ROAD TO UFC 5.22 上海(レポ):2日目の日本勢は5人全敗。エフェヴィガ雄志と伊藤空也は判定負け。井村塁・神谷大智・佐藤生虎はTKO負け
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ROAD TO UFC Season 4 episode 3&4
2025年5月22日(木)中国・上海:UFCパフォーマンス・インスティチュート上海
レポート:井原芳徳 (U-NEXTで生中継)
UFCのアジア・オセアニア地域の選手のトライアウト・トーナメント「ROAD TO UFC シーズン4」が、今年も開催された。今回は男子4階級・各階級8選手ずつが参加し、日本からは4階級に2選手ずつ、全8人がエントリーした。過去3回で日本勢では中村倫也、風間敏臣、鶴屋怜がUFCとの契約を勝ち取った。5月22日・23日の2日間に渡って一回戦が行われ、トーナメント以外のワンマッチにも日本から2選手が参加している。準決勝は8月22日に今回同様上海で行われる。
エピソード4 第5試合 ROAD TO UFCシーズン3 フェザー級決勝 5分3R
×シエ・ビン(中国)13勝4敗
○ズー・カンジエ(中国)20勝4敗
判定1-2 (27-30/28-29/29-28)
※ズーが優勝
※去年から延期となっていた試合
エフェヴィガ雄志、オーストラリアの選手に3R反撃も判定負け
エピソード4 第4試合 ライト級 5分3R
×エフェヴィガ・ヤニック・雄志(TRIBE TOKYO MMA/修斗ライト級環太平洋王者・世界1位)11勝0敗
○ドム・マー・ファン(オーストラリア)6勝2敗
判定0-3 (27-29/27-29/27-29)

SHANGHAI, CHINA – MAY 22: Yuji Ephoevi-Ga of Japan poses on the scale during the Road to UFC weigh-in at the Sheraton Four Points Hotel on May 22, 2025 in Shanghai, China. (Photo by Cooper Neill/Zuffa LLC)
1R、マー・ファンがタックルを仕掛け、エフェヴィガを金網に押し込み続ける。エフェヴィガが押し返す場面もあり、度々ポジションが入れ替わる。エフェヴィガが離れ際に左ボディを当てると、マー・ファンは苦しそうにする。終盤、エフェヴィガは離れ、左ローをヒットするが、マー・ファンはタックルを仕掛けて倒して、ハーフで押さえる。マー・ファンは最後まで押さえつつ、パウンドと肘を随所で当て、やや優位で終える。記者採点は僅差だがマー・ファン。

SHANGHAI, CHINA – MAY 23: (L-R) Dom Mar Fan of Australia punches Yuji Ephoevi-Ga of Japan in their lightweight fight during the Road to UFC event at UFC Performance Institute on May 23, 2025 in Shanghai, China. (Photo by Cooper Neill/Zuffa LLC)
2R、マー・ファンが押し込むが、またもエフェヴィガはクリンチしつつ左ボディを当てる。それでもマー・ファンはしがみつき、タックルで倒して上になる。中盤、マー・ファンはトップキープし、時折体を起こしてスペースを作ってパウンドと肘を当てていると、右肘でエフェヴィガの左まぶたを切り裂く。終盤、マー・ファンがハーフから足を抜いてマウントへ。エフェヴィガは金網際で立つが、マー・ファンはすぐバックを奪う。マー・ファンは裸絞めを極め、エフェヴィガは苦しそうにしつつも体をひねって脱出したが、最後もマー・ファンが上から右肘を強打して追い詰めて終える。記者採点はマー・ファン。ジャッジは3者とも8-10とつける。

SHANGHAI, CHINA – MAY 23: (L-R) Yuji Ephoevi-Ga of Japan punches Dom Mar Fan of Australia in their lightweight fight during the Road to UFC event at UFC Performance Institute on May 23, 2025 in Shanghai, China. (Photo by Cooper Neill/Zuffa LLC)
3R、エフェヴィガはマー・ファンを金網に押し込み、左ボディ、肘を連打して反撃するが、中盤、離れると、マー・ファンが左右のストレートを立て続けに当て、エフェヴィガは後退する。エフェヴィガは離れ、左ボディ、肘を当て返す。マー・ファンも左ストレートを当て、一進一退の削り合いに。エフェヴィガが左ボディを当てると、マー・ファンはタックルでしがみつき追撃を封じる。終盤は両者ダメージが蓄積して、しんどそうで、コーナー際での押し合いが続く。エフェヴィガは離れての打撃戦に持ち込めず終わる。記者採点はエフェヴィガ。合計28-29でマー・ファン。ジャッジ3者とも27-29でマー・ファンを支持し、エフェヴィガは判定負けに終わると共に、デビュー以来の連勝が11で止まった。

