RISE 6.21 横浜BUNTAI(レポ/後半):那須川龍心、モロッコの選手に判定勝ちし「51.5kgのベルトを返上し53kgのベルトに挑みます」。中村寛、SB笠原友希に延長R逆転KO勝ちしエン・ペンジェーと-61.5kgトーナメント決勝で再戦
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OURO presents RISE WORLD SERIES 2025 YOKOHAMA
2025年6月21日(土)神奈川・横浜BUNTAI
レポート&写真:井原芳徳 (※後半戦ば別記事でお伝えします)
那須川龍心、モロッコの選手に判定勝ち「51.5kgのベルトを返上し53kgのベルトに挑みます」
第14試合 メインイベント ISKA K-1ルール 世界ストロー級(51.5kg)王者決定戦 3分3R(延長1R)
○那須川龍心(TEAM TEPPEN/RISEフライ級(51.5kg)王者)
×ハマダ・アズマニ[Hamada Azmani](モロッコ/アルティメット・ファイトスクール/ISKA K-1ルール 世界フェザー級(57kg)王者)
判定3-0 (和田30-27/神谷30-27/竹村30-27)
※那須川が王者に
龍心は19歳。那須川天心の弟で、昨年11月、数島大陸に1R左フックでKO勝ちしRISEフライ級王座を獲得。12月の幕張大会ではペットマイを2R膝蹴りでKOした。昨年は5戦全勝、3連続KO勝ちと活躍し、RISEの年間表彰「RISE’s PRIZE(ライズ プライズ)」のMVP選手に選ばれた。
3月のRISE ELDORADO両国大会では23年のRISE 54kgトーナメント準決勝で志朗を下し決勝で田丸辰に判定負けしたタイの強豪・クマンドーイを2R左ストレートでKOした。現在、キック9連勝、MMA含め10連勝中で、今回は“世界”とつくタイトルに初挑戦する。クマンドーイ戦のKO勝ちが評価され、今大会では自身初となるRISE WORLD SERIESのメインイベンターを務める。(5月のカード発表記者会見での龍心のコメントはこちら)
対するアズマニはモロッコ出身・オランダ在住の24歳で、戦績32戦23勝(3KO)8敗1分。ISKA K-1ルール 世界フェザー級(57kg)王者だが、オランダに軽い選手が少ないため階級を上げて挑戦したといい、ベスト体重は53kgとのことだ。
ISKA K-1ルールは日本のK-1同様、肘無し・キャッチしてからの攻撃は禁止。1R、龍心が終始プレッシャーをかけ、左ボディ、左福を随所で当て、やや優位に進める。だがアズマニは終盤になると龍心の動きがだいぶ見えてきた様子で、強打をもらわなくなる。記者採点は龍心。ISKAはラウンドマスト判定だ。
2R、細かく動き続けるアズマニを捕まえにくそうにする龍心だが、前に出続け、随所で右フック、アッパー、左ボディ等を当て、優位をキープする。アズマニはひるまないが攻撃が返せず、ホールディングも多く、レフェリーから注意を受ける。記者採点は龍心。
3R、龍心は変わらず前に出て、右ローを効かせつつ、右フック、アッパー、左フック等も当て、優位に進める。途中ヒットが減り、アズマニも右ローを連打したが、龍心はひるまず、最後もパンチをまとめ終了する。記者採点は龍心。合計30-27で龍心。ジャッジ3者も龍心を支持し、龍心が判定勝ちしたが、追い詰めきれなかったせいもあってか笑顔は無かった。
龍心はISKAのベルトを巻き、RISEの夏の大会のアンバサダーに就任した蝶野正洋さんと記念撮影した。マイクを持った龍心は「メインイベントをやるにあたって、KOしてやろう、魅せてやろうという気持ちが強すぎて、空回りしました。すみません。スカっとKO勝ちして、上の53kgのランカーに宣戦布告しようと思ったんですけど、この内容じゃまだまだなので一から作り直します」と反省し「次の大会から階級を上げます。RISEの51.5kg(フライ級)のベルトを返上し53kg(スーパーフライ級)のベルトに挑みます。上位ランカーたちに勝てるように、TEPPENのみんなと必死に練習して強くなって帰ってきます。RISEという最強の舞台また見に来てください。僕が盛り上げます」とアピールした。
