シュートボクシング 6.22 後楽園ホール(レポ):海人、初来日の強豪エンリコ・ケールに判定負け。S-cupフェザー級前哨戦は山田虎矢太が魁斗に1R TKO勝ち、RISE王者の安本晴翔が8月後楽園参戦表明
GYM VILLAGE [→おすすめジム一覧]
中野トイカツ道場
中野駅徒歩3分。平日7~23時、年中無休営業。入会金&月謝2ヶ月分無料!
SHOOT BOXING 2025 act.3
2025年6月22日(日)東京・後楽園ホール
レポート:井原芳徳
第10試合 メインイベント スーパーウェルター級(70kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(無制限延長R)
×海人(TEAM F.O.D/シュートボクシング(SB)世界スーパーウェルター級(70kg)王者、KNOCK OUT-BLACK同級王者、RISEミドル級(70kg)王者、元SB日本スーパーライト級(65kg)王者)
○エンリコ・ケール[Enriko Kehl](ドイツ/元GLORYライト級1位、K-1 WORLD MAX 2014世界トーナメント優勝)
判定3-0 (津山30-28/北尻30-28/若林30-29)
海人は27歳。23年8月のGLORYオランダ大会でティジャニ・ベスタティのGLORYライト級王座に挑戦したが判定負けし連勝が18でストップ。その後、マサロ・グランダー、ジェームズ・コンデを1R KO。昨年2月のSBでは元ONE&ルンピニー王者・ペットモラコットに延長判定負けしたが、4月に海人がSB世界王座を懸けて再戦し判定勝ちでリベンジした。
海人は再び1年後のGLORY王座奪取を目指し、昨年6月から12月までGLORYの元王者のダビッド・キリア、元ランカーのゲリック・ビレット、アルマン・ハンバリアンら相手に4連勝(2KO)した。今回の相手で同じく元ランカーのケールとの試合は12月大会でも計画されていたが、ケールの怪我により実現していなかった。
その後、海人は3月のONE日本大会で元K-1&GLORY王者・マラット・グレゴリアンとの試合が組まれたが、グレゴリアン陣営・ONE側と計量を巡ってトラブルが生じ、海人は試合を拒否した。ONEのチャトリ・シットヨートンCEOは海人を批判したが、SB側が抗議し、チャトリ氏は謝罪し和解が成立した。ONEは5月初旬の海人×グレゴリアンを提案したが、グレゴリアン側の調整がつかず、5月23日のONEルンピニー大会でのモハメド・シアサラニ戦が急きょ組まれた。とはいえ海人は準備不足を隠せず、責めを封じられ判定負けを喫した。6月22日のケール戦は5月23日のシアサラニ戦前に決まっていた。
ケールは33歳。立ち技戦績73戦53勝(31KO)18敗2分。14年にヨーロッパとタイで行われたK-1 WORLD MAX世界トーナメントでブアカーオらを破り優勝。18年までは中国の武林風を主戦場とし、19年~22年はONEに参戦し、21年にチンギス・アラゾフに判定勝ち。23年からGLORYに上がり、ビレット、ハンバリアンを下す。昨年3月にベスタティのGLORYライト級王座に挑戦したが判定負け。試合はそれから1年3が月ぶりとなる。
試合はケールが久々の試合で健在ぶりを示し、日本初戦でしっかり印象を残す内容に。1R、ケールはサウスポーで構え、開始すぐから左右のパンチを積極的に振るい、左のインローにつなげるコンビネーションを度々決める。海人は右三日月蹴り、膝蹴り、インローを返すが、ケールは勢いが落ちない。ケールは首相撲からの左膝蹴りも連打する。GLORYでは連打は禁止だが、SBルールでは可能なため駆使し、逆に海人は捕まり続け対処できない。終盤、ケールは右のバックスピンキックもヒット。ケールは左膝のフェイントからの左フックも当て、最後まで主導権をキープする。記者採点はケール。オープンスコアリングシステムが採用され、1者はイーブンとしたが、2者はケールを支持する。
