RISE 6.21 横浜BUNTAI(レポ/前半):花岡竜、国際戦で判定勝ちし大﨑一貴に世界王座戦要求。4年半ぶり復帰の裕樹、得意のローで見せ場作るも北井智大に判定負け。鈴木真彦・GUMPが判定勝ち
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OURO presents RISE WORLD SERIES 2025 YOKOHAMA
2025年6月21日(土)神奈川・横浜BUNTAI
レポート&写真:井原芳徳 (※後半戦ば別記事でお伝えします)
花岡竜、国際戦で判定勝ちし大﨑一貴に世界王座戦要求
第7試合 54kg契約 3分3R(延長1R)
○花岡 竜(橋本道場/RISEスーパーフライ級(53kg)王者、元KNOCK OUT-BLACK同級王者、元INNOVATIONフライ級王者)
×モハメド・ミカイリ・ガザリ[Muhammad Mikail Ghazali](マレーシア/レンタップ・ムエタイ)
判定3-0 (北尻30-29/豊永30-28/和田30-28)
花岡は21歳。22年6月からRISEを主戦場とし、昨年は3月、K-1との対抗戦で池田幸司に判定勝ち。6月に長谷川海翔に判定勝ちすると、12月の後楽園大会では大﨑一貴が返上したスーパーフライ級王座を懸け、過去1勝1敗の政所仁と対戦し判定勝ちし、第3代王者となった。今回半年ぶりの試合となる。
ガザリは初来日の16歳。ONEで活躍するジョハン・ガザリの弟。身長は171cmで花岡より10cm近く長身だ。プロフィールでは戦績48戦37勝11敗となっているが、アマチュアの試合が含まれている可能性もある。
1R、花岡がサウスポーで前に出続け、フェイントをかけながら攻撃の機会を伺うが、ガザリは反応できており、なかなか攻撃の糸口を与えない。花岡は左ボディを終盤に当てるが、まだ当たりは不十分だ。ミドルの蹴り合いでも、ガザリはしっかり当て返し、技術の高さを印象付ける。記者採点はイーブン。
2Rも花岡のヒットが増えない状況が続いていたが、中盤から次第に左ボディ、ロー、ミドル、ハイ等のヒットが少しずつ増え、やや優位となる。記者採点は花岡。
3R、花岡がスイッチを織り交ぜつつ、ロープに詰め、左ミドル、左右のボディフックを効かせ、飛び膝蹴りでも襲い掛かり、ガザリを追い詰め終了する。記者採点は花岡。合計30-28で花岡。ジャッジ3者とも花岡を支持し、花岡が判定勝ちした。
マイクを持った花岡は「去年11月にベルト取って、外人じゃ面白くないと思うんですよ。大﨑選手、リングに来てもらっていいですか」と話し、RISEスーパーフライ級の世界王者の大﨑一貴をリングに呼び寄せた。花岡は「大﨑選手は5月にベルトを取ってすぐですけど、8月か11月にやってほしいです」と呼びかけた。一貴は「僕もゆくゆくやりたいと思っているので、時期が来るまでそう遠くないと思うんで、すぐってわけじゃないと思うんですけど」と即答を避けた。花岡に実現を求められたRISEの伊藤隆代表は本部席に座ったままで「前向きに検討します。考えます」とだけ答えている。
K-1離れRISE参戦の玖村将史「新しい刺激をぶちかます」
なお、花岡の試合後には、8月2日の東京と大田区総合体育館で志郎の持つRISE世界バンタム級王座に挑戦する、元K-1ファイターの玖村将史が登場し、2分1Rのミット打ちを行った。玖村は「RISEに新しい刺激をぶちかますために来ました。8月2日は大田区総合体育館、ぜひ見に来てください」とアピールした。
鈴木真彦、57kg契約で戸井田大輝に判定勝ち
第6試合 57kg契約 3分3R(延長1R)
○鈴木真彦(TEAM 寿/バンタム級(55kg)2位・元王者、元WBCムエタイ日本&HOOST CUP日本同級王者)
×戸井田大輝(TOP LEAD GYM/フェザー級(57.5kg)9位、元MA日本スーパーバンタム王者)
判定3-0 (豊永30-28/秋谷30-28/北尻30-28)
鈴木は18年にRISEバンタム級王者となり、21年9月に那須川天心に敗れる。その後は江幡兄弟、金子晃大ら相手に5連勝したが、22年12月に志朗に敗れ、23年3月にK-1で玖村将史に判定負けし2連敗。8月にイマッド・サヒを2R KOしたが、12月では大﨑孔稀に判定負けし王座陥落した。昨年3月のRISEでの金子との再戦では判定負け。12月の幕張大会ではジェイミー・ゲイマンを1R KO。今年4月、バンタム級1位の立場で3位の大森隆之介と対戦したが、2Rに左ジャブをもらってダウンし判定負けし、王座戦線から後退した。今回は2kg重い57kg契約で1階級上の戸井田と戦った。
戸井田は4月大会で久津輪将充から2R左ジャブでダウンを奪い判定勝ちしている。
