RISE 9.23 横浜 ぴあアリーナMM(レポ1/2):那須川天心、鈴木真彦に判定勝ち。原口健飛、初のダウンも逆転TKO勝ち。直樹、白鳥大珠を延長の末返り討ち。中村寛が直樹に11.14大阪での王座戦要求
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Cygames presents RISE WORLD SERIES 2021 YOKOHAMA
2021年9月23日(木/祝) 神奈川・ぴあアリーナMM
レポート&計量写真:井原芳徳 試合写真:久保与志
※RISE DEAD OR ALIVE -53kgトーナメントは別記事でお伝えします
那須川天心、鈴木真彦に判定勝ち「パンチで倒す気持ちが強くて、空回りしました」
第14試合 メインイベント バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○那須川天心(TARGET/Cygames/RISE WORLD SERIES 2019 -58kgトーナメント優勝、RISE世界フェザー級(57.15kg)王者、ISKAフリースタイル世界フェザー級(57kg)王者、ISKAオリエンタル世界バンタム級(55kg)王者)
×鈴木真彦(山口道場/RISEバンタム級(55kg)王者、元WBCムエタイ日本バンタム級王者、元ホーストカップ日本バンタム級王者)
判定3-0 (長瀬30-28/大沢30-28/佐藤30-28)
天心は2月のRISEの志朗戦以来7カ月ぶりの試合。以降は6月のRIZIN東京ドーム大会でボクシング形式の1対3のエキシビジョンマッチを行っていた。現在キックボクシング39戦全勝。来年、キックボクシングを引退しボクシングに転向する予定で、キックは鈴木戦、年末、来年春の残り3試合を予定している。
鈴木は15年8月のBLADEでの55kgトーナメント一回戦で天心と戦い、1R 1分46秒で2ダウン目を喫しKO負けし、天心は準決勝も決勝もKO勝ちし優勝している。鈴木は天心へのリベンジを目指し、昨年11月のRISE大阪大会での「RISE DEAD OR ALIVE 2020 -55kg ~那須川天心挑戦者決定トーナメント~」準決勝まで20連勝していたが、決勝で志朗に破れ、あと一歩のところで悲願の天心戦にたどり着けなかった。しかしその後も今年2月のRISEで溜田蒼馬に、7月の大阪大会でテーパリット・ジョウジムに勝利し2連勝中だ。
キック引退間近の天心は、国内の強豪とは武尊らK-1勢を除いて一通り対戦済。コロナ禍の影響で海外から強豪を招へいできない状況もあり、昨年の挑戦者決定トーナメント準優勝止まりながら、鈴木が棚ぼた的に天心の相手に選ばれた感は否めなかった。8月のカード発表会見で天心は鈴木について「志朗君以外には勝って、20連勝はしていたので、勢いはあると思います」と一定の評価をしつつも「今回は相手どうこうじゃなく、色んな方に見てもらいたい。スポーツはオリンピックだけじゃない」とも話し、対世間を意識。鈴木は「みんなどうせ負けるやろと思っているんでしょうけど、そこを引っ繰り返したいです」と話していたが、引っ繰り返すまではいかないまでも、予想外の健闘を見せることに。
1R、天心はいつも通りサウスポーに構え、プレッシャーをかけ右ジャブを振るい、ノーモーションの左ストレートを当て、左ミドルも絡める。鈴木も前に出て右ストレートや右ミドルお返し。だがすぐ天心は圧をかけ返し、右ボディストレートを当て、左フックと左膝の連打も決める。終盤、天心は左ハイをヒット。鈴木はのけぞるが踏みとどまる。さらに鈴木の右ミドルに右ジャブを合わせたり、左ストレートでものけぞらせるが、最後は鈴木も右ストレートを返し、はっきりした差をつけさせないで終える。記者採点はイーブン。天心はいつもよりパンチの比重が高い印象だ。
