K-1 3.21 さいたまスーパーアリーナ【6階級王座戦】:武居由樹・アラゾフ・野杁正明、圧巻の防衛。卜部功也が2階級制覇
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K-1 WORLD GP 2018 JAPAN ~K’FESTA.1~
2018年3月21日(水/祝) さいたまスーパーアリーナ
レポート&写真:井原芳徳
(※K’FESTA.1の記事はスーパー・フェザー級王座決定トーナメント、6階級タイトルマッチ、ワンマッチと別々のページでお届けします)
6階級タイトルマッチ
第18試合 K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級(-55kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○武居由樹(POWER OF DREAM/王者/55.0kg)
×久保賢司(K-1ジム五反田チームキングス/挑戦者、元RISEバンタム級(55kg)王者、元NJKFフライ級王者/55.0kg)
1R 1’27” KO (右フック)
※武居が初防衛
武居は昨年4月の第2代王座決定トーナメント決勝で久保賢司を圧倒し優勝。その後も伊澤波人とビクトー・サラビアをKOし、昨年のK-1 AWARDSのMVPを獲得したが「去年1年間、唯一倒せなかったのが久保選手でした」と心残りがあった。対する久保兄弟の弟・賢司は11月のKrushの王座戦で寺戸伸近にリベンジを許すが、延長までもつれる激闘。その後、再び引退を表明したが、武居戦の屈辱が忘れられず現役続行を決意した。
1R、武居がサウスポーに構え、左の奥足狙いのローを放つと、賢司に押されてスリップするが、その後も左の蹴りを徹底。左ミドルを効かせて賢司の動きを止めると、左ハイでぐらつかせ、ロープに詰めて前蹴りとパンチでラッシュし、右ストレートでダウンを奪う。賢司はダメージが大きく、最後は左ボディと右フックの連打で2ダウン目を奪うと、豊永レフェリーがストップした。
圧巻の強さを見せた武居は「足立区から来たPOWER OF DREAMの武居由樹です。久保選手ありがとうございました。こんな大きな会場で試合ができて、本当に僕は幸せです。もっともっと大きい会場でこれからもやりたいんで、K-1の会場に見に来てください」とさわやかにアピールした。
第17試合 K-1 WORLD GPライト級(-62.5kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
×ウェイ・ルイ(中国/大東翔クラブ/CFP/王者/63.3kg→63.2kg)※2度目の防衛戦
○卜部功也(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/挑戦者、元スーパー・フェザー級(-60kg)王者/62.3kg)
2R 1’15” KO (左ストレート)
※卜部が新王者に
※ウェイが計量失格。功也が勝った場合のみ王者となり、負ければ空位に。ウェイは1R減点1、ウェイ10オンス・功也8オンスのグローブハンデ、ファイトマネー20%没収
ウェイは昨年2月のK-1の初代ライト級王座決定トーナメントで初来日し優勝。6月の初防衛戦ではゴンナパー・ウィラサクレックに判定勝ち。功也は2月の初代王座決定トーナメント一回戦でゴンナパーに左ハイでダウンを奪われ敗退するが、アゴの骨折を治し、8月のKrushでのヤニック・レーヌ戦、11月のK-1のスペトゥク戦で復調ぶりを示し悲願の王座戦へ。ウェイの計量失格で値打ちの下がる試合となってしまったが、勝たないといけないことは変わらない。
1R、いつも通り両者サウスポーに構え、ウェイが前に出ると、功也は右に回りつつ、右ミドル、右ローをヒット。次第に左のミドル、テンカオも織り交ぜ、主導権を握る。記者採点は9-10で功也。
2Rも功也が右ミドル、ローを当てて主導権を維持し、中盤に差し掛かろうとしたところで、左ストレートをクリーンヒット。ウェイは大の字で倒れ、足も痙攣しており、山根レフェリーはカウントを取らずKOを宣告。功也はコーナーに登って大喜びした。
