DEEP 9.11 ニューピアホール(レポ):フライ級GP一回戦後半4試合は村元友太郎、福田龍彌、宇田悠斗、松場貴志が勝利。長南亮の弟子・狩野優、中村大介に「Uの最高傑作作りませんか」
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宗明建設 Presents DEEP TOKYO IMPACT 2022 5th ROUND
2022年9月11日(日)東京・ニューピアホール
レポート:井原芳徳 写真:(C)DEEP事務局
フライ級GP一回戦後半4試合は村元友太郎、福田龍彌、宇田悠斗、松場貴志が勝利
第15試合 メインイベント 宗明建設 Presents DEEPフライ級GP一回戦(5ジャッジ制) 5分3R
○村元友太郎(ALIVE)
×風我(フリー/DEEPフューチャーキングトーナメント2021フライ級優勝)
判定5-0 (石川29-28/田澤29-28/橋本29-28/松宮29-28/柴田29-28)
DEEPフライ級GPは16選手参加のトーナメント。8月21日の後楽園ホール大会と9月11日のニューピアホール大会で一回戦の4試合ずつが行われ、11月の後楽園大会、12月のニューピア大会で二回戦、来年2月に準決勝、4月に決勝を予定している。冠スポンサーの宗明建設から優勝者には賞金300万円が贈呈される。試合はタイトルマッチ同様5ジャッジ制だが、前日計量では通常のワンマッチ同様に0.5kgオーバーまで認められる。二回戦以降の組み合わせは未定。GP期間中に同級王者の神龍誠がUFCと契約し王座を返上した場合、GP決勝が王者決定戦となる。8月21日の後楽園大会では伊藤裕樹、安谷屋智弘、本田良介、ビョン・ジェウンが勝利し二回戦に進んだ。
村元は2年ぶりのDEEP出場で、その間はRIZINで3戦し、山本聖悟、BJに勝利したが、北方大地には敗れている。対する風我はRIZIN&DEEP JEWELS王者・伊澤星花の弟。昨年6月にMMAデビューし負けが込んでいたが、以降は島袋チカラら相手に3連勝中だ。3Rの試合は今回が初だ。
1R、村元が中央で構えて、風我が回って距離を取る構図が続く。風我は時折スイッチする。どちらも目立つ攻撃が出ない状態が続く。終盤、風我のローに合わせて村元がタックルを仕掛けるが、すぐ風我が離れる。終了間際、村元が右フックで突っ込むと、風我が左ストレートで迎撃し、村元は一瞬倒れるがすぐ立つ。記者採点は最後に印象を残した風我。村元はダメージは小さい様子だ。
2Rも両者スタンドで見合う状態が続く。終盤、村元がタックルから押し込むが、テイクダウンには持ち込めず離れる。最後も押し込むがテイクダウンは奪えない。記者採点は僅差だが村元。
3Rも見合う状態の後、風我が片足タックルを仕掛けてから、すぐさま背後に回ってしがみつくが、村元は突き放すと、右ストレートを当てて印象を作る。それでも風我は片足タックルを仕掛け、今度は倒したが、すぐに村元は起き上がり、上を取り返してハーフでガッチリ押さえることに成功する。終盤、風我はブリッジして脱出したが、すぐに村元は反応して、片足タックルから抱え上げてテイクダウンを奪う。風我が脱出し、片足タックルを仕掛けて倒すも、これも村元が脱出し、抱えながら倒したたころで終了のゴングが鳴る。村元が風我の攻めを潰し続け、しっかり印象を作るラウンドに。記者採点は村元。合計29-28で村元。5人ジャッジ制の5人も同じ採点で、村元が2R以降のポイントを取り判定勝ちした。
第14試合 セミファイナル 宗明建設 Presents DEEPフライ級GP一回戦(5ジャッジ制) 5分3R
○福田龍彌(MIBURO/元修斗フライ級世界王者)
×杉山廣平(SPLASH)
判定5-0 (石川28-26/島田28-27/松宮28-27/橋本28-27/田澤28-27)
福田は昨年、平良達郎と神龍誠という国内フライ級トップ勢に連敗したが、今年に入ってからは伊藤裕樹、NavE、ビョン・ジェウン相手に3連勝している。杉山はパンクラスの元ランカーで、昨年3月のRIZINで伊藤に敗れたが、以降DEEPで駒杵嵩大と本田良介に連勝している。
1R、福田がサウスポーで構え、1分過ぎに左のストレートを当ててダウンを奪う。福田は上になる際、杉山の顔面に膝を当てる反則を犯したことから、一時中断する。ドクターチェックも入り、回復時間を設けて再開する。福田にはレッドカード減点2が科される。
