RISE 6.29 後楽園ホール(レポ):テッサ・デ・コム、小林愛三との3度目の対決も完勝し「K-1のSAHOと戦いたい」。2年ぶり復活のスアレックが200万トーナメントGACHI!!優勝。龍心王座返上のフライ級は松本天志・麗也が判定勝ち
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RISE 189
2025年6月29日(日)東京・後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
テッサ・デ・コム、小林愛三との3度目の対決でも判定勝ちし「K-1のSAHOと戦いたい」
第11試合 メインイベント RISE QUEENフライ級(52kg)タイトルマッチ 3分5R(無制限延長R)
○テッサ・デ・コム[Tessa De Kom](オランダ/ファイトチーム・フラールディンゲン/王者、Enfusion女子ストロー級(52kg)王者、ICO K-1世界 -53kg王者)
×小林愛三[まなぞう](NEXT LEVEL渋谷/1位・元王者、元WPMF女子世界&ムエタイオープン同級王者)
判定3-0 (北尻50-46/豊永50-46/和田50-46)
※デ・コムが2度目の防衛
デ・コムは24歳。GLORYの推薦で22年12月の両国大会でRISEに初参戦し、小林愛三からダウンを奪い判定勝ち。23年5月には愛三がRISE QUEENフライ級王座を懸けて再戦し、デ・コムが再び判定勝ちし王座を獲得した。12月の後楽園大会ではミニフライ級(49kg)王者の小林愛理奈を判定勝ちで退け初防衛に成功。今年2月にイタリアでGiuliana Parisiに4R TKO勝ちしICO K-1世界-53kg王座を獲得し、4月12日にはオランダでKyara van der Kloosterに5R判定勝ちしEnfusion女子ストロー級王座を防衛し4連勝中だ。
愛三は29歳。23年5月、デ・コムとの再戦で判定負けすると、3カ月後の再起戦でMelty輝に判定勝ち。昨年5月、小林愛理奈とのOFGマッチではダウンを奪われ判定負け。今年2月、KOKOZを圧倒し判定勝ちすると「テッサ選手に勝つにはKOが大事で、そこを頭に入れて練習し、今年実現できるようにします」と話していたが、早速3度目の対戦が組まれた。
1R、愛三が開始すぐからデ・コムをロープに詰め、左右のローを随所で当て、やや優位に進める。デ・コムはサウスポー主体にしつつスイッチを繰り返してステップして距離を取り、強打を許さずにいると、中盤過ぎ、左ハイの足先が愛三の左まぶたに当たる。すると少し愛三は下がり気味になり、次第にまぶたが腫れていく。終盤、デ・コムも左フック、ミドル等を返すようになり、手数では五分に近い状態に戻す。記者採点はイーブン。ジャッジ3者もイーブン。
2R、序盤に愛三の左まぶたの腫れのドクターチェックが入る。リングアナウンサーは有効打とアナウンスする(レフェリーは小川氏)。再開後、愛三は必死に前に出てパンチを振るうが、デ・コムはかわし、随所で右ストレート等を当て、やや優位に進める。記者採点はデ・コム。ジャッジ3者ともデ・コムを支持する。
3R、変わらず愛三は前に出続けるが、デ・コムが的確に右ストレートやローや左ボディやを時折当て、やや優位をキープする。終盤、愛三が右ミドルを当てるとデ・コムはスリップする。その後も右ミドルを強打し、印象を作るが、デ・コムも右ロー、左ミドルを返し、主導権を譲らない。記者採点はデ・コム。ジャッジ3者ともデ・コムにつける。
4R、デ・コムが右ローを当てていると、愛三は左足が流れるように。デ・コムは執拗に右ローを当て、サウスポーも織り交ぜ左ミドルも当て、愛三を追い詰める。記者採点はデ・コム。ジャッジ3者ともデ・コムにつける。
