UFC 8.5 ナッシュビル(レポ):タチアナ・スアレス、元女子ストロー級王者アンドラージから2Rギロチンで一本。サンドヘイゲン、ロブ・フォントを寝技で封じる
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UFC Fight Night: Sandhagen vs. Font
2023年8月5日(土/現地時間)米国テネシー州ナッシュビル:ブリヂストンアリーナ
レポート:井原芳徳
タチアナ・スアレス、元女子ストロー級王者アンドラージから2Rギロチンで一本
第11試合 コーメインイベント 女子ストロー級 5分3R
×ジェシカ・アンドラージ(5位、元王者)
○タティアナ[タチアナ]・スアレス(10位)
2R 1’31” フロントチョーク
アンドラージはフライ級5位でもあるが、最近4試合はストロー級で戦い、アマンダ・レモス、ローレン・マーフィーに勝ったが、今年2月にエリン・ブランチフィールドに2R一本負けし、5月にはヤン・シャオナンに1R TKO負けと2連敗中だ。
スアレスはレスリング時代の2010年の世界選手権女子55kg級で吉田沙保里に敗れたが銅メダルを獲得。14年にMMAに転向し、16年のTUFで優勝してUFCと契約。4連勝後、怪我等による約3年半のブランクを経て今年2月に復帰し、モンタナ・デ・ラ・ロサに2Rフロントチョークで勝利している。MMA 9戦全勝で、試合前での下馬評でも上だ。
1R、前に出るアンドラージに対し、長身のスアレスはサウスポーで構えながら距離を取り、左ミドルを時折当てる。中盤、スアレスが左ミドルを当てると、アンドラージが右のパンチを振ってきたが、すかさずスアレスはタックルを仕掛け、テイクダウンを奪う。スアレスはあっさりとサイドポジションを取る。終盤、アンドラージが立っても、スアレスは首を抱えてコントロールしながら膝蹴りを当て続ける。アンドラージはパンチを振って前に出るが、スアレスがステップとクリンチと左ミドルで対処する。記者採点はスアレス。
2R、スアレスが序盤から片足タックルでテイクダウンを奪い、またもサイドを取る。アンドラージは立ち上がるが、すぐにスアレスはがぶった状態で首を抱えてギロチンチョークを仕掛け、後方に倒す。アンドラージは立って外しかけるが、スアレスはギロチンをセットし直し、後ろに倒れて引き込んで深く極める。アンドラージは両足でもアンドラージを捕獲して逃げられなくすると、最後はアンドラージがタップした。
サンドヘイゲン、ロブ・フォントを寝技で封じる
第12試合 メインイベント 140ポンド契約 5分5R
○コーリー・サンドヘイゲン(バンタム級4位)
×ロブ・フォント(バンタム級7位)
判定3-0 (50-45/50-45/50-45)
サンドヘイゲンは21年10月、ピョートル・ヤンとのバンタム級暫定王座決定戦で判定負けしたが、昨年9月にソン・ヤドンを肘で切り裂きTKO勝ちし、3月のマルロン・ヴェラ戦で判定勝ち。ファイトナイトシリーズのメインイベンターとしての仕事が続き、5試合連続の5R戦となる。
フォントは14年からUFCに上がり、近年はジョゼ・アルド、ヴェラに連敗したが、4月に下位ランカーのエイドリアン・ヤネスに1R TKO勝ちした。
両者の戦いはバンタム級+1ポンドよりも4ポンド重い140ポンド契約で争われた。客席ではヤンに勝つなどバンタム級王座を3度防衛しているアルジャメイン・スターリングも見守る。
1R、フォントが詰めて来ると、サンドヘイゲンが片足タックルで倒す。フォントはギロチンチョーク、アームロックを仕掛けるが、サンドヘイゲンは脱出しスタンドに戻す。中盤、しばらく打撃戦となるが、またもサンドヘイゲンはタックルで倒す。フォントは腕を取りかけるが、外したサンドヘイゲンはがぶって押さえ、バックを狙いつつトップポジションに落ち着いて、ハーフガードへ。終盤、フォントが立ち上がり、前に出続けると、サンドヘイゲンの左ミドルをフォントがキャッチして倒し、最後は背後からしがみついて終える。記者採点は僅差だがサンドヘイゲン。サブミッショントライを続けたフォントにつく可能性も無いとはいえないが、テイクダウンと押さえつける時間の長さでサンドヘイゲンを評価した。