2R、鈴木は接近戦での打ち合いで右ボディ、右フックをヒット。天心のスピードに対応できている。しかし天心はすぐに左ジャブ、左ローをお返し。中盤には鈴木の打ち終わりに左右のストレートを的確に当てる。終盤、鈴木も右ストレートを当て、少しだけ天心をひるませる等、随所でパンチをお返しするが、手数差は大きい。記者採点は天心。
3R、天心は序盤から左ミドル、左ボディをヒットするなど手数多く攻める。鈴木はひるまないものの、攻撃はほとんど返せなくなる。天心は終盤も動きを切らさず、左ミドル、左ストレートを的確にヒット。最後に鈴木も右ロー、ストレートを返すが、手数差は大きなまま終わる、記者採点は天心。合計30-28で天心。ジャッジ3者も同じ採点で、天心が判定勝ちした。しかし鈴木の強さも伝わる一戦だった。
天心は「対戦してくれた鈴木選手、試合前は色々あって、どぎまぎした気持ちがあったんですけど、試合が終われば関係無いんで、相手が少ない中、戦ってくれてありがとうございました。皆さん鈴木選手に拍手を」と鈴木を称えた。
続けて「ボクシングに転向するので、パンチを練習していていて、近距離とかでパンチで倒す気持ちが強くて、空回りしました。蹴りを使わないとなかなか難しいとわかったんで、あと2試合、もっと蹴りを磨いて、強い那須川天心を見せたいです」と謙虚にコメント。
最後は「芸能活動だったり、恥ずかしながら唄も出して。ここで1曲歌いたい、ってのは冗談で、これからもいい試合するんで。あと2試合、相手決まってないですけど、いい試合見せられるように。うちの風音がやりたいと言っていたんですけど…、っていう感じですよね。でもストーリー的にもやっていいかなとも思うんで、これからも注目してください」と話し、直前にDoA -53kgトーナメントを制し天心に対戦要求した同門の風音戦にも、わずかながらだが前向きな態度を見せた。
リング上で天心が「あと2試合、相手決まってないですけど」と話したため、バックステージでのインタビューでは武尊戦について質問が飛び、天心は「動きが無いので、僕もマジでわからないんですよね。組まれるのであれば、僕もやりたいだろうし、客観的に見ても盛り上がるカードだろうし、僕も熱くなれる試合だと思うので、状況が整えばやりたいと思うんですけど、まだ何も。向こうの選手(=武尊)はどんどん発言して、僕は何も言わないから、はぐらかしてるんじゃないかと言われるんですけど、わからないのに言ってもファンをガッカリさせるだけなので、決まるまで僕は何も言えないですよね」「次の試合は大晦日のRIZINです。今までお世話になった分、恩返しをする“RIZIN引退試合”をみんなに見せたいので、そこで(武尊戦が)決まるのであればやるのかもと思いますし、まだ何もわからないです」と話した。
RISEの伊藤隆代表は武尊戦の交渉状況について「現状はまだテーブルに着いていないです。間接的に聞いている部分もありますけど、言える部分と言えない部分がありますので。天心の試合が終わったばかりなので、やるようであればテーブルに着きたいと思います。今回は武尊選手がやりたいという流れであって、間に榊原(信行RIZIN)代表が入っていて、榊原代表を挟んでの会話になっているので、その状況がずっと続いています」と説明した。
原口健飛、初のダウンも逆転TKO勝ち
第12試合 65.5kg契約 3分3R(延長1R)
○原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM/RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント優勝、元RISEライト級(63kg)王者)
×タップロン・ハーデスワークアウト(タイ/ハーデスワークアウトジム/RISEスーパーライト級(65kg)4位、元WMC世界フェザー級王者)
2R 1’35” TKO (レフェリーストップ:右ストレート)