インターバル中、セコンドの神村エリカ氏に発破をかけられた愛三は、最終5R開始のゴングが鳴ると、必死に前に出るが、足のダメージとスタミナの消耗の影響で、ステップを踏むデ・コムを捕まえられず、パンチが空を切り続ける。デ・コムは変わらず右ロ―を当て続け、パンチも絡め、主導権を維持し終了する。記者採点はデ・コム。ジャッジ3者ともデ・コムにつける。記者採点合計50-46でデ・コム。ジャッジ3者とも50-46でデ・コムを支持し、デ・コムが判定勝ちした。
デ・コムは2度目の防衛、vs.愛三3連勝を果たし、RISEの同じ階級の日本人だと敵無し状態だと改めて証明した。RISEの伊藤隆代表はバックステージでのインタビューで「日本だけでなくヨーロッパでも52kgの最強レベルなので、今後、RISEの世界タイトルを作るか、それにふさわしい選手だと思います」と語った。その後、インタビューに登場したデ・コムは今後について「強い選手とやりたいです。K-1(女子フライ級王者)のSAHO選手と戦いたいです。彼女はいい選手なので、自分が勝って最強だと証明したいです」と話した。デ・コムはK-1でKANAに勝ってSAHOに負けている元K-1女子フライ級王者のアントニア・プリフティと、9月27日(現地時間)ベルギーで戦うことが決まっている。
敗れた愛三は「試合を組んでくださったRISEの皆様や、関わってくれた皆様に本当に申し訳なく思います。本当にすみませんでした」と謝罪し、試合内容については「前足の前蹴りを使って、先手先手で勝つプランでした。攻撃が返って来る予想をしていました。序盤は実行できたと思うんですけど、徐々に集中する部分で、もらってしまい、どんどん奥手になったと思います。ローのカットの練習はしていんたんですけど、見えない角度の一発が予想外で、テッサ選手が凄いパワーアップしていて、そこが敗因の一つかなと思います」と、今後については「そこは考えられていないです」と話しながら涙を流した。伊藤代表は「愛三は戦い方は悪くなかったが、テッサがそれ以上に巧くなっていた。フィジカルの差があった。愛三は懸けていたと思うが、まだ伸びしろがある」と評していた。
2年ぶり復活のスアレックが200万総取りトーナメントGACHI!!優勝
初の試みとなる「200万総取りトーナメント GACHI!!」は「何者でもない者が一夜にして何者かになれる」をテーマに開催されるワンデートーナメント。RISEが参加選手を募集したころ、RISEの伊藤隆代表によると60人以上が集まったといい、書類審査を通過した16選手が、伊藤代表を含めたRISEスタッフと元K-1プロデューサーの中村拓己氏を相手に面接を行い、本戦4選手とリザーブファイト2選手が選ばれた。
第3試合 RUF presents 200万総取りトーナメント GACHI!!一回戦(1) スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
×山口裕人(道化倶楽部/元WPMF世界暫定・WBCムエタイ日本統一・INNOVATIONスーパーライト級王者、元DEEP☆KICK -63kg・-65kg級王者)
○木村“ケルベロス”颯太(心将塾/RISEスーパーライト級6位、元DEEP☆KICK -65kg王者)
判定0-3 (小川27-30/秋谷27-30/北尻26-30)
山口兄弟の兄・裕人は33歳。23年8月のRISE OFGM -65kg級王座決定戦でYA-MANに2R KO負け。その後も西谷大成、伊藤澄哉にKO負け。昨年10月のFIGHT CLUBでのOFGマッチでは安彦考真に判定勝ちしたが、今年3月の両国大会ではYURAに1R左ストレートでKO負けしている。今回、詐欺被害での500万円の損失を少しでも賄おうとトーナメントに申し込んだという。
