KNOCK OUT 6.8 後楽園ホール:江幡塁、小笠原瑛作に逆転KO勝ち。スーパーライト級王座T決勝は不可思×秀樹に。T-98、菊野克紀を圧倒
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KNOCK OUT SURVIVAL DAYS
2018年6月8日(金) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第6試合 メインイベント KING OF KNOCK OUT初代スーパーライト級(-64kg)王座決定トーナメント準決勝 3分5R
○不可思(クロスポイント吉祥寺 REBELS/RISEライト級(63kg)王者/64.0kg)
×鈴木博昭(ストライキングジムAres/シュートボクシング世界スーパーライト級(65kg)王者/64.0kg)
判定3-0 (和田50-46/小川49-46/大成50-44)
2月大会、4月大会で一回戦が行われたスーパーライト級トーナメントが準決勝に突入。
1R、サウスポーの鈴木に対し、不可思が回って距離を取りながら、右ミドル、ローを積極的にヒット。鈴木も左のインロー主体で応戦するが、蹴り数で劣る。ジャッジ2名と記者はイーブン。1名は不可思につける。
2Rもローの打ち合いが続くと、鈴木の蹴り数も上がり、不可思は左の内ももが腫れ、少しバランスが悪くなる。だが不可思も終盤に右ミドルを強打する等、攻撃の手数を上げて挽回する。記者採点は10-10。ジャッジは三者三様となる。
3R、不可思は2R終盤同様に右ミドルを強打し続けると、鈴木の左脇腹は真っ赤に腫れ、鈴木は少し口を開いて苦しそうに。不可思は執拗に蹴り続け、鈴木の攻撃が減る。ジャッジ3者も記者も不可思につける。
4Rも不可思が鈴木にロープを背負わせ、右ミドルを何発も当て続け主導権を維持。不可思は右ボディ等も絡め、運動量が落ちない。鈴木も時折左ハイや左フックを返すが力が入りきらない。記者採点は10-9で不可思。
5R、序盤こそ後の無い鈴木が前に詰めてパンチの連打をまとめていたが、次第に勢いが落ち、不可思が右ミドルを当て続け、流れを引き戻し圧倒。そして残り10秒を切り、右ミドルを強打すると、ついに鈴木は力尽きダウンする。不可思はコーナーによじ登って大喜びし、鈴木は立ち上がるがそのまま時間切れ。記者採点は10-8で不可思。合計50-46で不可思。不可思がタフな消耗戦を制し、決勝に駒を進めた。
第5試合 KING OF KNOCK OUT初代スーパーライト級(-64kg)王座決定トーナメント準決勝 3分5R
×マサ佐藤(名護ムエタイスクール/英雄伝説アジア64kgトーナメント’16優勝、蹴拳ムエタイライト級王者/63.8kg)
○秀樹(新宿レフティージム/RISEライト級(-63kg)2位、K-1 ULTIMATE VICTOR REVOLUTION FINAL -65kgトーナメント’17優勝/64.0kg)
4R 2’23” TKO (レフェリーストップ:左肘打ちによる額のカット)
1R、サウスポーの秀樹が圧力をかけ、随所で左ミドルを強打。佐藤も時折右ローを返すが、後手に回り続ける。まだ秀樹の蹴り数は少なく、記者採点は10-10。ジャッジ1者は秀樹につけ、2者はイーブンとする。
2Rも秀樹が随所で左ミドル、左膝を当て続ける。蹴り数はさほど伸びないが、佐藤はほとんど攻撃が返せないため、ジャッジ3者は秀樹につける。記者採点も9-10で秀樹。3Rも同じような展開で、ジャッジ3名、記者共に9-10で秀樹。
4Rも秀樹が左ミドル主体で主導権を維持し、左の縦肘で佐藤の額を切り裂き、佐藤は血だるまに。最初のドクターチェックでは続行したが、出血が止まらず、大成レフェリーがストップ。秀樹の完勝に終わった。
メインイベントで不可思が勝利すると、秀樹もリングイン。不可思は「もちろんベルト巻くんで、8月(19日)の大田大会見に来てください」とアピール。秀樹は「念願のRISE対決です。挑戦者としていっぱい練習して決勝に臨みたいです」と話した。
第4試合 -55.5kg契約 3分5R
×小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺 REBELS/WPMF世界スーパーバンタム級王者、ISKA K-1ルール 世界バンタム級(-55kg)王者/55.3kg)
○江幡 塁(伊原道場本部/WKBA世界スーパーバンタム級王者/55.5kg)
3R 1’34” KO (右ストレート)
1R、瑛作はサウスポーに構えて圧力をかけ、左ローを積極的にヒットし、左ストレート、右肘等も当てる。塁もパンチとローと肘を返し、瑛作に鼻血を出させるが、後手に回り、瑛作が自分の距離を作り続ける展開。記者とジャッジ1名が瑛作につける。ジャッジ2名はイーブンだ。
2Rも瑛作が左ミドル、ローを随所で当て続けるが、塁も瑛作の蹴りの打ち終わりを狙って右フックを強打し、スリリングな状況を作り続ける。とはいえ瑛作の蹴り数のほうが目立ち、ジャッジ3者も記者も瑛作につける。