2階級制覇を達成した功也は「ゴンナパー選手にアゴを折られ、ここまで這い上がれました。応援してくれる皆さんのおかげです。2階級制覇を達成しましたが、ここからです。もっと強い選手に挑戦します」とアピールした。
第13試合 K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級(-70kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○チンギス・アラゾフ(ベラルーシ/グリディンジム/王者/69.7kg)
×日菜太(クロスポイント吉祥寺/挑戦者、REBELS 70kg級王者/70.0kg)
2R 0’23” KO (左フック)
※アラゾフが初防衛
アラゾフは昨年6月のK-1の第2代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメントで初来日。一回戦から中島弘貴を左アッパーで沈め、準決勝では対日本人無敗のジョーダン・ピケオーを右ストレートで1R KO。決勝では城戸康裕相手に累計3度のダウンを奪い判定勝ちした。日菜太はキシェンコ、サワー、クラウスといった旧K-1のスターを撃破し、昨年、「WORLD MAXの時に取れなかった忘れ物」だというK-1のベルト目指し、6年ぶりに参戦。6月のトーナメント一回戦でピケオーに逆転負けを喫したが、その後はセルジオ・サンチェス、廣野祐に圧勝し挑戦権を獲得した。
1R、日菜太はサウスポーに構え、アラゾフに奥足狙いの左ローを当て続ける。アラゾフは時折スイッチしつつ、オーソドックス主体で、左のインロー、左右のボディを当てて、少しずつダメージを与え、左ハイでダウンを奪う。日菜太は立ち上がるが、ダメージは尾を引くことに。
2R、日菜太は前に詰めていくが、アラゾフは下がりながら、日菜太が左ミドルを放ったタイミングで、左フックをクリーンヒット。日菜太はダウンし、鼻血を出してうずくまったまま立ち上がれず、芹沢レフェリーがストップ。アラゾフの完勝に終わった。
アラゾフは「日本が大好きです。より強くなって面白い試合を皆さんに見せられるよう頑張ります」とアピールした。
第12試合 K-1 WORLD GPスーパー・ライト級(-65kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○野杁正明(K-1ジムEBISU/王者/65.0kg) ※K-1ジムEBISU小比類巻道場から所属表記変更
×大和哲也(大和ジム/挑戦者、K-1 WORLD MAX 2010 -63kg日本トーナメント優勝、元WBCムエタイ世界スーパーライト級王者、ライオンファイト同級王者/64.8kg)
3R 2’57” KO (パンチ連打)
※野杁が初防衛
野杁は昨年6月、ゲーオとの延長に及ぶ再戦を制し悲願のK-1王者に。初防衛戦の相手は14年のWBCムエタイ・インターナショナル王座戦で敗れた相手・大和哲也だ。哲也は昨年から新生K-1に参戦し、4月にHIROYA、11月にKrush-65kg王者・中澤純をいずれも左フックでKO。近年は合氣道を取り入れた“合氣ック”で攻守に磨きをかける。
1R、野杁は左ミドル主体で、哲也は脱力したような動きから左右のフック、右ミドルを当てる。均衡状態が続いたが、終了間際、近距離での野杁の横から入る左の飛び膝が炸裂し、不意を打たれた哲也はダウンを喫する。記者採点は10-8で野杁。
2R、哲也は少しずつパンチのヒットを増やして盛り返し、中盤過ぎにはロープに詰めて左を連打し少し野杁を追い込むが、野杁も右ハイ、左テンカオ、ロープに詰めてのパンチの連打で挽回する。記者採点は10-9で野杁。
3R、両者、近距離でパンチと膝の応酬を繰り広げるが、効き目を発揮したのは野杁の攻撃のほう。左の膝をボディに効かせ、左ボディフックも当てて下がらせ、左の膝を側頭部に当てた後、パンチの連打でダウンを奪う。哲也は立ち上がるがダメージは大きく、最後は野杁が膝を効かせてからのパンチラッシュで、哲也がロープを背負って亀になったところで、山根レフェリーが再びダウンを宣告し、哲也が前のめりで崩れ落ちたところでストップした。
