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11月25日 公式情報
▼ VTJ99でのジョン・ホ−キ戦に、左ヒザ靭帯損傷で欠場する植松直哉(K'z factory)に変わって、池田久雄(PUREBRED STG 大宮)が抜擢された。池田は現在修斗ライト級4位。当誌では植松の欠場が決定した直後から、池田抜擢を期待する記事を掲載していたが、その声が天に届いた形になった。ホ−キは前回後楽園で敗れた巽を一昨年のVTJで破った選手であり、今回の対戦でホ−キを越えに成功すれば、巽への再挑戦権を手中にすることも可能になる。一方、その巽はこの大会でライト級王者であるアレクサンドレ・フランサ・ノ−ゲラに挑む事になっており、これらの結果次第によれば修斗本戦のライト級戦線の勢力図も一機に書き換えられる可能性が出てきた。
(井田英登)
また同大会の物販のスケジュ−ルが決定した。PM12:00〜 パンフレット販売開始(1500部限定)
(*パンフレット購入者限定で全試合終了後プレゼントあり)
PM02:00〜 グッズ販売開始(屋外)・ロビ−開場
PM03:00〜 アリ−ナ開場
PM04:00〜 試合開始
11月24日 直接取材
▼ 「PRIDE-8」が桜庭の劇的なグレイシ−狩り成功に終ったのもつかの間、PRIDEシリ−ズは既に次のステ−ジに向かって動き始めた。大会終了の翌々日にあたる23日新宿センチュリ−ハイアットホテルにおいて「PRIDE GRANDPRIX 2000」の開催記者会見が開かれた。記者会見には高田延彦、桜庭和志、小路晃、イゴ−ル・ボブチャンチン、ホイス・グレイシ−、マ−ク・ケァ−、ゲ−リ−・グッドリッジら PRIDE関係の選手がそろい踏みし、PRIDEシリ−ズの集大成とも言える今回のト−ナメントへの意気込みを語ることになった。同大会は、1月30日に東京ド−ムにおいて16人による1回戦を行うもので、二回戦進出の8名と、リザ−バ−2名を決める計10試合が行われる。そして次に3月末から4月頭には2回戦から決勝に至る本戦ト−ナメントを行う。この勝者にはPRIDE のチャンピオンベルトが贈られることになっており、この日の会見でもその黄金のベルトが公開された。
また会見には、PRIDE シリ−ズにあと2戦分の契約が残っているとされている小川直也も姿を見せたが、高田との一騎打ちを望む小川とDSE側の見解が違うため、語気を荒げた小川が高田を挑発、席を蹴るシ−ンも見られた。
以下は会見の席での各選手並びに主催者のコメントである。※会見は午後8時から開始予定だったが、出席する予定の小川直也が遅れたため開始が遅れ、結局小川は到着しないまま18分おくれで開始された。
森下社長
「今日はお忙しい中PRIDE GRANDPRIX2000の記者会見においでくださいましてありがとうございました。日程が変更になったことをお詫びします。先日のPRIDE8も皆様のご協力のおかげで無事終了いたしました。エンセン井上対マーク・ケアー戦が中止となり、関係者、ファンの皆様にはご迷惑をおかけしました。正直いって厳しい状況になるかと思いましたが結果的に1万38人の方に来ていただきました。これは、PRIDEシリーズの8回という歴史に対する信頼と期待であろうと認識しております。非常に喜ばしいことと思うと同時に、ファンの皆様のご期待を裏切らないよう強く邁進していきたいと考えております。各選手挨拶本日はPRIDE GRANDPRIX2000に参戦予定の選手にお集りいただきました。改めて本日、大会の開催を宣言いたします。このPRIDE GRANDPRIX2000は、1月30日に東京ドームにおきまして、16人による1回戦、次に3月末から4月頭に決勝戦を行います。決勝戦に関しましては詳細が決まり次第発表させていただきます。
今まで数多くの、いわゆる最強を競うトーナメントが行われてきましたが、これぞ本物と感じていただけるような、そして誰もに納得していただけるような選手の出場、マッチメークにしていきたい思っております。現在、出場選手に関しましては現在調整中している最中です。また、選手からのオファーもいただいています。慎重に選考を重ね、最終的に16人に絞りたいと考えております。