原口は昨年10月のぴあアリーナ大会でのRISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメントで優勝し、今年の2月の横浜アリーナ大会ではペットパノムルン(タイ/ GLORYフェザー級(65kg)王者)との試合が組まれたが、新型コロナウイルス緊急事態宣言下の入国制限の影響で実現せず、白鳥大珠との試合に変わり、原口が2ダウンを奪い判定勝ちした。
タイ人のタップロンは41歳のベテラン。RISEウェルター級王者のベイノアにKO勝ちしたこともあり(再戦では黒星)、RISEの伊藤隆代表も「原口には仮想ペットパノムルンとして挑んでもらいます」と試合を位置づける。
1R、原口がサウスポーに構えてじわじわ詰め、タップロンは度々スイッチしつつ、原口の左ミドルをすくって倒す場面も。原口は初のタイ人相手に攻めにくそうだが、二段蹴りも絡め左ミドルを随所で叩き込む。記者採点はイーブン。
2R、原口は途中からオーソドックスにスイッチする場面もあるが、サウスポーに戻す。すると原口が前に出たところで、タップロンが首相撲で捕まえて頭を下げさせると、右の膝蹴りを顔面に当ててダウンを奪う。原口はダメージが小さく、すぐ圧をかけ返すが、相変わらずタップロンを攻めきれない。記者採点は8-10でタップロン。
3R、負けられない原口は前に出てパンチを振り回すが、タップロンはかわして右フックをお返しする。しかし原口は変わらず前に出続け、ロープを背負ったタップロンに左の三日月蹴りを効かせてから、左フックを当ててダウンを奪い返す。タップロンは立ち上がるが、パンチを振り回すとフラつき、原口はその中で右ストレートをヒット。タップロンの腰が落ちたところで大沢レフェリーがストップした。
原口は「タップロン選手、一番強かったです。パンチ強いと聞いていたんですけど、まさかの膝で、気を抜いていました。これじゃ天心君(のRISEのエースの座を引き継ぐ)にはほど遠いです。これから気を抜かず王者らしく戦いたいです。相手が決まらない中、急きょタップロン選手が試合受けてくれたんで感謝しています 初ダウンをもらって、逆転勝ちという初めての体験をしたんで、もっとプラスに捉えて強くなろうと思います。これからも応援と期待をお願いします」と、波乱の試合を振り返りつつアピールした。
直樹、白鳥大珠を延長の末返り討ち。中村寛が直樹に11.14大阪での王座戦要求
第11試合 ライト級(63kg) 3分3R(延長1R)
○直樹(BRING IT ONパラエストラAKK/RISEライト級(63kg)王者、スック・ワンキントーン・スーパーライト級王者)
×白鳥大珠(TEAM TEPPEN/RISE WORLD SERIES 2019 -61kgトーナメント優勝、RIZIN Kick One Night Tournament(61kg/2021年)優勝、元RISEライト級(63kg)王者)
4R 判定3-0 (小川10-9/大沢10-9/秋谷10-9)
3R 判定0-0 (小川30-30/大沢29-29/秋谷30-30)
直樹と白鳥は昨年10月のぴあアリーナ大会でのRISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント一回戦で対戦。1R中盤、白鳥の右のフックに直樹が右の膝を合わせて額を切り裂きTKO勝ちし、番狂わせを起こした。白鳥は今年6月のRIZIN大阪大会でのトーナメント優勝から凱旋出場。7月のRISE大阪大会で両選手の横浜大会出場が発表されると、直樹との再戦を熱望し、直樹は大晦日のRIZINでの再戦を希望したが、白鳥の希望通り、RISEでの再戦に落ち着いた。
1R、白鳥はサウスポーに構え、慎重にジャブ、前蹴りを突き、時折右ロー、カーフキックをヒット。中盤、直樹が詰めて来るが、白鳥は左ボディ、右フックを連打する。直樹も右ミドルを当てるが、お互いまだ攻撃は少ない。記者採点はイーブン。