2R、またもサンドヘイゲンが序盤からタックルで倒し、中盤付近でハーフで押さえ続ける。中盤になっても、細かく動くフォントをサンドヘイゲンが押さえ続ける。終盤も変わらず、サンドヘイゲンにパウンドを打たせないものの、フォントは背中をマットにつける時間が続き印象が悪い。記者採点はサンドヘイゲン。
3Rも序盤からサンドヘイゲンが足へのタックルでテイクダウンに成功し、ハーフで押さえ続ける。2Rよりもパウンドを落とす場面が目立つように。残り30秒、ようやくフォントがスタンドに戻して前に出るが、サンドヘイゲンがステップでかわし反撃を封じる。記者採点はサンドヘイゲン。
4R、サンドヘイゲンがまたもニータップでの片足タックルで倒し、序盤から上になり、ハーフで押さえ続ける。終盤、フォントは金網際まで持っていき、背中を金網につけてサンドヘイゲンの首を抱えようとするが、あっさり対処される。1分を切ってフォントが立つが、すぐにサンドヘイゲンが倒してハーフに戻し、最後もパウンドを落として終える。記者採点はサンドヘイゲン。2R以降静かな展開が続いているせいか、4R終了と同時に場内はブーイングに包まれる。
5R、劣勢のフォントだが、ダメージが無く体力も十分で、逆に先に片足タックルを仕掛けてテイクダウンを狙う。だがサンドヘイゲンは金網を背にして耐えると押し返し、脇と股を抱えて倒し、またもトップを取る。すると中盤、サンドヘイゲンはフォントを金網に押しつけながら、首を抱えてダースチョークを仕掛ける。フォントは必死に動いて逃げようとするが、サンドヘイゲンはしばらく捕獲を続ける。ようやく外れても、変わらずサンドヘイゲンがトップキープし、主導権を譲らない。終盤、サンドヘイゲンがハーフをキープする。最後、足を戻したフォントが下から腕十字を狙うが、あっさり対処され、サンドヘイゲンがトップキープして終了する。記者採点はサンドヘイゲン。合計50-45でサンドヘイゲン。ジャッジ3者もサンドヘイゲンを支持し、サンドヘイゲンが判定勝ちした。
第10試合 ライトヘビー級 5分3R
○ダスティン・ジャコビー(15位)
×ケネディ・エンジーチュクー
1R 1’22 TKO (レフェリーストップ:右ストレート→グラウンドパンチ)
第9試合 フェザー級 5分3R
○ディエゴ・ロペス
×ギャビン・タッカー
1R 1’38” 肩固め
第8試合 ライトヘビー級 5分3R
○タナー・ボーザー
×アレクサ・カムール
判定3-0 (30–27/30–27/30–27)
第7試合 ライト級 5分3R
×イグナシオ・バハモンデス
○ルドビト・クライン
判定0-3 (27-30/28-29/28-29)
第6試合 バンタム級 5分3R
○カイラー・フィリップス
×ラオーニ・バルセロス
判定3-0 (30–27/29–28/29–28)
第5試合 ウェルター級 5分3R
×ジェレマイア・ウェルズ
○カールストン・ハリス
3R 1’50” アナコンダチョーク
第4試合 フェザー級 5分3R
○ビリー・クアランティーロ
×デイモン・ジャクソン
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)
第3試合 フライ級 5分3R
○コーディ・ダーデン
×ジェイク・ハドリー
判定3-0 (30–27/30–27/30–27)
第2試合 フェザー級 5分3R
○ショーン・ウッドソン
×デニス・ブズカ
判定3-0 (30–27/30–27/30–27)
※ブズカは計量0.5ポンドオーバー。対戦相手にファイトマネーの20%を譲渡
第1試合 フライ級 5分3R
×オデー・オズボーン
○アスー・アルマバイエフ
2R 3’11” 裸絞め