REBELS 10.8 後楽園ホール:日菜太、再起戦で緑川創に判定勝ち。梅野源治、元ラジャダムナン王者に惜敗
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REBELS.58
2018年10月8日(月/祝) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第8試合 メインイベント REBELSルール(肘無し・首相撲制限あり) 70kg契約 3分3R(延長1R)
○日菜太(クロスポイント吉祥寺/REBELS 70kg級王者)
×緑川 創(藤本ジム/元新日本キック日本ウェルター級王者)
判定2-0 (山根30-29/センチャイ29-29/山根30-29)
6月のKNOCK OUT後楽園大会では、新日本キックの江幡塁とREBELSの小笠原瑛作が対戦。江幡兄弟の弟・塁が3R右ストレートKO勝ちしたが、この一戦をきっかけに両プロモーションに接点が生まれ、これまでの展開からは考え付かないようなカードが実現した。
REBELSのエース・日菜太は「K-1 WORLD MAXの時に取れなかった忘れ物」だというK-1のベルト目指し、昨年からK-1に復帰。3月のK’FESTA.1でのスーパー・ウェルター級(-70kg)タイトルマッチに辿り着いたが、2Rに王者・チンギス・アラゾフの左フックでマットに沈んだ。日菜太は鼻と頬の骨折の療養を経て、世界の強豪との対戦を再び目指すために、まずはホームグラウンドのREBELSにて再起戦を行う。
新日本キックの中量級を長年けん引してきた緑川は、6月にタイでラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王座に挑戦したが、同級5位のシップムーン・シットシェフブンタムに1Rから左ストレートでダウンを奪われ、その後もサウスポーからの左ミドル等の蹴りをもらい続け判定負けした。8月19日のKNOCK OUTでは宍戸大樹に肘でTKO勝ちしているが、パンチが得意で、以前からK-1ルール向きと言われてきた選手だ。REBELSには13年4月に参戦し、日菜太と同門のT-98とムエタイルールで対戦し判定2-0の僅差で勝利している。
2人とも5~6年前から共通の出稽古先であるボクシングジムのEBISU K’s BOXで一緒に練習することがあり、春の両者の試合前にもスパーリングしていた。蹴りありのスパーリングはしていなかったという。
1R、日菜太はいつも通りサウスポーに構え、左ミドルを多用するが、左ストレートの比重もいつもより高め。緑川もパンチだけでなく右のインローやミドルも随所で散りばめる。日菜太の左ミドルも右足を上げてうまくカットする頻度が高く、シップムーン戦で鍛えた成果を印象付ける。
2R、日菜太が序盤から左のインローを効かせると、左ミドル、左ストレートのヒットを増やし優勢に。緑川は攻撃が減ってしまう。終了間際、緑川が右ストレートと右ハイを連打したが、差は縮まったかは微妙なところ。
3R、日菜太が左ローを効かせ、ミドルも当て、途中まで優位に試合を運ぶが、緑川は耐え、終盤には前に出てパンチのヒットを増やす。日菜太もパンチを返し、激しい打ち合いで場内は盛り上がる。
記者採点は2Rが日菜太とし30-29で日菜太。3Rは緑川につけようか迷うところだった。接戦を示すようにジャッジ1者はドローとしたが、2者が日菜太を支持し、日菜太の勝利となった。日菜太もマイクを持つと緑川を立て「K-1ルールの僕に緑川君が寄せてくれて、この勝利は負けに等しいです。圧倒的に差を付けないといけなかったけど厳しい試合になりました。緑川君が強いとわかったし、うちのT-98とやって、またラジャのベルトに挑戦してほしいです」と話し、「残りの戦う人生も少ないので、最後に意味の無い戦いはしたくない。アラゾフとかペトロシアンとか強い外人としのぎ削って、燃え尽きて終わります。これからもREBELSお願いします」とアピールした。
バックステージで日菜太は「3Rの緑川君の右の三日月気味に来る前蹴りにペースを狂わされた。ミドルもカットされた」「歳を取って、70kgの減量も厳しくなってきた。計量の後も体の吊りがなかなか取れなかった。だからマイクで意味の無い試合はしたくないと言った」と明かし、「新日本キックの選手は江幡(塁)君とか外で実力を証明している選手がいっぱいいる。負けられない思いがあったので、勝って良かった」とも語った。
第7試合 セミファイナル ライト級 3分5R
×梅野源治(PHOENIX/ルンピニー4位、元ラジャダムナン王者)