大会ルールについては、PRIDEオフィシャルルールを基本に詳細を煮詰める作業をしております。トーナメントという選手の消耗が激しい大会ですので、どの選手にとってもできるだけ公平な、判定を含めたルールを作りたいと考えております。また無差別トーナメントであるので、体重を軽い選手には何らかのアドバンテージを設けたほうが良いのではないかと考えています。こういったことを最終的にトーナメントルールに盛り込んで、また皆様にお伝えしたいと思います。以上、出場選手、大会の詳細については今後決まりしだい会見、リリースにて発表させていただきますのでよろしくお願い申し上げます。本日はおいでいただきありがとうございました。」
イゴール・ボブチャンチン(間に英語通訳を挟む)
「今回PRIDE GRANDPRIX2000に参加できて大変嬉しく思っていますし、楽しみにしています。また、参加する機会を与えてくれたプロモーターの方にもお礼を申し上げます。私は強いという自信を持っています。グレイジー一族の誰とでも戦っても恐れることはありません。ケァー選手、コールマン選手、高田選手、小川選手誰とでも闘います。」ゲーリー・グッドリッジ
「PRIDE GRANDPRIX2000に参加できて非常にエキサイトしています。今までプロボクシング、K−1、柔道、柔術、空手などのさまざまな訓練をしてきました。その培った技を存分に使いたいと考えています。そして今回出場する選手の中でも高田、小路、桜庭という3人の強い選手と戦った経験があるのは私だけです。その経験が良いことなのか悪いことなのか今はわかりません。でももしも、そのうちの誰かが1回戦の相手になっても甘んじて受け入れます。また他の選手でもそれは同じです。」マーク・コールマン
「PRIDE GRANDPRIX2000に出場できて嬉しく誇りに思っています。この数年の自分の戦績を考えればもちろん自分は出場するに相応しいと認識しています。自分のキャリアのなかで間違いも犯しました。しかしPRIDE8で勝てたことで自信が戻しました。今から二人の息子のために闘います。昔はどんな闘い方をするか、ファイトについて自分から学んでいくことに消極的でした。それは間違いでした。今はどんどん学んで、そして誰でも倒してみせます」マーク・ケァー
「まず、前回のPRIDE8でエンセン井上選手との戦いができなかったことをお詫びします。そしてPRIDE GRANDPRIX2000に出場できることに感謝します。PRIDE GRANDPRIX2000は新しいミレニアムの幕開けにふさわしい闘いだと思っています。これだけの強い選手と新しい時代で闘えることを嬉しく思っています。また、自分にもファンの皆様に対しても償わなければいけない部分が多くあると思っています。それを肝に銘じて闘いたいと思います。エンセン井上選手とは、できたら1月30日のPRIDE GRANDPRIX2000の1回戦で闘えたら良いと思っており、今その気持ちを明確に表明します。チャレンジをひとつひとつ受けていかなければいけないのが人生だと思います。そして最後に努力が実るとも思っています。ありがとうございました。」ホイス・グレイシー
「PRIDE GRANDPRIXのリングに立てて、本当に嬉しく名誉に思っています。リングに戻ってこれて嬉しいです。最後のファイトをしてから4年経っています。今、色んな人に父から受け継いだ技を見せるときがきたと思っています。そのチャンスが来て嬉しいです。このトーナメントは良いトーナメントになると思っています。ヘビー級の選手もたくさんいますので、自分はヘビー級の選手を倒さなければならないだと今思っています。」ホイスへの個別質問(挙手する方式)
−−−このトーナメントのルール、時間制限、判定があるルールをホイス・グレイシー選手は受け入れたということでしょうか?小路晃ホイス「YES」
−−−ホイス選手は昔、時間無制限でないと闘わないと表明されていましたが、このルールを受け入れたということは、何が変わったのでしょうか?
「いつかは闘わなければいけないと思っています。そしてリングの上で黙らせなければならない人たちもたくさんいます」
−−−質問の答えとはなっていないようですが・・・時間制限であってもヘビー級の人間と戦えるという自信と解釈しても良いですか?