立った状態から再開後、杉山がタックルを仕掛けるが、福田は潰して金網際で上から押さえる。福田は時折右のパウンドを落とす。終盤、立った杉山を福田が金網に押し込み、肘と肩を時折当てる。だが終了間際、右膝蹴りがローブローとなってしまい、またも中断する。離れた状態から再開し、すぐ終了する。記者採点は10-9で福田だが、福田の減点2も合わせて8-9で杉山。
2R、福田がサウスポーでプレッシャーをかけ、杉山が詰めて来ると右フックを当てる。そのまま杉山は金網に押し込むが、すぐに福田は押し返す。しばらくして離れ、打撃戦に戻り、福田は時折左ストレートをヒット。終盤、杉山のタックルを切って潰して上になる。最後は杉山が立って押し込むが、福田は防御して終える。記者採点は10-9で福田。減点分を合わせるとこれで18-18のイーブンに。
3R、福田が左ストレート、左ボディを当て優勢。杉山が押し込んでも足を掛け崩し、突き放せば左ボディを当て翻弄する。それでも中盤、杉山は片足タックルで倒すことに成功したが、金網にぶつかった福田は背中をつけず立ち上がり、反撃を許さない。終盤の打撃戦でも福田が左右のパンチを的確に当て続けて終了する。記者採点は10-9で福田。合計28-27で福田。ジャッジ5者も福田を支持し、福田が初戦を突破した。
福田は「杉山君、気持ちが強くてびっくりしました。倒せなくて偉そうなこと言えないですけど、僕も仕事を辞めて戦うこと一本に専念して、こういうのが生きがいで、毎月やってもいいぐらいで楽しいです。二回戦、楽しみにしてください。一番強いと思う選手選んで戦っていくし、ヒリヒリしたんをみんなと分け合えたら最高やと思てます」とアピールした。
第13試合 宗明建設 Presents DEEPフライ級GP一回戦(5ジャッジ制) 5分3R
×島袋チカラ(CORE)
○宇田悠斗(HOPE/修斗フライ級世界2位)
1R 3’07” KO (右肘打ち)
7月の一回戦組み合わせ抽選決定会では、1名だけ未定の「X」枠があり、抽選で1番を引いた島袋がXとの対戦枠を選んでいた。後日X枠に入ると発表された宇田はDEEP初参戦。7戦5勝1敗1分の25歳。19年に修斗でプロデビューし同年のフライ級新人王に。昨年5月に元パンクラス王者の清水清隆に判定勝ち。今年3月にRIZIN大阪大会に出場し、ZSTフライ級王者の竿本樹生と接戦の末に判定負けしている。愛媛出身で現在は上京し石渡伸太郎代表のCAVEで練習している。
試合は宇田が41歳のベテラン・島袋を無傷で粉砕する形に。1R、開始すぐからサウスポーの島袋に、宇田がプレッシャーをかけて追いかける。島袋は二段式のミドル等を時々出すが、宇田はかわし続ける。中盤、宇田が左フックを放った際、島袋は片足タックルを仕掛けてから、金網に押し込む。すると宇田は倒れず防御を続けた後、右肘を島袋の側頭部に当てる。一発当てると手応えがあったか?その後も連打すると島袋の片膝が落ちる。宇田はその隙を逃さず、右肘の連打のスピードを上げると、島袋は両膝が崩れ、上体もグッタリしたことから、福田レフェリーがストップした。
マイクを持った宇田は「DEEPファンの皆さん初めまして。修斗から来た宇田悠斗です。今の試合、あんま面白くなかったと思うんですけど、初めての舞台で緊張してすみません。持ち味発揮できなくて。二回戦は万全の状態で仕上げて来るんで、DEEPファンの皆さんも僕の応援お願いします。必ず優勝します」と話したが、初戦で十分大きなインパクトを残した。
第12試合 宗明建設 Presents DEEPフライ級GP一回戦(5ジャッジ制) 5分3R
×駒杵嵩大(FIGHT BASE都立大/元Fighting Nexusフライ級王者)
○松場貴志(パラエストラ加古川/GRACHANフライ級王者、元GRAND同級王者)
不戦勝
駒杵が減量中に緊急搬送され欠場となり、計量をクリアした松場の不戦勝と2回戦に進出が決定した。松場はケージに登場し勝利者賞を受け取った。
松場は「勝ったら駒杵選手の杵でついた餅を振舞おうと思っていたのですが、体重超過で流れてしまいました。期待をしていた皆様申し訳ございません。しかしノーダメージで2回戦に生き残れたのは光栄に思います。僕には小さい頃から人と違う力がありまして、絶対に当たる占いができます」と話すと、「天国地獄大地獄」と手の平遊びでの占いをしたあと「松場貴志、優勝が決定しました」と叫び、コミカルなキャラクターで観客を楽しませた。
この日の結果により、フライ級GPの2回戦進出者は村元友太郎、福田龍彌、宇田悠斗、松場貴志、伊藤裕樹、安谷屋智弘、本田良介、ビョン・ジェウンに(新しく決まった順)。1回戦で宇田、安谷屋、ビョンが1R勝利、松場は不戦勝、他の選手は判定勝ち。なかでも宇田が肘でのKO勝ちで特にインパクトを残し、キャリアの長い福田と村元の安定感も印象的だったが、率直なところ図抜けた選手はいない印象で、優勝戦線はまだまだ見えない。11月と12月の2回戦は果たしてどうなるか。
