ONE 5.23 ルンピニー(レポ):与座優貴、ONE初戦はONE 6戦全勝のオスマノフを蹴りで圧倒し判定勝ち。海人はシアサラニに攻め封じられ判定負け
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ONE Friday Fights 109
2025年5月23日(金)タイ・バンコク:ルンピニースタジアム
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)ONE Championship
与座優貴、ONE初戦はONE 6戦全勝を蹴りで圧倒し判定勝ち
第4試合 キックボクシング バンタム級(65.8kg) 3分3R
×エルブルース・オスマノフ[Elbrus Osmanov](ロシア/アクマット・キックボクシング/チーム・メディ・ザトゥ)
○与座優貴(team VASILEUS/元K-1ライト級(62.5kg)王者、極真会館2017世界ウェイト制軽量級優勝)
判定0-3
与座はキック21戦19勝(9KO)2敗の26歳。17年、19歳で極真会館の世界ウェイト制大会で優勝。19年3月にプロキックデビューし、20年2月のKNOCK OUTで鈴木千裕に判定負けし8戦目で初黒星。21年12月からK-1 GROUPに参戦し、23年3月に朝久泰央を下しK-1ライト級王座を獲得した。その後2連勝し、昨年3月のRISEではRISEライト級(63kg)王者の中村寛に3R負傷判定勝ち。7月のK-1では元K-1ライト級王者のゴンナパー・ウィラサクレックを1R KO。9月のK-1では元ONEキック・フライ級(61kg)王者のペッダムを3R左カーフキックでKOし10連勝としていた。今年4月17日付でK-1王座の返上が受理され、K-1との契約も満了。22日、ONEとの「独占複数試合契約」が発表された。
オスマノフはキック12戦12勝、ONE 6戦6勝(1KO)の23歳。23年2月のONEフライデーファイツ3から同シリーズにレギュラー参戦、初戦では1RバックスピンキックでKO勝ちし、以降は昨年12月の試合まで全て判定勝ちしている。オスマノフは与座のONE参戦発表の直後、Instagramで与座の対戦相手として立候補していた。
1R、与座が序盤からプレッシャーをかけ、左インロー、インカーフを強打する。オスマノフも右ローを返し、バックスピンキックを多用して与座に入らせないようにする。だが中盤も与座は執拗にロー、カーフを当て続け、終盤には早くもオスマノフが足が流れがちに。オスマノフがサウスポーに切り替えれば、すぐに与座もサウスポーに切り替えて対応し、左ローを当て、オスマノフをじわじわ追い詰める。記者採点は与座。
2R、与座は臨機応変に相手に合わせスイッチを繰り返し、ロー、カーフ、ミドル、三日月蹴りを自在に当てる。与座は随所で軸足刈りも絡め度々転がす。オスマノフもパンチやバックハンドブローや廻し蹴りを出すが、与座はブロックを続け、ダメージを負わない。記者採点は与座。
3R、与座は変わらずスイッチを繰り返しながらロー、ミドル等の蹴りを当て続ける。クリーンヒットはならないものの左フックの頻度も上がる。オスマノフはバックハンドブローを時折出すが空振りが続く。最後、与座は胴回し回転蹴りも出し、空振りになるものの、余裕を見せつけて終了する。記者採点は与座。ジャッジ3者も与座を支持し、与座が判定勝ちした。
勝利者インタビューで与座は「夢見てたONEの舞台で勝ててうれしいです」と話し、グローブを外した両手が素手なのを見たアナウンサーから「バンデージは巻かないんですか」と聞かれると、「アイムクレイジー。ぶっ飛んでるんでバンデージはいらないです」と答えて笑わせた。その後、与座は何かアピールしたそうだったが、インタビューはここで終わった。
海人、ONE初戦はシアサラニに攻め封じられ判定負け
第3試合 キックボクシング フェザー級(70.3kg) 3分3R
○モハメド・シアサラニ[Mohammad Siasarani](イラン/チーム・メディ・ザトゥ)
×海人(TEAM F.O.D/シュートボクシング(SB)世界スーパーウェルター級(70kg)王者、KNOCK OUT-BLACK同級王者、RISEミドル級(70kg)王者、元SB日本スーパーライト級(65kg)王者)
判定3-0
海人は27歳でONE初参戦。シュートボクシング・RISE・KNOCK OUTの王者で、22年6月のTHE MATCHには野杁正明に延長判定勝ちしている。23年8月のGLORYオランダ大会でティジャニ・ベスタティのGLORYライト級王座に挑戦したが判定負けし連勝が18でストップ。その後、マサロ・グランダー、ジェームズ・コンデを1R KO。昨年2月のSBでは元ONE&ルンピニー王者・ペットモラコットに延長判定負けしたが、4月に海人がSB世界王座を懸けて再戦し判定勝ちでリベンジした。海人は再び1年後のGLORY王座奪取を目指し、6月から12月までGLORYの元王者・ランカー相手に4連勝(2KO)していたが、武尊×ロッタンの行われる3月のONE日本大会の出場オファーを受け、元K-1&GLORY王者・マラット・グレゴリアンとの試合が組まれた。
だが前日計量でグレゴリアンが体重オーバー。海人と所属先のSB協会はグレゴリアンのハイドレーションテスト(尿比重検査)への疑念を示し、試合を拒否したところ、ONEのチャトリ・シットヨートンCEOが「怖がって楽な道を選んだのでしょう」「小さいプロモーションで戦っていればいい」等と海人を批判した。これにSB協会は抗議文を提出し、チャトリ氏は海人に直接謝罪し、和解が成立した。ONEは5月初旬の海人×グレゴリアンを提案したが、グレゴリアン側の調整がつかず、代わりにシアサラニを提案した。海人はSB 6月22日 後楽園ホール大会でのエンリコ・ケール戦が決まっていたが、海人の希望で、1か月前の5月23日のONE初戦が半月前に発表された。
シアサラニは22歳。23年からONEフライデーファイツに参戦し7戦5勝2敗で、元GLORY王者でもあるシッティチャイにムエタイルールで判定勝ちし、4月18日には野杁正明に勝っているリウ・メンヤンに判定勝ちしている。
1R、シアサラニが右ローを当てると、海人は蹴り足をつかんでしまい、レフェリーから注意を受ける。中盤、シアサラニは引き続き右ローを当てていたが、途中からサウスポーに切り替え、左ミドル、ローを当てるように。終盤、海人はプレッシャーをかけ、ロープ際まで詰めるが、なかなか攻撃が出せない。シアサラニも攻撃が増えないが、最後にワンツーと左ミドルを当て、印象を作って終える。記者採点はシアサラニ。
2R、シアサラニは変わらずサウスポーをキープして距離を取り、随所で左ミドルを当て、右ジャブも絡め、僅差ながら主導権をキープする。最後、海人は右ミドル、インロー、左ボディを当て、手数で巻き返すが、トータルヒット数の差を埋めることはできない。記者採点はシアサラニ。
3R、シアサラニはオーソドックスも織り交ぜ、サウスポーから左ミドルを当て、海人が詰めてくればクリンチで対処する。海人が左フックを当てても、すぐにシアサラニは左アッパーを返す。中盤過ぎ、海人が右の三日月蹴り、インローのヒットを増やし、ようやく攻撃が目立つように。終盤、ミドル、パンチの応酬で、シアサラニも攻撃を返し、クリンチも織り交ぜ、海人の反撃を封じて終える。記者採点は僅差だが海人。合計29-28でシアサラニ。ジャッジ3者も順当にシアサラニを支持し、シアサラニが判定勝ちし、海人のONE初戦は判定負けに終わった。