2R、ケールは左膝、ミドル、フックをコンビネーションも駆使して積極的に放ち続け、「ハリケーン」の異名通り勢いが落ちない。海人も右膝、ストレートを返す場面もあるが、単発止まりで流れが変えられない。終了間際にはケールが左ストレートを当て、いい形で終える。記者採点はケール。ジャッジは1者がイーブンとしたが、2者はケールを支持する。
3R、ケールは左ストレート、インローを積極的に当てる。海人は右三日月蹴りをクリーンヒットするが、ケールはひるまず前に出る。初来日の試合だが、中国やアジアのONEでの試合経験が豊富なため、海外遠征でのコンディショニングもバッチリな様子だ。中盤、ケールは左ストレートを立て続けにヒット。一旦下がってからも左ミドルを当てる。終盤、海人も右三日月やストレートを当てるが、ケールは変わらず顔面にパンチを当て続け、手数上の状態をキープし終了する。記者採点はケール。合計27-30でケール。ジャッジ3者ともケールを支持し、ケールが判定勝ちした。海人はこれでキャリア初の2連敗となってしまった。
勝ったケールはインタビューで「子供の頃からK-1 MAXを見ていたので、日本で戦えてうれしいです。私は休んでいる間、ファイトスタイルを変えたので、海人は予想できなかったと思います。ボディに効かせる戦略が成功し、1Rから海人は苦しそうでした。ただ彼は3Rに巻き返しました。まだまだ成長するでしょう」と話した。海人はノーコメントだった。
シュートボクシング協会のシーザー武志会長は「海人はパワーが足りなかった」と評しつつ「もう一回、僕の言い方で言えば“シーザー魂”というか、あきらめないことだね。前よりは(世界一への)距離が遠くなったけど、また取り返す気持ちがあれば、もう一回やらせてあげたいけどね。27だから、難しいけど」とも話しており、再起を本人が望むなら手助けしたい方針を示している。
S-cupフェザー級前哨戦は山田虎矢太が魁斗に1R TKO勝ち。RISE王者の安本晴翔が8月後楽園参戦表明
第9試合 セミファイナル フェザー級(57.5kg) 3分3R(無制限延長R)
○山田虎矢太[こやた](シーザージム/SB日本スーパーバンタム級(55kg)王者)
×魁斗[かいと](立志會館/SB日本フェザー級2位、HOOST CUP日本フェザー級王者)
1R 3’00” TKO (コーナーストップ)
SBでは11月24日の代々木競技場第二体育館大会で「S-cup世界フェザー級トーナメント」を開催予定だ。前回4月大会ではSB日本フェザー級王者の山田彪太朗が川上叶を相手に逆転判定勝ちし、この2人が今のところS-cup日本代表として有力候補となっており、虎矢太と魁斗は彼らに続く位置にいる。
山田ツインズの弟・虎矢太は、2月の川上叶戦で2度ダウンを奪われ判定負けして以来の再起戦。魁斗は4月大会でアンゲロス・ヤクミスに勝利し3連勝中だ。
1R、サウスポーの魁斗に対し、虎矢太はオーソドックスで構えてプレッシャーをかけ、魁斗をロープ際まで詰め、右インロー、ストレート、フック、ボディストレートを度々当てて先手を取る。中盤過ぎから魁斗はオーソドックスにスイッチするが、流れは変わらない。終盤、虎矢太は右フックを立て続けにヒットすると、残り10秒を切り、左ボディを当ててから、魁斗の右のパンチに右フックを合わせてダウンを奪う。魁斗は大の字になって倒れ、ダメージが大きく、立とうとしてマットに手をついたが、うつぶせで倒れ、すぐさま北尻レフェリーがストップした。同時にセコンドもタオルを投入していたため、公式記録でのフィニッシュ表記は「タオル投入」となっている。
マイクを持った虎矢太は「11月のS-cupに向けての査定試合ということで、小さい頃からS-cupのチャンピオンを夢見ていました。おもちゃのS-cupのベルトを作って彪太朗と遊んだのも鮮明に覚えています。必ずS-cupで活躍する姿を見せたいです。彪太朗と一緒にS-cupで世界最高峰の戦いをお見せします」と宣言した。
牧野騎士、植山征紀を延長R KO
第8試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(無制限延長R)
×植山征紀(ONE LIFE/SB日本フェザー級4位、元SB日本&S-BATTLEスーパーバンタム級王者)
