RISE 4.19 後楽園ホール(レポ):大森隆之介、元バンタム級王者の鈴木真彦からダウン奪い判定勝ち。梅井泰成、VASILEUS加入の有井渚海に判定勝ち。良星、伊東龍也に判定勝ち
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
大阪梅田中津 キックボクシング ジョウジム
キックボクシングで楽しく運動!燃焼!ストレス発散!初心者でも経験者でもしっかり指導。見学・体験大歓迎!
RISE 187
2025年4月19日(土)後楽園ホール
レポート:井原芳徳
大森隆之介、元バンタム級王者の鈴木真彦からダウン奪い判定勝ち
第11試合 メインイベント バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
×鈴木真彦(TEAM 寿/1位・元王者、元WBCムエタイ日本&HOOST CUP日本同級王者)
○大森隆之介(EX ARES/3位、フェザー級(57.5kg)5位)
判定0-3 (朝武28-29/豊永28-29/神谷28-30)
鈴木は28歳。18年にRISEバンタム級王者となり、21年9月に那須川天心に敗れる。その後は江幡兄弟、金子晃大ら相手に5連勝したが、22年12月に志朗に敗れ、23年3月にK-1で玖村将史に判定負けし2連敗。8月にイマッド・サヒを2R KOしたが、12月では大﨑孔稀に判定負けし王座陥落した。昨年3月のRISEでの金子との再戦では判定負け。12月の幕張大会での再起戦ではジェイミー・ゲイマンを1R KOし、「絶対来年ベルト取ります。やられっぱなしは嫌なんで、絶対K-1にも借りを返しにいきます」とアピールしていたが、今回は下位ランカーの大森との試合が組まれた。
大森は25歳。昨年3月のRISE ELDORADOで1年3が月ぶりに復帰すると、シュートボクシング日本スーパーバンタム級王者の山田虎矢太を1R右バックハンドブローでKOしインパクトを残す。8月にRISEバンタム級王者の大﨑孔稀に挑戦したが判定負け。今年1月の再起戦ではフェザー級に階級を上げ同級5位の平野凌我に判定勝ち。今回はバンタム級に戻り元王者と対戦する。
1R、鈴木が右ストレート、左ボディを強打し、終盤には接近戦でのパンチの打ち合いで左フックを当て、大森は腰が落ちる。大森も長身を活かし伸びのある左ジャブを当てる場面もあるが、まだひるませるほどにはならず、その先の攻撃になかなかつなげられない。記者採点は鈴木。
2R、鈴木が右ストレート、左ボディを随所でヒット。大森は組む場面が増え、レフェリーから注意される。大森はダメージが溜まってきたかに見えた。だが終盤、鈴木が右ストレートを振って来たところで、大森がかわして左フック、右アッパーを当てると、左の三日月蹴りの連打で少し下がらせてから、鈴木が左ジャブを出したタイミングで左ジャブをアゴに当て、逆転のダウンを奪う。8-10で大森が取るラウンドに。
3R、鈴木は鼻血を出しつつも、逆転を狙い、パンチを積極的に振るう。大森も攻撃が減るが、バックスピンキックも絡め、クリンチやステップで鈴木の動きを寸断し、決定打を許さず終える。記者採点はイーブン。合計28-29で大森。ジャッジ3者も1~2ポイント差で大森を支持し、大森が判定勝ちした。
マイクを持った大森は「鈴木選手がいたからここまでRISEが大きくなったと思います。ほとんどのファイターが自分を目立たせることができていないと思います。一人一人やれば業界が大きくなると思うので、みんなで頑張りませんか。サッカーや野球と競えるように格闘技をでっかくしましょう。僕はもっと大きくします」とアピールした。
バックステージでのインタビューで、敗れた鈴木は涙を流しながら「悔しいです。K-1との対抗戦で玖村選手にダウン取られたのとめっちゃ似ていると思いました。やってもうたって感じです」と話し、今後について聞かれても「今は何もわからないです」と話すのみだった。
大森はダウンを奪った左ジャブについて「あれだけ狙ってました。ジャブ当たると思ってたし、僕は硬いほうやと思うんですよ。当たれば倒れるか効くと思っていました」「玖村選手もそうやしその前の志郎君もそうやし、ジャブが当たるのがわかってて。鈴木選手が無視して入ってくるのに負けずに、効くまで(ジャブを)打ち続けることを意識しました」と語った。
