KNOCK OUT 10.7 後楽園ホール:初代フライ級王座T決勝は石井一成×大崎一貴に。森井洋介、苦戦もライト級アジアトーナメント初戦突破
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KNOCK OUT 2018 cross over
2018年10月7日(日) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第6試合 KING OF KNOCK OUT初代フライ級(51kg)王座決定トーナメント準決勝 3分5R
○石井一成(東京KBA/元タイTrue4Uフライ級王者/51.0kg)
×仲山大雅(RIOTジム/RKA(琉球かきだみし協会)フライ級王者/51.0kg)
3R 2’04” TKO (ドクターストップ:右肘打ちによる鼻の負傷)
フライ級王座決定トーナメントは6月の後楽園ホール大会、8月の大田区総合体育館大会で一回戦2試合ずつが行われた。石井は昨年10月のRIZINで判定負けした相手である政所仁に判定勝ちし初戦突破。仲山はWMC日本スーパーフライ級王者の山田航暉を2R左ストレートで沈め準決勝に進んだ。決勝は12月9日の両国国技館大会で行われる。
1R、サウスポーの仲山が圧力をかけ、伸びのある左ストレートを度々ヒット。右フック、左ミドルも当てて優勢。石井も右ロー、ミドルを返すが攻撃が少ない。記者採点もジャッジも9-10で仲山。
2R、石井は持ち直すと、圧力をかけて右のストレート、右ローのヒットを増やし挽回。仲山は後手に回り、時折バランスを崩してしまう。記者採点もジャッジも10-9で石井。
3R、仲山も序盤こそ左ストレートを当てたが、石井が前に出て右ストレートを当て続けて攻勢。仲山は後退が続く。石井が右の縦肘も当てると、仲山は鼻血が激しくなり、ドクターチェックでストップがかかった。
石井は「1R目にたぶんパンチをもらってから目が見えなくなって、オープンスコアで初めてポイント負けしたのを聞いて、セコンドからも怒られて、取り返さないと後がキツいなと思いました。2Rは取りに行く気持ちで行きました。3Rも目が見えなくて、ローキックをカットされたら足を痛めたので、パンチに切り替えて、そこから縦肘を当てたら鼻に当たりました」と逆転に至った流れをインタビューで語った。
第5試合 KING OF KNOCK OUT初代フライ級(51kg)王座決定トーナメント準決勝 3分5R
×タネヨシホ(直心会/WBCムエタイ日本統一フライ級王者/51.0kg)
○大崎一貴(OISHI GYM/WMC日本フライ級王者/50.9kg)
5R 1’35” TKO (レフェリーストップ)
タネは6月の一回戦で新日本キック王者の石川直樹を圧倒し判定勝ち。大崎は8月大会で元NJKF王者の能登龍也を2R KOし初戦を突破した。
1R、大崎が圧力をかけ、タネが回って距離を取り、お互いロー、ミドルを当て、慎重な状態が続いたが、終盤、大崎が右フックを当てたのをきっかけにパンチラッシュで攻め込む。記者採点9-10で大崎。
2R、首相撲の展開が増え、タネが少しヒットで上。パンチ、ミドルの攻防では大差は無いが、タネのヒットが少し増えて来た。記者採点は10-10でジャッジも同様だが、流れは少しタネに傾いている。
3R、大崎のローをもらってタネが少しバランスを崩すが、すぐ持ち直す。終盤、左ボディの応酬、膝の打ち合いもあるが、均衡は崩れない。ジャッジ3名も記者採点も10-10。
4Rもなかなか均衡が崩れなかったが、終盤に差し掛かり一気に試合が動く。大崎が左肘を当て、タネも左肘を返してきたが、大崎が再び左の縦肘を放つとクリーンヒットし、タネはダウン。額から大量に出血し、ドクターチェックを受ける。止血の後に再開すると、タネはガムシャラに前に出てパンチを振るうが、足に力が入らず度々スリップする。
