UFC 2.6 ラスベガス:元RIZIN王者マネル・ケイプ、オクタゴン初戦は5位のパントージャに持ち味封じられ判定負け
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
葛西 キックボクシング ストライブジム
最安4,378円~!通い放題でも7,700円!選手志願者兼インストラクターも募集中!
UFC Fight Night 184 : Overeem vs. Volkov
2021年2月6日(土/現地時間) 米国ネバダ州ラスベガス:UFC APEX
レポート:井原芳徳
第9試合 フライ級 5分3R
○アレッシャンドリ・パントージャ [アレクサンドル・パントーハ](5位)
×マネル・ケイプ
判定3-0 (29-28/29-28/30-27)
元RIZINバンタム級王者のマネル・ケイプがUFCデビュー戦。ケイプは17年10月、RIZINに初参戦し、バンタム級GP一回戦で山本アーセンに1R TKO勝ち。同年大晦日の準決勝で堀口恭司に敗れたが、最近は3連勝。19年大晦日のRIZINでは、堀口が返上したバンタム級王座を懸け、過去に1度敗れた相手である朝倉海と対戦し、2R TKO勝ちでリベンジすると共に、タイトルを獲得した。昨年3月にUFCと契約し、RIZINの王座を返上。コロナ禍の影響もあり、長く待ったが、ようやく試合の機会が訪れた。MMA戦績15勝4敗で、15勝のうち9がKO、5が一本と、フィニッシュ力も高く、UFC参戦経歴もあるイアン・マッコールや水垣偉弥もKOしている。UFCではバンタム級よりも適性に近いフライ級に下げて戦う。
対するパントージャは修斗ブラジル大会等で経験を積み、16年のUFCの登竜門番組「ジ・アルティメット・ファイター」では準決勝で扇久保博正に判定負けした。だがその後は頭角を現し、17年からUFCに上がり、UFCでは9戦6勝(2KO/2一本)3敗。18年11月、佐々木憂流迦に1R裸絞めで一本勝ちし、憂流迦はその試合でUFCを離れ、同年大晦日のRIZIN初戦でケイプに判定勝ちしている。パントージャは19年7月に現UFCフライ級王者のデイブソン・フィゲイレードに判定負けしたが、ファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得。続く試合ではマット・シュネルをKOしたが、昨年7月のアスカル・アスカロフ戦では判定負けしている。

LAS VEGAS, NEVADA – FEBRUARY 06: (R-L) Manel Kape of Angola punches Alexandre Pantoja of Brazil in their flyweight fight during the UFC Fight Night event at UFC APEX on February 06, 2021 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
1R、パントージャがいきなりプレッシャーをかけ、ケイプはサウスポー主体で回って距離を取る。中盤、パントージャは少しずつ右ローの頻度を上げる。3分過ぎ、パントージャが右フックを軽くヒット。ケイプは細かくフェイントを仕掛けるが、なかなか攻撃が出せない。終盤、ケイプは左ジャブをようやくヒット。だがパントージャは圧をかけ続け、右ミドルを当てる。最後、ケイプは打開を図ってか上段後ろ廻し蹴りを放つが、空振りしてそのままスリップ。立ち上がり際、パントージャは顔面に膝を当て、最後までシャープな動きで印象を残す。記者採点はパントージャ。
2Rもパントージャはプレッシャーをかけ、左の前手のフェイントを細かく出しつつ、右ローをしつこくヒット。ケイプも右ローを一発お返しするが、流れはなかなか変えられない。中盤、パントージャは右ミドルを増やす。ケイプはオーソドックスに切り替えるが、右ローをもらいやすくなってしまい、またサウスポーに戻す。3分過ぎ、パンチが交錯し、パントージャが右フックもヒット。その後もパントージャが打撃で主導権を維持する。
寝技の印象のほうが強いパントージャだが、ケイプの打撃への対策がハマったため、寝技に行くまでもないといった雰囲気だ。なおかつここ4試合の白星黒星はオセロ状態で、連敗を避けたいためか、ケイプの一発も警戒し、無理に攻め込もうとせず、安全運転で各ラウンドのポイントを取りに行っている感もある。終了間際、ケイプがタックルを繰り返し、2度テイクダウンに成功するが、パントージャはその先の攻めを許さず、すぐ立ち続けて逃げ切る。記者採点はパントージャ。