「勝つ自信がなければ今日ここに来たりはしません」
−−−前回のファイトからブランクがあるとおっしゃいましたが、フィジカルコンディションはほぼ完璧に戻ったと考えてよいですか?
「それは1月30日にお見せします」
−−−この大会に出るにあたって、特に1回戦で闘いたい相手はいますか?
「特にありません」
「親指を骨折してしまって皆勤賞を逃したんでその鬱憤がすごくたまってるんで、その気持ちをトーナメントに出て見せたい。みんな、すごい怪獣みたいな人ばっかりなんで、自分みたいな小さいもんがどれだけできるかというのを見せたいと思いますんで。小さくてもできる、っていうのを見せたいです」桜庭和志
「皆さんヘビー級の方々が多くて、強そうなんで、2週間くらい前に怪我をしてすっぽかそうかと思っています(会場大笑い)。運良く怪我なしで出場できることになれば、一生懸命頑張ってベルトを取れればいいと思います」高田延彦
「今何を言おうかとずっと考えていたんですが・・・(ここで遅れていた小川が会場に到着。記者席のほうに陣取る)いいっすか?これだけのメンバーの中に自分がいることが幸せなのか不幸なのかよくわかんないなと思ってるんですけど。ただ一つ、名誉なことは確かです。残念なのは、もっともっと前向きな話をしたいのですが、いかんせん、足の負傷がまだ完璧とは程遠い状態なので、そのことに専念しなければいけないというのが今の現状にジレンマを感じています。早くよくなって、スパーリングができるような状態に戻せるように、そこから戦闘的な気持ちが出てくるように、頑張って、素晴らしい試合をしたい」大会全体の質疑応答
−−−組み合わせはいつどのように決まるのでしょうか?
森下社長「12月初旬から中旬に発表したい。カードは誰もが納得するような、どのマッチメークを見てもお客さんに楽しんでもらえるようにしたい。マッチメークはこちらで決めます」
−−−優勝賞金などは決まっていますか?
「前回のリリースには記載されていますが、賞金総額3000万円を考えています」
ここで集合撮影。小川も入るよううながされるが、小川は「いいです」と辞退。席から動かず。広報より「その位置からでも良いのでコメントを」と言われて突然壇上に向かう。小川「すいません、横から。遅れてましてすいませんでした。今日は、高田選手とやれるという前提で、呼ばれたと思って来ました今日は。なんか全然場違いなところに来たみたいな気がしちゃって俺自身、ちょっと今戸惑っています。とりあえず、うん、高田選手とやるって出てますし濃厚って出てるんで、オレとしてはやれるということで、来たんですが、どうなんでしょうかね?まあ本人に聞けば一番いいんじゃないかなあ。」
高田「やるなんて言ってないよ」
小川「社長、やんないの?俺何しにきたかわかんないじゃんこれじゃ。あん?」
森下社長「小川選手に関しましては、トーナメントに参加していただくということで今日の記者会見には参加していただいているはずです。既にそういうコミットもいただいておりますので、私自身はそういう気でおります」
小川「ハッキリ言って俺はね、トーナメント全然興味ないし。こういう場で高田選手とやるってことで来たんで。そのために今日菊の花持ってきたしね。まあでも、やらないとかやるとか言ってるようじゃまだまだだな。とりあえず今日はこれで引き上げようかなってところだけど・・・(と持っていた花束を投げつける。カメラ囲む)ふざけんなオマエやれよいいかげんにコラァ!ノヤロー調子乗ってんじゃねえぞ!コラァ」
最後に森下社長の挨拶「小川選手についてはトーナメントに参加するということで意志の確認をしておりますので、申し訳ありませんでした。高田選手にも本当に申し訳ありません。最初にお伝えしたとおり、このPRIDE GRANDPRIX2000は、本当に強い選手は誰かということを決めていこうと考えております。そういった意味ではファンの皆様にもマスコミ各位にも楽しみにしていただけるようなイベントになるよう準備を進めていきますのでよろしくお願いいたします。最後になりましたが、今日はホイス選手と一緒に、世界最強の父親、といってもいいかと思いますが、エリオ・グレイシー氏にも来ていただいております」
(エリオ・グレイシー入場。森下社長ほか選手と挨拶)
「こちらがエリオ・グレイシーさんです。誠に申し訳ありませんが、ポルトガル語でご挨拶いただき、ホイス・グレイシー氏に要約していただこうと思います」
エリオ・グレイシー「柔術の生まれた国、日本に来ることができて本当に名誉に思っています。そして息子がPRIDE GRANDPRIX2000で闘うその姿を自分で見ることができて嬉しく思います。皆さん頑張ってください」
森下社長「エリオ氏は『グレイシー柔術のすべてをかけてホイスをこの大会に参加させる』ということを言ってくれました。そういった意味も含めて楽しみにしていただきたいと思います。これで記者会見を終わらせていただきます。ありがとうございました」
(井田英登,薮本直美,井出正敏)
- 大会概要(リリース資料より)
- 大会名称:PRIDE GRANDPRIX2000開幕戦
- 日時:2000年1月30日(日)開場15:00開始17:00
- 会場:東京ドーム
- 主催:(株)ドリームステージエンターテインメント
- 後援:SKY Perfec TV!
