K-1 2.9 代々木第二(レポ/後半):金子晃大、カリスティスから2ダウン奪いスーパー・バンタム級王座3度目の防衛。ヨードクンポン、鈴木勇人を1R KOしスーパー・ライト級王座初防衛。寺田匠、新美貴士にリベンジしフェザー級王座初防衛
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
中野駅徒歩3分。平日7~23時、年中無休営業。入会金&月謝2ヶ月分無料!
K-1 WORLD MAX 2025
2025年2月9日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館
レポート&写真:井原芳徳 (前半戦は別記事に掲載します)
金子晃大、カリスティスから2ダウン奪いスーパー・バンタム級王座3度目の防衛
第20試合 K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級(55kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○金子晃大[あきひろ](K-1ジム自由ヶ丘/FROG GYM/王者、K-1 WORLD MAX 2024 -55kgトーナメント優勝、元Krushバンタム級(53kg)王者)
×マノリス・カリスティス[Manolis Kallistis](ギリシャ/NASキャンプ/ソーデッチャパン/挑戦者、WKNフェザー級王者、MAX PAIN -58kg王者、H1 -58kg王者)
判定3-0 (豊永30-26/岡田30-27/西村30-27)
※金子が3度目の防衛
スーパー・バンタム級王者の金子は27戦25勝(13KO)2敗の28歳。23年9月のK-1横浜アリーナ大会で1勝1敗のライバル・玖村将史に延長判定勝ちしK-1スーパー・バンタム級王座を防衛。昨年3月のRISEでは鈴木真彦から2ダウンを奪い判定勝ちしリベンジを果たした。7月と9月に行われた-55kg世界最強決定トーナメントではカン・メンホンをKO、璃明武に判定勝ち、大久保琉唯にKO勝ちし優勝。12月のK-1ではONE・RWS出場経験のあるアスランベック・ジクレーブに判定勝ちしている。
挑戦者のカリスティスは37戦28勝(5KO)9敗の31歳。身長は金子より8cm低い163cm。16年1月、RISEで那須川天心に判定負け(その試合でのRISEの名前表記はマノリス・カリシス)。23年にはONE Friday Fightsに参戦し、タイ人のティーヤイに判定負けしている。今回K-1初参戦ながら王座挑戦のチャンスが与えられた。
1R、両者ジャブを突きつつ、中央付近で攻撃機会を伺う中で、中盤過ぎから金子の右のカーフが当たり出し、少しカリスティスがバランスを崩す。カリスティスはもらいっぱなしにならず、右ストレートを返し、大差はつけさせない。記者採点はイーブンだが金子につく可能性もある。
2R、金子は随所で右カーフを当てて、ダメージを与える。カリスティスは耐え、自分も右ローを返し、前に出てパンチを振るい、はっきりした差をつけさせない。記者採点は金子だがイーブンもありうる。
3R、カリスティスは前に出てパンチを振るうようになるが、中盤、打ち合いの展開で、金子が左フックを効かせて動きを止めると、続けて右ストレートでダウンを奪う。その後も金子がパンチで攻め続け、終了間際にもダメ押しのダウンを左ストレートで奪い、点差を広げて終える。ポイントは10-7に。合計30-26で金子。金子が判定勝ちで王座3度目の防衛に成功した。
マイクを持った金子は「応援してくれている人がいての今の自分です。見ている人が楽しかったと思ってくれる試合をこれからもしていきます」と話した。
ヨードクンポン、鈴木勇人を1R KOしスーパー・ライト級王座初防衛
第19試合 K-1 WORLD GPスーパー・ライト級(65kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○ヨードクンポン・ウィラサクレック[Yodkhunpon Weerasakreck](タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/王者、トップキング&MXムエエクストリーム-70kg級王者)
×鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス/挑戦者、元Krushスーパー・ライト級王者)
1R 1’25” KO (パンチ連打)
※ヨードクンポンが初防衛
ヨードクンポンは30歳。タイのルンピニーとラジャダムナンの2大スタジアムで活躍し、23年のラジャダムナンワールドシリーズのウェルター級トーナメントで準優勝。昨年9月の第7代K-1スーパー・ライト級王座決定トーナメントでは、カン・ピナール、イオヌット・ポパをKOし、決勝では稲垣柊に判定勝ちして優勝しベルトを獲得した。
