※滝口が初防衛
10月10日のスック・ワンキントーンでジャパンキック・ウェルター級王者のモトヤスックに1R KO勝ちした滝口が、4月のBOM夜の部で獲得したWMCインターコンチネンタル王座の初防衛戦を行った。
1Rから両者積極的な攻め。サウスポーの峯山に対し、滝口は右ミドル主体の攻め。峯山は左ミドルを打ちつつ、顔面からボディにつなぐパンチなども駆使し、パンチの比重がやや上だ。
2R、峯山がパンチを打って来るが、滝口が右フックでダウンを奪取する。峯山は鼻血を出す。峯山は変わらずパンチを駆使。滝口は右ミドルだけでなく右のインローも増やす。
3R、峯山は序盤から首相撲からの膝を連打し先手。その後も執拗に右インローを当てていると、終盤には峯山がスリップするように。
4R、滝口はやや攻撃が減るものの、随所で右インロー、右ミドルを当て、峯山の反撃を封じる。5Rも同様で、最後まで主導権を譲らず完勝した。
第8試合 WMCインターコンチネンタル・バンタム級タイトルマッチ 3分5R
×國本真義(MEIBUKAI/王者)※初防衛戦
○士門・PKセンチャイムエタイジム(PKセンチャイムエタイジム/挑戦者、元WMC日本フライ級王者)
判定0-3 (アラビア47-49/ナルンチョン46-50/ゲンナロン46-49)
※士門が王者に
1R、前に出る國本に対し、士門は回って距離を取りながら、右ロー、左前蹴り、ジャブ等自分の攻撃を的確に当て続け主導権を握る。2Rも士門は同様の攻めだが、國本が圧力を強め、右フックを時折当てるように。
3R、士門は序盤から距離を詰め、首相撲からの膝蹴りを連打し、肘も絡め追い詰める。中盤からは下がるものの、前蹴り、ミドルを着実に当て優位を維持する。
4Rも士門が組んでの膝、ミドル、前蹴り、右フック等を当て続け主導権を維持。5Rも必死に前に出る國本に、士門がジャブ、膝、ミドル等を当て続けて反撃を封じ判定勝ちした。
第7試合 73kg契約 3分3R
○喜多村誠(ホライズン・キックボクシングジム/BOMミドル級王者、元新日本王者)
×クアン・サックランシット[Kwan Sakrangsit](タイ/サックランシット)
2R 0’42” KO (右ストレート)
9月の大田区総合体育館大会で組まれるも喜多村の事情により中止となっていたクアンとの一戦が今回スライドして行われた。
1Rこそクアンのムエタイ式のリズムを前に攻めにくそうにしていた喜多村だが、右ミドル、右ストレート等を積極的に放ってじわじわ削ると、2R序盤にパンチの連打で詰めると、右ストレートでクアンをマットに沈めた。
試合後、リングにJ(TSK japan/WMCインターコンチネンタル・ミドル級王者)が登場。喜多村とは7月大会のBOMミドル級(72.5kg)初代王座決定戦を行い、判定2-1で喜多村が勝利しており、Jは「あの時の判定に納得行っていません。このベルト、とっとと返せ」と挑発。喜多村も「正直、自分も判定に納得行っていません。近いうち再戦しましょう。次は白黒はっきり付けて、こっちの強さを思い知らせます」と答え、受けて立つ構えを示した。
第6試合 WMC日本女子バンタム級王者決定戦 2分5R
○JASMINE(ポゴナ・クラブジム)
×NANA☆SE(MSJキックボクシングジム/KOS女子バンタム級王者)
判定3-0 (49-47/49-48/49-47)
※JASMINEが王者に
第5試合 バンタム級 3分3R
×安藤功一郎(MIGAKU MUAYTHAI GYM)
○渋江健司(Y’ZD GYM)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
第4試合 スーパーフェザー級 3分3R
○ガオパヤック[Kaewpayak]・Y’ZD(タイ/Y’ZDジム)
×虎二郎・FLY SKY GYM(FLY SKY GYM)
判定2-0 (29‐28/29-28/29-29)
第3試合 バンタム級 3分3R
○宮坂桂介(ノーナクシンムエタイジム東京/TENKAICHIバンタム級王者)
×奥脇一哉(エイワスポーツジム/元REBELS-MUAYTHAIフライ級王者)
判定2-0 (29‐28/29-28/29-29)
第2試合 フェザー級 3分3R
×パルコ・レンジャージム(RANGER GYM)
○しょーい(湘南格闘クラブ)
判定0-3 (28‐29/28-30/27-30)
第1試合 スーパーバンタム級 3分3R
×ベンツ飯田(Aim High)
○GANG-G(ゴリラジム)
判定0-2 (28‐29/29-29/28-30)