SHANGHAI, CHINA – MAY 23: (R-L) Dom Mar Fan of Australia reacts after is victory over Yuji Ephoevi-Ga of Japan in their lightweight fight during the Road to UFC event at UFC Performance Institute on May 23, 2025 in Shanghai, China. (Photo by Cooper Neill/Zuffa LLC)
エピソード4 第3試合 バンタム級 5分3R
×ジャン・チンハ(中国)8勝3敗
○ローレンス・ルイ(ニュージーランド)5勝1敗
判定0-3 (28-29/28-29/27-29)
神谷大智は失速し2R TKO負け
エピソード4 第2試合 ライト級 5分3R
○キム・サンウク(韓国)11勝3敗
×神谷大智(BRAVE/パンクラス・ライト級11位)6勝0敗
2R 3’53” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、神谷がサウスポーで構え、左ストレートを当ててから組み付き、金網に押し込み、片足タックルから足を掛けて倒す。神谷が金網際で押さえ、立たれてもすぐ押し込む展開を繰り返す。中盤過ぎから神谷はトップキープする。残り1分、サンウクはスタンドに戻し、神谷は下がり気味になるが、攻撃は許さない。最後、神谷がテイクダウンを奪うが、サンウクが返して上になって終える。記者採点は神谷。

SHANGHAI, CHINA – MAY 23: (R-L) Daichi Kamiya of Japan punches Sangwook Kim of South Korea in their lightweight fight during the Road to UFC event at UFC Performance Institute on May 23, 2025 in Shanghai, China. (Photo by Cooper Neill/Zuffa LLC)
2R、サンウクは右ミドルを連打するが、神谷は蹴り足をつかんで倒す。神谷はバックを狙うが、サンウクは振り落とす。スクランブル状態となり、サンウクが初めてバックを取る。神谷は息が荒く少し疲れた様子だ。するとサンウクはマウントを奪い、パウンドを当てる。サンウクがバックに回ると、神谷は脱出して立つ。だが神谷はパンチを振るものの力が入らない。サンウクは首相撲で神谷を捕まえ、膝を連打してから、顔面とボディにパンチを当て続けると、神谷はダウンする。サンウクはサイドで押さえ、両足で神谷の片足を挟むマット・ヒューズ・ポジションをキープして身動きを取らせず、パウンドを当て続けたところでレフェリーがストップした。

SHANGHAI, CHINA – MAY 23: Sangwook Kim of South Korea reacts after his TKO victory over Daichi Kamiya of Japan in their lightweight fight during the Road to UFC event at UFC Performance Institute on May 23, 2025 in Shanghai, China. (Photo by Cooper Neill/Zuffa LLC)
井村塁、ベトナムの選手に2R TKO負け
エピソード4 第1試合 バンタム級 5分3R
×井村 塁(ALMA FIGHT GYM PUGNUS/パンクラス・バンタム級1位)12勝4敗
○ギエム・ヴァン・イ(ベトナム)5勝1敗
2R 4’04” TKO (レフェリーストップ:右ストレート→グラウンドパンチ)
1R、井村がサウスポーで構えて、中央からプレッシャーをかけ、時折左ミドルを当てるが、まだ攻撃は少ない。中盤、ギエムも右ミドルを返すように。すると井村はタックルを仕掛け、胴を抱えて倒し、立たれてもコントロールし、金網際でオンブになってバックマウントを奪う。ギエムはしゃがんで前方に落とそうとするが、井村がバックキープし、裸絞めを狙い続ける。残り1分を切り、井村がグラウンドでバックキープし、パウンドを連打して終える。記者採点は井村。

SHANGHAI, CHINA – MAY 23: (L-R) Rui Imura of Japan punches Nghiem Van Y of Vietnam in their bantamweight fight during the Road to UFC event at UFC Performance Institute on May 23, 2025 in Shanghai, China. (Photo by Cooper Neill/Zuffa LLC)
2R、井村は1R同様に中央に立つが、なかなか詰めず、ギエムも攻められない状態が続く。中盤、井村がタックルを仕掛けると、ギエムが切りつつ右フックを合わせ、井村は一瞬膝をついてしまう。しばらくギエムに詰められるが、追撃を許さず、再び井村が中央に立つ。だが終盤、井村がまたも前に出てきたところで、ギエムが右ストレートをガードの隙間からヒットしダウンを奪う。井村はタックルで難を逃れようとするが、ギエムはがぶって押さえて、パウンドを当て続けたところでレフェリーがストップした。

SHANGHAI, CHINA – MAY 23: (R-L) Nghiem Van Y of Vietnam reacts after his TKO victory over Rui Imura of Japan in their bantamweight fight during the Road to UFC event at UFC Performance Institute on May 23, 2025 in Shanghai, China. (Photo by Cooper Neill/Zuffa LLC)
エピソード3 第5試合 バンタム級 5分3R
○スーランランボ(中国)8勝3敗
×ピーター・ダナソー(タイ)8勝3敗
1R 3’48” TKO (レフェリーストップ:右ストレート→グラウンドパンチ)
エピソード3 第4試合 ライト級 5分3R
×ジャック・ベッカー(オーストラリア)13勝5敗
○パク・ジェヒョン(韓国)7勝3敗
2R 3’56” TKO (レフェリーストップ:グラウンドエルボー)
伊藤空也、シンガポールの選手の組技に手を焼き判定負け
エピソード3 第3試合 バンタム級 5分3R
×伊藤空也(BRAVE/GRACHAN&Eternalバンタム級王者)17勝8敗1分
○シン・カイ・シオン(シンガポール)6勝1敗
判定0-3 (27-30/28-29/28-29)
1R、スタンドの軽めの攻防の後、中盤、シンがタックルを仕掛けテイクダウンを奪う。シンは金網に伊藤を押し付け、立たれそうになっても抱えて倒す。終盤、伊藤はスタンドに戻し、プレッシャーをかけるが、攻撃が少なく、パンチや蹴りも出しても強打につながらない。シンは回って距離を取り、スイッチも織り交ぜ、左ミドルや右フックを返しつ続ける。記者採点はシン。