ケルベロスは大阪在住の24歳。23年11月のOFGマッチ大会「FIGHT CLUB」での朝倉未来推薦選手・白川陸斗との舌戦で認知度を高め、白川との試合は時間切れドロー。昨年10月のFIGHT CLUB.2ではBreakingDownでも活躍するYURAに3R KO負けした。今年6月からの65kg契約世界トーナメント「GLORY RISE Last Featherweight Standing」出場を目指し、5月11日の名古屋大会での将太とのランカー対決に臨み判定勝ちしたものの、RISEの伊藤隆代表は「まだまだRISE GLORYのフェザー級トーナメントは早いと思うので、“GACHI”に出て一回修行して、再起するしかないんじゃないですかね」とコメントし、今回の出場メンバーに選ばれた。
1R、ケルベロスが右ロー、テンカオ、左アッパー等、攻撃を散らしつつテンポ良く攻める。終盤、山口もパンチを増やすが、木村が右ストレートでフラつかせ、印象を作る。記者採点はケルベロス。
2R、ケルベロスが開始すぐに右テンカオをあて、パンチラッシュで追い詰める。山口も右フック、カーフを返し、均衡状態に戻るが、主導権を握る攻撃にはつなげられない。記者採点はケルベロス。
すると3R、ケルベロスが序盤、右フックでダウンを奪う。裕人は途中、声を上げながら、打ち合いで右フックを随所で当てて巻き返し、場内を沸かせたが、ケルベロスは耐え終了する。8-10でケルベロス。合計26-30でケルベロス。ジャッジ3者もケルベロスを支持し、ケルベロスが判定勝ちした。マイクを渡されたケルベロスは「中途半端な打ち合いになったんで、次、打ち合って倒します」と宣言した。
第4試合 RUF presents 200万総取りトーナメント GACHI!!一回戦(2) スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○スアレック・TEPPEN GYM(タイ/TEAM TEPPEN/元M-1世界スーパーライト級王者、元REBELSーRED同級王者、元KNOCK OUT-REDライト級王者、元ラジャダムナン認定フェザー級7位)※スアレック・ルークカムイ改め。STURGIS新宿ジムから所属変更
×ケースケ(HIDE’S KICK)
判定3-0 (豊永30-28/北尻30-27/小川30-26)
スアレックは39歳。タイのラジャダムナンスタジアムで層の厚いフェザー級のランカーとして活躍後、2010年から日本を主戦場とし、前身のREBELS時代からKNOCK OUTで活躍し、ライト級とスーパーライト級で王者となった。“超攻撃型ムエタイ”を評されるアグレッシブなファイトが持ち味。23年3月、TEPPEN所属の渡部太基とのウェルター級戦で判定勝ちした試合を最後に引退していたが、今は大阪のTEPPEN GYMでトレーナーを務め、日本とタイの家族のために一稼ぎしようと、今回2年ぶりに復帰した。
ケースケはMMA大会・Fighting NEXUSが昨年本格スタートした立ち技部門・STRIKE NEXUSの主力選手。昨年8月大会の初代スーパーフェザー級(60kg)王者決定トーナメント決勝では藤井重綺に判定負け。その後は65kg近辺で試合を重ね、3月に武裕太に2R KO勝ちしたが、5月11日にはRISEウェルター級(67.5kg)7位の野口紘志に判定1-2で惜敗している。今回は経営している会社の事務所を構える資金を得るために、このトーナメントに申し込んだ。
1R、スアレックがサウスポーのケースケに対し、右ミドルを随所で強打しつつ、左と右のフックの連打でダウンを奪う。終盤にもスアレックが右ストレートでひるませ、ケースケを追い詰める。10-8でスアレックが取る。
2R、スアレックは変わらず、右ミドル、フックを随所で強打する。中盤以降も手数は落ちず、ブランク明けながらスタミナも問題なさそうだ。記者採点はスアレック。
3R、ケースケも必死に前に出るが、スアレックが右ミドル、フックを時折強打し、反撃を許さず終了する。記者採点はスアレック。合計30-26でスアレック。意外にも2Rと3Rのスアレックを評価しないジャッジもいたが、ジャッジ3者ともスアレックを支持し、スアレックが判定勝ちした。スアレックは「久しぶりの試合どうですか。最後の試合も応援してください」と日本語でアピールした。
