DEEP 2.11 後楽園ホール(レポ):福田龍彌が宇田悠斗を、本田良介が伊藤裕樹を破りフライ級GP決勝進出。鈴木槙吾がウェルター級王者に。神田コウヤがフェザー級暫定王者に
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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skyticket Presents DEEP 112 IMPACT
2023年2月11日(土/祝)後楽園ホール
レポート:井原芳徳 写真提供:DEEP事務局
DEEPフライ級GPは福田龍彌と本田良介が決勝進出
DEEPフライ級GPは16選手参加のトーナメント。8月の後楽園ホール大会と9月のニューピアホール大会で一回戦の4試合ずつが行われ、12月のニューピア大会で二回戦が行われた。2月11日の後楽園ホール大会で準決勝を行い、4月に決勝を予定している。各ラウンドとも組合せは抽選で決まる。優勝者には賞金300万円が冠スポンサーの宗明建設から贈呈される。試合はタイトルマッチ同様5ジャッジ制だが、前日計量では通常のワンマッチ同様に0.5kgオーバーまで認められる。GP期間中に同級王者の神龍誠がUFCと契約し王座を返上した場合、GP決勝が王者決定戦となる。
第9試合 メインイベント 宗明建設 Presents DEEPフライ級GP準決勝(5ジャッジ制) 5分3R
×伊藤裕樹(ネックスイチムエ/元THE OUTSIDER 50-55kg級王者)
○本田良介(CAVE/修斗2017年フライ級新人王)
判定0-5 (植松28-29/内田28-29/橋本28-29/松宮28-29/柴田28-29)
伊藤は最近7戦では元フライ級暫定王者の藤田大和と福田に敗れているが、中村優作、関原翔、宮城友一に勝利し、8月の一回戦で原虎徹に判定勝ちし、12月の準々決勝ではビョン・ジェウンに2R左フックでTKO勝ちした。
本田は修斗の2017年フライ級新人王。修斗で3試合、DEEPで2試合を合わせ5連勝の後、昨年7月のTDCホール大会で杉山廣平に判定負けしたが、8月のGP一回戦では元DEEPストロー級王者の越智晴雄に判定勝ち。12月の準々決勝では松場貴志を、先輩の上田将勝直伝のレスリングで苦しめ判定勝ちした。
試合は経験で上回る本田がレスリングスキルを活かしポイントを重ねる内容に。1R、両者サウスポーで構え、本田が右の前手を突き出したまま突進し、伊藤の顔面にヒットしダウンを奪う。伊藤はすぐ立ち、すぐ本田が押し込むが、間もなくして離れ打撃戦に戻る。中盤、本田がパンチを振いながら前に出てタックルを仕掛け、金網際で倒して上になる。本田は立ち際に伊藤の顔面に膝を当て、すぐに足を引っかけながら組み付き続け主導権を維持する。終盤は離れるが、伊藤は反撃に持ち込めない。記者採点は本田。
2Rも本田が序盤からタックルで伊藤を倒して、金網際で上で押さえる。伊藤が立つと、本田を押し返すが、右膝蹴りがローブローとなってしまい一時中断する。本田は苦痛の表情を浮かべ膝をついて休む。福田レフェリーは伊藤に警告を出す。1分半ほど経って、離れた状態で再開する。中盤、お見合いが続くが、伊藤のパンチをかわして、本田がまたも組み付いて金網に押し込む。終盤には本田が足を掛けて倒し、上になって押さえ続け、終了間際には立って左のサッカーボールキックを当てる。記者採点は本田。