○ギャットペット・ピークマーイレストラン[Kiatphet Peakmai-Restaurant](タイ/WMC 5位、元ラジャダムナン王者)
判定0-2 (山根47-48/和田49-49/秋谷48-49)
梅野は2月のルンピニー認定ライト級王座決定戦でKO負けした相手であるクラップダムとのリベンジ戦を目指し、クラップダムと同じサウスポーの選手との試合を続けている。6月大会でピンペットに判定勝ちし、8月大会でピエトロ・ドウリャに3R KO勝ち。今回戦うギャットペットもサウスポーの選手で、ヨードレックペット、ゴーンサックといった強豪としのぎを削っているトップ選手で、梅野は苦戦を強いられることに。
1R、梅野がサウスポーに構えるギャットペットに対し、圧力をかけていくが、ギャットペットは左の前蹴り、ハイ、肘を当て、組んでの崩しも決め主導権を握る。記者採点10-10。
2Rもギャットペットが梅野の首相撲からの膝をブロックしてから崩しを決めたり、ミドルを当てたりと、やや優位ではあるが、梅野も組んでからの左肘、右ボディストレートを返し、完全に流れを作らせない。記者採点10-10。
3R、梅野は序盤から圧力を強め、再び左肘を当てると、ギャットペットはぐらつき、梅野は右アッパー、左肘を何発も当てて猛ラッシュ。ギャットペットは効いているが、組んで右膝を当て続けるのはさすが。最後は前蹴りで梅野を吹き飛ばし、梅野は苦笑いする。記者採点10-9で梅野。
4R、梅野は組み際に左肘を当てるものの、ギャットペットは組んでの膝、崩し、前蹴り等で主導権を握る時間が長い。実は梅野は試合4日前あたりから体調を崩し、発熱等もあった影響で、次第に失速していく。終盤にはローブローももらって苦しい状態に。センチャイレフェリーもタイ式で10秒ほどしか休ませず再開させる。記者採点9-10でギャットペット。
5R、梅野は積極果敢に前に出て、組み付いて膝を当てるが、肘はなかなか当てられず。ギャットペットは膝を返しつつ、左ハイも当て、前蹴りで梅野をぐらつかせ、トータルで巧さを見せつけ続けるが、4Rほどの積極性は無い。記者採点10-10としたが、9-10でギャットペットとつく恐れもある。合計49-49でドロー。ジャッジは2者がギャットペットを支持し、梅野は打倒クラップダムを前に惜しくも敗れてしまった。
梅野は「僕の負け。ギャットペットの方が強かった」と強調しつつも、判定については「WPMFルールなら最悪ドローか1ポイント差で勝っていると思いました。僕の試合だと、レフェリーもジャッジもドクターもタイ仕様に変えて対応しているのがわかりますけど、堅く行くところ、抜くところ、荒々しく行くところがルールによって変わるので、どっちのルールになっているかはっきりしてほしかったですね。ただタイなら負けだったと納得しています」とコメントした。来年2月17日、パンクラスの協力で行われる新木場スタジオコースト大会ではメインを務めること、TOKYO MXで生中継されることも決まっているが、「2月の前に12月(5日の後楽園大会)に出場したい。今日の試合だと、またルンピニーのタイトルマッチをやると言っても、全然ダメだろうと思われるので、やっぱり梅野は凄いなと、タイトルマッチ見たいなと思わせないといけない」と、早くも名誉挽回に向けて燃えていた。
(右写真はTOKYO MXのトライアウト企画で来年2月17日のREBELSでの試合が決まっている岡本璃奈。コーチ役の梅野の試合時にはリングサイド席から見守り、カメラも密着していた。左写真のとおり、4つのコーナーにはパンクラスのバナーが付けられていた。KING強介が試合時に青コーナーにREBELSのベルトをかけた)
第6試合 スーパーバンタム級 3分5R
○小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/WPMF世界王者、ISKA K-1ルール 世界バンタム級(-55kg)王者)
×KING強介(ロイヤルキングス/REBELS-MUAYTHAI王者、MA日本バンタム級王者)
判定3-0 (山根49-48/和田49-48/センチャイ49-47)
小笠原兄弟の弟・瑛作はダウサコンにTKO勝ちしてWPMF王座を獲得した4月大会以来となるREBELS登場。6月のKNOCK OUTでは新日本キックの江幡塁との大一番で3R KO負けを喫した。再起に向け、8月22日にタイ・バンコクのラジャダムナンスタジアムで試合を予定し2R KO勝ち。その前後にはタイのジムで練習を積み、その成果をホームリングのREBELSで示す。
