RIZIN 7.30 さいたまスーパーアリーナ：朝倉未来、ケラモフ戦は「俺から指名させてもらいました」。堀口恭司×神龍誠のベラトールフライ級王者決定戦、マッキー×パトリッキーのベラトールライト級GP一回戦、朝倉海×アーチュレッタのRIZINバンタム級王者決定戦も

　超RIZIN.2 powered by U-NEXT（7月30日（日）さいたまスーパーアリーナ）の開催が発表された。
　超RIZIN（スーパーライジン）は昨年9月に初開催され、第1回はフロイド・メイウェザーと朝倉未来のエキシビションマッチがメインイベントだった。第2回は昨年大晦日大会以来となるベラトールとのコラボレーション大会で、前半は試合場に円形ケージを使用してのベラトールの大会、後半は四角いリングを使用してのRIZINの大会の2部構成となる。
　第1弾決定カードとして、ベラトール部門では堀口恭司 vs. 神龍誠のフライ級王者決定戦、AJ・マッキー vs. パトリッキー・“ピットブル”・フレイレのライト級GP一回戦、RIZIN部門では朝倉海 vs. フアン・アーチュレッタのバンタム級王者決定戦、フェザー級・朝倉未来 vs. ウガール・ケラモフの2試合ずつが発表されている。

　　

東急歌舞伎町タワー前の公開会見にベラトール勢も登場

　5月27日、東京・新宿に4月オープンした東急歌舞伎町タワーの前で行われた公開記者会見で、大会の概要と第1弾決定カードが発表された。会場側の事情により場所は非公開だったが、設営中の光景がTwitter上で拡散されたこと等により場所が判明し、タワー前の通称「トー横」広場には多数のRIZINファンが集まった。会見には朝倉未来・神龍誠といったRIZIN勢だけでなく、ベラトールからスコット・コーカー代表や、今大会で対戦が決まったAJ・マッキーとパトリッキー・“ピットブル”・フレイレも登場した。

試合場は第1部ケージ→第2部リング。会場は従来のメインアリーナモード。U-NEXTで独占中継

　RIZINの榊原信行CEOは「7月30日は前半、海外でしか見られなかったベラトールの世界がケージで再現されます。その後、ケージを飛ばして、同じ場所でPRIDEを見れます…、すみません、RIZINが見れます。ケージとリング、一粒で2度おいしい、こんな大会は無かったです。ベラトール、RIZIN、合体し、その二つを皆さんにお見せします」「（ベラトール部門の終了後）ケージをワイヤーで釣って、イリュージョンのようにリングに作り変えます」と概略を説明した。リングからケージに変わる設備はベラトールが保有し、現在イタリアから船で運んでいるという。会見後の囲み取材では「ベラトールパートは米国のプライムタイムに合わせた時間に放送します。ケージをリングに変える時間を1時間～1時間半設け、RIZINパートは4時半ぐらいからになると思います」と補足した。

　「超RIZIN」となる今回、さいたまスーパーアリーナの客席配置について、最大約4万人収容の「スタジアムモード」の案もあったが、これまで通り最大約2万5千人収容の「メインアリーナモード」が採用される。榊原氏は「スタジアムバージョンだと客席のレベル（＝高さ）が同じになって、東京ドームのようにフラットになってしまう。せっかく高いチケットを買ったのに、見えない環境で見せるのは本末転倒になる」と理由を説明した。
　「powered by U-NEXT」と大会名につき、大会の模様はU-NEXTとRIZIN公式配信プラットフォームのRIZIN 100 CLUBでPPV生配信される。「今後RIZINはABEMAで放送しない？」という質問も飛んだが「そんなことはないです。今回に限ってです」と榊原氏は説明した。U-NEXTがベラトールを日本で独占放送していることも、今回の配信形式となった背景にあるようだ。

　「現状、ベラトールパート6試合、RIZINパート9試合を考えています」と榊原氏。ベラトールの試合は普段のベラトール同様、米国統一（ユニファイド）ルールが採用される。今回は本格派の4試合が発表されたことから、前回の超RIZINのような「お祭り的カードは？」という質問も出たが、榊原氏は「変化球、魔球をガンガン投げて、みんなの期待をいい意味で裏切ります。お祭りにしたいです」と話している。
　チケット料金は未定。RIZINファンクラブ抽選先行は6月9日～11日、RIZIN公式サイト抽選先行は6月14日に受付が行われる。一般発売は6月25日午前10時からで、今回も激しい争奪戦となりそうだ。