大森はバンタム級1位の鈴木に勝ったため、1位に浮上する可能性が高いが、1階級上のフェザー級でも5位にいる。今後のタイトル挑戦の可能性について聞かれた大森は「タイトルというのは55kgですよね?ファン目線で見るともう一回大崎とやって見たいのかな?って思ってて。ランキング的には1位やからやっていいと思うんですけど、ほんまにみんなが見て、俺は大崎に勝てるやろと思うんやったらやりたいし、僕自身はいつやっても勝てると思ってるんで、タイミングかなと思ってるだけです。それよりかは新しい57.5kgをもう一回グルグル回しに行きたいとかも思います。57.5kgと55kg、どっちも暴れたろうと今年は思っています。僕が軽い階級の中心におるかなと思っています」と話し、両方の階級で活躍する意向を示している。
梅井泰成、有井渚海からダウンを奪い判定勝ち
第10試合 セミファイナル フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○梅井泰成(Mouton/4位・元王者)
×有井渚海[しょあ](team VASILEUS/バンタム級(55kg)14位)※ARROWS GYMから所属変更
判定3-0 (長瀬29-28/神谷29-28/朝武30-28)
梅井は26歳。22年8月、門口佳佑に判定負けしRISEフェザー級王座から陥落。23年2月の再起戦でも魁斗に判定負け。10月の試合も開始早々のウォームの蹴りがローブローとなりノーコンテストに。2月には安本晴翔に判定負けと、苦難が続く。6月に翔に判定勝ちし、2年ぶりに勝利したが、9月の横浜大会では國枝悠太にダウンを奪われ判定負け。今回7か月ぶりの試合となる。
有井は23歳。22年より大阪から東京に拠点を移し、同年10月に彪司に判定勝ちしたが、12月の両国大会では山田虎矢太に2R KO負け。23年12月の加藤有吾戦でも判定負けし2連敗中だった。昨年3月のRISE ELDORADで松下武蔵戦が組まれていたが、体調不良で欠場していた。今年1月、武尊のいるteam VASILEUSに加入し、1年4カ月ぶりに復帰し、階級もアップする。
梅井のセコンドには志郎と加藤有吾、有井のセコンドには野杁正明がつく。1R、梅井がサウスポーで構え、左ストレート、ミドルを放つ。有井も同様にパンチと蹴りを返す。梅井がやや積極的で、有井は動きが硬く攻撃が少ない印象だが、まだ差は小さい。記者採点はイーブン。
2R、梅井が執拗に左インローを当てていると、効き目を発揮してきた様子で、中盤には梅井が下がりつつ、ワンツーでの左フックをカウンターの形でクリーンヒットしダウンを奪う。梅井は引き続き左インローをヒット。有井も終盤、左フック、右テンカオを返すが、流れは変えきれない。10-8で梅井が取る。
3R、有井が前に出て、左フック、右膝蹴りを当てるが、中盤の膝がローブローとなり、3分ほど梅井の回復のために中断する。だがその間に有井も回復し、有井がパンチと膝で攻め続ける。梅井は鼻血を出し苦しそうだが、耐えきって終了する。記者採点は梅井。ジャッジは2者が梅井につけるが、1者はローブローを重く見たか?イーブンとする。記者採点合計29-28で梅井。ジャッジ3者も梅井を支持し、梅井が判定勝ちした。
マイクを持った梅井は「去年9月に國枝選手に負けてから、7か月ぶりに、150人ほど応援団が来てくれて、その後押しを受けて勝ことができました。タイトル取られてから、気負ってしまって、自分が出せず苦しかったんですけど、周りの人が支えてくれて、自分の中のスイッチを押してくれて、しんどかったけど、心から試合を楽しめてできたと思います。目標変わらず、RISEの今のフェザー級のベルトに興味があります。安本選手と國枝選手のタイトルマッチが決まっていますけど、あきらめていないんで、フェザー級のベルをを絶対に取りに行きます」とアピールした。
良星、伊東龍也に判定勝ち
第9試合 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