強介は4月のREBELSでKOUMAに1R TKO勝ちし、REBELS-MUAYTHAIの王座を獲得。8月大会ではWBCムエタイ・インターナショナル王者の宮元啓介と対戦。5R引き分けに終わったものの、スーパーバンタム級の国内上位勢に食い込める力量を示していた。
1R、瑛作がサウスポーに構えて、強介は左に回って距離を取り続ける構図。瑛作が左ミドル、ロー、縦肘を当てるが、強介も時折右のインローを返す。記者採点10-10。
2R、瑛作がバックハンドブローを放ったところで強介が右フックを合わせる場面もあったが、瑛作の左ローが次第に効き目を発揮。強介はバランスを崩し、瑛作のパンチ、肘のヒットも増え。強介は眉間もカットし印象が悪い。記者採点10-9で瑛作。
3Rも瑛作が左ミドル、インロー、ストレートを当て続け主導権。深追いはせず、着実にダメージを蓄積させる。強介も右インローを返すが蹴り数が少ない。記者採点10-9で瑛作。
4R、序盤におそらく肘で強介が右まぶたを切りドクターチェックが入るが、次第に出血はおさまる。瑛作は執拗に左インローを当て続けるが、強介は耐え続ける。記者採点10-9で瑛作。
5Rも瑛作が左の蹴りを当て続け優勢をキープ。強介は右ストレートを時折り当てるが、捕まえきれないまま試合を終える。記者採点10-9で瑛作。合計50-46で瑛作。ジャッジ3者とも差は1点か2点と小さかったが、瑛作を順当に支持した。瑛作の完勝だが、もっと追い詰める場面を作って欲しい試合だった。
第5試合 56kg契約 3分3R(延長1R)
○宮元啓介(橋本道場/WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーバンタム級王者)
×ダウサコン・モータッサナイ(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/元WPMF世界スーパーバンタム級王者、元ラジャダムナン認定スーパーフライ級8位、元プロムエタイ同級8位)
4R 判定2-1 (秋谷10-9/センチャイ9-10/和田10-9)
3R 判定0-1 (秋谷29-30/センチャイ29-29/和田29-29)
ダウサコンは4月のREBELSで瑛作にTKO負けしWPMF世界王座を失った。8月のREBELSでは宮元の所属する橋本道場の後輩の安本晴翔と4R戦った末に引き分けている。
1R、ダウサコンが右ローを当て続け、宮元はしばらく受けてしまうが、終盤にバックスピンキックや右ハイを返し、差を付けさせない。
2Rも同じような構図で続くが、次第に首相撲の展開が増える。しばらく宮元も膝を当てていたが、次第にダウサコンの膝のヒットが増え、少し宮元が嫌そうな顔を浮かべるように。
3Rはダウサコンが大半の時間、宮元を捕まえて膝を当て続け優勢。離れれば左ミドルも当てる。宮元はバックスピンキック等を返すが打開できない。記者採点は3Rがダウサコンで29-30でダウサコン。ジャッジは2者がドローで延長に突入する。
延長R、ダウサコンは本戦で体力を使った様子で、首相撲に行くも膝は3Rほど打てなくなるが、随所で右ミドルもヒット。宮元はパンチ主体で、攻めあぐねていたが、終了間際に連打をまとめてダウサコンを下がらせ終了。ムエタイルールのため、記者採点は9-10でダウサコンとしたが、宮元につける感覚も理解できる。ジャッジは割れたが、宮元がなんとか勝利をものにした。
第4試合 64kg契約 3分3R(延長1R)
○健太(E.S.G./WBCムエタイ日本統一ウェルター級王者)
×潘 隆成(クロスポイント吉祥寺/元WPMF日本スーパーライト級王者)
4R 判定3-0 (センチャイ10-9/秋谷10-9/山根29-29)
3R 判定0-1 (センチャイ28-29/秋谷29-29/山根29-29)
健太は8月の後楽園大会で2年ぶりにREBELSに参戦し、UMAに激しい打ち合いの末に判定勝ち。潘も同大会でBigbangライト級王者の稲石竜弥から3Rに右ストレートでダウンを奪って判定勝ちしている。
1R、健太が大半の時間に圧力をかけ、潘が回って距離を取り、お互い蹴りとパンチを当てるが、健太が蹴り足を救ってのパンチや、一瞬膝を沈めての右フックをうまく当て、テクニシャンぶりを印象付ける。
2Rも同じような構図の中で、健太が右フック、右ハイを巧く当て、若干優位となってきたが、終盤には潘も右フックで少し健太をぐらつかせ、大差はつけさせない。
3R、健太は前に出て来るが、潘は右ミドル、ローを効かせ、崩しも2度決め、縦肘も当てて挽回。終盤は健太もパンチとローを返し、大差はつけさせない。