堀口恭司×神龍誠、ベラトール初代フライ級王座懸け激突

ベラトール初代フライ級（56.7kg）王者決定戦　5分5R
堀口恭司（アメリカントップチーム／ベラトール・バンタム級6位・元王者、元RIZIN同級王者、元修斗世界同級王者、元UFCフライ級3位）
神龍　誠（神龍ワールドジム／DEEP＆CFFCフライ級王者）

　「フライ級GP」開催の可能性もあったRIZINフライ級戦線だが、ベラトールでも今年になって新設されたことで、日本人トップクラス同士の対決が、ベラトールのベルトを懸けて実現する。
　堀口はベラトールのバンタム級上位戦線でセルジオ・ペティス、パッチー・ミックスに連敗し、9月のRIZINでは金太郎にパンチでダウンを奪われるも2R肩固めで逆転一本勝ち。体格差に苦しむ試合が続いたことから、大晦日のRIZINの扇久保博正戦から、UFC時代と同じフライ級に戻し判定勝ちした。堀口の階級変更に伴い、ベラトールもこれまで無かったフライ級を本格始動させることに。4月のハワイ大会ではレイ・ボーグとのフライ級戦が組まれたが、ボーグが減量苦で試合を辞退し中止となっていた。
　神龍は昨年5月のDEEPでフライ級暫定王者の藤田大和と王座統一戦を行い、3Rニンジャチョークで一本勝ち。7月のRIZIN埼玉大会では所英男に判定勝ちした。UFC参戦を目指し、11月にはフロリダのCFFCに参戦すると、ディエゴ・パイヴァに勝利しCFFCフライ級王座を獲得。ニンジャチョーク（神龍の命名ではドラゴンデスロール）での一本勝ちは、CFFCおよび大会を配信したUFCファイトパスのサブミッション・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。4月のRIZIN大阪大会では北方大地を圧倒して2R肩固めで一本勝ちすると、「俺がフライ級最強なんで、日本のフライ級で強い奴、ぶっ倒します。堀口（恭司）選手、（元UFCフライ級1位のジョン・）ドッドソン、殺してやるよ」とアピールしていた。

　この一戦について榊原CEOは「神龍がベラトールと契約するということではないです。堀口とダイレクトリマッチで今度はRIZINのベルトを懸けて戦うとか、画期的なことを今後進めたいです」と囲み取材で説明している。

◆神龍
　フライ級日本最強の神龍誠です。堀口選手の時代は終わりなんで、俺がぶっ倒して3つ目のベルトを俺が取ります。

◆堀口（リモート参加）
　ベラトールにフライ級を設立してもらいありがとうございます。神龍君はいい選手だと思いますけど、当日ぶっ倒します。

ベラトール・ライト級GP一回戦・AJ・マッキー×パトリッキーを日本で実施

ベラトール・ライト級GP一回戦　5分5R
AJ・マッキー（米国／チーム・ボディショップMMA／ベラトール・ライト級5位、フェザー級5位・元王者）
パトリッキー・“ピットブル”・フレイレ（ブラジル／ピットブル・ブラザーズ／ベラトール・ライト級2位・元王者）

　マッキーは15年のプロデビュー戦からベラトール一筋の選手で戦績21戦20勝1敗。19～21年にかけて行われたベラトール・フェザー級GPではダリオン・コールドウェル、パトリシオらを破り優勝すると共にフェザー級王者に。今年4月にパトリシオに敗れ王座陥落し、プロ19戦目で初黒星を喫した。10月の試合ではライト級に階級を上げてスパイク・カーライルに判定勝ち。大晦日のRIZINではRIZINライト級王者のホベルト・サトシ・ソウザの柔術技を封じて判定勝ちし、2戦連続で日本での試合となる。

　パトリッキーは昨年大晦日にクレベル・コイケに判定勝ちしたベラトール・フェザー級王者・パトリシオ・フレイレの兄。19年のRIZINライト級GPでは川尻達也とルイス・グスタボを1R KOしたが、決勝ではトフィック・ムサエフに判定負けした。21年11月にベラトール・ライト級王者となったが、昨年11月にウスマン・ヌルマゴメドフに敗れ王座陥落した。
　今年開幕のベラトール・ライト級GPでのマッキーとパトリッキーとの一回戦が冬の時点で発表済で、会場は開催日は長らく未定のままだった。

◆マッキー
　6カ月ぶりの試合で6カ月ぶりの日本です。金網でやれることを全て見せます。タフな相手ですが素晴らしい試合を見せます。

◆パトリッキー
　日本では4年ぶりの試合で楽しみです。マッキーは危険な相手ですが、お客さんが熱狂する試合をします。

朝倉未来、ケラモフ戦は「俺から指名させてもらいました」「今年中にクレベルも倒す」

RIZIN MMA　フェザー級（66kg）　5分3R
朝倉未来（トライフォース赤坂／元THE OUTSIDER 65-70kg級・60-65kg級王者）
ヴガール・ケラモフ（アゼルバイジャン／オリオン・ファイトクラブ）