2Rも白鳥がリーチ差を活かして距離を取り、自分のロー、カーフを直樹の前足に集中する。手堅い攻めを続けつつ、終盤、白鳥はボディから顔面にパンチをつなげ、左膝もヒット。主導権を維持する。直樹も時折パンチを当てるが軽い当たりが続き手数も少ない。記者採点は白鳥。
3R、中盤に白鳥は左右のフックを振るい、右フックをヒット。さらに左フックで直樹をのけぞらせ好印象を作る。ブロックの隙間から左右のストレートも叩き込み、終盤にも左テンカオ、左フック、左ミドルを叩き込み好印象を残す。後の無い直樹は蹴り足をすくって倒してパンチを入れてしまう一幕も、最後、直樹はパンチを振るい続けるが、ヒット数は差が大きいまま終了。記者採点は白鳥。合計28-30で白鳥。ジャッジは白鳥の的確な攻撃に厳しく、3者ともイーブンで延長へ。
延長R、今度は最初から直樹が前に出て、右ミドル、三日月蹴りを連打。右ボディストレートも絡める。逆に白鳥は一転して手が出なくなる。中盤、白鳥が前に出て、左ミドルを一発強打。左ストレートも当てるが、直樹も右ストレート、右ボディを返す。終盤には直樹が前に出てパンチをまとめ終了。最後は白鳥が左まぶたを切って終える。記者採点は直樹。ジャッジ3者も直樹を支持し、直樹の判定勝ちとなった。
直樹は「試合前、色々ありましたけど白鳥選手は強いので認めていました。僕の方が格下なのに(前日会見で)『試合を受けたんだからありがとうと言え』なんて言いましたけど、こちらこそ対戦してくれてありがとうございました」と白鳥に感謝の言葉を述べた。続けて「原口君に負けてるんですけど、敵のいない状態なので、他団体の奴らとやりたいです。年内にそういう話があるんならRISE代表として他団体の選手をぶっ飛ばします。俺がRISEのチャンピオンだ」とアピールした。
すると中継席に座っていた中村寛がリングにパイプ椅子を投げ入れてから乱入し、直樹に襲い掛かり、マイクを持つと「次、俺と11月(14日のエディオンアリーナ大阪大会で)やれ。ベルト懸けてやれ」と挑発。直樹は落ち着いた様子で「わからないですけど」と答え「最後までクリーンな気持ちで楽しんでください」と、荒ぶる中村を皮肉りつつ観客に呼びかけた。中村は「延長でダウンも無くて他団体にRISE背負って行こうとするのがムカつく。ベルト11月懸けてやれ」と再び挑発すると、直樹は退場しながらリング上の中村に向け「中村さん、63kg(ライト級)で一回も試合してないじゃないですか。他のランカーと戦ってからやれ」と正論で返した。
バックステージで直樹は「今回、白鳥選手に再戦しようと言われて、向こうのタイミングでこうなっちゃったし、これで中村選手とのタイトルマッチもはいやりますって言ったら、スーパーイエスマンじゃないですか」と話して苦笑し、「彼は63kgで試合をしていないし、計量失格しているし(※3月のRISEでのSEIDOとのスーパーフェザー級(60kg)戦前に脱水症状で救急搬送された)。俺は計量失格した人はプロ失格だと思ってるんで、それでよく(7月の大阪大会の大雅戦で)復帰できたなって思うし、62kgで一回試合して、あれも微妙な勝ちだったですよね。あれで挑戦させてくれって。63kgのランカーたち、頑張ってくれ。俺を守ってくれ」と、中村を批判すると共に、秀樹・北井智大・小川翔・麻原将平・KENTA・稲石竜弥・YA-MANらライト級ランカーの奮起を促した。
RISEの伊藤代表は「中村が乱入して椅子投げてびっくりしたんですけど、直樹がやりたければ組みます。慎重に決めたいと思います」としつつも「タイトルマッチは無いですね。そこは直樹に失礼ですね。直樹が受けるならワンマッチでいいと思います。ランキング上位ではないので、そこを差し置いてできることはないです」と補足した。中村の乱入等にペナルティを科すかを聞かれ鵜ると「盛り上げるために何でもいいというのは違うと思います。本人にも話を聞いてみたいですね」と語るに留めた。