○牧野騎士[ないと](FASCINATE FIGHT TEAM/RISEフェザー級21位、元DEEP☆KICK -57.5kg王者、RKSスーパーバンタム級王者)
4R 2’22” KO (パンチ連打)
3R 判定0-1 (神谷29-29/津山29-30/若林29-29)
植山は4月大会で土井涼雅に判定勝ちし連敗をストップ。牧野は3月に松山瞬に3R TKO勝ちしDEEP☆KICK-57.5kg王座を獲得し今回SBに初参戦した。
1R、お互い右ロー主体の攻防の中で、終盤、植山が右ストレートを当てれば、牧野も右フックを返し、互角に渡り合う。記者採点はイーブン。ジャッジは2者がイーブンとしたが、1者は意外にも牧野につける。
2R、牧野が左ジャブ、右フック、右バックハンドブローを当て、やや優位に。だが中盤過ぎ、植山も左ボディ、フックを立て続けに当てて巻き返す。終盤、植山が左右のパンチ、左テンカオのヒットを増やし、最後は左フックを当てて終える。牧野は攻撃が減ってしまう。記者採点は植山。ジャッジは2名が牧野、1者がイーブンとし、植山の最後の攻勢は評価されなかった。
3R、植山の左インローがローブローとなり、牧野のダメージが大きく一時中断する。再開後、植山が左フックを当て、牧野はフラつく。中盤、牧野も左フックを返すが、植山が前に出てパンチの手数で上回る状態が続く。しかし終盤、パンチの打ち合いで、牧野が随所で右フックを強打し、巻き返して終える。記者採点はイーブン。合計30-29で植山。ジャッジは1者が牧野を支持し、2者がイーブンとし延長へ。
4R、植山は左ミドル、テンカオ、インローを当て、先手を取る。中盤、植山はパンチ主体で手数差をつけるが、牧野はひるまずパンチやミドルを返していると、植山の右アッパーのタイミングで牧野が右フックを当ててダウンを奪う。ダメージのある植山に対し、牧野は前に出て右フックを当て、最後はコーナーに詰めて左右のパンチを当てひるませたところで、茂木レフェリーがストップ。逆転KO勝ちした牧野はセコンドの原口健飛と抱き合って喜んだ。
牧野はSB日本フェザー級4位の植山をKOしたことで、S-cupフェザー級戦線で突如浮上することに。当然、牧野はマイクを要求したが、ここまでの試合が長引いたせいもあってか、マイクを持たせてもらえなかった。とはいえ、シーザー会長は「もちろんトーナメントに出てほしいね」と高く評価しており、試合内容で十分インパクトを残せたといえよう。
安本晴翔、S-cupフェザー級参戦に向け8月大会参戦
第8試合の前には、次回8月9日の後楽園ホール大会にRISEフェザー級王者・安本晴翔(橋本道場)が参戦することが発表された。対戦相手は未定。
安本は19年2月、SBに初参戦し、植山征紀にフロントチョークでキャッチポイントを奪われ、プロ14戦目で初黒星。22年12月のSBとRISEの合同興行でも川上叶とSBルールで対戦し延長(4R)判定負け。23年8月のRISEでは魁斗にダウンを奪われ判定負けし、SBルール・SB勢との相性が悪い。
安本は「僕はSBであんまりいい成績ではないですけど、参戦が決まったので、全力で潰し、に…なんて言うんですかね、頑張りたいと思います」と、真横にいるSB協会のシーザー武志会長やSBファンを気にしてか、途中から慎重モードに切り替えて意気込みを述べた。
一緒にリングに上がったRISEの伊藤隆代表は「11月24日のS-cup目指して参戦させたいです。この後出る(RISEフェザー級ランカーの)牧野騎士も素晴らしい試合をします」とアピールした。
都木航佑、3Rのシュートポイントで差をつけ竜也に判定勝ち
第7試合 スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(無制限延長R)
○都木航佑(キャピタルレイズ fighting GlaNz/SB日本スーパーウェルター級王者)
×竜也[たつや](CRISS-CROSS/SB日本ウェルター級1位)
判定3-0 (木村29-28/竹村30-29/津山30-28)