3R、しばらくお見合いが続いたが、中央に立った伊藤が踏み込んで左ストレートを当てると、本田はフラつきマットにうずくまる。伊藤はすぐに上になりパウンドを連打し、裸絞めを仕掛け、一気に仕留めにかかる。だが本田は間一髪で体をひねって極めさせず、片足タックルでしがみつき、立った伊藤を押し込む。中盤、離れると、伊藤が追いかけるが、本田は片足タックルを合わせて倒し、中央付近で上になって押さえ、転がりながらバックを取る。本田はダウンのダメージと疲労もあってか短時間のキープに留まり、伊藤に返されるが、すぐに上を取り返し、組みの技術差を活かす。最後はバックを取りパウンドを連打して終了。伊藤の逆転を封じることに成功すると、雄たけびを上げながら自軍に戻り、勝ちを確信した様子だ。記者採点は伊藤。合計28-29で本田。ジャッジ5者も順当に28-29とつけ、本田がフルマークの判定勝ちで決勝に駒を進めた。
第8試合 セミファイナル 宗明建設 Presents DEEPフライ級GP準決勝(5ジャッジ制) 5分3R
○福田龍彌(MIBURO/元修斗フライ級世界王者)
×宇田悠斗(HOPE/修斗フライ級世界4位、修斗2019年フライ級新人王)
判定5-0 (植松30-27/柴田30-27/内田29-28/橋本29-28/松宮29-28)
福田は21年7月、平良達郎に敗れ修斗世界フライ級王座から陥落し、DEEP初戦でも神龍誠に敗れたが、22年に入ってからは伊藤裕樹、NavE、ビョン・ジェウン相手に3連勝し、9月のDEEPフライ級GP一回戦では杉山廣平に判定勝ち。12月の準々決勝では、19年4月に判定負けした相手・安谷屋智弘に判定勝ちしてリベンジし、準決勝に勝ち進んだ。現在30歳。
宇田は9戦7勝1敗1分の25歳。19年に修斗でプロデビューし同年のフライ級新人王に。21年5月に元パンクラス王者の清水清隆に判定勝ち。22年3月のRIZINでZSTフライ級王者の竿本樹生に判定負け。9月のGP一回戦でDEEPに初参戦すると、島袋チカラに金網に押し込まれるが、右肘打ちの連打でKO勝ち。12月の準々決勝では村元友太郎を1R左フックでダウンさせてからの右サッカーボールキックでKOし、2戦ともインパクトを残し勝ち上がった。
試合は打撃戦でインパクトを残してきた宇田に対し、キャリアで勝る福田が打撃戦で上回る形に。1R、宇田がオーソドックス、福田がサウスポーで構え、お互いパンチを振う。福田が左ストレートを当てるが、まだ距離が遠く両者ヒットが乏しい状態が続く。すると終盤、福田の左ストレートがまたも当たると、福田の右の前手でのアッパーが炸裂し、宇田がダウンする。福田は上になってパウンド、肘を落とし、主導権を維持する。記者採点は福田。
2R、宇田がパンチを振って詰めるが、福田は組んで金網に押し込み、肩パンチを度々当てる。宇田は1Rのダメージも残っているようすでしんどそうだ。だが中盤、離れると、宇田がプレッシャーをかけ、右ストレートが時折炸裂しやや優位に。福田は金網を背にする時間が長くなる。だが終盤、またも福田の右アッパーが炸裂し、宇田は少しバランスを崩す。しかしまたも福田が右アッパーを放つと、宇田は左フックをかぶせるように。最後も宇田が右ストレート、左ジャブをを当てて挽回して終える。記者採点は宇田だが、意外にも福田につけたジャッジも2者いた。
3Rも宇田がプレッシャーをかけるが、福田が左ストレートを随所で当て、手数では若干上の状態を維持する。終盤、宇田は圧を強め、パンチのヒットを増やすが、福田の右ジャブをもらうと頭がのけぞってしまう。宇田は変わらず圧をかけるが、福田が右ジャブ、左ストレートを的確に当て続け、逆に宇田のパンチをかわし、好印象で終える。記者採点は福田。合計28-29で福田。ジャッジ5者も順当に福田を支持し、福田の判定勝ちとなった。