5Rもタネはパンチを振り回し続けるが、大崎は防御し続け、タネがスリップを繰り返していると、小川レフェリーはダウンを宣告。10カウントまでにポーズを取ったが、額からの出血等のダメージも考慮してか、小川レフェリーはストップを宣告した。
大崎は「今日KOで勝ったんですけど、タネ選手凄く強かったんです。肘がたまたま当たって、その後タネ選手、気迫が凄くて負けそうになったんですけど、なんとか勝てました。応援してくれる皆さんのおかげです。次の試合、どっちが上がって来ても、また僕がKOで勝つんで、そして優勝するんで、応援お願いします」と、ややたどたどしい口調ながらも優勝を宣言した。
その直後の試合で石井が決勝進出を決めると、大崎もリングインし「昔、石井選手と試合をして2回ともドローでした。僕のほうがレベルアップしているので、次はKOで勝ちます」と宣言した。石井も「3年ぐらい前にやって、パンチも重くてスピードもある。気を引き締めないと勝てない」と大崎を警戒した。
第4試合 KNOCK OUTライト級(61.5kg)アジアトーナメント一回戦Aブロック 3分5R
○ヨードレックペット・オー・ピティサック(タイ/KING OF KNOCK OUTライト級王者、ラジャダムナン王者、元ルンピニー王者・現2位/61.5kg)
×岩城悠介(PCK連闘会/聖域(サンクチュアリ)統一60kg級王者/61.1kg)
判定3-0 (大成50-46/小川50-45/和田50-45)
KNOCK OUTは昨年、ライト級で王座決定トーナメントを開催し、森井洋介が優勝。森井や勝次らが好勝負を続け、主力としてプランしていた梅野源治が不在でも盛り上がりを見せた。そして今年2月の年間戦略発表会で予告していた「ライト級アジアトーナメント」が今大会から開幕する。今回は一回戦2試合と、トーナメントの出場者決定戦として町田光 vs. 前口太尊が行われる。12月9日の両国大会で一回戦残り2試合、来年2月都内大会で準決勝、4月大会で決勝という日程だ。
タイの現役トップ選手・ヨードレックペットは今年4月大会で森井洋介に肘でTKO勝ちしKNOCK OUTのタイトルを獲得。今トーナメントの本命だ。8月の大田大会では高橋一眞に判定勝ちしている。
ヨードレックペットは中国代表のル・ジュンと一回戦で戦う予定だったが、練習中の負傷でドクターストップがかかった。代役となった岩城は所属先のPCK連闘会が宮城で開催しているキック大会「聖域(読みはサンクチュアリ)」の王者。24歳で戦績25戦16勝(8KO)7敗2分。今年に入り、2月のNJKF後楽園でWBCムエタイ日本統一フェザー級王者の新人に1R TKO勝ち。7月のINNOVATION山梨大会でも外川夏樹を1R KOし、9月29日のタイ・パタヤのMAXムエタイでもタイ人選手を2R KOし、3連続KO勝ちと波に乗っている。タイの試合でも怪我は無く、良いコンディションで試合に臨む。
1R、ヨードレックペットはサウスポーで中央でドッシリ構え、時折左のインロー、ミドルを強打すると場内はどよめく。岩城は細かく動いてフェイントをかけ続け、右ストレート、右ローを返す。記者採点10-10。
2R、お互い攻撃量が少しずつ増え、ヨードレックペットがミドル、ローだけでなく、左ボディもヒットするようになり、少し優勢に。記者採点は10-10だが、ジャッジ1者がヨードレックペットにつけたのも理解できる。
3Rになると、ヨードレックペットの左ローで、岩城は少しステップがぎこちなくなる。終盤にはロー、ミドル、パンチを連打し圧倒。岩城は内腿を赤く腫らしながらも耐えるが苦しい状況だ。記者採点10-9でヨードレックペット。