ベイノア、ねぎ魔神退けRIZIN大晦日査定試合を要望
第10試合 ミドル級(70kg) 3分3R(延長1R)
○“ブラックパンサー”ベイノア(極真会館/RISEウェルター級(67.5kg)王者、元J-NETWORK同級王者、極真会館2018全日本ウェイト制軽量級優勝)
×ねぎ魔神(ネイバーズキックボクシングジム/RISEミドル級(70kg)9位)
判定3-0 (大沢30-28/佐藤30-28/秋谷30-28)
ベイノアは6月のRIZIN東京ドーム大会でMMAに初挑戦し、元DEEP王者の弥益ドミネーター聡志に判定負けして以来の試合。RISEでは宮城寛克、憂也に連勝中だった。ねぎ魔神は福岡で行われているRISE WESTで勝利を重ねている新鋭。広報用の写真や試合前後にネギを持つ謎のキャラが、密かに話題になっていた。首都圏の大会には初進出。ランク入りしていきなり、階級は下の相手とはいえ王者と対戦する。
1R、ねぎ魔神は開始すぐから距離を縮めて来るが、ベイノアは回って距離を取りながら、右ロー、カーフ、左ジャブ、左ボディを当てて応戦する。中盤にはバックスピンキックをボディと顔面に連打。ねぎ魔神は少しひるむ。それでも、ねぎ魔神は前に出続け、時折パンチを当てるが、ベイノアは左ジャブを突き続け、右ストレート、左ミドルも当て、手数で差を広げる。記者採点はベイノア。
2Rもしつこくねぎ魔神が前進を続ける構図。中盤、ベイノアの右すねが割れ、ドクターチェックが入る。再開後もベイノアが左ボディ、左右のフック等の手数で上回るが、少しパワーが落ち、ねぎ魔神の右ストレートもこれまでより目立つように。記者採点はイーブン。
3Rもねぎ魔神がしつこく前に出て右ストレートを随所でヒットし、ここで若干優位に。中盤からベイノアは左ジャブ、右ストレート、右ローを返し、終盤には右ボディ、右アッパーを連打し好印象で終える。記者採点はイーブン。合計30-29でベイノア。ジャッジは3者とも30-28でベイノアを支持したが、ねぎ魔神も打たれ強さで印象を残した。
ベイノアは「ねぎな試合でしたね」とねぎ魔神の健闘を称え「俺が勝ったら魔神の名前をもらうと言いましたけど、これじゃもらえないですね。でも、ねぎ下さい。僕と成増の(道場の)子供たちにねぎを送ってください」と続けた。そして「勝って(RIZINの)大晦日と思いましたが、伊藤代表、これじゃ…ですよね。なので査定試合ください。階級、ルールは問いません。押忍魔神で何でも受けます。年内あと2試合やります」とアピールした。
OFGマッチはYA-MANが北井智大を43秒KO。山口裕人は判定勝ち
第9試合 オープンフィンガーグローブマッチ スーパーライト級(65kg) 3分3R
○山口裕人(山口道場/WPMF世界スーパーライト級暫定王者、元WBCムエタイ日本統一同級王者)
×稲石竜弥(Team OJ/RISEライト級(63kg)6位、元Bigbang&MA日本ライト級王者)
判定3-0 (佐藤29-27/秋谷28-27/大沢29-27)
山口兄弟の兄・裕人は5月のRISE on ABEMAでRISEでは初めて行われたオープンフィンガーグローブ(OFG)着用マッチに出場。松本芳道と時間切れ引き分けに終わっていた。今回からは通常の試合同様、判定決着もありとなる。裕人は7月の大阪大会でもOFGマッチを予定していたが、対戦相手の桜井力が減量中に脱水症状となり試合が中止し、侑馬との兄弟エキシで観客を楽しませた。
1R終盤、稲石が右のバックハンドブローを空振りさせた後、負けじと裕人が放った右のバックハンドブローがアゴに命中し、稲石はダウンする。裕人は稲石をコーナーに詰め、左ボディと右フックの連打で2ダウン目を奪い、点差を広げる。記者採点は10-7で山口。