鈴木は35歳。23年はパコーンに敗れたが、デンサヤームをKOし、モハメド・イスラムに延長判定勝ち。昨年3月の代々木大会では元K-1 2階級制覇王者の卜部功也とのダウンの応酬を制し判定勝ち。9月のスーパー・ライト級王座決定トーナメン一回戦でポパの左ハイキックで右まぶたを切られ3R TKO負けを喫していたが、K-1の宮田充プロデューサーは「前回のトーナメントではドクターストップで負けてしまいました。あの無念さを晴らしてほしい。1月に35歳になることもあり、鈴木君に任せたい」と期待をかけ、王座挑戦権を与えた。
1R、鈴木はサウスポーで構え、左ミドルを放つが、ヨードクンポンは空振りさせつつ、右ローを当てる。鈴木は変わらず左ミドルを放ち、ゆったりとした滑り出しを見せていたが、ヨードクンポンはお構いなしに圧力をかけて鈴木をロープ際に詰めると、パンチの打ち合いに持ち込み、右ストレート、左フックを立て続けに当ててから、カウンターで左フックをクリーンヒットしてダウンを奪う。鈴木は立ったがダメージが大きく、ヨードクンポンがパンチラッシュを仕掛け、鈴木が逃げながら横にフラついたところで、箱崎レフェリーがストップした。鈴木は不満げだったが、セコンドになだめられ、リングを降りた。
寺田匠、新美貴士にリベンジしフェザー級王座初防衛
第18試合 K-1 WORLD GPフェザー級(57.5kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○寺田 匠(team VASILEUS/王者、ISKAオリエンタルルール世界スーパーフェザー級(59kg)王者)
×新美貴士[たかひと](名古屋JKファクトリー/挑戦者、元Krush同級王者)
判定3-0 (西村30-28/岡田30-27/梅木30-28)
※寺田が初防衛
フェザー級王者の寺田は24歳。11戦10勝(4KO)1敗で、唯一の黒星は23年6月のKrushでの新美貴士に判定負けした際のもので、今回はベルトを懸けてのリベンジ戦となる。その試合の5カ月後、イタリアで地元の選手を4R KOしISKA世界スーパーフェザー級王座を獲得。昨年2月のRIZIN佐賀大会では冨永武聖を1R KO。7月のK-1では兼田将暉に判定勝ち。9月には軍司泰斗に延長判定勝ちしてK-1王座を獲得した。
挑戦者の新美は29戦18勝(8KO)10敗1分の31歳。斗麗、岡嶋形徒、篠塚辰樹相手にKrushフェザー級王座を3度防衛。22年5月に玖村修平に敗れ王座陥落。23年3月のRISEで門口佳佑に判定負け。6月のKrushでは寺田匠に判定勝ちしたが、10月には稲垣澪に判定負け。昨年3月のホーストカップではSBとRISEの上位ランカーでもある魁斗と延長引き分け。7月のKrushでは竹内将生に2R KO勝ち。11月のKrush名古屋大会で大脇武を1R左ストレートでKOすると、寺田との再戦・王座戦を希望していた。
1R、新美がサウスポーで構え、開始すぐから前に出て、左ミドル主体で積極的に攻める。だが新美は回りつつブロックし耐え、随所で右ローを返し、終盤には左ボディを強打する。新美は動きが落ち、寺田が前に出返し、度々左ボディを当てて優勢に。記者採点は寺田。
2R、新美の序盤の左ローがローブローとなり一時中断する。その影響で少し寺田の圧力は落ちたが、左ボディを強打していると、すぐ流れを引き戻し、終盤は左ボディ主体で攻め続け、右ハイもクリーンヒットして差を示す。記者採点は寺田。
3R、寺田は変わらず左ボディを主体に、左ミドル、右ハイも随所で当て、優位をキープする。記者採点は寺田。合計30-27で寺田。ジャッジ3者も寺田を支持し、寺田が新美へのリベンジと王座初防衛に成功した。
ベルトを巻きマイクを持った寺田は「1年半前に新美選手に初めて負けて、応援してくれる人やスポンサーさんが減って、絶対負けられないと思って、そこから必死に練習してきました。(渡辺)雅和さんとかとやっていたことは間違いありませんでした。僕は武尊さんのおかげで今があります。3月(ONEのロッタン戦は)はK-1ファンは応援していますので絶対勝ってください」とアピールし、セコンドについた武尊、渡辺トレーナーと記念撮影した。なお、試合後のインタビュー寺田は「57.5kgまで落とすのがキツくて、階級変更も考えています」と話している。
松倉信太郎が2R KO勝ち
第17試合 77kg契約 3分3R(延長1R)
○松倉信太郎(team VASILEUS/K-1ミドル級(75kg)王者、WPMF世界スーパーミドル級王者、元KNOCK OUT-BLACK同級王者、Krush YOUTH GP 2012 -70kg優勝、K-1甲子園2009 -70kg優勝)
×パク・チュンイル[Park Chung il](韓国/フリー/KBAライトヘビー級(80kg)王者)