SHANGHAI, CHINA – MAY 22: (L-R) Kuya Ito of Japan punches Sim Kai Xiong of Singapore in their bantamweight fight during the Road to UFC event at UFC Performance Institute on May 22, 2025 in Shanghai, China. (Photo by Cooper Neill/Zuffa LLC)
2R、シンはまたもタックルで倒し、伊藤は首をつかんでギロチンチョークを仕掛けようとするが、シンは防御して外す。伊藤はまもなくスタンドに戻す。中盤、伊藤はプレッシャーをかけ続け、なかなか攻撃が出なかったが、右ローを当ててから前に出ると、シンが右フックを当て、伊藤をひるませる。だがシンが右フックを放つと、今度は伊藤が右フックを当て返してひるませる、一進一退の展開に。シンはすぐタックルを仕掛けて倒し、金網際で押さえて難を逃れる。終盤、シンは押さえ続け、1分を切るとサイドに移る。シンが鉄槌を当てると、伊藤はスタンドに戻すが、立ち際にシンは左フックを当て、細かいながらも打撃で印象を作り続けて終える。記者採点は僅差だがシン。お互いパンチでひるませたところまでは五分で、終盤のシンの攻勢で差がついたと評価した。
3R、伊藤はまたもタックルで倒し、金網際で押さえる。伊藤は1分足らずでスタンドに戻す。伊藤は左ミドルを当てる場面もあるが、中盤にはまたもシンがタックルで倒す。これも伊藤がすぐ立つが、シンは左フックを当て、切られてもタックルを繰り返し、積極性では上回る。終盤、シンは伊藤を金網に押し込も続けてから、またも倒して上になる。立たれてもまたすぐにシンはタックルを仕掛ける。残り30秒、伊藤は圧力を強め、左フックを当てる場面もあったが、シンも二段式の左ハイを返し、反撃を封じて終える。記者採点は僅差だがシン。コントロール時間の長さと積極性を評価したが、最後の打撃で伊藤が評価される可能性もある。合計27-30でシン。ジャッジ3者も順当にシンを支持し、シンが判定勝ちした。

SHANGHAI, CHINA – MAY 22: (R-L) Sim Kai Xiong of Singapore reacts after his victory over Kuya Ito of Japan in their bantamweight fight during the Road to UFC event at UFC Performance Institute on May 22, 2025 in Shanghai, China. (Photo by Cooper Neill/Zuffa LLC)
エピソード3 第2試合 ライト級 5分3R
○レン・ヤーウェイ(中国)8勝3敗
×デニ・ダファ(インドネシア)6勝1敗
1R 2’01” フロントチョーク
佐藤生虎は56秒TKO負け
エピソード3 第1試合 非トーナメント戦 ウェルター級 5分3R
×佐藤生虎[しょうご](UNITED GYM TOKYO/パンクラス・ウェルター級王者)6勝0敗1無効試合
○キット・キャンベル(オーストラリア)14勝7敗
1R 0’56” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

SHANGHAI, CHINA – MAY 22: (L-R) Kitt Campbell of Australia elbows Shogo Sato of Japan in their welterweight fight during the Road to UFC event at UFC Performance Institute on May 22, 2025 in Shanghai, China. (Photo by Cooper Neill/Zuffa LLC)
佐藤は4月27日のパンクラスでウェルター級王座を獲得したばかり。大会1週間前、急きょRoad to UFC参戦が発表され、上海に乗り込んだが、体格差で圧倒される。
1R、18センチ長身のキャンベルがプレッシャーをかけ、佐藤がサウスポーで構えて、いきなり前に出て左フックを放つ展開を繰り返すが、キャンベルは下がってかわし続ける。するとキャンベルは首相撲で捕まえ、左膝蹴りを顔面に当てて倒す。キャンベルはトップポジションから右のパウンドを当て続ける。佐藤がブロックして防御を続けるが、もらいっぱなしになったため、レフェリーがストップした。

SHANGHAI, CHINA – MAY 22: (R-L) Kitt Campbell of Australia reacts after his TKO victory over Shogo Sato of Japan in their welterweight fight during the Road to UFC event at UFC Performance Institute on May 22, 2025 in Shanghai, China. (Photo by Cooper Neill/Zuffa LLC)
ROAD TO UFC 5.22 上海(レポ):フェザー級は中村京一郎が2R KO勝ち、青井人がユン・チャンミンに判定負け。フライ級の山内渉と吉田開威はKO負け。ワンマッチの松田亜莉紗は判定勝ち