2R、稲石はダウンのダメージは小さい様子。パンチとバックハンドブローの応酬が続くと、終盤、稲石が左右のミドルと右フックの連打で裕人を下がらせ好印象を残す。記者採点は9-10で稲石。
3R、稲石は時折左ミドルを強打し、裕人はバックハンドブローを度々ヒット。最後、両者激しくパンチを打ち合うが、互いに一歩も引かず終わる。記者採点はイーブン。合計29-27で裕人。1Rに3点差をつけた裕人が逃げ切る形で判定勝ちした。
裕人は「稲石選手やりにくかったです。2R効いてました。頭痛いです。OFG最高でしょ?YA-MANやるなあ」と話し「ABEMAでOFG(ルールオンリーの大会)やったら盛り上がると思うんでやってください」とアピールした。
第8試合 オープンフィンガーグローブマッチ ライト級(63kg) 3分3R
×北井智大(チームドラゴン/RISEライト級2位)
○YA-MAN(TARGET SHIBUYA/RISEライト級7位)
1R 0’43” KO (右フック)
YA-MANは5月のOFGマッチで山口兄弟の弟・侑馬に2R KO勝ちしているが、今回は短期決着に。1R、YA-MANが右ローを当てて距離を詰めると、左ジャブを当ててからの右フックをクリーンヒット。これ一発で北井を見事KOした。
YA-MANは「前回まぐれで勝ったとか思っている奴、いると思うんですけど、今回で証明できたと思います。山口弟がごちゃごちゃTwitterでうるさいんだけど、また打ち合いどう?俺いつでもいいよ。これだけ盛り上げられるんで、伊藤(隆)会長、来年OFGのトーナメント、どうですか?ご検討お願いします」とアピールした。
北井に勝ったことでRISEのランキングがアップするかはわからないが、その方向とは関係無くOFG路線を突き進みたい様子のYA-MAN。しかしこの試合の後、上記の通り、同じライト級王者の直樹にノーランカーの中村寛が挑戦を直談判し、直樹がランカーへの奮起を促しており、YA-MANはこの動きに反応すれば面白くなりそうだ。
第4試合 スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○実方拓海(TSK japan/RISEスーパーライト級2位)
×伊藤澄哉(戦ジム/RISEスーパーライト級5位)
判定2-0 (秋谷30-29/佐藤29-29/大沢30-29)
1R、実方がサウスポー、伊藤がオーソドックスに構え、ミドル、ロー主体の展開が続く。終盤、伊藤の伸びのある左ジャブ、右ストレートのヒットが少し増えたが、すぐ実方は持ち直し、蹴りを返す。記者採点はイーブン。
2R、実方がスイッチを繰り返すと、伊藤もスイッチを繰り返す。両者オーソドックスで落ち着くと、伊藤の右フック、ストレートのヒットが目立つように。実方もスイッチしながら左ジャブをお返しするが、終盤に伊藤の左右のストレートをもらうと少しひるんでしまい印象が悪い。記者採点は伊藤。
3Rも伊藤が左右のパンチで実方をひるませて好印象を作る。だが終盤の接近戦でのパンチの交錯する場面で実方も左右のヒットを増やして反撃。伊藤はヒットが減り、鼻血を出すように。記者採点は実方。合計29-29でイーブン。ジャッジは1者がイーブンとしたが、2者は2Rの伊藤につけず、実方の判定勝ちとなった。
第3試合 フライ級(51.5kg) 3分3R
△酒井柚樹(TEAM TEPPEN)
△KING TSUBASA(ROYAL KINGS)
判定1-0 (秋谷30-29/大沢29-29/佐藤29-30)
1R、酒井は蹴り、TSUBASAはパンチ主体の構図。まだ差は乏しいが、酒井が軽快に出入りしつつ、左ボディ、右アッパーも絡め、終盤は少し手数が上がる。記者採点はイーブン。
2R、酒井が右ローのヒットを増やし、パンチの打ち合いで右フックもヒットしやや優位に。TSUBASAは右のカーフをお返し。パンチはよく出すが当たりが軽く、酒井の距離の取り方が上手く、空振りも多い。記者採点は酒井。
