ONE 1.28 有明アリーナ：ロッタン×武尊、ついに対戦決定。ルールは肘無しキック5R、両者「KO決着」宣言。青木真也×セージ・ノースカットのMMAも決定

　ONE Championshipは「ONE 165: Rodtang vs. Takeru」2024年1月28日（日）東京・有明アリーナ大会の開催を発表した。メインイベントではロッタン・ジットムアンノン vs. 武尊のキックルール（肘無し・ボクシンググローブ着用）3分5Rの試合が行われる。試合場はリングが採用される。11月30日の東京のABEMAでの記者会見で発表された。ONEのレギュラーシリーズの日本大会は19年10月の両国国技館大会以来、約4年ぶり3度目となる（Road To ONE等のローカルシリーズを除く）。大会のPPVに関する詳細は後日発表される。

ロッタン×武尊の肘無しキックルール5Rがメインに

メインイベント　キックルール　フライ級（61.2kg）　3分5R
ロッタン・ジットムアンノン（タイ／ONEムエタイ・フライ級（61.2kg）王者、キック同級1位）
武尊（team VASILEUS／ISKA K-1ルール世界ライト級（61kg）王者、KGPライト級王者、元K-1スーパー・フェザー級（60kg）・フェザー級（57.5kg）・スーパー・バンタム級（55kg）王者、元Krushフェザー級（58kg）王者）

　武尊は32歳。昨年6月のTHE MATCH 2022で念願の那須川天心との大一番に臨んだが、ダウンを奪われ判定負けし、連勝が35でストップした。試合8日後の記者会見で一時休養とK-1スーパー・フェザー級王座の返上を発表。8月には右膝を手術し、11月1日にはSNSで「契約満了に伴い10月31日付でK-1及びKRESTとの契約を解除させて頂きました」と報告し「これからは一格闘家の武尊として　国や団体の垣根なく挑戦して　格闘技界が更にたくさんの人に夢やパワーを与えられる業界になるように　残りの人生、全力で戦います」と記した。その後、ONEムエタイ・フライ級王者・ロッタン・ジットムアンノンとの対戦を新たな目標に掲げた。

　武尊は今年3月の会見で、ABEMAとの「専属PPVファイター契約」を結び、ABEMAから1試合最低1億円の報酬を受け取ることを発表した。その後、ONEとの契約が明らかになり、5月に武尊自身の口から報告。6月のMTGPパリ大会での再起戦では、ベイリー・サグデンを5R終了間際に左ハイでKOし、ISKA K-1ルール世界ライト級王座とMTGP認定KGPライト級王座を獲得した。9月にはONEルンピニー大会でのロッタン×スーパーレックを生観戦し「早くここで戦いたい」と話していた。なお、ロッタンはこの試合で計量5ポンド（約2.27kg）オーバーのスーパーレックに肘打ちでダウンを奪われ判定負けしている。

　今回のロッタン×武尊は、ONEのキックボクシングルールが採用される。ロッタンが王座に君臨するONEムエタイルールの肘有り・オープンフィンガーグローブ着用ルールとは異なり、肘無し・ボクシンググローブ着用・ワンキャッチワンアタックとなっている。武尊は長らくK-1で肘無し・つかんでからの攻撃無しのルールで戦っていた。当初の新生K-1やKrushはワンキャッチワンアタックルールで、天心戦もそうだったため、ルール自体への適応に問題なさそうだが、ロッタンのほうがキャッチを駆使したテクニックで上なのは確実だろう。今回チャンピオンシップ同様の5R制で、ロッタンのほうが圧倒的に戦い慣れている。採点はラウンドマスト。下記のコメント通り、両者とも打合いとKO決着を約束しているものの、試合巧者のロッタンに対応するための準備は当然武尊もしてくることだろう。

◆武尊
　K-1から来た武尊です。ONEのデビュー戦がいよいよ決まり、日本で試合できることをうれしく思います。ロッタン選手とはずっと戦いたくて、世界トップの選手だと思います。ロッタン選手は気持ちで戦うスタイルで、僕も気持ちで戦うタイプなので、世界最高の殴り合いができると思いますので、楽しみにしてください。必ず勝ちます。ONEと契約したのもロッタンと戦いたい気持ちが強かったからです。フランスでの復帰戦で勝ちましたが、日本のファンの前で勝つ姿を見せたいです。
（ルールについて）K-1と少し違いますけど、今まで通り戦います。
（前回のロッタンの試合の感想）現地で見て、スーパーレック選手の体重超過があり、体格差を感じましたけど、ロッタン選手はリスクを省みない戦いをしていて、フィジカルとメンタルの強さを、あの試合を見て余計に感じました。
（天心よりもいい勝ち方がしたい？）格闘技に三段論法は通用しないと思うので、どれだけロッタン選手にいい勝ち方をしても、天心選手を超えることはできないですけど、KOで勝つことで、天心選手との試合での自分に対するケジメがつけられると思うので、KOで勝ちたいです。
（ONEの計量システムについて）初めての経験で、水抜き禁止でハイドレーションテスト（尿の中の塩分の比重の検査）もあって、いつもより減量が厳しくなると思いますけど、しっかり調整したいです。

