DEEP 11.11 後楽園ホール(レポ):元谷友貴、ATT加入初戦はCOROを圧倒し2R TKO勝ち「榊原さん、年末お願いします」。泉武志、大晦日狙う北岡悟に判定勝ち。雅駿介、しなしさとこ、力也、鹿志村仁之介ら勝利
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skyticket Presents DEEP 116 IMPACT
2023年11月11日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
元谷友貴、ATT加入初戦はCOROを圧倒し2R TKO勝ち「榊原さん、年末お願いします」
第10試合 メインイベント バンタム級 5分3R
○元谷友貴(アメリカン・トップチーム/元DEEPフライ級&バンタム級王者)※フリーから所属変更
×CORO(K-Clann/元DEEPバンタム級暫定王者)
2R 4’09” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
DEEP元2階級制覇王者・元谷は21年2月のDEEP 100 IMPACTで昇侍に勝利して以来となるDEEP出場。その後はRIZINに上がり続け6勝2敗。5月のRIZINでは朝倉海との、事実上のRIZINバンタム級王座挑戦者決定戦に臨んだものの3R KO負けした。すると翌6月、堀口恭司の所属するフロリダのアメリカン・トップチーム(ATT)への移籍を発表。半年ぶりの試合で、ATTでの練習の成果を示せるか。
元谷のATT移籍発表の翌週、牛久絢太郎もATTへの移籍を発表したが、牛久の古巣のK-Clannに所属するのがCORO。昨年5月、DJ.taikiに判定勝ちしバンタム級暫定王者となったが、11月の初防衛戦で石司晃一に判定負け。3月には伊澤星花と入籍。5月の再起戦では4試合連続1R勝利中だった力也に1R 三角絞めで一本勝ちしている。
元谷のセコンドにはATT所属以前からの盟友・春日井“寒天”たけしがつく。1R、開始すぐから元谷が左右のフックでCOROをダウンさせる。COROはまだダメージが小さい様子で、すぐタックルを仕掛け押し込む。元谷は突き放すと、COROはプレッシャーをかけ続けるが、元谷はかわし、右フックを当ててから、タックルで倒して上になる。終盤、元谷はトップキープし、時折パウンドを当て主導権を維持する。記者採点は元谷。
2R、元谷がパンチを振りつつタックルを仕掛けて倒すと、マウント、バックマウントを行き来しつつ、何発もパウンドを当てる。途中一息つく場面もあったが、最後はバックマウントからパウンドを当て続けたところで植松レフェリーがストップした。
マイクを持った元谷は「榊原さん、年末お願いします」とアピールすると、リングサイドで観戦していた榊原信行RIZIN CEOは笑顔で「ハイ」と答えて拍手し、大晦日のRIZINでの起用を約束した。大会後のXの投稿でも「メインの元谷の試合は、単身フロリダのATTへ渡っての猛特訓の成果が見て取れる圧巻の勝利でしたね!素晴らしい勝ちっぷりでした。大晦日への参戦オファーさせていただきます!」と記している。
泉武志、大晦日狙う北岡悟に判定勝ちし大晦日参戦希望
第9試合 セミファイナル ライト級 5分3R
×北岡 悟(パンクラスイズム横浜/元DEEP&SRCライト級王者)
○泉 武志(FIGHTER’S FLOW)
判定1-2 (植松29-28/柴田27-30/福田27-30)
43歳のベテラン・北岡は2月のDEEP後楽園大会で高野優樹に3Rノースサウスチョークで一本勝ちし、9試合ぶり・4年ぶりに勝利すると、5月の後楽園でも大山釼呑助に3Rギロチンチョークで一本勝ち。7月のNARIAGARIでのDEEP公式戦では大木良太に判定2-1で勝利し連勝を3に伸ばすと、自身のジムのアマチュア選手の天野心愛への公開プロポーズを成功させ話題を呼んだ。また、観戦していた榊原RIZIN CEOに「また使ってください」とアピールしていた。