1R、鈴木が前に出続け、右フックを当てる場面あるが、戸井田も打ち合いで左フックを返す。鈴木は終盤、右ロー等の蹴りも当てるようになるが、まだはっきり差をつけられない。記者採点はイーブン。
2R、戸井田は序盤こそ左フックをカウンターで当てていたが、鈴木が右カーフを当てていると、次第に鈴木が右フック、ボディ、左テンカオ等とヒットを増やし、手数で差をつける。
3R、鈴木が右カーフ、ローを効かせ、右ボディ、ストレート、左テンカオ等を度々当て戸井田を追い詰める。戸井田も左フックを返す場面もあったが、流れは変えられず終了する。2Rと3Rのポイントを取った鈴木が判定勝ちすると笑顔で喜んだ。
マイクを持った鈴木は「これからもカッコいい格闘家を見たかったら鈴木真彦に注目してください」とアピールした。
4年半ぶり復帰の裕樹、得意のローで見せ場作るも北井智大に判定負け
第5試合 ライト級(63kg) 3分3R(延長1R)
×裕樹(ANCHOR GYM/元スーパーフェザー級(60kg)・ライト級(63kg)・スーパーライト級(65kg)王者)
○北井智大(チームドラゴン/ライト級5位)
判定0-3 (秋谷27-29/北尻27-29/大沢27-30)
裕樹は42歳。2003年にデビューし、RISEでただ一人、3階級を制覇。14年の新生K-1旗揚げ以降、多数の主力選手がK-1に移籍した時期にもRISEのリングで活躍し続け、“ミスターRISE”の愛称で親しまれた。20年11月の那須川天心戦で2R KO負けし引退するまで74戦46勝(30KO)26敗2分の成績を残した。引退後も兵庫県西宮市のANCHOR GYMで指導を続け、RISEの大会の中継の解説者も務めた。昨年10月、突如現役復帰を表明し、今回WORLD SERIESの舞台で4年半ぶりの復帰戦が組まれた。
北井は33歳。11年のデビューから16年までKrushに出場し、16年10月に武尊・卜部兄弟らがKRESTに移った後もチームドラゴンに残り、17年からRISEに参戦する。直樹、小川翔といった上位勢にも勝利したが、21年9月のYA-MAN戦以降は負けが込む。最近では4月の後楽園大会で奥山雅仁に判定負けしたもの、激しい打ち合いを常に繰り広げ、RISEのリングを盛り上げて来た選手の一人だ。
1R、前に出続ける裕樹に対し、北井は回って距離を取りつつ、随所で右フック等のパンチと右ローを当てる。裕樹は反応ができていない様子で、被弾が続き、終盤には左フックをもらうと少し腰が落ちる。
2R、北井が左ボディを強打しつつ、ワンツーでの右ストレートを当ててダウンを奪う。その後も北井はパンチで攻め続けるが、裕樹も得意の奥足狙いの左ローを返し続け、北井の攻撃を封じるように。
3R、北井も右ローを返すが、裕樹が執拗の左ローを当てていると、中盤には北井の足が流れるように。だが北井は耐え、最後はパンチと右ローを返して裕樹の反撃を封じ終了。北井が点差を守り判定勝ちし、裕樹の復帰戦の勝利を阻止した。
GUMP、髙橋亮を終始攻め判定勝ち
第4試合 61.5kg契約 3分3R(延長1R)
○GUMP(TEAM TEPPEN/スーパーフェザー級(60kg)4位、元DEEP☆KICK -60kg王者)
×髙橋 亮(TRIANGLE/スーパーフェザー級(60kg)14位、元NKBフェザー級&バンタム級王者)
判定3-0 (大沢30-28/秋谷30-28/長瀬30-27)
GUMPは昨年11月、岩郷泰成を2R左ハイでKO。12月のSBで組まれた「RISE WORLD SERIES 2025 -61.5kg Tournament」査定試合では笠原友希に判定負けし、連勝が7で止まったが、試合内容が評価され、今年3月のRISE両国大会での61.5kgトーナメント・リザーブマッチに選ばれ、細越竜之介に判定勝ちした。
髙橋は昨年4月、2年ぶりに復帰し、初戦ではパヌワット・TGTに3R KO負けしたが、10月、井上竜太に判定勝ち。上位戦線復活に向けて大事な試合となる。
1R、GUMPはサウスポーの髙橋に対してプレッシャーをかけ続け、中盤からロープに詰め、右テンカオのヒットを増やし、右フックも当て、優位に進める。
2R、GUMPはさらに右膝のヒットを増やし、右三日月蹴り、左膝、パンチ等も度々当て、髙橋をさらに追い詰める。
3R、やや勢いは落ちたものの、GUMPは前に出続け、右ミドル、膝、ストレート、ハイ等を随所で当て、優位を維持して終了する。記者採点は3RともGUMPで30-27でGUMP。ジャッジ3者もGUMPを支持し、GUMPが判定勝ちした。
第3試合 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○伊東龍也[りょうや](HAYATO GYM/6位、Stand Up King of Rookie 2022 -55kg優勝)