- 入場料金(全席指定:消費税込)
- VIP 100000円
- RRS 30000円
- SRS 20000円
- RS 15000円
- S 9000円
- A 6000円
- ドリームステージ先行発売
- 12月4日(土)、12月5日(日)
- AM10:00〜PM6:00 TEL 03-3552-6300
- (ほか、TOKYO Walker,週刊ゴングで先行発売あり)
- 一斉発売 12月18日(土)キョードー東京・チケットぴあ他
11月22日 公式情報
▼「PRIDE-8 」でアレクサンダ−大塚を返り討ちにしたヘンゾ・グレイシ−が帰す刀で今度はRINGSマットを襲うことが決定した。12月22日大阪府立体育会館で開催される「ワールドメガバトルオープントーナメントKING of KINGS」Bブロックのリングスネットワーク外出場予定選手の一部が発表された。14日UFC-J会場で前田日明社長が安生洋二に暴行を受けるという予想外の事件が勃発したため、ト−ナメント参加選手との最終調整スケジュ−ルは中止、その影響で発表が遅れると思われていたBブロックだが、すでに決定していた3選手がいち早く発表となった。
なかでも目を引くのはヘンゾ・グレイシーの参戦だ。ヘンゾは昨日有明で開催された「PRIDE-8」でアレクサンダ−大塚に勝利したばかりだが、わずか1カ月で再度日本のマットに登場することになる。またヘンゾの連戦はこれに止まらず、次回UFCへも登場が噂されており[関連記事→]、その売れっ子ぶりはまだまだ続きそうだ。
また対戦相手となったアレクは試合後の記者会見で「あなたと試合をするためだけに減量する事になって、好物の甘いものが食べられなくてすごく悔しい思いをしたとヘンゾさんに言ったら、自分も甘いものは好きなので、今夜にでも宿泊先のホテルでチョコパフェを奢ろうと言われました」と試合後の秘話を公開したばかり。アレクは今月に入ってデスマッチやタッグなどを連戦しながら「PRIDE-8」に登場と相成った訳だが、今夜はチョコパフェを食べながら連戦の秘策について教授することになったかもしれない。
それはともあれBブロックはリングスエース級の田村潔司やビタ−ゼ・タリエルらが参戦する激戦区となっており、リングス戦士とグレイシ−の激突は大阪大会最大の目玉になること必至である。
さらに、UFC大会で高阪剛とも対戦経験のあるティム・ラジックの参戦も発表された。
(井田英登)
- ヘンゾ・グレイシー (Renzo Gracie)
- ○1967年3月11日生 ブラジル リオ・デ・ジャネイロ出身 178cm/80kg ヘンゾ・グレイシー道場所属
- ヒクソン、ホイスとは兄弟ではなく、彼らの父の兄カルロスの孫にあたる。父の英才教育で柔術を学び、95年10月第2のアルティメット大会「ワールド・コンバット・チャンピオンシップ」トーナメントで3試合すべて3分以内に決着をつけ優勝。世界ブラジリアン柔術選手権・黒帯の部でも優勝。96年アメリカ「MARS(マーズ)」大会ではオレッグ・タクタロフを62秒で失神K.O勝利しており、ボクシングの巧者でもある。97年10月11日「PRIDE.1」対小路戦で初来日。98年3月15日「PRIDE.2」対菊田戦を首固めで勝利。相手に隙が出来るまで待ち続けるという戦術で精神力の強さが備わっている。ちなみに96年、リングスには門下生のモラエスのセコンドとして来日。
- ティム・ラジック (Tim Lajcik)
- ○1965年6月21日生 アメリカ カリフォルニア州出身 185cm/103.4kg グラジエーター・トレーニング・アカデミー所属