第5試合 RUF presents 200万総取りトーナメント GACHI!!リザーブマッチ スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○野村太一(K’Bスポーツジム/Bigbangウェルター級王者)
×森本現暉(猛者連精華支部華一門/RISEスーパーライト級9位、ジャパンカップキック・ウェルター級王者)
4R 判定3-0 (北尻10-9/和田10-9/豊永10-9)
3R 判定1-0 (北尻29-28/和田29-29/豊永29-29)
200万円トーナメントのリザーブマッチは新鋭同士の激闘に。1R、長身のサウスポーの森本に対し、野村は距離を詰めて右フックを随所で当てるが、森本も打ち合いで左右のパンチを返し、離れれば左インローを時折当て、五分に近い状態をキープする。記者採点はイーブン。
2R、森本が執拗にローを当てていると、野村はクリンチが増え、小川レフェリーから注意1を受ける。だが野村は随所で左右のパンチを顔面に当てて印象を作る。記者採点はイーブンだが野村につく可能性もある。
3R、中盤こそ野村がパンチのヒットを増やしてやや優位になるが、終盤、森本も声を上げながらパンチ、膝のヒットを増やして巻き返して終える。記者採点はイーブンだが森本につく可能性もある。合計30-30でイーブン。ジャッジは1者が野村を支持したが、2者はイーブンで延長へ。
延長R、比較的体力で余裕のある野村が前に出続け、中盤まで随所で右フックを当て、やや優位に進める。森本もパンチや膝を返す場面もあるがクリンチも多く、反撃につなげられず終了する。記者採点は野村。ジャッジ3者も野村を支持し、野村が延長戦を制した。
第10試合 セミファイナル RUF presents 200万総取りトーナメント GACHI!!決勝戦 スーパーライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
×木村“ケルベロス”颯太(心将塾/RISEスーパーライト級6位、元DEEP☆KICK -65kg王者)
○スアレック・TEPPEN GYM(タイ/TEAM TEPPEN/元M-1世界スーパーライト級王者、元REBELSーRED同級王者、元KNOCK OUT-REDライト級王者、元ラジャダムナン認定フェザー級7位)
判定0-3 (北尻28-29/小川29-30/豊永29-30)
※スアレックが優勝。賞金200万円獲得
1R、スアレックが右フックを随所で強打し、右ローも絡め、やや優位に進める。ケルベロスは右ローへのカウンターで右ストレートを当てる場面もあるが、攻撃がなかなか返せず印象が悪い。記者採点はスアレック。
2R、スアレックが変わらず、右フック、左ミドルを当て続け、手数では上回る。ケルベロスも左膝を返し、スアレックの勢いはこれまでより落ちるものの、ケルベロスはその先の攻撃につなげられない。記者採点はスアレックだがイーブンもありうる。
3R、お互い今6R目で疲れ、組む場面が増えるが、その中でスアレックは膝をヒット。スアレックは右フック、左右のミドルを当て続け、パンチの打ち合いでもケルベロスのパンチをかわし、最後は崩しも絡めて翻弄し、反撃を許さず終える。記者採点はスアレック。合計27-30でスアレック。ジャッジ3者とも1点差と厳しかったが、スアレックを支持し、スアレックが判定勝ちし、優勝賞金200万円を獲得した。
200万円の賞金プレートを受け取り、マイクを持ったスアレックは日本語で「ガチ優勝しました。久しぶりの試合です。会長ありがとうございます。TEPPEN GYMの若い子、ロンさん(=自身の愛称)みたいに頑張れば優勝なるよ」と話すと「チャンピオン、今度防衛戦、お願いします。白鳥大珠、かかってこい」と、笑顔で同門のスーパーライト級王者の白鳥を挑発し、リングサイドで見ていた白鳥も笑顔を浮かべていた。スアレックは来日当初、尚武会のトレーナーを務めていた時代の教え子が白鳥で、バックステージでのインタビューでスアレックは挑発について「冗談です」と話していた。