泉は34歳。グレコローマンレスリングで14年と16年の全日本選手権で優勝。17年にアジア選手権で優勝。20年からMMAに転向し、昨年4月のRIZIN TRIGGERでデビューし、グラント・ボグダノフに敗れ、続くDEEPでの2戦目でも野村駿太に敗れた。だが以降はTOKYO IMPACTシリーズで3連続で判定勝ちし、7月の後楽園大会では小金翔に判定勝ちし4連勝中だ。
1R、北岡がパンチを連打しながら前に出て組もうとするが、泉が金網に押し込む。だが膠着すると1分ほどでブレイクがかかる。離れれば北岡がサウスポーからの左ミドルとロー、泉が右フックをヒット。その後も泉が押し込み、時折パンチを当てる展開が繰り返される。北岡は対処するものの、金網を背にする時間が続き少し印象が悪い。記者採点は僅差だが泉。
2R、北岡が右フックを当ててからタックルを仕掛け、金網に押し込んでから倒して上になる。だがその先の攻めに持ち込めず、泉は下からパンチを当てて脱出すると、今後は泉が両脇を差して倒して上になる。泉は北岡の腿に膝を当て、バック、マウントを取ろうとするが、北岡は対処しながら足を取り、最後は上になって終える。記者採点は僅差だが泉。
3R、北岡から組みに行くが、泉は切って金網に押し込む。北岡が投げを狙うと、泉は一瞬金網をつかむ。北岡も金網に足の指を引っかけてよじ登り、ケージのドアの真ん中あたりの柱に足を掛けた状態で泉の首を抱える。両者反則行為のため、内田レフェリーはブレイクし、両者に注意する。その後も押し込む展開が繰り返され、離れれば泉がローキックを当て、やや優位を維持して終える。記者採点は僅差だが泉。合計27-30で泉。僅差のラウンドが続いたため、ジャッジは割れたが、2者が泉を支持し、泉が判定勝ちした。
マイクを持った泉は「2連敗でどん底に沈んだんですけど、皆さんのおかげでやっと5連勝できました。勝ってもつまらない試合ばかりですけど、今日は喜んでいいですか?」と話した後「12月31日、いつでも準備できています」と、観戦していた榊原氏に向けてアピールした。バックステージでは「大晦日に出られる試合内容じゃないですけど、出るスタンバイをしておきたいです」と話した。
雅駿介が組み主体の攻めで3連勝
第8試合 バンタム級 5分2R
×窪田泰斗(Four Rhombus)
○雅 駿介(CAVE)
判定0-3 (植松18-20/柴田18-20/内田18-20)
窪田は34歳。18~19年に3連敗後、3年のブランクを経て昨年12月に復帰し、木下尚祐、海飛、力也を破り3連勝中。7月の力也戦の後には「必ずチャンピオンになります」と宣言した。
雅はムエタイで国内3本の王座を獲得後、21年にMMAに転向しMMA 9戦6勝(1KO)3敗。ここ1年では昨年12月に鹿志村仁之介に1R一本負けしたが、3月の試合ではボンサイ柔術の内山拓真の寝技をしのぎ判定勝ちし、7月の平松翔戦ではバックから裸絞めを狙う等、攻めの寝技でも進化を見せ判定勝ちしている。
1R、窪田からタックルを仕掛けて押し込むが、雅が押し返すと、テイクダウンを繰り返し、中盤からはトップキープする。雅は上からパウンドと肘を的確に当てる。終盤、膠着ブレイクがかかるが、最後も雅がテイクダウンを奪い、上になって終える。
2R、サウスポーの窪田に対し、雅は右ミドル、ハイを当てる。だがインローがローブローとなり一時中断する。再開後、雅は右フック、押し込んでの右膝をヒット。中盤、テイクダウンを奪うと、バックマウントを奪う。終盤、雅はバックキープし、パウンドを当て、裸絞めを狙い、主導権を維持し終了。両ラウンドともポイントを取り完勝した。
46歳のベテラン・しなしさとこ、復帰後2連勝
第7試合 DEEP JEWELS ミクロ級(44kg) 5分2R
○しなしさとこ(フリー/元DEEP女子ミクロ級(45kg)王者、元スマックガール・フライ級(48kg)王者)
×ちびさいKYOKA(SAI-GYM)
判定3-0 (福田20-18/植松20-18/島村20-18)
しなしは2001年にプロデビューした現在46歳のベテラン。19年12月、にっせーに1R TKO負けしてからブランクが続いたが、今年2月のDEEPでの古林礼名戦で約3年ぶりに復帰し判定勝ちした。