マイクを持った福田は「2023年一発目、宇田君、ヒリヒリしてもらえたでしょうか?決勝戦、もっと極上のヒリヒリを見せられるよう頑張ります」とアピールした。なお、続く試合で伊藤を退けた本田は「何で勝ったか興奮して覚えていません。次もぶっ飛ばして頑張るんで応援お願いします」と話し、その後、福田がケージに入ると、両者笑顔で抱き合った。決勝は5月の大会を予定している。
鈴木槙吾、阿部大治をギロチンで仕留めウェルター級王者に
第7試合 DEEPウェルター級タイトルマッチ(5ジャッジ制) 5分3R
×阿部大治(フリー/王者、元パンクラス同級王者、元J-NETWORKライトヘビー級(79.38kg)王者)※初防衛戦
○鈴木槙吾(Mil gracias/挑戦者、元パンクラス同級王者)
2R 2’05” フロントチョーク
※鈴木が王者に
阿部は21年2月のウェルター級暫定王者決定戦でレッツ豪太と対戦。ほとんど攻防の無い中、レッツが左手の指を負傷しレフェリーストップがかかり、阿部の勝利となっていた。阿部はその後、RIZINで4戦し、ライト級に落としてのアキラ戦では敗れたが、22年はウェルター級に戻し、ストラッサー起一、マルコス・ヨシオ・ソウザ、田村ヒビキ相手に3連勝している。
前ウェルター級王者の住村竜市朗は22年5月、鈴木槙吾とのノンタイトル戦を予定していたが、住村の練習中の怪我により中止となり、住村は王座を返上し、阿部が正規王者となっていた。住村と鈴木は8月大会で対戦。鈴木が1R、右フックからのパウンドでTKO勝ちし、今回の王座挑戦につなげた。鈴木は近年、ラウェイの試合にも出ているが、プロレスラーとしての活動が主体で、住村戦が4年ぶりのMMAの試合だった。
1R、阿部が序盤から左インローを的確に当て続けると、鈴木は少しバランスを崩す。中盤、阿部のパンチをかわし、鈴木が胴タックルを仕掛けるが、逆に阿部が柔道仕込みの投げで鈴木を倒してみせる。すぐスタンドに戻り、阿部は執拗に左インローを当てる。だが鈴木はローを嫌って前進しパンチを連打し、右ストレートで阿部をダウンさせる。阿部は立ち、パンチを振うが、今度は鈴木の左フックが炸裂し、またも阿部がダウンする。鈴木は上からパウンドを連打するが、阿部が下からしがみつくと、追撃が止まってしまう。阿部は口から出血しているが休む形となり、終盤にはリバースに成功し、サイドで押さえる。鈴木が脱出し両者が立つと、阿部にドクターチェックが入るが再開する。すると阿部は左ハイ、左ジャブを当て挽回する。記者採点は鈴木。10-8とつく可能性もある。
2R、打撃戦で阿部が右ストレート、左ジャブを的確にヒットする。だが中盤、鈴木がタックルのフェイントも絡めるようになると、踏み込んでの左フックをヒット。阿部がひるむと、さらに鈴木が右ストレートを当て、阿部がまたもダウンする。阿部はすぐ立ち、鈴木の足にしがみつくが、鈴木はがぶると、首を抱えてグラウンドに引き込み、ギロチンを極めタップを奪った。
ベルトを巻いた鈴木は「阿部選手、DEEP 2戦目の自分の挑戦を受けてくれてありがとうございました。阿部選手強い選手で、たまたまですが勝ったんで、デカいこと言わせてください。ウェルター級で一番強いのはプロレスラーのこの俺だ」とアピールした。
神田コウヤ、空手出身の新鋭・五明宏人をレスリングと肘で圧倒
第6試合 DEEPフェザー級暫定王者決定戦(5ジャッジ制) 5分3R
○神田コウヤ(パラエストラ柏)
×五明[ごみょう]宏人(トライフォース赤坂)
判定5-0 (柴田30-27/松宮30-27/石川30-27/内田30-26/橋本30-27)
※神田が暫定王者に
DEEPフェザー級では21年12月に牛久絢太郎が神田コウヤに判定勝ちし王座を初防衛した。防衛期限の1年が経過したが、DEEP事務局によると「防衛戦のスケジュール調整がつかない」ことから、今回は神田と五明による暫定王者決定戦が組まれた。