都木は極真空手をベースとし、23年9月からSBに参戦し7戦全勝。村田義光、RYOTARO、ヨークディーゼル、ロクク・ダリ、風間大輝、ピラポンを下すと、2月にRYOTAROに判定2-0で勝利しSB日本スーパーウェルター級王者となる。
竜也は22年にSBでプロデビューし、昨年前半、ウェルター級で小原俊之、凱斗をKO。ここ2戦はスーパーウェルター級に階級を上げ、10月にRYOTAROに判定負け、今年4月に風間大輝に判定負けしているが、風間戦ではダウンの応酬を繰り広げ、3Rには水車落としでシュートポイント1、ギロチンチョークでキャッチポイント1を獲得した。大会後にシーザー武志SB会長も「一番SBらしいのは風間と竜也」と讃え、今回は新王者との試合が用意された。
1R、お互い攻撃の少ない出だしだったが、次第に都木は右ミドル、左ロー、右ストレートのヒットを増やし、やや優位で終える。記者採点は都木だが、まだ与えたダメージは小さいため、イーブンだとしても不思議ではない。
2R、都木がプレッシャーをかけ、右アッパー、ストレート、左ジャブといったパンチを当てつつ、左テンカオ、ミドル、右ローも絡め、多彩な攻撃で翻弄する。ところが終了間際、竜也は右ストレートで都木をひるませ、コーナーに詰め、片足タックルから持ち上げて倒す。持ち上げが不十分だったせいもあって、シュートポイントはつかないが、最後に印象を残す。記者採点はイーブンだが、竜也についても不思議ではない。
3R、竜也は序盤、右フックを当てるが、中盤になるとヒットが減る。組みの展開も繰り返されるようになると、中盤、都木が首を抱えつつ内股で投げシュートポイント1を奪う。その後は都木が蹴りを随所で当て、竜也の投げも潰し、反撃を封じて終える。記者採点はイーブンで10-9で都木。合計30-28で都木。ジャッジ3者ともシュートポイントで差をつけた都木を支持し、都木が判定勝ちした。
高橋幸光、RYOTAROを左ハイでKOし都木航佑との王座戦要求
第6試合 オープンフィンガーグローブマッチ スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(無制限延長R)
×RYOTARO(龍生塾/SB日本スーパーウェルター級1位)
○高橋幸光(飯伏プロレス研究所/元BOMウェルター級王者、元WMC日本スーパーライト級王者、元MA日本&J-NETWORKライト級王者)
2R 2’57” KO (左ハイキック)
RYOTAROは昨年6月、MMA選手の岸本篤史を相手にOFGマッチを経験し、1R開始早々にダウンを喫したが、3Rに3ダウンを奪いTKO勝ちした。今年2月のSB日本スーパーウェルター級王座決定戦では都木航佑に判定2-0で惜敗した。
高橋はムエタイをベースとしつつ、近年は体重を増やしプロレスも並行している。5月のKNOCK OUTでのUNLIMITEDルールの試合でOFGマッチを経験し、川村英樹に1R KO勝ちしている。SBには17年11月のGROUND ZERO以来、約8年ぶりの登場だ。
試合は王者・都木が手を焼いたRYOTAROを、高橋が得意の左ハイキック一撃で沈めることに。1R、RYOTAROが中央で立ち、高橋がサウスポーで構えて距離を取る構図となる。高橋が随所で左ミドルを当てていたが、中盤、RYOTAROが詰めて左ボディ、左フックと立て続けに当てる。終盤、RYOTAROが積極的にパンチを振う状況が続き、高橋は攻撃がほとんど返せなくなる。記者採点はRYOTARO。
2R、RYOTAROが右ストレートを放つと、高橋がカウンターで右ジャブを当て、RYOTAROはひるむ。RYOTAROは持ち直すと、右ストレートを当て返し、一進一退の展開に。だが中盤、高橋はRYOTAROをかわして中央側に回り込むと、ノーモーションで左ストレートを鼻に当ててダウンを奪う。終盤、RYOTAROはまたも持ち直し、右ストレートを当てるが、前に出続けていると、残り10秒近くのタイミングで、高橋が近距離で組みに行く動作の中で左ハイを放ち、首筋にクリーンヒット。不意を打たれたRYOTAROはダウンし、天井を見たまま動けず、高橋のKO勝ちとなった。試合後はセコンドの八須拳太郎とプロレスを見せ、本部席のシーザー会長を笑わせていた。