×伊東龍也[りょうや](HAYATO GYM/5位、Stand up King of Rookie 2022 -55kg級優勝)
○良星[らすた](KSR GYM/7位、元Bigbangスーパーバンタム級王者)
判定0-2 (長瀬29-30/神谷29-29/大沢28-29)
伊藤は29歳。昨年4戦2勝2敗で、松永隆、福井萌矢に勝利したが、松下武蔵、塚本望夢に敗れる。1月には京谷祐希とのダウンの応酬の末に判定勝ちしている。
良星は28歳。昨年4月に2年ぶりにRISEに上がったが、京谷祐希に判定負け。9月の横浜大会では彪司に判定勝ちした。
1R、伊東がサウスポー、良星がオーソドックスで構え、伊東は左ミドル主体でインロー、ストレートも当てる。良星は右ストレートやフック主体だが右ミドルやインローやハイも織り交ぜる。まだ差は乏しい。記者採点はイーブン。ジャッジ1者は良星につける。
2R、伊東は執拗に左ミドルを当て、終盤には左ハイで良星をふらつかせる。良星も右ストレート、インローを返し、ダメージを与えるが、強打でインパクトを作れず、やや印象が悪い。記者採点は伊東だがイーブンもありうる。
3R、良星はスイッチを織り交ぜて左ミドルを封じ、右インローを執拗に当てていると、伊藤は足が流れがちに。良星は顔面へのパンチも随所で当て、優位に進めて終える。記者採点は良星。合計29-29でイーブン。ジャッジは1者がイーブンだったが、3Rを確実に取った良星が2者に支持され、良星が判定勝ちした。
翼、京谷祐希に逆転KO勝ち
第8試合 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
×京谷祐希(TEAM TEPPEN/6位)
○翼(TARGET/11位、元ジャパンキック・バンタム級王者)
3R 1’28” KO (左ストレート)
1R、両者サウスポーで構え、京谷が距離を取りつつ、右ジャブ、左ストレートを随所で的確に当てて翼を少しふらつかせて優位に試合を運ぶ。
2R、翼もミドルや膝を返すが、パンチをもらい続けて口から出血するなどダメージが溜まり、力が入りきらない。終盤には京谷が右ボディストレート一撃でダウンを奪う。
だが3R、京谷も疲労とダメージが溜まっていた様子。翼が左右のミドル等を随所で当てて京谷を削ると、中盤、翼が左ストレートでダウンを奪う。京谷は立てず、翼の逆転KO勝ちとなった。
伊藤澄哉が1R KO勝ち。65kg世界トーナメント出場&YURAとのOFGマッチ熱望
第7試合 スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○伊藤澄哉(戦ジム/ライト級(63kg)2位)
×石田 迅(LEGEND GYM/元DEEP☆KICK −65kg王者)
1R 1’42” KO (右ストレート)
1R、お互いパンチや蹴りや膝を出すも、均衡状態が続いていたが、中盤過ぎ、伊藤が左の前手で距離を作ってから、右ストレートをクリーンヒット。ダウンした石田は意識はある様子だが倒れたまま動けず、すぐに神谷レフェリーがストップした。
マイクを持った伊藤は「去年最後、高橋聖人選手にKO負けしてからモヤモヤしていて情けねえなって。試合終わってからトレーナーに見てもらってダメなところ作り直して、KO勝ちで帰って来れました。ありがとうございます。で、伊藤代表、2つ言いたいことがあって。自分も(65kg世界)トーナメント出たいと思ってるんですけど、マイクで発信したからって簡単じゃないと思うんですけど、評価してもらえたらうれしいです。あとオープンフィンガーいつでも戦えるんで、YURA選手あたりお願いします」とアピールした。RISEの伊藤代表はトーナメントについて「検討したい」と話している。
第6試合 ライト級(63kg) 3分3R(延長1R)
×北井智大(チームドラゴン/4位)
○奥山雅仁(OISHI GYM/CKC -63kgトーナメント2023優勝、S-BATTLEライト級王者)
判定0-3 (朝武27-29/神谷27-29/佐藤27-30)
1R、奥山は序盤こそカウンターの右フックをもらうが、中盤から右ストレート、左ジャブ、右ロー、組んでの膝を当て続け圧倒する。北井は鼻血を出す。