神田は大東文化大学レスリング部出身で天皇杯ベスト8に入った実績があり、18年6月にDEEPでMMAデビューし戦績14戦10勝(6KO)4敗。鬼山斑猫、DJ.taiki、平田直樹に3連勝後、牛久の王座に挑戦し接戦となるも判定負け。以降は2連勝中で、5月に青井人を肘でダウンさせてからのパウンドで仕留めると、11月には中村大介に判定勝ちし好調を維持している。
五明は帝京大学卒で伝統派空手の天皇杯優勝経験者。朝倉兄弟のいるトライフォース赤坂に所属し、22年3月のDEEPフューチャーキングトーナメントのライト級で優勝。5月のプロデビュー後は3連勝中で、11月大会ではTATSUMIをサウスポーからの三日月蹴りとパンチで圧倒し1R TKO勝ちしインパクトを残した。将来の王者候補として期待される選手だが、デビュー1年足らず、初の3Rマッチで、早くも王座戦に抜てきされた。
試合は神田がレスリング技術を活かし、MMAキャリアの浅い五明を組技で圧倒する内容に。1R、両者サウスポーで構え、開始すぐから神田が片足タックルを仕掛け、時折崩し、長時間押し込みコントロールを続ける。押し込まれた五明の膝蹴りがローブローとなると、神田のダメージは小さいが植松レフェリーは1分近く休ませ、離した状態で再開させる。タイムストップ前は神田の攻めているシチューションで、五明にとっても休む時間ができ、レフェリーの判断に救われる形となる。だが五明が詰めて来ると、神田はまたも組み付き、タイムストップ前と同じように金網に押し込む。五明が押し返しても突き放し、タックルを仕掛けてテイクダウンに成功。立たれてもすぐオンブになり、後ろに倒れてバックマウントを奪う。神田は足4の字ロックで捕獲し続け、パウンドを時折当てる。最後は五明を金網に押し込み、左右の肘を当てると、五明は右の側頭部から出血する。記者採点は10-8で神田。
2Rも神田が序盤からあっさりとタックルでテイクダウンに成功し、立たれてもすぐ倒し、ハーフで押さえる。オンブになると離されるが、打撃を狙う五明をステップでかわすと、中盤にもタックルで倒し、コントロールを続ける。すると神田が押し込んだ展開で、またも五明の膝が軽くローブローとなり、植松レフェリーは離して4分近くも休ませる。防戦が続き疲れ気味だった五明もかなり回復できるため、この判断は疑問に感じた。この程度のローブローなら注意するだけで流すか、休ませてもせいぜい30秒程度で十分だろう。試合は神田が押し込んだ状態から再開する。神田は押し込みながら、左右の肘と膝を度々ヒットする。終了間際、ようやく五明が右フックを当てたが、すぐ時間切れになる。記者採点は神田。
3R、神田が組むと、五明も左肘を当てるが、神田も肘をお返しする。だが五明の右ハイの蹴り足を神田がつかみ、倒してサイドで押さえ、自分の形に持ち込む。神田はハーフで押さえてからサイドへ。五明が背中を向けるとバックを取り、4の字ロックで捕獲する。終盤には神田がハーフに一旦戻り、またもバックへ。裸絞めを狙いつつパウンドもヒット。五明は防戦一方のまま終わる。記者採点は神田。合計30-26で神田。ジャッジも3~4点差で神田を支持し、神田が判定勝ちでフェザー級暫定王者となった。
マイクを持った神田は「五明選手、とても気持ち強くて、覚悟を感じました。まだ自分は実力不足ですし知名度も低いですけど、今日をきっかけに知ってもらえたらうれしいです」と話した。
北岡悟、9試合ぶり・4年ぶり勝利
第5試合 ライト級 5分3R
○北岡 悟(パンクラスイズム横浜/元DEEP&戦極ライト級王者)
×高野優樹(フリー)
3R 3’47” ノースサウスチョーク