LAS VEGAS, NEVADA – FEBRUARY 06: (L-R) Alexandre Pantoja of Brazil punches Manel Kape of Angola in their flyweight fight during the UFC Fight Night event at UFC APEX on February 06, 2021 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
3R、パントージャの圧力は落ちたものの、左ジャブ、そこからの蹴りのフェイントを細かく出し続け、ケイプに反撃を許さない。パントージャが随所で右ローを当て、中盤には右ハイも軽くではあるが当てて好印象。終盤、ようやくケイプが圧を掛ける側に回り、時折左フックを当て、ヒット数では追い上げるが、パントージャはステップとジャブのフェイントでうまくかわし続ける。このラウンドも最後にケイプがタックルを仕掛けて倒すが、これもパントージャがすぐ立って逃げ切り終了する。記者採点はパントージャ。ジャッジ2者はケイプにつけた模様だが、これまでの失点を埋められない。
記者採点は30-27でパントージャ。ジャッジ3者もパントージャを支持。ケイプは持ち味を封じられUFC初戦は黒星スタートとなった。とはいえ相手は5位で、ケイプは大きなダメージを負うことはなく、パントージャも十分警戒して臨んでいた様子だった。UFCのオクタゴンでの距離感やポイントゲームに慣れていけば、浮上の可能性はあるだろう。
第12試合 メインイベント ヘビー級 5分5R
×アリスター・オーフレイム(5位)
○アレクサンドル・ボルコフ(6位)
2R 2’06” TKO (レフェリーストップ:左フック)
1R、長身のボルコフは圧力をかけ、サウスポーのアリスターに右のインローを序盤からヒットする。中盤、アリスターが左フックを連続で振るい、圧をかけ返すが、すぐボルコフが元の状態に戻す。アリスターは右アッパー、右の関節蹴りを返し、左フックを振りながら距離を詰めたが、ボルコフは右ストレートを合わせてアリスターをひるませる。アリスターは背中を半分向けながら後退する場面が目立つように。ボルコフは深追いはしないが、圧をかけ続け、終了間際にはパンチを連打して差を印象付ける。記者採点はボルコフ。

LAS VEGAS, NEVADA – FEBRUARY 06: (R-L) Alexander Volkov of Russia punches Alistair Overeem of the Netherlands in their heavyweight fight during the UFC Fight Night event at UFC APEX on February 06, 2021 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
2R、ボルコフは序盤から左右のストレートをヒット。アリスターは鼻血を出す。ボルコフは的確に右を当て続け、じわじわアリスターにダメージを蓄積させる。そしてボルコフは右ストレートを当ててから左フックを重ね、アリスターがダウンしたところでレフェリーがストップした。
第11試合 セミメインイベント バンタム級 5分3R
○コーリー・サンドヘイゲン(2位)
×フランキー・エドガー(4位、元フェザー級王者)
1R 0’28” KO (右飛び膝蹴り)

LAS VEGAS, NEVADA – FEBRUARY 06: Cory Sandhagen lands a flying knee to knock out Frankie Edgar in their bantamweight fight during the UFC Fight Night event at UFC APEX on February 06, 2021 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
1R、開始すぐからエドガーが圧力をかけるが、長身のサンドヘイゲンが回ってかわし続けていると、前傾姿勢で詰めて来てガードの開いたエドガーのアゴに、サンドヘイゲンの右の飛び膝蹴りをクリーンヒット。エドガーは失神KOし、サンドヘイゲンが衝撃的なKO勝ちを果たした。
第10試合 ライト級 5分3R
×マイケル・ジョンソン
○クレイ・グイダ
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
第8試合 ライト級 5分3R
×ディエゴ・フェレイラ(10位)
○ベニール・ダリウシュ(13位)
判定0-3 (28-29/29-28/28-29)
第7試合 ライトヘビー級 5分3R
×マイク・ロドリゲス
○ダニーロ・マルケス
2R 4’52” 裸絞め
第6試合 160ポンド契約 5分3ラウンド
○デボンテ・スミス
×ジャスティン・ジェインズ
2R 3’38” TKO
第5試合 女子バンタム級 5分3R
○カロル・ロサ
×ジョセリン・エドワーズ
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
第4試合 女子フライ級 5分3R
×モリー・マッキャン
○ラーラ・プロコピオ
判定0-3 (27-29/28-29/27-30)
第3試合 フェザー級 5分3R
○チェ・スンウ
×ユーセフ・ザラル
判定3-0 (29-28/29-28/30-27)
第2試合 フェザー級 5分3R
○ティムール・バリエフ
×マーティン・デイ
判定3-0 (30-25/30-25/30-26)
第1試合 フェザー級 5分3R
○オデー・オズボーン
×ジェローム・リベラ
1R 0’26” KO