　朝倉兄弟の兄・未来は21年大晦日大会での斎藤裕との再戦で判定勝ちしリベンジに成功。昨年9月の超RIZINではフロイド・メイウェザーとボクシング形式のエキシビションマッチを行い、右フックでダウンを喫したところでエキシは終了し、その際のダメージで頭痛が続き、昨年大晦日出場は回避していた。4月29日の代々木大会では約1年5か月ぶりにMMAの試合を行い、前RIZINフェザー級王者の牛久絢太郎の組技を封じて判定勝ちした。

　ケラモフは21年6月の東京ドーム大会で当時フェザー級王者の斎藤裕とのノンタイトル戦で判定負け。昨年4月には中島太一に一本勝ちし、7月に山本空良に判定勝ち。今年4月の大阪大会では堀江圭功に2R裸絞めで一本勝ちし3連勝中だ。クレベル・コイケの持つフェザー級王座挑戦を希望しているが、コイケは6月24日の札幌大会での鈴木千裕との防衛戦を控える。4月末の代々木大会で山本に判定勝ちした金原正徳は、ケラモフとの対戦を熱望していたが、未来の希望が先に通った形だ。

◆未来
　ケラモフ選手のことはコアなファン以外に知られていないと思いますが、フェザー級で一番強いんで、俺から指名させてもらいました。ケラモフを倒して今年中にクレベルも倒します。
（このタイミングでケラモフとやろうと考えた理由）フェザー級で斎藤選手と牛久選手に立て続けに勝っているんで、クレベルと2年前にやった時よりかなり強くなったと証明できたと思います。ケラモフは一緒に練習したことのある堀江君相手にあの勝ち方をしたんで強いと思いました。タイトルマッチを組んでもらえると思ったんですけど、クレベルが中堅（＝鈴木）選手と遊んでいるんで、その間に俺はもっと険しい道を行ってやるよっていう、クレベルに対する試合です。

（ケラモフの印象と試合展開）レスリングが強いですけど、俺の腰が強いんで、テイクダウンに入ろうとするほど消耗して、後半打撃で俺が勝つと思います。
（3カ月という短い間隔での試合について）怪我が無かったですし、社長が超RIZINを立ち上げたんで、俺が出なきゃいけないと思って出ました。（※隣の榊原氏は苦笑）

◆ケラモフ
　皆さんが満足できる試合をします。未来はスタンドでもグラウンドでも強いですが、私も負けていません。

朝倉海×アーチュレッタ、RIZINバンタム級王座決定戦を予定通り実施

MMA　第5代RIZINバンタム級（61kg）王者決定戦　5分3R
朝倉　海（トライフォース赤坂／元RIZINバンタム級王者、元THE OUTSIDER 55-60kg級王者）
フアン・アーチュレッタ（米国／ザ・トレーニングラボ、HBアルティメット＆グレイシーバッハ／ベラトール・バンタム級3位・元王者）

　堀口恭司がフライ級転向のため返上したRIZINバンタム級王座を巡り、5月6日の有明大会では事実上の王座決定トーナメント準決勝として、朝倉海 vs. 元谷友貴、井上直樹 vs. フアン・アーチュレッタが組まれ、海は元谷を3R左膝でKOし、アーチュレッタが井上に判定勝ちし、両者の王座決定戦が予定通り今大会で行われる。
　第3代王者・海は20年大晦日、堀口にリベンジを許しRIZINバンタム級王座から陥落。21年のバンタム級日本GPで渡部修斗、アラン“ヒロ”ヤマニハ、瀧澤謙太を下し決勝に進んだが、扇久保博正に敗れた。昨年7月の沖縄大会でヤン・ジヨンと戦う予定だったが、大会直前に右拳の怪我が発表され試合が中止となった。その後手術し、今年5月大会で約1年半ぶりに復帰。米国の名門・シンジケートジムでの1か月の練習の成果も発揮し、元谷を粉砕した。
　アーチュレッタは18年からベラトールに上がり、20年9月にパトリック・ミックスに判定勝ちしバンタム級王者になる。21年5月、セルジオ・ペティスに判定負けし初防衛に失敗。昨年4月のバンタム級暫定王座決定戦兼バンタム級GP1回戦でもラウフェオン・ストッツに3R KO負けしたが、10月の再起戦ではエンリケ・バルソラに判定勝ち。大晦日のRIZINではキム・スーチョルに判定勝ちした。その後も日本に長期滞在し、日本のファンにも馴染み深い選手に。前回の井上戦に続き3戦連続RIZINでの試合となる。