2Rも奥山はカウンターのパンチをもらいつつ、パンチと膝で攻め続け、終了のゴング直前に右ストレートでダウンを奪う。
3Rも北井が右ハイ、左ストレートで奥山をひるませたが、奥山が手数で上回り、逆転を許さず判定勝ちした。
第5試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○戸井田大輝(TOP LEAD GYM/10位、元MA日本スーパーバンタム王者)
×久津輪将充(RMC/9+nine plus lab./15位、CKC -57.5kgトーナメント2023優勝)
判定3-0 (神谷29-28/佐藤29-28/長瀬29-27)
1R、戸井田がやや積極的に攻めるが、時折パンチが大振りになり防御される。久津輪も回りつつ、中盤過ぎから右カーフ、左インローを増やすように。
2R、久津輪が右カーフ、テンカオと攻めるが、左ジャブを放ったタイミングで、戸井田が左ジャブを合わせてダウンを奪う。終盤にも戸井田が左ジャブで久津輪をフラつかせ、パンチラッシュで追い詰める。ところが最後、戸井田は攻め疲れ、久津輪がパンチを連打して巻き返す。
3Rも久津輪ベースで、何発もパンチを当て、戸井田を追い詰めるが、ダウンは奪えず終了。戸井田が逃げ切る形で判定勝ちした。
第4試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○門脇碧泉[あおい](TARGET/19位、Stand up King of Rookie 2023 -57.5kg級優勝)※正道会館戸田道場より所属変更
×簗 丈一(TEAM Aimhigh/22位、Stand up King of Rookie 2024 -57.5kg級優勝)
2R 2’57” KO (左ハイキック)
※ノーコンテストに裁定変更(別記事参照)
1R、簗が左フックを効かせてからのパンチ連打でダウンを先取するが、終盤、門脇が右の顔面狙いの前蹴りを効かせると、右フックでダウンを奪い返す。
2R、門脇は首相撲からの膝蹴りの2連打の反則を犯す。豊永レフェリーはすぐに注意を出すが、しばらくしてダメージが大きいと判断し、1段階上の警告に変わる。その後も門脇は組んで膝蹴りを当てて、レフェリーがストップの声をかけ、簗の力が抜けた後にも膝蹴りを当て、減点1が科される。回復時間が設けられたものの、簗はそれ以外の攻撃含めてダメージが溜まっており、門脇がパンチと膝で攻め続け、下がる簗を左ハイでフラつかせたところで、レフェリーがストップした。無念の負けということもあり、簗が退場する際には、場内は大きな拍手で包まれた。
RISEの伊藤隆代表は大会後の総括で「(簗の)ジムからも審議願いが出るみたいなんで審議したいです。一発目の門脇の膝の後に、レフェリーが体を制して入るべきでした。あのダメージが後に響いたんじゃないかと思います。レフェリー陣としっかり検証したいです」と話している。
第3試合 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
―奥村将真(TEAM TEPPEN/15位、Stand up King of Rookie 2024 -55kg級優勝)
―菊川 蓮(MMA IKUSU/PRINCE REVOLUTION -55kg&58kg王者)
1R 2’36” ノーコンテスト (偶発的なバッティングにより菊川がドクターストップ)
第2試合 スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×児玉侑慎(正道会館KCIEL/16位、Stand up King of Rookie 2024 -60kg級優勝)
○吉田晄成(TEAM TEPPEN)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
※3R右ストレートで児玉に1ダウン
第1試合 スーパーフライ級(53kg) 3分3R
○相沢 晟[じょう](TARGET)
×紀空[きら](Croire)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)