試合後の会見で龍心は、スーパーフライ級で戦いたい相手について聞かれ「1位の政所(仁)選手というのは(考えています)。いきなりチャンピオンとやるのは難しいと思うので、そこに勝てばちゃんと権利は得られるのかなってのはあるんで」と答えた。RISEの伊藤隆代表は政所×龍心について「本人たちがやりたいのであれば。チャレンジマッチとして。ただ今日は倒せなかったので、政所とやったらどうなるのかってのはありますよね。ジムサイドと相談します」とコメントし、慎重さも示しつつ前向きに動く姿勢を示している。
なお、龍心は試合後、兄の天心と話したか聞かれ「俺が(2週間前にビクトル・)サンティリャンとやった気持ちわかったっしょ、って言われましたね。やってて相手がサンティリャンに見えてきて、やり辛えなって思いました。あと、マイク5点、って言われました。試合終わって傷ついているのに追い打ちかけられました」と話して苦笑していた。
中村寛、SB笠原友希に延長R逆転KO勝ちしエン・ペンジェーとの-61.5kgトーナメント決勝進出
「RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament」は8選手が参加し、3月29日の両国国技館大会で一回戦、6月21日の横浜BUNTAI大会で準決勝、8月2日の東京都大田区総合体育館大会で決勝が行われる。優勝賞金は1千万円。中村寛らRISEのレギュラー勢5名に加え、シュートボクシング(SB)王者の笠原友希が参戦し、海外から初参戦の2選手がエントリーした。
第13試合 セミファイナル RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament 準決勝 3分3R(延長1R)
○中村 寛[かん](BK GYM/RISEライト級(63kg)王者、元DEEP☆KICK -60kg王者)
×笠原友希(シーザージム/シュートボクシング日本スーパーフェザー級(60kg)王者、元同フェザー級(57.5kg)王者)
4R 1’49” KO (左ハイキック)
3R 判定0-1 (豊永29-30/長瀬29-29/和田29-29)
3月の一回戦で、RISEライト級王者の中村がチャンヒョン・リーを豪打で追い詰め判定勝ち。シュートボクシング代表で笠原兄弟の次男・友希はパヌワットを2R左ストレートでKOした。
1R、両者サウスポーで構え、中村も友希も左ミドル、ハイ、ストレート等を出し合うが、まだヒットは少なく、均衡状態が続く。だが終了間際、友希の左飛び膝が当たり、中村は少し右まぶたから出血する。記者採点はイーブン。
2R、開始すぐに中村にドクターチェックが入る。友希はまたも左の飛び膝をヒット。中村が前に出て、友希が回る構図が続き、お互い左ローを当てて削り合うが、どちらもひるまない。記者採点はイーブンだが友希につく可能性もある。
3R、友希の左ローが効き目を発揮し、中村は前に出るがバランスを崩しがちに。中盤、友希が左ストレート、右三日月、左ローを度々当て追い詰める。だが終盤、中村は左ローを効かせると、右フックをを当ててひるませ、巻き返して終える。記者採点はイーブンだが中村につく可能性もある。合計30-30でイーブン。ジャッジ1者は中村につけるが、2者はイーブンで延長へ。
すると延長R、お互い消耗が激しいが、打ち合いの中で中村が左フックを効かせてから、右フックでダウンを奪う。友希のダメージは大きく、最後は中村が右フックと左ハイの連打で倒すと、すぐさま秋谷レフェリーがストップした。場内は見事な逆転劇で大盛り上がりとなった。
マイクを持った中村は「SBのエースが立ち向かってくれて感謝しています。SBの皆さんの気持ちも背負って世界一になります。決勝は1個前に生ぬるい試合してた中国人(=エン・ペンジェー)ボッコボコにします。ONEのチャトリ(CEO)が(RISEとGLORYは小さいプロモーションだと)ゴチャゴチャ言ってたんですけど 僕が世界一取ったら、ONEのメンバー全員ボコボコにしに行きます。8月、世界一になる姿を見に来てください」とアピールした。ペンジェーとは昨年9月に対戦し、中村が延長戦の末に判定勝ちしているが、1Rにもらったパンチで目がふさがり、ほとんど見えない状態での戦いとなっていた。
バックステージでのインタビューで中村は、リング上でのONEに対する発言について「(チャトリ氏が)RISEやGLORYの規模が小さい言ってるみたいですけど、動かしてるお金の大きさで決める世の中は嫌いなんで。もしONEがこっちに敵対心をむき出しにしているのなら、潰しに行く覚悟はできていると言いたいです。RISEとかGLORYが見下されるのは嫌いなんで。RISEにずっと出続けて、RISEに愛があるし、今の自分はRISEを背負える覚悟があるんで言いました」と説明した。