4R、ヨードレックペットが左ローを効かせ、左ミドル、左ボディストレートを何発も当てて圧倒。終盤、左ミドルを当て、岩城が下がり、ヨードレックペットがパンチを連打したところでレフェリーはダウンを宣告する。記者採点は10-8でヨードレックペット。
5R、既に大差をつけているヨードレックペットは、深追いせず、左ミドルを随所で当て続け、攻勢を維持。岩城は最後まであきらめず前に出るが反撃できず終了する。記者採点は10-9でヨードレックペット。合計50-46。ヨードレックペットの完勝に終わったが、緊急出場の岩城も最後まで耐えて印象を残すファイトだった。
第3試合 KNOCK OUTライト級(61.5kg)アジアトーナメント一回戦Bブロック 3分5R
○森井洋介(ゴールデングローブ/元KING OF KNOCK OUTライト級(61.5kg)王者、全日本スーパーフェザー級王者/61.15kg)
×キヨソンセン・FLYSKYGYM(タイ/FLYSKYGYM/WMCインターコンチネンタル・スーパーフェザー級王者/61.4kg)
6R 0’47” KO (パンチ連打)
5R 判定0-1 (北尻49-49/大成48-49/小川49-49)
森井は4月大会でヨードレックペットに敗れ王座陥落。8月大会での再起戦では大月晴明に3R KO勝ちした。
森井はミャンマー代表のカ・イェン・レイと一回戦で戦う予定だったが、ミャンマーのスポーツ庁より派遣を拒否された。代役のキヨソンセンは神奈川県綾瀬市のFLYSKYGYMに所属する28歳。戦績177戦104勝(11KO)67敗7分。昨年9月のNJKFでNJKFライト級王者のNAOKIを膝、ミドル、ハイ、肘等で圧倒し判定勝ち、今年5月のINNOVATIONでINNOVATIONライト級1位の櫻井健に判定勝ちしている。小野寺力プロデューサーも「最初用意していた選手(カ・イェン・レイ)より実力は上」と太鼓判を押す。
1R、森井がプレッシャーをかけ、キヨソンセンは回って、フェイントを駆使して攻撃を封じる構図キヨソンセンは時折当てる右ミドルが重く、森井は左脇の下を赤く腫らす。記者採点10-10。
だが2R、森井はキヨソンセンの右の蹴り足をすくって、左ボディをうまく当てるように。終盤、キヨソンセンも接近戦で肘を当て返し、大差はつけさせない。記者採点10-9で森井。
3R、キヨソンセンは回って距離を取るのは同じだが、右のミドル、ハイのヒットを増やす。森井はハイをグローブでブロックしているが、自分の攻撃が出せず、少し印象が悪い。記者採点9-10でキヨソンセン。森井のセコンドの小林さとし氏は何度も「行け」と叫び、インターバルには度々ビンタするが、なかなか森井は流れを変えられない。
4Rも同様で、キヨソンセンが何発も右の蹴りを当て続け、森井は攻めあぐねる。記者採点9-10でキヨソンセン。
5Rも森井は攻めあぐねていたが、中盤、左ストレートを当てると、キヨソンセンが後退。接近戦でのパンチと肘の応酬となり、森井が押し気味に。キヨソンセンは額を切りドクターチェックを受けるが、森井も左目尻を切っている。再開後も激しい打ち合いの中で森井が優勢を維持する。記者採点10-9で森井。
記者採点は合計48-48でドロー。ジャッジも2者がドローとし延長へ。緊急出場のキヨソンセンは気力体力ともに限界の様子。なんとしても負けられない森井の底力が勝り、コーナーに詰めてパンチを連打し、キヨソンセンを沈め、かろうじて勝利をものにした。場内は大盛り上がりだが、セコンドの小林氏は笑顔はなく、森井にビンタをしていた。
森井は「1週間前のオファーに応じてくれてありがとうございます。今日はしょぼい試合しちゃったんですけど、結果オーライというところでしょうか。2月の準決勝、町田選手かチャンヒョン・リー選手のどっちが来てもいい試合をして、そのままトーナメント制覇します」とマイクで語った。