北岡は11月の後楽園ホール大会で江藤公洋に判定負け。18年大晦日のRIZIN 平成最後のやれんのか!で川尻達也に勝利したが、令和元年19年4月のホベルト・サトシ・ソウザ戦で敗れると、北岡の主催した大会での小金翔戦の引き分けを含め、8試合連続で勝ち星から遠ざかり5連敗中だ。2月4日で43歳になった。
高野は14年のデビュー時からDEEPに上がり続け、22年はTokyo Impactシリーズで劉獅とハリー・スタローン相手に判定勝ち。8月の後楽園大会で山本歩夢と戦う予定だったが、試合2日前に山本が体調不良を起こし試合が中止となっていた。北岡とはロータス世田谷で共に練習していた。
1R、北岡がサウスポー、高野がオーソドックスで構え、北岡が序盤から片足タックルを仕掛けると、一発でテイクダウンに成功し、金網際でハーフガードの体勢で押さえる。北岡はアームロックを狙いながらパスガードし、サイドで押さえ、時折肘を落とす。終盤にはアームロックを仕掛け、ギロチンも狙い、最後は肘と鉄槌を落とし終える。記者採点は10-8で北岡。
2R、高野は序盤から詰め、右フックを当てる。北岡が左フックを振るいながら脇を差して組み付くが、高野は突き放す。だが今度は高野が左ストレートで前に出て組み付くと、北岡が脇を差して押し込み、タックルを仕掛けて倒す。北岡は両足で高野の片足を挟みながら押さえ込み、バックを狙う。さらにパウンドを当ててつつギロチンを狙う。終盤、北岡はハーフで押さえ、鉄槌も落とし攻勢を維持する。記者採点は北岡。
3R、高野がパンチを振り回して北岡を下がらせると、北岡は右フックを放った際、バランスを崩して後ろに倒れてしまう。高野はサッカーボールキック、パウンドで仕留めにかかる。だが北岡は下から組み付いて防御する。高野がハーフで上になっていると、北岡は下から足をつかんでヒールフックを狙う。高野は外すが、北岡はすぐに上になってハーフで押さえ反撃体勢に。すると終盤、北岡は首を抱えながらパスガードすると、上四方に動きノースサウスチョークを極めタップを奪った。北岡は約4年ぶり勝利だった。
住村竜市朗・しなしさとこは辛勝
第4試合 ウェルター級 5分3R
○住村竜市朗(TEAM ONE/元DEEPウェルター級王者)
×嶋田伊吹(FIGHT HOLIC)
判定2-1 (内田29-28/柴田28-28○/橋本29-28)
住村は2月14日で37歳になるベテラン。嶋田は9勝5敗の27歳。1R、序盤からタックルで倒し、中央でトップキープする。だが中盤、住村がサイドからニーオンザベリーになったタイミングで、嶋田がブリッジでリバースすると、すぐさまバックマウントを奪って裸絞めを極める。住村はもがいてピンチを逃れ、終盤には上を取り返して押さえる。1分を切りマウントを奪ってからバックに回り、裸絞めを狙いながら鉄槌を当てる。記者採点は嶋田。住村も追い上げたが、中盤の嶋田の裸絞めの極まり具合はダウン相当と評価した。
2R、開始すぐ、住村は右フックをヒットするが、組み際でバッティングとなり、住村は額から出血しドクターチェックが入る。再開後、住村がテイクダウンを奪い、またも上から押さえ続け、時折パウンドを当てて主導権を維持する。一旦立たれてもすぐ倒しトップをキープする。最後は背後に回り押し込んで終える。記者採点は住村。
3R、嶋田が組んで倒そうとするが、住村が足を掛けて倒し、またも上になって押さえる。これまで同様、なかなかその先に持ち込めないが、松宮レフェリーはブレイクせず続行する。終盤、嶋田が自力で脱出すると、タックルで倒してハーフで押さえ、背後に回ってから上になりパウンドを落とし反撃する。さらにマウントを奪いパウンドを当てる。住村は脱出し、最後は両者立つが、嶋田が左フックを当てて終える。記者採点は嶋田。合計28-29で嶋田。ジャッジは1Rの評価が分かれた模様で、住村が2者に支持され判定勝ちした。試合後は皇治とセコンドの青木真也がケージに入り住村を祝福した。