第12試合 RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament 準決勝 3分3R(延長1R)
×常陸飛雄馬(TARGET SHIBUYA/RISEスーパーフェザー級(60kg)3位)
○エン・ペンジェー[Yuan Pengjie](中国/仏山温拿拳館)
判定0-3 (秋谷28-30/豊永28-20/北尻27-30)
常陸は3月の一回戦でシャクリヨール・ユラエフに3R終盤に右三日月蹴りでKO勝ち。ペンジェーはレダ・ベラーセンに判定勝ちした。常陸は1月の後楽園大会でペンジェーに判定勝ちしている。
1R、ペンジェーはサウスポーで構えて距離を取り、常陸がプレッシャーをかけ続ける。常陸は攻撃はなかなか当てされてもらえないものの、右インローを当てると、ペンジェーはスイッチし、さらに右ローを当てると、ペンジェーはサウスポーに戻し、ローが効き目を発揮しているようだ。記者採点はイーブン。
2R、ペンジェーは変わらず距離を取り、随所で左ミドルを当てる。常陸はローを当てる場面もあるが、なかなかパンチを当てられず、攻めあぐねてしまう。記者採点はイーブン。
3R、ペンジェーは回って距離を取り続けていると、中盤、パンチを振るう常陸に対し、カウンターの左ストレートを当ててダウンを奪う。常陸はダメージは小さい様子で、雄たけびを上げつつ前に出て必死に反撃を狙うが、ペンジェーは距離を取り、ノーガードでの挑発も織り交ぜ、逃げ切りモードに切り替え終了する。8-10でペンジェーが取る。合計28-30でペンジェー。ペンジェーが判定勝ちで常陸にリベンジし、決勝に駒を進めた。
GLORY×RISE -65kgトーナメント一回戦、笠原弘希が初戦突破
RISEとGLORYが共同で開催する24選手参加の65kg契約トーナメント「GLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT STANDING TOURNAMENT」が今大会から開幕する。来年2026年6月までの1年間、5大会に渡って優勝を争う。6月21日のRISE横浜BUNTAI大会、8月2日のRISE東京都大田区総合体育館大会で一回戦4試合ずつ計8試合を実施し、残った8選手が、シードの8選手と、11月2日の両国国技館大会で二回戦を行う。来年2~3月のヨーロッパでのGLORYの大会で準々決勝4試合、来年6月のRISEのビッグイベントで準決勝と決勝を行う。準決勝まではRISE勢同士、GLORY勢同士の対戦構図となり、決勝ではRISE代表とGLORY代表が戦う。
6月の横浜ではGLORYサイド、RISEサイドが組んだ一回戦が2試合ずつ実施された。採点はGLORY同様にラウンドマスト制が採用される。
第11試合 GLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(65kg)STANDING TOURNAMENT 一回戦 3分3R(延長1R)
○笠原弘希(シーザージム/シュートボクシング日本ライト級(62.5kg)王者、元スーパーフェザー級&フェザー級王者)
×LOMPETCH[ロンペット](タイ/W-BEAST GYM/元ISKAムエタイ世界スーパーライト級王者)
判定3-0 (秋谷30-26/大沢30-26/豊永30-26)
笠原三兄弟の長男・弘希はシュートボクシング推薦選手で、RISEは22年12月の両国国技館大会でチャド・コリンズに判定負けして以来2年半ぶりとなる。その後はSBを主戦場に7勝2敗。12月のSBでタイ人のジャックに延長判定負けしたが、4月の再戦では延長判定勝ちしている。
ロンペットはタイ時代にはロッタンとも試合経験があり、勝次、北野克樹に勝利し、梅野源治と引き分け、22年4月のRISEでは原口健飛から1ダウンを奪うも1Rに3ダウンを喫しKO負けした。笠原とは22年9月のSBで対戦し判定負けしている。
65kgに体重を上げた弘希もロンペットも、これまでの試合の時よりも肉付きがいい印象だ。1R、弘希が開始すぐからプレッシャーをかけてロープやコーナーに詰め、パンチ主体で積極的に攻める。カウンターをもらう場面もあるが、手数差を維持し優位に進める。