第2試合 KNOCK OUTライト級(61.5kg)アジアトーナメント出場者決定戦 3分5R
○町田 光(橋本道場/WPMF世界スーパーフェザー級王者、REBELS 60kg級王者/61.25kg)
×前口太尊(PHOENIX/元J-NETWORKライト級王者/61.5kg)
判定3-0 (北尻49-48/小川49-48/大村49-48)
ライト級トーナメントの予選となる一戦。勝者は12月9日の両国大会の一回戦でイ・チャンヒョン[チャンヒョン・リー](韓国/RISEスーパーフェザー級(-60kg)王者)と対戦する。町田は6月のRISEでチャンヒョンに判定負けして以来の試合。前口は昨年8月のKNOCK OUTのライト級トーナメント準決勝で勝次に5R TKO負けし、目と鼻の骨を折り、療養を経て復帰する。
1R、前口が圧力をかけ、町田は回ってかわす構図で、お互いローを当てるが、まだ均衡状態。2Rも同様で、大差は無いが、町田はジャンピングの右ハイといった大技も絡め、若干うまく戦っている感がある。
3R、町田が居合パンチを当てて沸かせるが、前口の肘も当たり出し、終盤にぱ前口がパンチのヒットを増やしてからの左肘で、町田の額を切り裂く。
4R、勢い付いた様子の前口は序盤こそパンチと肘で積極的に攻めるが、次第に攻め疲れ、終盤は町田がミドル、膝を効かせて前口をさらに削り、組んでの崩しを決め挽回する。
5R、前口はブランクの影響もあってか体力消耗が激しく、逆に町田は動きが落ちず、パンチ、肘、膝を度々当てて優勢をキープする。
記者採点は3Rが前口、4Rと5Rが町田で49-48で町田。結局、5Rで点差をつける形となり、町田の勝利。トーナメント出場権獲得とチャンヒョンとの再戦につなげた。
町田は「僕はライト級のチャンピオンにどうしてもなりたいです。トーナメントに出場できることになります。応援してください」とアピールした。
第1試合 64.5kg契約 3分5R
○水落洋祐(はまっこムエタイジム/元REBELS 65kg級王者、元WPMF世界ライト級暫定王者/64.35kg)
×北野克樹(誠至会/WBCムエタイ日本統一スーパーライト級王者/64.3kg)
判定3-0 (北尻48-47/大村49-46/小川49-46)
水落は2月のスーパーライト級トーナメント一回戦でマサ佐藤を追い詰めるも、カットによるTKO負け。4月大会では健太にハイキックで1RKO負けを喫した。だが8月大会では橋本悟と激しい打ち合い繰り広げ4R KO勝ちしている。KNOCK OUTは第1試合で盛り上がるファイトをする選手を起用する傾向があり、水落は今回も第1試合を任された。
対する北野はKNOCK OUT初参戦。昨年7月にNJKF王座、1月にWBCムエタイ日本王座を獲得。6月のLEGEND熊本大会での1DAYトーナメントで2試合連続1R KOちしている。
1R、北野がバックスピンキック、前蹴り、右の関節蹴り、組んでの肘等でやや優位。2Rになると、水落が距離を潰し、ボディと顔面へのパンチ、右ローのヒットを増やし挽回する。北野はクリンチで休む状況が増える。
。3Rは両者ともクリンチが増え、和田レフェリーから警告を揃ってもらうが、終盤に北野が蹴りを増やし、若干優位に。4R、自ら組み付きが多い上、攻撃が伴わないとして、北野に再度イエローカードが出され、累積でレッドカード減点1に。その後もクリンチは多いが、お互い組み際の肘やパンチを増やす。
5R、北野は肘を当てるが、組み付きが多く、再び減点1が科される。最後までクリンチが多い展開で終了。結局、減点合計2が抜きでも水落の勝利という形になった。