武尊、天心戦以来の再起戦は6.24 パリでK-1幻の“優勝候補”ベイリー・サグデンと。ABEMAと1試合1億円以上契約。「格闘技版チームジャパン」構想も
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K-1 3階級制覇王者・武尊が3月29日、東京都内で記者会見を行い、フランス・パリで6月24日(土/日本時間)に開催される「MTGP Impact in Paris(インパクト・イン・パリ)」にて復帰戦を行うことが発表された。ベイリー・サグデン(英国/ISKA K-1ルール世界スーパーライト級(63.5kg)王者)とISKA K-1ルール世界ライト級(61kg)王座決定戦を行う。試合時間は3分5R。武尊にとっては初の海外での試合となる。
また武尊はABEMAと「ABEMA専属PPVファイター契約」を結び、この試合の模様はABEMA PPV ONLINE LIVEにて独占有料生配信される(視聴料などの詳細は後日発表)。武尊は今後、ファイトマネー以外に1試合ごとに最低1億円のABEMAからの報酬と、PPVの売り上げに応じた追加報酬も受け取ることになるという。
THE MATCHから1年、武尊がようやく本格再始動
武尊は昨年6月のTHE MATCH 2022東京ドーム大会で、長らく対戦を希望していた那須川天心との大一番で判定負け。試合8日後の記者会見で一時休養とK-1スーパー・フェザー級王座の返上を発表する共に「一回心と体を最高の状態にして、その時に改めて会見させてもらいます。またみんながワクワクして心躍らせるような、格闘技界が最高に盛り上がるお話ができたらと思います」とも話していた。
8月には右膝の手術を終え、11月1日にはSNSで「契約満了に伴い10月31日付でK-1及びKRESTとの契約を解除させて頂きました」と報告し「これからは一格闘家の武尊として 国や団体の垣根なく挑戦して 格闘技界が更にたくさんの人に夢やパワーを与えられる業界になるように 残りの人生、全力で戦います」と記した。12月25日のRISEとシュートボクシングの合同大会にも観戦に訪れ、早速団体の垣根を超える姿を披露。休養期間中にはタイや米国で練習し、Twitterにも度々練習の動画をアップし、近い時期の試合出場を示唆していた。
武尊再起戦の相手は昨年K-1トーナメント幻の“優勝候補”ベイリー・サグデン
武尊の再起戦の相手、ベイリー・サグデン[Bailey Sugden]は25歳のイギリス人。キック22戦15勝(3KO)6敗1分で構えはオーソドックス。15年にキックデビューし、17年のRoad to GLORY 英国65kgトーナメントで準優勝。19年までGLORYにレギュラー参戦し、ジャン・チェンロンに判定勝ちし、ザカリア・ゾウガリーに判定負けし、GLORYフェザー級(65kg)では3位まで浮上した。昨年3月に地元英国の大会で判定勝ちしISKA K-1ルール世界スーパーライト級(63.5kg)王座を獲得し、3月11日(英国時間)にも初防衛を果たしたばかりだ。昨年9月のK-1スーパー・フェザー級(60kg)王座決定トーナメント1回戦で横山朋哉と対戦予定だったが、練習中に右足首を骨折し、全治3カ月の診断を受け欠場していた。組み合わせ発表会見でK-1の中村拓己プロデューサーも「今回の外国人選手の中では優勝候補として注目しています」とコメントしていた実力者だ。
こちらはその3月11日のISKA王座戦の試合映像。金と紫のトランクスがサグデン。K-1向きなパンチャータイプという印象で、アグレッシブさでは武尊との対戦が期待されているロッタン・ジットムアンノンを思わせる面もある。さすがにこのスタイルで動き続けると5R目は消耗が激しいが判定勝ちしている。
こちらは21年10月の英国でのサグデンの試合映像。今度の試合と同じMTGPの大会。ルールはワンキャッチワンアタックで65kg。緑のトランクスがサグデン。相手がサウスポーで組みつきが多く戦いにくそうだが判定勝ちしている。スピードとテクニックでは武尊が上と思われるが、61kgまで絞るサグデンのフィジカルに、武尊がどこまで対応できるか気になるところだ。