ちびさいは26歳。21年のデビュー後は3連敗したが、最近3試合は負け無し。2月のDEEP JEWELSでは、こゆきに2R裸絞めで一本勝ちした。9月10日のDEEP JEWELSの上瀬あかり戦は、上瀬が前日計量で800gオーバーし、1R中盤に上瀬が裸絞めでタップを奪ったが、規定により無効試合となっていた。
1R、しなしが序盤から首投げで倒し、下になっても腕十字を狙い、上に戻ればパウンドを当てるなど序盤から猛攻を仕掛ける。ちびさいは防御すると、中盤以降はトップキープするが、しなしに下から腕をつかまれて思うように攻められない。
2R、お互い右のパンチを当てた後、中盤はグラウンド勝負に。また下になったしなしだが、リバースしてマウント、バックマウントと移行し、パウンドを当てる等して攻勢に。最後は下になったちびさいが足を登らせるが、しなしは防御して終了する。しなしが2Rともポイントを取り判定勝ちした。
力也、谷岡祐樹を1Rで粉砕
第6試合 バンタム級 5分2R
○力也(FIGHT FARM)
×谷岡祐樹(パラエストラ加古川/元DEEP☆KICK -60kg王者)
1R 1’20” TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ連打)
1R、力也がタックルでテイクダウンを奪いつつ、スタンドでも右フックを当て主導権。力也が首を抱えて倒してギロチンを狙い、スタンドに戻されるが、力也は前に出て谷岡を金網に詰める。力也は右フックを立て続けに当て、谷岡がダウンしたところでレフェリーがストップした。
鹿志村仁之介が華麗な一本勝ち
第5試合 バンタム級 5分2R
×橋本優大(CAVE)
○鹿志村仁之介(Battle Box)※セラ・ロンゴ・ファイトチームから所属変更
1R 1’04” 腕ひしぎ十字固め
1R、序盤から鹿志村が橋本を金網に押し込みつつ、グラウンドに引き込むと、下から三角絞めを極め、最後は腕十字を極めてタップを奪い完勝した。
鹿志村はセコンドについた宇佐美正パトリック、イゴール・タナベと共に記念撮影し、マイクを持つと「22歳で柔術黒帯で寝技で極められるんで。DEEPでたくさんやっていきます。次の相手わからないけど、これから同じ極め方してやります」とアピールした。
第4試合 メガトン級(体重無差別) 5分2R
×誠悟(AACC)
○ヨコヤ・マクレガー(パラエストラ柏)
判定1-2 (植松18-20/内田○19-19/福田19-19○)
1R、巨漢の誠悟が前に出て右フックを当て、マクレガーが回って距離を取り左右のローを当て、時折右フックを絡める。
2R、同じような構図だが、お互い攻撃が減り、中盤には長瀬レフェリーが両者に攻撃を促す注意をする。誠悟が少しパンチをまとめ若干好印象だが、差が乏しいまま終了。ジャッジは割れ2者がヨコヤを支持した。
第3試合 ライト級 5分2R
○佐々木大[ひろ](トライフォース赤坂)
×太田将吾(NEX-SPORTS)
1R 1’45” ヒールフック
佐々木は3年ぶりのDEEP出場。1R、佐々木が太田を押し込んだ際の膝蹴りが2度ローブローとなり中断が繰り返される。まだダメージの残る太田は、タックルから抱え上げて倒したが、佐々木が下からヒールフックを極めてタップを奪った。
第2試合 バンタム級 5分2R
○秋元強真(パラエストラ柏)
×田口貴親(阿修羅GYM)
1R 0’40” TKO (レフェリーストップ:左ストレート→グラウンドパンチ)
1R、17歳の新鋭・秋元が開始すぐからサウスポーからの左ストレートを立て続けに当ててダウンを奪うと、パウンドをまとめフィニッシュ。わずか40秒で勝利した。
マイクを持った秋元は「今回からバンタム級に上げたんですけど、二十歳までにチャンピオンになります」と宣言した。DEEPの佐伯繁代表も「秋元選手が印象に残った」と話した。
第1試合 アマチュアSPルール 68kg契約 3分2R
○菅 涼星[かん りょうせい](パラエストラ八王子)
×小柴亮太(トライフォース赤坂)
判定2-1 (植松○19-19/高橋19-19○/平林○19-19)
オープニングファイト アマチュアSPルール フェザー級 3分2R
○鈴木大晟(パラエストラ八王子)
×横内おにぎり君(Four Rhombus)
1R 2’49” TKO