第3試合 女子ミクロ級(44kg) 5分2R
○しなしさとこ(フリー/元DEEP女子ミクロ級(45kg)王者、元スマックガール・フライ級(48kg)王者)
×古林礼名(GSB多治見)
判定3-0 (橋本20-18/内田○19-19/石川20-18)
しなしは19年12月ににっせーに敗れて以来3年ぶりの復帰戦。1月29日で46歳となった。古林は21年にデビューし4戦2勝2敗の31歳。
1R、しなしは潜り込んで足関を狙う場面もあるが、古林は体をひねって脱出する。中盤には首投げで倒すが、これもすぐ立たれる。終盤の打撃戦で古林が右のストレートを的確に当て続ける。しなしはパンチに反応できておらず、自らバックハンドブローを放った後にスリップする場面も。記者採点は古林。
2R、しなしが序盤から首投げで倒し、バックから押さえ、パウンドを当てて先手を取る。離れると、またも投げを狙うが、力が入りきらず、古林が潰して上になってパウンドを当てる。しなしは金網際で足を登らせ腕十字を狙うが古林は防御し上から時折パウンドを当てる。終盤、スタンドに戻すと、しなしがテイクダウンを奪うが、簡単に立たれてしまう。最後は古林がタックルで押し込んで終了する。記者採点は古林。合計18-20で古林。ジャッジは3者ともしなしを支持し、しなしの判定勝ちとなったが、ジャッジの打撃への評価が低すぎるような気がした。
マイクを持ったしなしは「46歳の挑戦でした。中学1年生の息子がいます。もう少し心温かく見守ってください。もうちょっと挑戦したいです」とアピールした。
力也、渡部修斗を27秒で粉砕し4連続1R勝利
第2試合 バンタム級 5分3R
×渡部修斗(FIGHT LYNX/元Fighting Nexusバンタム級王者)※ストライプル新百合ヶ丘から所属変更
○力也(KING OF LIBERTY)
1R 0’27” TKO (レフェリーストップ:右フック→グラウンドパンチ)
渡部は22年7月のDEEPで内山拓真に判定勝ちして以来の試合。対する力也は日本体育大学レスリング部時代に全日本学生選手権で2度優勝した実績があり、最近は3試合連続1R勝利と勢いに乗る。今回はRIZIN参戦で知名度を上げ、1月に青野ひかるとの結婚式を挙げたばかりの渡部と対戦した。
1R、力也はサウスポーで構え、ガードの低い渡辺に対し、序盤から左ストレートをヒットする。渡辺は打撃に反応できておらず、力也がさらに右フックを当ててひるませると、前に出てパンチをまとめてダウンさせ、背後から押さえ込んでパウンドを連打する。渡部は意識が飛び、レフェリーがストップ。力也がわずか27秒で快勝した。
第1試合 バンタム級 5分2R
×山本有人(リバーサルジム東京スタンドアウト)
○KENTA(K-Clann)
判定1-2 (植松18-20/柴田○19-19/内田19-19○)
パラエストラ千葉ネットワークの16歳・秋元強真がDEEP初戦で快勝
オープニングファイト フライ級 5分2R
×高柳京之介(K-Clann)
○秋元強真(パラエストラ柏)
1R 3’16” TKO (レフェリーストップ:左ストレート→グラウンドパンチ)
秋元は16歳。昨年6月のGLADIATOR大阪大会でプロデビューし判定勝ちし、今回が2戦目。1R、サウスポーで構え、序盤から右ジャブ、左ストレート、ボディストレートを的確にヒットし続ける。中盤には高柳をタックルを切ると、左ストレートのフェイントからの右フックをヒット。ひるんだ高柳を金網に詰めてパンチを連打し、左ストレートでダウンさせてからのパウンドでフィニッシュ。素質の高さを印象付けた。