K-1から独立の武尊、ABEMAと1試合1億円以上契約
3月29日の会見の前半では武尊が代表取締役を務める会社「株式会社STR」の設立、ABEMAとの「ABEMA専属PPV(ペイパービュー)ファイター契約」締結が発表された。今後、ABEMAは武尊の試合を独占配信する権利を有することになるという。契約期間は未発表。ABEMAの格闘チャンネルの北野雄二エグゼクティブプロデューサーは「武尊選手のこれまでのK-1での試合を放送し、新しい船出にも貢献したいと思いました。THE MATCH以降、格闘技がより認知され、配信イベントも増えました。努力を積み重ねれば武尊選手のように1億円の契約も夢ではないことが示されると思います」と、この新たな契約形態ついて説明した。米国のプロボクサーでは前例のあるスタイルの契約だが、日本の格闘技選手では初の形であり、K-1を離れフリーになったスター選手・武尊ならではの契約とも言えよう。
昨年のTHE MATCHはABEMA PPVで独占生中継され50万を超える視聴数を獲得したが、武尊はこのABEMAとの契約をきっかけにPPV文化の普及、日本の格闘技選手の地位向上を目指す。武尊は「PPVは日本ではまだ定着していなくて、業界がまだ発展できないでいるので、日本で頑張っている選手や、これから格闘家や色んなスポーツの選手にとってのモデルとして活躍し、もっといい結果を残せるよう先頭で引っ張っていきたいです」「この前の(野球の)WBCのように、格闘技のワールドカップのようなもの実現したい思いがずっとあって、そういう大会を世界中に配信してもらえるようになりたいです。地上波にもこだわってやっていたんですけど、これからは世界に配信してもらうことで、日本の格闘技界だけでなくスポーツ界に素晴らしい選手がたくさんいることを広められ、業界の発展にもつながると思います」とコメントした。
武尊「今回勝って世界に僕の名前を売ることでロッタン戦は現実的になる」
会見後半では武尊のフランスでの復帰戦についての発表が行われた。会見にはポール・ヘネシー・ISKAヨーロッパ代表、サグデンも出席。元GLORYランカーのサグデンは「日本という限られた中で活躍した武尊に、世界に出ることの厳しさを教えたいです。私は世界の強豪と戦ってきました。武尊との違い見せたいです。武尊は私同様アグレッシブなスタイルですが、私にKOされないようにしてください」と強気にコメントした。
なお、今回武尊とサグデンが争うISKA K-1ルール世界ライト級(61kg)王座は、かつて皇治が17年にHEAT名古屋大会でモハメド・ブールフに判定勝ちし獲得した王座で、その後防衛せず返上扱いとなっていた。会見3日前のRISEでは原口健飛がISKA K-1ルール世界ライトウェルター級(65kg)王者となり、その際にヘネシー氏は立ち会っていた。ISKAは米国に本部がありヨーロッパで多くの王座戦が行われている。
会見後半パートの武尊は、前半の黒のスーツから白のスーツに着替えて登場。壇上と囲み取材でのコメントの要約は以下の通りだ。
◆武尊(壇上での談話)
(初の海外での試合が決まった心境)先輩の卜部兄弟がフランスのISKAのタイトルマッチをした時にサポートのために一緒に行って、世界で戦うことの大変さを知りました。その時に敵地でベルトを取った先輩たちの姿を見て、僕のことを知らない人たちを熱狂させる試合してみたいと思っていました。
(サグデンの印象)アグレッシブな選手で、GLORYでの何試合かを見ました。ザカリア選手だったり日本で有名な選手と戦ったり、世界で戦っているイメージだったので、どういう試合になるか楽しみですし、僕の実力を世界で知らしめるチャンス。
(今回のMTGPとの試合契約について)1試合の契約です。この試合の後にやりたい試合がたくさんあります。
(期待されているロッタン戦について)ロッタン戦の実現に向けて動いている最中でですけど、まずはこの試合だけに集中します。勝って世界に僕の名前を売ることで現実的になると思います。
【LIVE】#武尊 緊急記者会見
