THE MATCH 天心戦から8日、武尊が記者会見「心と体を休養し、必ず復帰します」「一つ目標ができた」「天心選手との“戦い”は一生続く」
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THE MATCH 2022 6月19日 東京ドーム大会のメインイベントでRISE世界フェザー級王者・那須川天心に判定負けした武尊が、試合から8日後の27日、東京で記者会見を行い、一時休養とK-1スーパー・フェザー級王座の返上を表明した。
天心戦で敗れた武尊は、試合直後にインタビュースペースに登場したが「この試合を実現するために動いてくれた人たち、支えてくれた人たち、対戦相手の天心選手に心から感謝しています。僕を信じてついてきてくれたファンの人たち、K-1ファイター、ジムのみんなには本当に心から申し訳無いと思っています。以上です。ありがとうございました」とだけ話し、質問には答えず退席した。そのため今回の会見ではマスコミの質疑に応じ、一息ついて気持ちも整理できたことで、今後の展開を語る流れとなった。
(以下は会見の談話の抜粋)
「前向きな意味で休養させてもらう」
SNSでも書きましたが、花道から帰る時、勝者がスポットライトを浴び、敗者は静かに帰るイメージでしたが、たくさんのファンが集まってくれて、かけてもらった『ありがとう』という言葉が一生忘れられないです。勝ち続けていた時のどんな『おめでとう』よりもうれしくて、知れなかったことを知ることができて、どんな勝利よりも報われたと思いました。そう言ってもらったから決心できました。負けた時はこれで終わりだという気持ちもあり、やり返したい気持ちもありました。公表していない部分での怪我にも悩まされたので、一回、格闘家として歩みをストップさせてもらって、休養させていただこうと思っています。そのあとについては整理ができていないです。
勝ち続けているこそ価値があると思っていたんですけど、信じてついてきてくれる人がたくさんいて、毎日のようにSNSとかで『引退しないで』くださいといった言葉をたくさんいただいていて、勇気を振り絞ることができています。この10年は無理しながらでもやってきた部分があるので、一回心と体のコンディションを正常に戻し、新しいチャレンジができたらと思います。戦う舞台からは離れようと思うんですけど、もう一回チャレンジしたい気持ちにもなっているので、前向きな意味で休養させてもらおうと思います。
拳、腰、膝の負傷について。パニック障害とうつ病を告白
拳の怪我はずっとあったんですけど、それ以外にも腰が数年ぐらい前から分離すべり症になっていて、一時期運動もできず、痛みで寝ることもできませんでした。拳は1回手術したんですけど完治せず、数年前から骨がずっと外れている状態で、だましだましやってきました。膝の内側靭帯、前十字靭帯も損傷し良くなかったです。あと公表するか迷いましたが、数年前から精神科でパニック障害とうつ病を診断されていました。昔からもあって、試合が決まるまで心が耐えられるか不安もありました。知らず知らずのうちに自分の心が壊れていっているのを感じていました。同じように病気や怪我で苦しんでいる人もいると思うので、心と体を治し、最高の心と体で戻って、復活する姿を見せることが一個目の戦いかと思っています。その戦いに勝って、元気な体を見せられるよう、必ず復帰します。
もう一つ報告したいことがあって、K-1代表として負けたことで、K-1を背負う資格は無いと思っていて、けじめとしてこのベルトは返上し、次の世代にバトンタッチしたいです。
(以下は質疑応答)
「試合2週間前に歩けないような状態になった」
(復帰は違うジャンル?)心の中で一つ目標ができて。まだ何も形にもなっていないし、一つ考えていることがあるんで、それに向けても心と体を治したいです。治すにも目標が必要だと思ったので、それを目標に頑張ります。
(休養はどこで?)海外に行ったり、人と話さない環境に行ってみたいです。
(試合の天心のジャブ、ダウンを取られた左フック、自分の攻撃パターンだったり、58kg契約での体の動きだったりを振り返って、どうでしたか?)終わったことなんでアレなんですけど、あの時の心と体で100パーセント出したんで悔いはないですし、内容はあんまり振り返ることはやめようと思っていて。あれが100パーセントかなと思っています。
(天心への思い)天心選手がいたから苦しかったし、約10年勝ち続けてこれたのも天心選手という存在がいたからで、この世界にいてくれて感謝しかないです。
(今後を決めるにあたり相談は誰かとした?)試合2週間ぐらい前に歩けないような状態になって、右の蹴りが蹴れない状態で最後2週間過ごして、これ治さないとやりたい戦いもできなくなるし、人としても普通の生活が送れなくなるのは良くないし、周りの人にも迷惑をかけると思いました。夜中に病院に運ばれたこともあり、自分だけのことじゃないと思い決心しました。
「負けへのネガティブな気持ちは変わりました。これで一つ強くなれたんじゃないか」
(大会でかつてのK-1のような盛り上がりを感じた?)一つの文化と思っていて、今の時代に素晴らしい部分をたくさんの人に見てもらえたのはうれしかったです。
(天心選手と2人で話したい気持ちは?)まだないですね。お互い引退してからじゃないかな。同じ格闘界にいる間は仲良くできないと思っています。
(負けた後、負けることへの考えは変わりましたか?)負けることへの恐怖に支配されていたから強くなれて、無駄ではなかったですけど、10年ぶりぐらいに負けて、その時に知れたことは大切に思えました。負けた自分は許せないですけど、自分の歪んでいた部分だったり、負けへのネガティブな気持ちは変わりました。これで一つ強くなれたんじゃないかなって。負ける部分の価値観がいい意味で変わり、恐怖が無くなり、もっと思いっきり戦えると思いますし、もっと強くなれると確信しました。
「天心選手との“戦い”は一生続く」
(天心との戦いは終わったのか?何かの形で続くのか?)この試合は1度だけで2回やる意味がなくて、だからこそ意味があると思っていて。帰った時も映像を見て何が良くてダメだったかずっと考えました。天心選手はボクシングに行って階級も変わると思うし。100パーセント気持ちが固まっているわけじゃないので、断言はしたくないですけど、新しい目標を思っていることもあって、直接的な戦いだけじゃない戦いもあると思うので、そういう意味での戦いは一生続くと思っています。
(30歳になり年齢の不安は?)魔裟斗さんも言うようにまだ身体能力を上げられるし、休むことでここ数年よりもっといい戦いができると思うし。僕は気持ちで戦うファイターなので、そこの部分が壊れていたら何もできなくて、心と体もつながっていると思うので、年齢関係なく、なんでもできると思っています。
「またみんながワクワクして心躍らせるような、格闘技界が最高に盛り上がるお話ができたら」
(UFCへの挑戦の噂を見たが?)今は何も考えられないし、毎日考えていることも変わるし、一つ決心はしたんですけど、明確に何というのを考えないようにしているし。UFCだけじゃなくて、僕には色んな可能性があると思っているので、一回心と体を最高の状態にして、その時に改めて会見させてもらいます。またみんながワクワクして心躍らせるような、格闘技界が最高に盛り上がるお話ができたらと思います。
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