RISEの伊藤隆代表は「盛り上がりましたが、もっとガツガツ行くトーナメントにしてほしかったです」とトーナメント全体に関しては厳しく評価しつつも、スアレックについては「パンチもあるし根性もスタミナもあるし、面白くなると思います。今後上位ランカーと組んでいきたいです」と本格起用に意欲的だった。
那須川龍心王座返上のフライ級戦線は松本天志・麗也が判定勝ち
第9試合 フライ級(51.5kg) 3分3R(延長1R)
○松本天志(TARGET SHIBUYA/2位)
×平山裕翔(TEAM TEPPEN/6位、King of Rookie 2023 -51.5kg級優勝)
判定3-0 (秋谷30-28/小川30-28/北尻30-27)
松本は23年10月の王座戦で数島大陸に判定負けし 昨年3月のRISE ELDORADOでも那須川龍心に判定負けし2連敗を喫する。6月に寛人を、8月にJINを1R KOし、12月には麗也に判定勝ちし3連勝したが、今年2月の数島との1年半ぶりの再戦では2度のダウンを奪われ判定負けした。対する平山は5戦4勝(1KO)1敗の23歳。
1R、両者サウスポーで構え、松本がプレッシャーをかけ続け、左右のローを前足に時折当てる。だが平山はまだひるまず、右ミドル等を時折返し、差をつけさせない。記者採点はイーブン。
2R、松本が変わらずプレッシャーをかけ続ける。お互いなかかな強打が出なかったが、中盤過ぎから松本の左ストレートが随所でクリーンヒットしだし、やや優位に。記者採点は松本。
3R、松本が前に出続け、度々コーナーに詰め、パンチを随所で当て続ける。平山は防戦一方になり、より差が開いて終了する。記者採点は松本。合計30-28で松本。ジャッジ3者も松本を支持し、松本が判定勝ちしした。
マイクを持った松本は「怪我もないんで、8月2日(大田区総合体育館大会)でも、いつでも試合できます」と話し、今日が誕生日だという母親を祝った。
第8試合 フライ級(51.5kg) 3分3R(延長1R)
○麗也(team AKATSUKI/5位)
×伊藤琉之助(EX ARES/11位、CKC 2024 -51.5kgトーナメント優勝)
判定3-0 (山根29-28/長瀬29-28/小川30-28)
麗也は昨年12月、松本天志に判定負けして以来の試合。伊藤は3月の両国大会のオープニングファイトで水野夢斗に判定勝ちしている。
1R、麗也が圧力をかけ、右フック、ローをヒット。伊藤は左ジャブ、ボディ、右ローをヒット。お互い攻撃を当てるが、ヒットすは互角で、相手をひるませるほどにはならない。記者採点はイーブン。
2R、伊藤は回りつつ右ロー、左ジャブ等を随所で当てる、麗也は終盤、右ミドル、ストレート等を増やす。やや伊藤の積極性が目立つが、まだはっきりした差はつかない。記者採点はイーブンだが伊藤につく可能性もある。
だが3R、序盤から麗也が前に出ると、左ジャブのフェイントからの右ハイキックでダウンを奪う。伊藤はダメージは小さく、その後は必死に反撃し、左ミドル、右ストレート等を当てるが、麗也も攻撃を返し続け、逆転を封じて終了する。10-8で麗也が取る。合計30-28で麗也。麗也がジャッジ3者から支持され判定勝ちした。
フライ級は王者の那須川龍心が、6月21日の横浜BUNTAI大会で勝利後、階級アップと王座返上を表明した。この日は2位の松本天志、5位の麗也が下位ランカーを下した。RISEの伊藤代表は「今回勝った2人と、(1位)の数島大陸と、あと(3位の塚本)望夢がどの階級でやるかわからないですけど、その辺交えて、年内中で4人で、フライ級もですけど、スーパーフェザー級でも決めたいですね」と話し、4選手によるトーナメントでの王者決定プランを述べている。なお、4位には末國龍汰がいる。
細越竜之介が1R KO勝ち