- 基本はレスリングとボクシングにあり、学生時代には全米アマレスチャンピオン2回、アマチュアボクシング戦績9勝1敗、そしてカリフォルニア・ゴールデン・グローブタイトルを勝ち獲っている。グラウンド、打撃ともにバランスの良い選手。初参戦の第21回UFC大会で高阪剛と対戦、惜敗したもののエキサイティングな試合をし、好印象を与えた。22回UFC大会ではロン・ウォーターマンと対戦。高阪曰く「レスリング、ボクシング共にひとつひとつの技術はとてもしっかりしている」とのこと。相手を巧くコントロールしながらの試合展開も見逃すことは出来ない。
- カステロ・ブランコ (Castello Branco)
- ○1967年8月19日生 ブラジル リオ・デ・ジャネイロ出身 189cm/105kg アライアンス柔術チーム所属
- 97、98、99年3年連続ブラジリアン柔術スーパーヘビー級チャンピオン。99年世界柔術スーパーヘビー級チャンピオン。ロシア版アルティメットといわれる第2回アブソリュート・ファイト・チャンピオンシップでの対イゴール・ボブチャンチン戦は本人もベストバウトというほどの好試合だった。結果はドローとなってしまったが、35分間戦ったことで、スタミナ力の証明とグラウンドポジションからの攻め方はスーパーヘビー級ならではの圧力とパンチを与えることは間違いない。
11月22日 情報源:Full Contact Fighter
▼ Full Contact Fighter (FCF) 誌によると、ヘンゾ・グレイシーが来年2月に開催予定のUFCに出場依頼されているという。14日東京ベイNKホールで開催されたUFC-J終了後、UFCのマッチメーカーであるジョン・ペレッティ氏がFCFの記者に明らかにしたもので、「空位となっているミドル級王座をバス・ルッテンと争わせたい。バスはすでに了承している」と語っている。だがヘンゾはリングスが開催中のワールドメガバトルトーナメントのBブロック(1回戦は12月開催)にもエントリーされており[関連記事→]、仮に勝ち進んだ場合は、決勝トーナメントが2月に行われるため、ダブルブッキングになる恐れもある。その辺りのスケジューリングがどうなるか、今後のニュースを見守りたいところだ。
(井田英登)
11月22日 公式情報
▼ パンクラスは11月28日(日)開催されるなみはやドーム大会の全対戦カードを発表した。既に発表済のメインとセミの他に、4試合が行われる。そのうち2試合はパンクラチオンマッチとなっており、柳澤龍志は4月横浜大会で渡部謙吾と引き分けたボブ・スタインズを迎え撃ち、初のパンクラチオンマッチとなる伊藤崇文は、初参戦のショーニー・カーターと対戦する。カーターはノールール80戦で9割を越える勝率、「エクストリームチャレンジ」で3度王座獲得という堂々たる実績を誇り、その未知の強豪ぶりをどこまで披露できるかが楽しみなところだ。
また、第2試合で渡辺大介と対戦するレスリー・アレンはパンクラス初のイギリス人選手。96年U.K.サブミッションレスリング王者とU.K.シュートファイティング王者の2冠王に輝いた実力者で、どこまでパンクラスルールに適応できるかが見物である。
(井田英登)
PANCRASE 1999 BREAKTHROUGH TOUR
KING OF PANCRASE TITLE MATCH
1999.11.28 (日) なみはやドーム 開場 15:30 開始 17:00
メインイベント KING OF PANCRASE TITLE MATCH 20分1本勝負
近藤 有己(王者) vs セーム・シュルト(ランキング1位)
セミファイナル ランキング戦 15分1本勝負
渋谷 修身(8位) vs 山田 学
第4試合 パンクラチオンマッチ 15分1本勝負
柳澤 龍志(6位) vs ボブ・スタインズ(I.S.J.A.世界柔術選手権王者)