【LIVE】#ONEChampionship 記者会見

#武尊選手 ロッタン戦への意気込み
「ロッタン選手はずっと戦いたかった選手。
世界最高の殴り合いができると思う。必ず勝ちます。」#ONE165 @ONECHAMPJP
記者会見の視聴はこちら

— ABEMA格闘 (@Abema_Fight) November 30, 2023

◆ロッタン
　武尊選手と戦うチャンスをいただけてうれしく思います。ファンの方も望んでいた試合だと思います。楽しんでもらえる試合にしたいですし、KOで決着をつけたいです。前回日本で天心選手に負ける結果になりましたが、あの試合をきっかけに、逆に日本の皆さんに声援を送ってもらえるようになりました。武尊選手と殴り合い、ファンの皆さんの期待に応える試合にします。
（キックルールで戦うことについて）今までもONEで2～3試合経験しているので問題ありません。
（前回の武尊のパリでの試合の感想）見ていません。（他の試合の感想）たくさん見ていますが、僕に似た攻撃的なスタイルです。天心選手と武尊選手は似たスタイルで、いい試合でしたが、武尊選手が一方的に負けたとは思っていません。

青木真也×セージ・ノースカットのMMAも決定

MMA　ライト級（77.1kg）　5分3R
青木真也（フリー／元ONE MMAライト級（77.1kg）王者）
セージ・ノースカット（米国／チーム・アルファメール）

　青木は40歳。昨年3月のONEで秋山成勲に2R TKO負けし連勝が4でストップ。その2カ月後のONEではグラップリングでケイド・ルオトロに判定負け。11月にはMMAでザイード・イザガクマエフに86秒TKO負け。10月のONEではマイキー・ムスメシとグラップリングで戦い、「アオキロック」とも呼ばれる変形アキレス腱固め（ストレートフットロック）を極められ一本負けした。

　青木は現在4連敗中、MMA 2連敗で、ムスメシ戦直後には「このリーグで厳しくなっていることは自分自身わかっていますから、近い将来にONEで最後の試合をすることは自分自身考えていかなきゃならないし、その相手を誰にするかは自分の中では決まっていますから、もうちょっとここで頑張ってやりたいなと。まあ選手を辞めるってことは僕は無いですから、ONEのトップリーグで戦えなくなる未来はあると思います」と話し、ONEラストマッチを視野に入れていることを明かし、ONE離脱後の現役続行にも前向きな姿勢を示した。

　ノースカットは27歳。空手をベースとするストライカーで、15～18年にUFCに上がり、19年からONEに上がり1勝1敗。今年5月にアフメド・ムジタバに1Rヒールフックで一本勝ちしている。21年4月のONEで青木と戦う予定だったが、ノースカットが新型コロナウイルス感染後の後遺症を理由に欠場していた。

◆青木
　2023年、MMAの試合ができませんでした（苦笑）。このまま試合できずに終わると思っていましたが、ありがたいことに試合をいただきました。ベストパフォーマンスを世界最高峰の舞台で、世界最高峰とされる相手の中でできるのは、これが最後だと思いますので、やりきれるよう2か月頑張ります。

◆ノースカット
　日本に来るのは夢でした。日本大会では日本のレジェンドの青木選手と戦えて光栄です。自分のキャリアにおいても大事な試合になると思います。

チャトリ氏、前回会見の発言を謝罪も「ロッタンは天心に勝っていた」考えは譲らず

　ONEのチャトリ・シットヨートンCEOは会見冒頭、「前回の会見で私が、日本人に偏ったジャッジをしていたのではと強い口調で話したことについて、RISEの伊藤隆代表、魔裟斗さん、那須川天心さんに謝罪します。魔裟斗さんや天心さんはスーパースターで、彼らの名を汚す気はありません。興奮した中で出てしまった言葉でした。伊藤さんも尊敬する友人です」と謝罪した。だがその後の発言では「個人的にはロッタンは天心に勝っていたと思います」とも話した。チャトリ氏はタイ人の父と日本人の母のハーフで、今回の会見は英語のみで話し、日本語は封印した。前回の会見の日本語での発言が、過剰な表現になってしまったことについて、反省の意を示したかったようだ。

　大会のチケットは楽天チケットを通じて発売される。15％オフとなる先行予約受付が11月30日から12月3日まで行われる。料金は下の表の通りだが、海外でもStage Front VIPにて販売が行われるせいもあってか、米ドルベースの価格設定で日本円換算の金額は端数となっている。

ONEがロッタン×武尊の大会皮切りに年最大4回の日本大会開催へ。楽天チケットと複数年契約。イニエスタのマネジメント会社NSNが提携をサポート