3Rも瑛作が左ミドル、ローを当てて主導権。とはいえ塁も距離を詰めて顔面とボディにパンチをまとめる場面もあり、まだわからない状態だ。瑛作が左ミドルを連打し、塁は笑顔を浮かべ後退。効いているようにも見えたが、瑛作が右フックを振るいながら前に詰めて来ると、塁はカウンターの右ストレートをクリーンヒット。瑛作は大の字で倒れ、明らかに立てない状態だが、小川レフェリーは10カウントまで数え切り、塁のKO勝ちに。衝撃の大逆転劇に、後楽園ホールは割れんばかりの大歓声に包まれた。
第3試合 -70kg契約 3分5R
○T-98(クロスポイント吉祥寺 REBELS/REBELS-MUAYTHAIスーパーウェルター級王者、元ラジャダムナン王者/70.0kg)
×菊野克紀(フリー/元DEEPライト級(-70kg)王者、巌流島全アジア武術選手権’16優勝/70.0kg)
判定3-0 (岡林49-47/大成49-46/大村49-46)
菊野はKNOCK OUT初参戦にして、プロでのキックボクシングの試合は初挑戦。元気ですか!! 大晦日!! 2011のMIXルールの長島☆自演乙☆雄一郎戦で1R目にキックルールを経験しているが、オープンフィンガーグローブ着用だった。
1R、菊野はサウスポーに構え、ガードを低くし、前に詰めて左右のフック、左ミドルをヒット。T-98はもらう場面が目立ち、終盤になってようやく右ロー、首相撲の膝を返すが、中盤までの悪印象をぬぐえない。ジャッジ3者も記者も菊野につける。
だが2RもT-98がしつこく膝と右ローを当て続けると、菊野が失速。T-98は右の三日月、右フック等も当て続け、菊野を圧倒する。記者とジャッジ2名がT-98につける。岡林ジャッジのみイーブンとつけたが、クリンチが多いことを考慮したものと思われる。
3RもT-98が主導権を維持し、菊野はクリンチが多く、中盤に和田レフェリーから注意を受ける。T-98は右フック、右肘、膝等を当て続け圧倒。記者もジャッジ3者もT-98につける。
4R以降も同じ構図で菊野はクリンチを繰り返し防戦一方。記者採点は4Rも5RもT-98。記者採点は49-46でT-98。T-98がキックボクサーの意地を見せつけ異色対決を制した。
第2試合 KING OF KNOCK OUT初代フライ級(-51kg)王座決定トーナメント一回戦Aブロック 3分5R
○仲山大雅(RIOTジム/RKA(琉球かきだみし協会)フライ級王者/50.9kg)
×山田航暉(キング・ムエ/WMC日本スーパーフライ級王者/51.0kg)
2R 1’56” KO (左ストレート)
今大会からスタートするフライ級トーナメント。8月19日の大田区総合体育館大会で1回戦残り2試合を行い、10月上旬の都内大会で準決勝、12月上旬の都内大規模会場大会で決勝を予定している。
1R、仲山はサウスポーに構え、開始すぐから前に詰め、左テンカオを当ててから右フックをクリーンヒットし先手。山田も右ミドルを返すが、仲山は気にせず詰め、前蹴りやジャブでフェイントをかけながら、左右のフック、左ボディをヒット。中盤過ぎには右アッパーでダウンを奪う。記者採点もジャッジも10-8で仲山。
2Rも仲山がパンチ、左ハイ、ミドル等で山田を圧倒。そして中盤、左ストレートの2連打でダウンを奪う。山田はダメージが大きく、ここで止めてもいいぐらいだったが、10カウントギリギリで立ち上がると、北尻レフェリーは歩かせて足取りを確認すること無く続行させる。仲山が左ストレートで再びダウンを奪い、山田がうつぶせで倒れると、ようやくレフェリーがストップした。
第1試合 KING OF KNOCK OUT初代フライ級(-51kg)王座決定トーナメント一回戦Bブロック 3分5R
○タネヨシホ(直心会/WBCムエタイ日本統一フライ級王者/51.0kg)
×石川直樹(治政館/新日本キックフライ級王者/51.0kg)
判定3-0 (小川50-46/北尻50-46/和田50-45)
1R、タネが回って距離を取りながら、右ローを時折当て、崩しも絡め主導権を握る。記者採点は10-10で、ジャッジ1名がタネにつける。
2R、タネが攻撃のテンポを上げ、左ジャブ、右フック等のパンチも増やす。石川も組んで肘を当てるが、タネも肘を返し、顔面狙いの前蹴り、左ボディ等も自在に当て、トータルのテクニックの差を印象付ける。記者もジャッジ3者もタネにつける。
3R、石川が首相撲に持ち込んで膝を当てる場面がこれまでより目立ち始めるが、終盤に差し掛かり、タネが左右のボディを連打し、石川を苦しめると、最後は三日月蹴り、バック肘等も当ててキッチリ差を印象付ける。記者もジャッジ3者もタネにつける。
4Rはタネがパンチを当てていると、石川が鼻血を出し、明らかに苦しそうに。タネが顔面とボディへのパンチ、三日月蹴り等を当て続け、石川を圧倒する。記者採点は10-9でタネ。
5R、タネは首相撲に持ち込まれた際に背中を向ける場面が多かったため、大村レフェリーにイエローカードをもらったが、パンチ、左ミドル、膝等を当て続け石川を圧倒。記者採点は10-9で合計50-46。タネが準決勝以降も期待の持てる内容で完勝した。