マイクを持った高橋は「勝ったんで、次の試合でタイトルでしょ、1位倒したんで。プロレスラーがSBのチャンピオンになるところ見てください」等とアピールした。
笠原直希、オートーとの再々延長の末に判定勝ち
第5試合 55.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
○笠原直希(シーザージム/SB日本スーパーバンタム級(55kg)1位)
×オートー・ノーナクシン(タイ/ノーナクシンジム/元ラジャダムナン認定バンタム級6位)
6R 判定3-0 (木村10-9/竹村10-9/若林10-9)
5R 判定1-0 (木村10-9/竹村10-10/若林9-10)
4R 判定0-1 (木村9-10/竹村10-10//若林10-10)
3R 判定1-0 (木村28-28/竹村28-29/若林28-28)
1R、オートーが左右のミドルを何発も当てる。直希は右ストレート、左右のボディブローで応戦する。ヒット数はオートーがやや多いが、直希は耐えている。記者採点はイーブン。
2R、直希は右ストレートをきっかけに、コーナーに詰めてのパンチ連打でオートーをひるませてチャンスを作る。中盤には直希が首投げでシュートポイント1を獲得する。終盤、オートーは左右のミドル、ハイのヒットを増やすと、終了間際に首投げでシュートポイント1を奪い返す。記者採点は直希で9-8。
3R、オートーはこのラウンドも首投げを多用するが途中で崩れ続ける。オートーはミドル、テンカオを当てつつ、右ストレートをヒット。終盤、直希も右ストレートを返し、激しい打ち合いで渡り合うが、オートーは組み付くと、首投げでまたもシュートポイント1を奪う。最後、オートーは勝利を確信したか?距離を取って反撃を封じて終える。記者採点はイーブンだがオートーもありうる。シュートポイントを合わせて9-10。合計28-28でイーブン。ジャッジは1者がオートーとしたが2者がイーブンで延長へ。オートーは手を広げ不満を示す。
4R、オートー左テンカオ、左右のミドルを随所でヒット。延長に持ち込んだ直希だが、口が開きしんどそうで、あと一歩踏み込めず、パンチを当てられなくなる。終盤、オートーはミドルのヒットを増やす。最後、ポイントにならないが、オートーが首投げで倒して終える。記者採点はオートー。ジャッジは木村氏のみオートーを支持したが、2者はイーブンとし再延長へ。オートーは不満げな表情を見せる。
5R、オートーは疲れが溜まっているものの、左ミドル、テンカオ、右ストレートを随所で当て、首投げも狙い、積極的に攻め続ける。だが終盤、攻撃が減ってしまうと、直希も右ストレートを当てるようになり、ロープに詰めての左フックで少しひるませ、最後は右ストレートを立て続けに当て、優位で終わる。記者採点は直希。ジャッジは木村氏のみ直希を支持したが、4Rはオートーにつけなかった若林氏が5Rは意外にもオートーに付け、竹村氏はイーブンとし、三者三様で再々延長の6R目へ。
6R、直希がプレッシャーをかけ、オートーがロープに近い側に立つ構図が続く。お互い疲れが溜まっているため攻撃が減るが、直希が中盤、右ボディ、ストレート、左ボディを随所で当て、少し優位に。終盤、オートーも右ハイを当てるが、すぐ直希が前に詰め、左ボディ、フックを単発で繰り返し当てて終える。記者採点は直希。ジャッジは3者とも直希を支持し、直希の判定勝ちとなったが、ジャッジの評価基準に疑問の残る試合だった。敗れたオートーは号泣しながらリングを降りた。
第4試合 66kg契約 3分3R(無制限延長R)
○村田聖明(シーザージム/SB日本スーパーライト級(65kg)1位、元SB日本スーパーフェザー級(60kg)王者)
×恵真[えしん](リバーサルジム立川ALPHA/アマチュアSB 2023-70kg王者)
判定3-0 (津山30-26/竹村30-27/若林30-26)
シーザー会長の息子・村田は22年9月以来約3年ぶりの試合。同年末の練習中にアキレス腱を断裂し休養が続いていた。今年3月で30歳になった。恵真はプロ修斗のバンタム級(61.2kg)で1敗1分の選手で、MMAなら1階級上のフェザー級相当での試合となる。