第3試合 パンクラチオンマッチ 15分1本勝負
伊藤 崇文 vs ショーニー・カーター
第2試合 10分1本勝負
渡辺 大介 vs レスリー・アレン
第1試合 10分1本勝負
窪田 幸生 vs 石井 大輔
11月22日 公式情報
▼ 2000年のプロ修斗公式戦は、1月14日(金)後楽園ホールにて開幕することが決定した。主催はサステイン。近年人気を急上昇させてきた修斗が、新しい千年紀をどのように幕開けするか、注目したいところだ。
さらに、4月12日(水)にはK'z FACTORY主催で北沢タウンホール大会が開催されることが早くも発表されている。
(井田英登)
11月21日 公式情報
▼ 年に一度の修斗の闘いの祭典で、今年はなんとオ−プニングマッチを佐藤ルミナが務めることになった。「日本人選手25歳以下宣言」など早くから話題をまいてきた今年のVTJだが、今年は例年の”日本修斗選手vs世界のVT強豪”というコンセプトを、もういちど原点の対ブラジルに絞り込んだ「修斗VSブラジル7対7」をテ−マに全7試合がマッチメイクされた。メインとセミには桜井速人、宇野薫と現役チャンピオンで固め必勝を期すが、なんとも意表を突くのが第一試合にエ−ス佐藤ルミナを抜擢したことだろう。ルミナの相手に据えられたのは、ハファエル・コルデイロ(26)。ブラジルで現在もっとも精力的にVT系プロモ−ションとして活動するセルジオ・バッタレリ代表率いるIVCのフェザ−級チャンピオンだ。所属はかつて桜井速人を苦しめたマセロ・アグアの所属している「シュ−ト・ボクセ」であり、基礎はアグア同様ムエタイで92年〜94年にはムエタイブラジル王者にも就いている。ただしブラジリアンファイタ−の常で柔術にも精通しており現在は茶帯を所持しているという。オ−プニング・マッチながらまったく油断の出来ない敵を迎え、ルミナは去年のNKでの敗北を覆すようなインパクトを見せられるかが注目だ。
メインで桜井と激突するアロウド・ヴィクトリア−ノもなかなかの強豪で、アリアンシ柔術の黒帯。今年のブラジリアン柔術世界選手権ではメジオ第3位(二回戦でジアン・マチャドをヒザ十字で破っている)VT参加も盛んでIVCにも2回参戦しており、VTト−タル戦歴10戦8勝2敗の戦績を誇る。
また今年の新人抜擢の目玉としてプッシュされた植松直哉だが、練習中に右ヒザ関節内側側副靭帯を伸ばしてしまい全治8週間のため欠場が決まっている。したがって現在ジョン・ホ−キの対戦相手は白紙に戻った。大会コンセプトから考えて、ライト級日本人が登場するのが必至で、順当にいけば朝日昇vsホ−キ再戦が考えられるところだが、本誌ではあえてここに池田久雄の登場を期待したい。前回後楽園で巽に挑んで”返り討ち”にあった池田だが、レスリングテクニックでは巽に負けない健闘みせた池田には、ここでチャンスを掴みとって王座挑戦への道を開いて欲しい。
修斗では2000年以降、VTJル−ルは打ち止めになり修斗公式戦一本に絞っていくという考えもあるといわれており、今回が最後の開催になる可能性も出てきたVTJだが、その歴史の最後を飾る素晴らしい大会になることを期待したい。
(井田英登)
12月11日(土)東京ベイNKホール「VALE TUDO JAPAN'99」
「修斗VSブラジル 7対7」
※全試合VTJルール(8分3R)
第1試合 70kg契約
佐藤ルミナ(K'z FACTORY)ウエルター級2位vs
ハファエル・コルデイロ(ブラジル シュートボクセ)
第2試合 76kg契約
加藤鉄史(シューティングジム大宮)ミドル1位vs
アンジェロ・セウジオ(ブラジル アカデミアボクセタイ)
第3試合 70kg契約
五味隆典(K'z FACTORY)vs
ジョニー・エドゥアウド(ブラジル アカデミアボクセタイ)