×松下武蔵(GOD SIDE GYM/9位)
判定2-0 (長瀬30-29/大沢29-29/秋谷30-29)
伊東と松下は昨年3月のRISE ELDORADOで対戦し、松下が延長判定2-0で接戦を制した。その後、伊東は4戦2勝2敗で、福井萌矢と京谷祐希に判定勝ちしたが、塚本望夢と良星には判定負け。松下は伊東に勝った後は4戦3勝1敗で、若原聖、ジャンジャン、オートーに勝利したが、加藤有吾に判定負けしたため、ランキング上位に浮上できず、伊東が上位にいる。
再戦も接戦に。1R、伊東がサウスポーからの左ストレート、左テンカオ、松下がオーソドックスからの右ミドル等を当てるが、まだお互いヒットが少なく差は乏しい。
2R、お互いやや積極的になり、終盤、松下の左ジャブ、右ミドルのヒットが少し目立ちはじめるが、まだ差ははっきりしない。
3R、伊東の左フック、膝のヒットが終盤目立つようになるが、変わらず差の乏しいまま終了。記者採点は30-30。ジャッジは僅差ながら2者が伊東を支持し、伊藤が判定勝ちで松下へのリベンジを果たした。
第2試合 ウェルター級(67.5kg) 3分3R(延長1R)
○チャッピー吉沼(TANG TANG FIGHT CLUB/スーパーライト級(65kg)8位)
×安彦考真[たかまさ](Yogibo DATSURIKI GYM/Y.S.C.C.横浜キックボクシング)※Y.S.C.C.横浜から所属変更
3R 0’43” KO (パンチ連打)
1R、吉沼がサウスポーで前に出続け、時折パンチを振るい、安彦は回って防御する展開が続く。2R、安彦が右のバックハンドブローでダウンを奪う。だが安彦はスタミナが切れ、クリンチを繰り返し、北尻レフェリーから警告を受ける。吉沼は前に出てパンチを当て続け、終了間際にパンチを連打してひるませ、スタンディングダウンを奪う。すると3R、開始すぐに吉沼が右ストレートでダウンを奪うと、安彦は立てず、吉沼のKO勝ちとなった。
第1試合 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○加藤有吾(RIKIX/3位、WMC日本スーパーバンタム級王者)
×礼司(楠誠会館/フェザー級(57.5kg)14位、ジャパンカップキック・バンタム級(53kg)王者)
2R 1’28” KO (左フック)
加藤は23年8月に大﨑孔稀とバンタム級王座挑戦権を争い判定負けし、孔稀はその4カ月後に鈴木真彦に判定勝ちして王座を獲得している。昨年3月、加藤はジャルンスックに判定負けしたが、9月に松下武蔵に判定勝ち。12月のONEフライデーファイツでのOFGムエタイの試合ではケイ・ジンジュンを2R右ストレートでKOしたが、怪我の影響で休養が続き、今回RISEのリングに凱旋する。
礼司は7戦4勝2敗1分(1KO)の17歳。今年2月のRISE初戦で寺山遼冴から3R左の飛び膝蹴りでダウンを奪い判定勝ちし番狂わせを起こした。これでフェザー級ランキングに入ったが、今回はベスト階級だというバンタム級に下げて参戦する。
試合は加藤が格の違いを見せつけることに。1R、加藤が終始、サウスポーの礼司にプレッシャーをかけ、コーナーに詰め続ける。なかなか的を絞れなかったが、終了間際、左フックでひるませて印象を作る。記者採点は加藤。
2R、礼司も左ローや膝を当てるが、変わらず加藤がプレッシャーをかけていると、コーナーに詰め、礼司の左フックのカウンターで左フックをクリーンヒット。礼司がダウンすると、ダメージが大きく、すぐに秋谷レフェリーがストップした。
マイクを持った加藤は、夏のRISEの大会のアンバサダーを務める蝶野正洋さんのファンで、「ガッデム!アイアム加藤有吾です。力んじゃったんですけど倒せて良かったです。今年の夏は加藤有吾が一番熱いんで見ておいてください」と、蝶野さん関連のフレーズを使ってアピールした。
オープニングファイト.3 ウェルター級(67.5kg)3分3R
×財津大樹(TEAM BEYOND/BEASTスーパーライト級王者、PRINCE REVOLUTION -67kg王者)
○琉樺[るか](LA GYM JAPAN)
2R 0’53” KO (左ストレート)
オープニングファイト.2 フライ級(51.5kg) 3分3R
○水野夢斗(TEAM TEPPEN/12位、King of Rookie 2024 -51.5kg級 優勝)
×空龍[あろん](ホライズンキックボクシングジム)
判定3-0 (30-28/30-28/29-28)
オープニングファイト.1 スーパーフライ級(53kg) 3分3R
○小野琥大(TARGET)
×光希(TEAM ONE)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)