ー #ロッタン 戦に言及
「実現に向けて動いている」
「ただ、6/24の試合に勝たないと意味がない」
「この試合に勝って世界に名前を売ることで実現に繋がるはず」
— ABEMA格闘 (@Abema_Fight) March 29, 2023
(この試合自体をどうしたい?)格闘技のワールドカップみたいな大会を開催する第一歩だと思っています。日本にも素晴らしい選手がいるんで、一緒に世界で戦って日本の格闘技を世界に知らしめる大会したいです。参戦したい選手がいたら一緒に世界と戦いたいです。
(チームジャパンのような構想?)格闘技ワールドカップを実現させるためにも、そういう形でできたらいいなと思います。
(ファンへのメッセージ)前回勝つ姿を見せられなかった悔しい気持ちが今も残っています。負けても変わらず応援してくれたファンの皆さんや家族や仲間に勝つ姿を必ず見せます。
「格闘技版チームジャパン構想」では野杁正明、KANA、吉成名高の名も
◆武尊(囲み取材での談話)
(K-1から独立して初戦となる心境)K-1を辞めましたけど、今もK-1ファイターのつもりで戦っているので、世界にK-1や日本の格闘技をアピールしたいです。
(今回の61kg契約・5Rについて)5Rも61kgも初めてで不安なところもあるんですけど、今までと違う戦いがまたできる楽しみもあります。3Rの僕の試合しかみんなも見ていないですし、自分自身、どういうスイッチが入るか楽しみです。
(サグデンの体格について)体の圧を感じました。61kg契約ですけど、普段から節制しているのでほぼナチュラル体重で、水抜きが少しある程度です。元々空手では無差別でやっていたので体格差は気にしないです。
(今後の体重は?)適正体重は60kgなんですけど 僕の戦いたい選手が61kgを希望するなら合わせます。
(サグデンとフェイスオフをした感想)やっと試合が決まった喜びと、向き合った時に相手の目を見た時にファイターの気持ちが見えて、気持ちが強い選手と感じました。
(6月の試合までの練習プランは?)4月からアメリカでいつも通り合宿をやって仕上げていこうと思います。
(今までK-1を背負って戦っていましたが、今は自由な気持ち?)K-1にいた時はK-1代表でしたが、今は日本の格闘技を代表し、背負うものは大きくしているつもりなんですけど、僕が負けたら日本の格闘技はそんなもんかと思われてしまうと思うので、そういうプレッシャーもあった方が気合が入ると思います。
(会見で白いスーツを着たのは1年ぶり?)たぶんもっと着ていないですね。日本代表として日の丸カラーにしようと思いました。(16年11月の)K-1のフェザー級王座決定トーナメントの時に初めて白いスーツを着たんですけど、一回戦の相手がイギリスの選手(=ジェイミー・ウィーラン)で、今回もイギリスの選手が相手なのでゲン担ぎで着ました。
(格闘技版チームジャパン構想で目をつけている選手は?)日本を代表とするからには世界で戦える選手と一緒に行きたいです。K-1だと(元KRESTの同門の)野杁正明だったり、女子だとKANA選手とか。他団体だと(雑誌の企画でも対談した吉成)名高とか、色んな団体から日本を代表して行けたらいいなと思います。
(去年戦った那須川天心の4月のボクシングデビューについて)違う競技に行きますけど、戦った選手として負けてほしくないですし、僕もいい刺激にして頑張りたいです。
対戦カード
ISKA K-1ルール世界ライト級(61kg)王座決定戦 3分5R
ベイリー・サグデン(英国/サギーズジム/ISKA K-1ルール世界スーパーライト級(63.5kg)王者)
武尊(team VASILEUS/元K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級(60kg)・フェザー級(57.5kg)・スーパー・バンタム級(55kg)王者、元Krushフェザー級(58kg)王者)※K-1 GYM SAGAMI-ONO KRESTから所属変更
※ISKA K-1ルールは肘無し、つかんでからの攻撃は無効のキックボクシング。ラウンドマスト判定