1R、体格で勝る村田が、サウスポーの恵真に対し、プレッシャーをかけ続け、右ミドル、ボディストレート等を当て優位に進める。2R、村田が右ミドルを効かせてから、右ストレートでダウンを奪う。3R、村田が最後、パンチの連打で追い詰め終了。村田が判定勝ちした。
第3試合 オープンフィンガーグローブマッチ スーパーライト級(65kg) 3分3R(無制限延長R)
○樋沼朝光(RIKI GYM)
×奥田啓介(ANIMAL☆PLANET/BLUE DOG GYM)
1R 2’53” TKO (レフェリーストップ:右フックで2ダウン後)
片山魁、コウシとの10代対決制す
第2試合 51kg契約(肘有り) 3分3R(無制限延長R)
○片山 魁(TEAM FOREST/SB日本フライ級(50kg)1位)
×コウシ・ノーナクシン[曽我昂史](ウォーワンチャイプロモーション/WMOインターナショナル・ミニフライ級王者)
判定2-0 (津山30-29/若林30-30/木村30-28)
関係者からも注目度の高かった高校生対決は、高度な技術戦に。片山はデビューから4連勝の16歳。コウシはムエタイで活躍する17歳でSBに初参戦した。
1R、サウスポーの片山に対し、コウシはプレッシャーをかけ、右テンカオ、ミドルを当てる。片山も左ストレート、首投げで応戦する。終盤、コウシは右ミドルを立て続けに当てるが、膝をねじ込むような当て方も織り交ぜる。とはいえ片山はひるまず、左ボディストレートをお返しする場面も。ムエタイならコウシのラウンドと言えそうだが、ダメージ重視のSBルールでは、コウシが評価されなくても不思議ではない。記者採点はイーブン。
2R、片山が流れを変えようと、前に出る時間が増え、左ミドル、ストレート、右ジャブを当てるように。コウシは右ミドルを当てるが、1Rよりも蹴り数が減る。終盤、片山のおそらくパンチでコウシが左まぶたを切られてドクターチェックが入る。再開後、ストップを危惧したか?コウシは圧力を強め、右ミドルを連打する。右ミドルを空振りしても左ミドルを当てる場面も。片山も左ボディ、傷口を狙うような右ジャブで応戦し、明確な差はつけさせない。記者採点はイーブンだが、パンチとカットとミドルの解釈で三者三様となる可能性はある。
3R、片山が左ミドル、ストレートを振えば、コウシはスウェー等でかわし、笑顔で挑発してから右ミドルをヒット。さらに右ミドルを当てるが、同時に片山も左ストレートをカウンターで返し、さらに左ボディ、フックも当てる。するとコウシは首相撲で捕まえて膝蹴りを連打し、タイ人のよな試合運びを見せる。中盤、片山が左ストレート、ミドルのコンビネーションを決めれば、コウシは蹴り足をつかんで倒し、攻められたままでは終わらない。終盤、片山の左フックのカウンターで、コウシは右ミドルの動きで膝をボディにヒット。さらに右テンカオも当て、最後まで前に出続ける。とはいえ片山も回るステップのスピードが最後まで落ちず、コウシは捕まえきれないまま終わる。記者採点は中盤以降若干優位だったコウシだが、イーブンもありうる。合計29-30でコウシ。ジャッジは1者がイーブンとしたが、2者はやはりパンチやカットを評価したか?片山を支持し、片山の判定勝ちとなった。
コウシは敗れたがインパクトを残し、中継の解説を務めたRENAも「SBの順応力が高すぎて、また出てほしい」と讃えていた。
第1試合 66kg契約 3分3R(無制限延長R)
×野口貴大(シーザージム新小岩)
○庄司啓馬(TEAM TEPPEN/M-1日本ライト級王者)
4R 判定3-0 (8-10/8-10/8-10)
3R 判定1-0 (29-29/29-28/29-29)
オープニングファイト スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(無制限延長R)
○鈴木 颯(TEAM FOREST/アマチュアSB2024 -60kg級全日本王者)
×山口隆弥(AFC)
1R 1’16” TKO (レフェリーストップ:左膝蹴り)