2R、弘希は変わらずパンチを当て続け、終盤には右フックを効かせ、パンチ連打からの右フックでダウンを奪う。
3R、弘希がパンチを当て続けるが、やや攻め疲れもあり、勢いが落ち、倒せず終了。差を広げ判定勝ちした。
マイクを持った弘希は「ロンペット選手、2週間前ですか、短い調整期間で受けてもらってありがとうございます。僕の倒れない打たれ強さと前に出る勢いは世界一と思っています」と話した。
第10試合 GLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(65kg)STANDING TOURNAMENT 一回戦 3分3R(延長1R)
×伊藤澄哉(戦ジム/RISEライト級(63kg)2位)
○ペトル・モラリ[Petru Morari](モルドバ/キックボクシング・フェアレス/RISEウェルター級(67.5kg)2位)
判定1-2 (大沢28-29/秋谷29-28/長瀬28-29)
伊藤はかつて、YA-MAN、中村寛にKO負けしたが、23年10月から5戦4勝(3KO)1敗と、主にランカーとの戦いでは好戦績を残している。4月の後楽園では石田迅を1R右ストレートでKOすると、65kgトーナメント参戦を希望するマイクアピールをしていた。
モラリは23年12月のRISE両国大会にGLORY推薦で参戦し、ウェルター級王者の中野椋太に判定勝ち。昨年は6月に白鳥大珠に、9月に實方拓海に判定負けしているが、階級下の伊藤にとっては過酷な相手となりそうだ。
1R、モラリがプレッシャーをかけ、随所で右ミドル、ハイ、カーフを当てるが、まだ攻撃が少ない。伊藤も左ミドルを当てるがモラリよりも攻撃が少ない。記者採点はモラリ。
2R、モラリは右ミドル、カーフのヒットを増やす。伊藤もスイッチをしつつ左ミドルやローを返すが、終盤、モラリが右フックをクリーンヒットし、やや優位で終える。記者採点はモラリ。
3R、疲れてきたモラリに対し、伊藤がサウスポーからの左ミドルを中盤に強打すると、パンチやミドルで積極的に攻め、やや優位で終えるが、ダウンは奪えず終了。記者採点は伊藤。合計28-29でモラリ。ジャッジは割れたが2者がモラリを支持しモラリが判定勝ちした。
第9試合 GLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(65kg)STANDING TOURNAMENT 一回戦 3分3R(延長1R)
×アユーブ・ブーラス[Ayoub Bourass](モロッコ)
○アイトール・クリート[Aitor Currito](スペイン)
判定0-3 (長瀬28-29/和田27-30/大沢27-30)
1R、長身のサウスポー・クリートに対し、ブーラスは前に出て右インロー、ボディ、フックを当てる。クリートも左ミドルやストレートを当てるが、終盤は攻撃が減ってしまう。2R、クリートが左ミドルのヒットを増やし、ブーラスはパンチが減るが、はっきりとした差はつかない。3R、お互い攻めるもなかなか差がつかなかったが、終了間際、やや積極的だったクリートの左フックでブーラスがひるみ終了する。クリートがジャッジ3者から支持され判定勝ちした。
第8試合 GLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(65kg)STANDING TOURNAMENT 一回戦 3分3R(延長1R)
○ボボ・サッコ[Bobo Sacko](フランス)
×ヤン・カッファ[Jan Kaffa](オランダ/ARJジム/AFSO世界王者、MIX FIGHT世界王者)
判定3-0 (長瀬29-27/豊永29-27/和田29-27)
1R、長身のサッコがサウスポーで構え、左ストレートを随所で当てて主導権を握る。終了間際、サッコが左ミドルを連打してから、左ストレートでダウンを奪う。2Rもサッコが左ミドル、ストレート等を当て主導権を維持する。3R、カッファも右フック、インローを当てて巻き返すが、サッコは左ミドルを蹴り続け、逆転を許さず判定勝ちした。
RISE 6.21 横浜BUNTAI(レポ/前半):花岡竜、国際戦で判定勝ちし大﨑一貴に世界王座戦要求。4年半ぶり復帰の裕樹、得意のローで見せ場作るも北井智大に判定負け。鈴木真彦・GUMPが判定勝ち