第4試合 65kg契約
交渉中vs
ジョン・ホーキ(ブラジル・ルイス&ペデネイラス柔術)
第5試合 65kg契約
巽宇宙(K'z FACTORY)ライト1位vs
アレクサンドレ・フランサ・ノゲーラ ライト王者
(ブラジル ワールドファイトセンター)
セミファイナル71kg契約
宇野薫(和術慧舟会:ウエルター級王者)vs
アンドレ・ペデネイラス(ブラジル・ルイス&ペデネイラス柔術)
メインイベント76kg契約
桜井”マッハ”速人(総合格闘技木口道場:ミドル王者)vs
アウドロ・ビクトリアーノ(ブラジル アリアンシ柔術)
11月17日 公式情報ほか
▼ 「パンクラスの最初の扉を開けるのは俺だ!」
そう宣言してパンクラスの旗揚げ戦第一試合に登場した鈴木みのるは、いわばパンクラスル−ルを体験した最初の選手でもある。以来6年が経過、一度は王座まで登り詰め、このル−ルでの頂点を極めた鈴木も相次ぐ怪我に泣かされ、現在はランキングからも転落。昨年12月の東京ベイNKホール大会での渋谷修身戦では試合中股関節を亜脱臼、約1年間休場を強いられることになった。その間にパンクラスマット全体の流れはエスケ−プ、ダウンポイントを排除、グロ−ブ着用で顔面パンチも解禁というパンクラチオンマッチへと移行。そして鈴木が心血を注ぎ、ウェイン・シャムロック、船木誠勝、バス・ルッテンらと凌ぎを削りあった現行のパンクラスル−ルは、12月18日横浜文化体育会館をもって完全に姿を消す。この現行パンクラスル−ルの幕引きを、またもや鈴木自身が演じる可能性が出てきた。この横浜大会でついに一年ぶりの復帰戦が行われるのである。対戦相手はこの春パンクラスに参戦以来、鈴木への挑戦表明を繰り返してきた菊田早苗が抜擢された。
当初、横浜大会では、パンクラチオンマッチを終了、来年1月から施行されるパンクラス新ル−ルの御披露目として船木誠勝がひとあし早くそのル−ルでの試合を行う予定で、ポスタ−にもワンショットの写真を載せて広告が打たれていた。しかし、現在船木周辺には某代理店と大手スポンサ−のプロデュ−スにより、東京ド−ムでヒクソン・グレイシ−との対戦というビッグプランが浮上している。この興行自体はパンクラス主催ではないものの、これが決定すれば当然船木はそれに向けての調整に入らねばならない事になり、今回の12月大会も参加が微妙な方向であるという噂である。またこの大会に先行する11月の大阪なみはや大会では現チャンピオンの近藤有己がキング・オブ・パンクラシストのタイトルマッチを行ってしまうこともあって、二カ月続きで王座戦が行われるとも思えない。
となるとにわかに浮上するのが鈴木のメインイベント登場説だ。
現時点では他のカ−ドが一切発表されておらず、試合順もまだ未定だが、もしこれが実現すれば、鈴木は現行パンクラスル−ル最後の試合を行う選手となるわけで、まさに素手で行われるパンクラスル−ルの開幕と終幕を一人で独占する男となる。対する菊田はパンクラス入団以来3勝1分と着実に戦績を伸ばして現在パンクラスマットの牽引車となっている一人。長年あこがれの人であったと公言する鈴木との復帰戦は白熱必至のものとなるだろう。鈴木のグラウンドテクニックはパンクラスでも卓越したものとして捉えられてきたが、柔道出身でポジショニングに長ける菊田との対決は、まさに寝技スペシャリスト同士の異種格闘技戦でもある。パンクラス史上に刻まれる一戦となる事を期待したい。
(井田英登)
11月17日 直接取材