3Rも酒井は左ジャブを当てつつ、右ローを的確にヒット。TSUBASAも引き続き右のカーフを当て、左インローも絡めると、酒井は少しステップがぎこちなくなる。TSUBASAは時折ロープに詰め、左右のフックを振り回す。ブロックされる当たりが大半だが、ジャッジによっては積極性でTSUBASAに付ける可能性もある。記者採点はイーブン。合計30-29で酒井。やはりジャッジは2者が3RのTSUBASAの攻勢を評価した模様で、1-0のドローとなった。
第2試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○宮崎就斗(TARGET/RISEフェザー級5位、DEEP☆KICK 57.5kg王者)
×奥平将太(FIGHT CLUB 428/Team Bull/RISEスーパーフェザー級(60kg)9位)
判定3-0 (大沢30-29/長瀬30-29/佐藤30-29)
1R、サウスポーの宮崎が前に出て、長身の奥平が右に回ってかわし、左ジャブ、右のミドルとローを的確に当て主導権を握る。記者採点は僅差だが奥平。
2R、宮崎が接近戦で左ストレートを当てるようになり、中盤には左ハイをヒット。奥平はパンチをもらうとクリンチする場面が増え、小川レフェリーから注意を受ける。記者採点は宮崎。
3R、奥平は距離を遠く取るようになり、右ミドルのヒットを増やし、右ストレートもヒット。宮崎は前に出続け随所で左ミドルを当て、差はつけさせない。記者採点はイーブン。合計29-29でイーブン。ジャッジは3者とも2Rに宮崎のみつけた模様で、宮崎の判定勝ちとなった。
第1試合 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
×京介(TOP DIAMOND)
○有井渚海(及川道場)
判定0-3 (長瀬29-30/小川28-30/佐藤28-30)
1R、有井が左ジャブ、右膝蹴り、右ストレート等を当てるが、京介も随所で右ローを返し、まだはっきりした差はつけさせない。
2R、京介が右ロー、右アッパーを当てるが、有井は圧を掛け続け、右ストレート、右膝を的確にヒット。時折ひるませ好印象を残す。
3R、京介はロー主体の戦略を崩さないが、有井はひるまず右ストレート、左右の膝を当て続け、右ロー、左ボディも絡めて的確な攻撃で上回り終了。記者採点は2Rと3Rに有井につけ28-30で有井。ジャッジも3者とも1~2点差で有井につけ、有井の勝利となった。
オープニングファイト
第4試合 ライト級(63kg) 3分3R
○樋口知春(極真会館/極真会館2018第35回全日本ウェイト制中量級(80kg)優勝)
×野村太陽(KBスポーツジム/Stand Upアマチュア一般Aクラストーナメント-65kg 優勝)
判定3-0 (30-29/30-28/30-28)
第3試合 バンタム級(55kg) 3分3R
△真琴(誠輪ジム)
△松下武蔵(TRY HARD GYM)
判定0-1 (29-30.29-29.30-30)
第2試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
○松井大樹(MEIBUKAI)
×珅太郎[しんたろう](KRAZY BEE)※河津伸太郎 改め
判定2-0 (30-29/29-29/30-28)
第1試合 Amateur RISE Nova特別ルール 55kg契約 2分2R
○那須川龍心(TEAM TEPPEN/2021年RISE NovaジュニアAクラストーナメント-50kg級優勝)
×山﨑天輔(真門team sol/TOP☆RUN 45kg、50kg王者)
判定3-0 (20-19/20-19/20-19)
RISE 9.23 横浜 ぴあアリーナMM(レポ2/2):無冠の風音、江幡睦・政所仁・志朗を飲み込みDoA -53kg制覇。同門の那須川天心に宣戦布告