狩野優、師匠・長南亮の弟弟子・中村大介に「Uの最高傑作作りませんか」。中村は「時がきたら、やると思います」とツイート
第10試合 フェザー級 5分2R
×鬼山斑猫[はんびょう](KRAZY BEE)
○狩野 優(TRIBE TOKYO MMA/パンクラス・フェザー級7位)
1R 4’20” 裸絞め
DEEPフライ級GPに長南亮代表のTRIBE TOKYO MMAから元パンクラス王者・小川徹が参戦することが話題を呼んだが、TRIBEからさらにパンクラス・フェザー級7位の狩野がDEEPに初参戦した。狩野はパンクラス・ネオブラッド・トーナメント2020ライト級優勝者でパンクラス4戦全勝。4月のPOUND STORMではLDHオーディション参加者の中村京一郎に一本勝ちしている。
対する鬼山も以前はパンクラスに上がっていたが、2年前からDEEPに主戦場を移し、今大会に出場する西谷大成と星野豊を相手に2連勝中だ。
1R、狩野がサウスポーで中央で構え、鬼山がオーソドックスで回り、お互い探る状態が続く。中盤、狩野が鬼山の右ストレートをかわしてから金網に押し込む。だが鬼山は押し返して右肘を放ってから、すぐタックルで両足を抱え、テイクダウンに成功する。しかし狩野は背中をつけず、すぐに返して上に。鬼山の立ち際に胴にしがみつき、そのまま背後を制すると、倒してバックマウントを奪う。足4の字でガッチリ捕獲すると、裸絞めを仕掛ける。鬼山は狩野の左腕をつかんで防御を続けるが、次第に絞まりが深くなり、最後は鬼山が狩野のグローブに指を引っかける状態で耐えていたが、苦しくなりタップした。
マイクを持った狩野は「TRIBEの狩野です。DEEPに参戦した理由は一つしか無いですね。中村大介選手、来てますか。来てないですね。じゃあ見てるかもしれなんで」と話すと、ビデオカメラ目線で「中村選手、僕、長南亮の弟子として、Uの最高傑作作りませんか。年末でもいつでもいいんで、よろしくお願いします」とアピールした。長南と中村は田村潔司代表のU-FILE CAMPの兄弟弟子の関係だった。
中村は大会翌日のTwitterに「相変わらず女性にはまっっったくモテませんが、どーやら僕、若いMMA選手にモテ始めたみたいですね。イイネイイネぇ。ハッキシ言って、盛り上がるのなら、自分がワクワクできるなら、誰でも戦りたいです。時がきたら、やると思います」と記し、前向きな姿勢を示している。
西谷大成、佐藤洋一郎ら勝利。泉武志、MMA 3戦目で初白星
第11試合 フェザー級 5分2R
×TATSUMI(ネックス)
○西谷大成(トライフォース赤坂)
判定0-3 (18-20/18-20/18-20)
第9試合 ウェルター級 5分2R
○佐藤洋一郎(KATANA GYM/元修斗ウェルター級環太平洋王者)
×嶋田伊吹(FIGHT HOLIC)
判定3-0 (20-18/20-18/20-18)
第8試合 ウェルター級 5分2R
○米田奈央(フリー)
×レバナ・エゼキエル(コンゴ民主共和国/K-Clann)
判定3-0 (19-18/○19-19/19-18)
第7試合 フェザー級 5分2R
×佐藤勇駿(K-clann)
○木下尚祐(和術慧舟會GODS)
判定0-3 (18-20/18-20/18-20)
第6試合 ライト級 5分2R
×THE☆ナマハゲ(KATANA GYM)
○泉 武志(FIGHTER’S FLOW)
判定0-3 (18-20/18-20/18-20)
第5試合 60.5kg契約 5分2R
○力也(KING of Liberty)
×三好マヒロ(K-Clann)
1R 2’43” 腕ひしぎ十字固め
第4試合 フェザー級 5分2R
×星野 豊(和術慧舟會HEARTS)
○梶本保希(パラエストラ八王子)
判定0-3 (19-19○/18-20/18-20)
第3試合 ストロー級 5分2R
×多湖力翔[りきと](ネックス)
○佑勢乃花(フリー)
2R 1’23” 腕ひしぎ十字固め
第2試合 ライト級 5分2R
○倉本大悟(トライフォース赤坂)
×岩倉優輝(NICE BAD GYM)
判定3-0 (20-18/○19-19/20-18)
第1試合 バンタム級 5分2R
×コマネチ竜太(Y&K ACADEMY)
○朝比奈龍希(トライフォース赤坂)
1R 4’59” TKO (レフェリーストップ:テイクダウンによる右肘の負傷)