第7試合 スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○細越竜之介(team AKATSUKI/5位)
×近藤大晟[たいせい](及川道場/12位、Stand Up King of Rookie 2023 -60kg級優勝)
1R 1’25” KO (左フック)
細越は昨年5月から12月の間にRISEで4試合をこなし、髙岩拓、勝野雅也、奥平将太、小野幹晃をいずれもKO。3月のRISE両国国技館大会でのRISE WORLD SERIES 2025 -61.5kgトーナメントのリザーブマッチではGUMPに判定負けした。近藤は5月の名古屋大会で和斗を圧倒し3R TKO勝ちし4連勝中だ。
試合は細越の完勝に。1R、ミドル主体の蹴りの攻防からスタートすると、サウスポーの細越がオーソドックスの近藤に対し、左ミドルと左フックを立て続けにヒットする。細越はフラついた近藤をコーナーに詰めると、左膝蹴りと右フックを蓮脱しダウンを奪うダウンを奪う。近藤のダメージは大きく、細越が左ミドルを当てて下がらせてから、左フックで再びダウンを奪ったところで、豊永レフェリーがストップした。マイクを持った細越は「勝った方がベルト(挑戦)と聞いています。絶対ベルト取ります」とアピールした。
Melty輝とYAYAの再戦はノーコンテストに
第6試合 女子フライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
―Melty輝[きら](team AKATSUKI/2位)
―YAYAウィラサクレック(ウィラサクレック・フェアテックス幕張/4位)
1R 無効試合 (偶発的なバッティングによるYAYAのドクターストップ)
両者は23年5月に対戦し、Meltyが1Rに右ハイキックでダウンを奪い判定勝ちしている。
1R、開始すぐにMeltyが左右のパンチを振り回して前に詰めると、バッティングとなってしまう。すぐにYAYAがMeltyに組み付いて崩す。するとYAYAは左まぶたから出血しており、ドクターチェックの結果、ストップがかかる。偶発的なバッティングによるカットとみなされ、ノーコンテストとなってしまった。
第2試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×寺山遼冴[りょうが](ARK FIGHT GYM/15位、元DEEP☆KICK -53kg王者)
○吉田晄成[こうせい](TEAM TEPPEN/スーパーフェザー級15位)
判定1-2 (小川29-30/長瀬30-28/秋谷28-29)
寺山は昨年5月の試合からフェザー級に階級を上げ、牧野騎士に判定勝ちし、11月にはKING龍蔵に3R KO勝ちし2連勝したが、今年2月、初参戦の礼司に3R飛び膝でダウンを奪われ判定負けした。吉田は4戦4勝(1KO)の19歳で、4月には児玉侑慎から3R右ストレートでダウンを奪い判定勝ちしている。
1R、寺山がサウスポーで構え、吉田はオーソドックスで構える。ミドルの蹴り合いでは吉田の右ミドルがやや目立つが、パンチではやや寺山の左ストレートが目立つ。まだ差は乏しい。記者採点はイーブン。
2R、距離が詰まりがちになり、吉田も右ストレートを増やすが、寺山も右の前手のフック、左ストレートを当て、お互い譲らぬ展開が続く。記者採点はイーブン。
3R、終盤になって寺山の左ミドルのヒットが増えるが、吉田も右ミドルとローを返し、はっきり差をつけさせず終わる。記者採点はイーブン。合計30-30でイーブン。ジャッジはバラつき、1者が寺山を支持したが、2者が吉田を支持し、吉田が判定勝ちした。
第1試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
×藤井海人(EX ARES)
○羅粋[らいき](TARGET)
不戦勝 (藤井はドクターストップ。羅粋が計量クリア)