勝った野杁は、セコンドの小澤海斗らと抱き合って大喜び。ベルトを巻くと「チーム恵比寿、色々あったんですけど、チームのみんなで世界一のチームにしていきますので、僕を含め他のメンバーの応援をお願いします」と宣言した。
第6試合 K-1 WORLD GPヘビー級タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
×アントニオ・プラチバット(クロアチア/アメノジム/王者/98.7kg)※初防衛戦
○ロエル・マナート(オランダ/メジロジム・アムステルダム/挑戦者/100.0kg)
判定0-3 (水谷28-30/梅木28-30/岡田28-30)
※マナートが新王者に
プラチバットは93年の第1回K-1 GP優勝者・ブランコ・シカティックの弟子。昨年11月のヘビー級王座決定トーナメントでK-Jee、上原誠、イブラヒム・エル・ボウニを撃破し優勝した。対するロエルは90年代の名選手にして、アーツ、ボンヤスキーら数々の強豪を育てたアンドレ・マナートを父に持つ。昨年11月のトーナメント一回戦では岩下雅大を1R KOしたが、準決勝ではイブラヒム・エル・ボウニにKO負けした。
1R、ロエルが左ジャブを突きながら圧力をかけ、右フック、右ローを積極的に出すが、プラチバットも次第に攻撃を増やし、右フック、右ロー、左ボディ、左ミドル等を返す。まだ五分か。記者採点は10-10。
2R、パンチとローの打ち返しの激しさが増す中で、ロエルの右ミドルが少しずつ効いてきたか?プラチバットは少し苦しそうで、声を上げてパンチを振るうが空振りが増え、終盤にはロエルがボディへの前蹴りで吹き飛ばすことに成功する。記者採点は9-10でロエルだ
3Rもその流れは変わらず、ロエルが右ロー、左ミドルを効かせ、自在に蹴りを当て続け、プラチバットはパンチの空振りを続け終了。記者採点は9-10でロエルで合計28-30でロエル。ジャッジ3者も同じで、ロエルが新王者となった。ベルトを巻いたロエルは「K-1王者になることは子供の頃からの夢でした。父のおかげです」とアピールした。
第5試合 K-1 WORLD GPウェルター級(-67.5kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○久保優太(K-1ジム五反田チームキングス/王者/67.5kg)
×メルシック・バダザリアン(アルメニア/ムエタイ・アメリカジム/挑戦者、中国WLF -67kg級世界王者/67.2kg)
判定3-0 (岡田30-29/西村30-29/梅木30-28)
※久保が初防衛
久保は65kgへの減量に苦しみ、ゲーオ、左右田泰臣、山崎秀晃に敗れるが、新設のウェルター級では持ち味を取り戻し、昨年9月のトーナメントで木村“フィリップ”ミノル、塚越仁志、モハン・ドラゴンを下し初代王者となる。挑戦者・バダザリアンはトーナメント準決勝を怪我で棄権しており、久保は自分が「真の王者だと証明する」試合となる。
1R、両者サウスポーに構え、久保がジャブ、前蹴りで距離を作りつつ、左のローを着実にヒット。早くもバダザリアンの右足は赤く腫れる。だがバダザリアンもパンチとローを返し、まだ大差は付けさせない。記者採点は10-10。
2Rも同じような構図だが、次第に久保の左ローが目立つようになり、バダザリアンは攻撃が減る。記者採点は10-9で久保。3Rも久保が左ローを効かせ、時折右フックも当て攻勢を維持。記者採点は10-9で久保で、30-28で勝者久保。ジャッジも順当に久保を支持し、久保の初防衛となった。
ベルトを再び巻いた久保は「今日はローに徹し、勝負に徹しました。このベルトを守るために、しょっぱい試合をしてしまったんですけど、すみません。去年、せっかくベルトを取れたので、現役できる限り守り続けたいです」と話した。
(※K’FESTA.1の記事はスーパー・フェザー級王座決定トーナメント、6階級タイトルマッチ、ワンマッチと別々のページでお届けします)