◆海（リモート参加）　RIZINの選手がベラトールに勝てない現状がありますけど、必ず勝って、日本のRIZINのベルトを僕が守るんで楽しみにしてください。

渡辺華奈＆トフィック・ムサエフ、約3年ぶり日本での試合に

渡辺華奈（FIGHTER’S FLOW／ベラトール女子フライ級3位）※対戦相手調整中

　渡辺はDEEP JEWELS、RIZINで活躍後、19年末のベラトールさいたま大会のイララ・ジョアニ戦で3R TKO勝ち。以降はベラトールのみに上がり続け、21年4月の米国初戦ではベラトール女子フライ級4位のアレハンドラ・ララに判定勝ち。同年6月に元UFCのリズ・カモーシェに35秒でTKO負けしプロ12戦目で初黒星を喫した。その試合で眼窩底（がんかてい）骨折を負い、手術を経て昨年5月、2位のデニス・キーホルツに2R三角絞めで一本勝ち。4月には3位・元王者のイリマレイ・マクファーレンと対戦したが、地元ハワイのマクファーレンが判定2-1でジャッジに支持され渡辺は敗れていた。

◆渡辺
　3年半ぶりに日本で戦います。RIZINファンの皆さん、私の試合を初めて見る方もいるかもしれないですけど、インパクトのある試合をして勝ちます。

トフィック・ムサエフ（アゼルバイジャン／オリオン・ファイトクラブ／ベラトール・ライト級3位、RIZNライト級GP 2019優勝）※対戦相手調整中

　ムサエフは19年のRIZINライト級GP優勝者で、昨年7月のベラトール初戦でシドニー・アウトローに27秒KO勝ちしインパクトを残した。今年3月のベラトール・ライト級GPにエントリーし、アレクサンダー・シャブリーと対戦したが、3Rにシャブリーの右前蹴りをもらった際にろっ骨を骨折しTKO負けしていた。

第2部・RIZIN 対戦カード

RIZIN MMA　フェザー級（66kg）　5分3R
朝倉未来（トライフォース赤坂／元THE OUTSIDER 65-70kg級・60-65kg級王者）
ヴガール・ケラモフ（アゼルバイジャン／オリオン・ファイトクラブ）

MMA　第5代RIZINバンタム級（61kg）王者決定戦　5分3R
朝倉　海（トライフォース赤坂／元RIZINバンタム級王者、元THE OUTSIDER 55-60kg級王者）
フアン・アーチュレッタ（米国／ザ・トレーニングラボ、HBアルティメット＆グレイシーバッハ／ベラトール・バンタム級3位・元王者）

※全9試合予定

第1部・ベラトール 対戦カード

ベラトール初代フライ級（56.7kg）王者決定戦　5分5R
堀口恭司（アメリカントップチーム／ベラトール・バンタム級6位・元王者、元RIZIN同級王者、元修斗世界同級王者、元UFCフライ級3位）
神龍　誠（神龍ワールドジム／DEEP＆CFFCフライ級王者）

ベラトール・ライト級（70.3kg）GP一回戦　5分5R
AJ・マッキー（米国／チーム・ボディショップMMA／ベラトール・ライト級5位、フェザー級5位・元王者）
パトリッキー・“ピットブル”・フレイレ（ブラジル／ピットブル・ブラザーズ／ベラトール・ライト級2位・元王者）

※全6試合予定

出場予定選手

トフィック・ムサエフ（アゼルバイジャン／オリオン・ファイトクラブ／ベラトール・ライト級3位、RIZNライト級GP 2019優勝）
渡辺華奈（FIGHTER’S FLOW／ベラトール女子フライ級3位）

概要

大会名　超RIZIN.2 powered by U-NEXT
日時　2023年7月30日（日）開場・12:00（予定）　開始・14:00（予定） 終了・19:00～20:00頃
会場　さいたまスーパーアリーナ　　https://www.saitama-arena.co.jp/access/
中継　RIZIN 100 Club　U-NEXT
チケット料金　未定　※1歳よりチケットが必要　 ※RIZINファンクラブ抽選先行6月9日～11日、RIZIN公式サイト抽選先行6月14日。一般発売6月25日(日)午前10時
チケット販売　イープラス　チケットぴあ　ローソンチケット　出場選手・所属ジム
お問い合わせ　RIZIN FF事務局　03-5772-3223　https://jp.rizinff.com/