記者採点は2R健太、3R潘で29-29。ジャッジも2者ドローで延長へ。潘は左右のミドルを執拗に当て続けるが、健太は耐えて前に出続け、右フック、右ローを当て返し続ける。終盤には右フックでぐらつかせ、潘はクリンチをしてしまう。記者採点もジャッジ3者も健太。
なんとか接戦をものにした健太は「2月に不可思選手に負けてから、対日本人4連勝です。色々言いたいことはありますが、こんな内容なので控えさせていただきます。来年2月にREBELSがゴールデンタイム進出ということで、ゴールデン健太をアピールしたいのですが、これも控えさせていいただきます」と、謙虚なのか強気なのかわからないマイクアピールを繰り広げた。
第3試合 REBELSルール(肘無し・首相撲制限あり) 63.6kg契約 3分3R(延長1R)
×橋本 悟(橋本道場/MuayThaiOpenスーパーライト級王者)
○丹羽圭介(TEAM KSK/元RISEライト級1位)
判定0-3 (秋谷29-30/山根28-30/和田28-30)
橋本は8月19日のKNOCK OUTで水落洋祐と対戦。3Rに水落を右フックでぐらつかせる場面も作り、激しい打ち合いで観客を沸かせたが、4RにKO負けしている。
丹羽はRISEで15年に水町浩の王座に挑戦した実績もあり、最近はTEPPEN GYMで那須川天心とも練習し、このお盆のTEPPENのタイ合宿にも参加した。6月のBigbangではBigbangスーパーライト級王者でKREST所属の林健太に判定負けしている。橋本とは昨年7月のMuayThaiOpenで戦う予定だったが、丹羽の負傷欠場で中止となっていた。
1R、丹羽が左ジャブを突いて自分の距離を作りながら圧力をかけ、終盤に左ストレートを炸裂させ、距離が縮むが、打ち合いになれば橋本が得意とするところで、逆にパンチを返し差を埋める。
2Rは丹羽が左右のストレート、ボディのヒットを増やし攻勢。橋本も打ち合いでパンチを返すが手数で差がつく。
3R、橋本も必死にパンチを振るうが、丹羽が左右のミドルも効かせつつ、打ち合いで右フックをクリーンヒットしてぐらつかせ優勢。記者採点は2Rと3Rが丹羽で28-30で丹羽。ジャッジ3者も丹羽を支持し判定勝ちした。
第2試合 REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座挑戦者決定戦 3分3R(延長1R)
×JIRO(創心會)
○蓮沼拓矢(フリー)※テッサイジムから所属変更
判定0-2 (センチャイ28-29/山根28-28/和田28-29)
スーパーフライ級王座を争4選手によるリーグ戦が2月・4月・6月大会で行われ、6月大会で老沼隆斗・JIROが同点で1位の状態で最終戦を行い、3Rの後の延長戦の末、判定1-2で老沼が勝利し、ベルトを巻いた。JIROと蓮沼は4月の第2戦で戦い、JIROが判定2-0の僅差で勝利している。
フリーになった蓮沼のセコンドにはノーナクシンムエタイジム東京のタイ人がつく。2R中盤までお互いパンチ、ミドル、膝でも大差のない展開が続いたが、2R残り1分、パンチの打ち合いで蓮沼の右ストレートが炸裂しJIROがダウン。蓮沼はパンチと肘のラッシュでJIROを追い詰める。3R、JIROが左ストレートでぐらつかせたのをきっかけに、左ミドルのヒットを増やし挽回したが、逆転のダウンは奪えず。蓮沼がJIROへのリベンジを果たし、12月5日の後楽園大会での王座挑戦権を獲得した。(右下写真左端が蓮沼、右端が老沼。中央は12月大会で対戦するスアレック・ルークカムイと宮越慶二郎)
第1試合 59.5kg契約 3分3R
×小磯哲史(テッサイジム)
○NIIZUMAX!(クロスポイント吉祥寺)
2R 1’04” KO (3ダウン:膝蹴り)
オープニングファイト第3試合 フェザー級 3分3R
○雅也(T-KIX GYM)
×千羽裕樹(スクランブル渋谷)
3R 0’43” TKO (ドクターストップ:左まぶたの負傷)
オープニングファイト第2試合 スーパーフライ級 3分3R
○濱田 巧(team AKATSUKI)
×スダ456(BRING IT ONパラエストラAKK)
3R 0’14” TKO (タオル投入)
オープニングファイト第1試合 70kg契約 3分3R
△吉田英司(クロスポイント吉祥寺)
△津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)
判定1-1 (29-28/29-30/29-29)