▼ 正道会館からのFA宣言で今後総合格闘技に転身するのではと、その進路が話題を呼んでいる佐竹雅昭が、15日都内高田道場を訪問、高田延彦、桜庭和志らと30分に渡り公開練習を披露、今後の戦いに不可欠な寝技の対応を教授された。道場内のリングで高田相手に腕ひしぎの入り方などを教わっていた佐竹だが、最後の5分間桜庭とのスパ−リングになると水を得た魚のようにグラウンドでも自由に動き回り、アキレス腱固めやインサイドガ−ドからの顔面パンチなどを見せて記者たちの驚きを買っていた。負けじと桜庭が逆エビ固めを決めると溜まらずロ−プエスケ−プしてみせるなど茶目っ気も見せた。折しも前日はUFC-Jで高阪剛のセコンドについた佐竹は、大会終了後に勃発した安生洋二の前田リングス社長襲撃事件も目撃しており「道場に行って前みたいにやったなら良かったんだけど。両方ともよく知ってるから気持ちは良くわかるんだけど、すごく後味が悪い。けっして前田日明を倒したとか自慢できる話しじゃない。一歩間違えたら警察に連れていかれる話なんだし。今日は頭の後ろから殴るテクニックを披露しようと思ったけど自重しました(笑)」と語った。またホストの高田延彦も、かつての同僚二人による骨肉劇に触れて「昔からのいきさつは知っているので安生の気持ちもわからなくはないが手段としては卑劣。大人というか、人間のやることじゃない。もしやるなら正面からやるべき。ファイタ−ならリングで。100歩ゆずって今回の様なことをやるなら正面きってやるべき。このような形には出て欲しくなかった。業界的には良くないマイナスの行為ですね。誰か焚き付けた人間も居るのかもしれないが一人の人間を寄ってたかって潰すとかいうのはよくない。事実だったら大問題。卑劣きわまりないと思っている」と感想を語った。
佐竹は当面年内は試合の予定はなしで、各道場を出稽古で回ったり格闘技大会視察を続けるというが、12月5日(日)のK−1GP決勝はその中に含まれておらず、恐らくはその前後の期間をシアトルのモ−リス・スミスジムでの調整に当てるだろうとのこと。マット復帰は早くて来年1月以降になるという。一方、高田延彦は今月頭に練習中、内側靭帯を損傷。来年に予定されているプライドGP(仮称)への参戦も微妙であるとの事実を明かした。
(井田英登)
11月17日 公式情報
▼ マ−ク・ケァ−戦が二度目のキャンセルとなり,かなりの意気消沈状態だとと伝えられるエンセン井上だが、14日のUFC-J会場には藤井勝久・高阪剛のセコンドとして姿を見せた。エンセンは高阪と雑誌の対談が原因で意気投合。その後、高阪がモ−リス・スミスらとの合同練習に誘い、エンセンは先月半ば渡米していた。その後ハワイでアンドレ・ペデネ−ラスと会い、これまでの総合格闘技ならびに柔術への貢献をたたえて、兄のイ−ゲンともども黒帯を授与されたという。その後エンセンはグアムに回り、ジョン・カルボらが出場するス−パ−ブロウルにセコンド参戦。その後日本に帰って、この奇禍の報に触れた。「ショックだった。聞いたときは冗談だと思った。今はかなり落着いてる。非常に残念だけどしょうがない。彼が良くなるのを応援してる」と感想を語っていた。
(井田英登)
■ なお本誌では今回のケァ−戦に向けてエンセンが意欲を語る語り降ろしインタビュウを準備しておりましたが、カ−ド変更に基づき掲載を取りやめました。楽しみにされていた読者の皆様には御迷惑をおかけしましたが、事情を考慮の上、御了承ください。
11月17日 公式情報
▼ いよいよ開催まで一週間を切ったPRIDE-8だが、最後まで空白とされていたイゴ−ル・ボフチャンチンの対戦相手がフランシスコ・ブエノに決定した。ブエノはブラジリアン柔術選手権を8回も制した強豪。VTではジェイソン・ゴドシ−にKO勝ちした戦績を誇る。PRIDEには今年4月のPRIDE-5で初登場し本間聡をハ−ドパンチで降している。ボブチャンチンとは剛拳激突が期待される。
(井田英登)
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