2R 1’21” KO (右カーフキック)
松倉は34歳。23年6月のK-1初代ミドル級王座決定トーナメント決勝でハッサン・トイにKO負けを喫したが、12月の大阪大会でトイに延長判定勝ちし王座を奪取した。昨年7月の代々木大会では80kg契約でアレクサンドル・アマリティに判定勝ちしている。今回は77kg契約で戦う。
チュンイルはキック戦績8戦7勝1敗の32歳。北朝鮮・咸鏡北道出身の脱北者で、キックだけでなく素手で殴り合うベアナックルボクシング、平手打ちで争うスラップファイトの経験もある。
1R、チュンイルは時折パンチやミドルを強打するが、松倉はブロックしつつ、自分の右カーフを随所で当てていると、チュンイルは早くも足を引きずるように。記者採点は松倉。
すると2R、松倉が右カーフを当て続け、右カーフでダウンを奪う。チュンイルは10カウントギリギリで立ったが、足を引きずっており、箱崎レフェリーがストップした。
ティアン・ターザン、K-1 2連続 1R KO勝ち
第16試合 クルーザー級(90kg) 3分3R(延長1R)
○ティアン・ターザン[Thian “Tarzan” De Vries」(オランダ/Luc Verheije Fight Club/Enfusionライトヘビー級(93kg)&クルーザー級(88kg)王者)
×カルロス・ブディオ[Carlos Budiao](ブラジル/ブラジリアンタイ/FIGHT DRAGON -90kg王者、KTK WORLDヘビー級王者)
1R 2’31” KO (左ジャブ)
ターザンは27戦全勝(25KO)の23歳。オランダ等で開催されているEnfusionの2階級制覇王者で、昨年7月のLEGEND千葉大会にピーター・アーツ推薦で初来日し遊笑にKO勝ち。12月にK-1に初参戦すると、RUIを左ジャブでわずか27秒でKOした。
ブディオは22戦19勝(14KO)3敗の35歳。ホーストカップで谷川聖哉をKOしたことがあり、K-1では22年12月のシナ・カリミアン戦で後頭部へのパンチにより反則負け。23年7月には星龍之介を右フックで58秒でKOしている。
1R、開始すぐからターザンが前に出て、右のミドル、ハイを放つ。ブディオはブロックしつつ、左右のフックを振るい続け、場内を沸かせる。だが終盤、ターザンが右カーフを効かせると、ブディオはスリップするように。ターザンはブディオをロープ際に詰め、右カーフを当てると、ブディオが前に出たところで左ジャブを合わせてダウンを奪う。ブディオはダメージが大きく、立つことができず、ターザンのKO勝ちとなった。
MAXトーナメント前哨戦はフェルドンク、璃久、デング、アビラルが勝利
第15試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
○ダリル・フェルドンク[Darryl Verdonk](オランダ/ファイトチーム・リンガー/元Enfusionライト級(70kg)王者)
×ジョムトーン・ストライカージム[Jomthong Strikergym](タイ/ストライカージム/元ラジャダムナン4階級王者、元WBCムエタイ世界3階級王者、クンルンファイト70kgトーナメント2016準優勝、元ボクシング東洋太平洋スーパーフェザー級王者)
1R 1’04” KO (右バックハンドブロー)
昨年、K-1ではK-1 WORLD MAX -70kgトーナメントを開催したが、今年も開催を計画しており、その前哨戦となるような同級の試合が4試合組まれた。
1R、フェルドンクが開始すぐから圧力をかけ、ジョムトーンをコーナーに詰めるが、ジョムトーンはサウスポーからの左ストレートを当て、フェルドンクの腰が落ちる。だがフェルドンクはすぐ前に出て、二段蹴りで距離を詰めると、ジョムトーンはよけたが、すぐさまフェルドンクが右のバックハンドブローをコンパクトに放つと、これがクリーンヒット。ジョムトーンは腰から崩れてダウンし、すぐさまレフェリーがストップした。
第14試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
×モハメド・ブタザ[Mohammed Boutasaa](モロッコ/サウスポージム/元Enfusionスーパーフェザー級(67kg)王者)
○璃久[りく](HIGHSPEED GYM)
判定0-2 (豊永28-30/梅木30-30/岡田29-30)
海外の実力者揃いのK-1 70kg戦線にまた一人楽しみな選手が参戦する。ブタザは19戦17勝(4KO)2敗の25歳。22年5月から24年2月にONEに参戦し5戦3勝2敗で、ダビッド・キリアに判定勝ちし、シッティチャイに判定負けしている。ONEでの2試合含め、昨年11月のドイツでのジェームズ・コンデ戦まで3連勝中だ。12月のシュートボクシングで海人戦が組まれたが怪我で欠場しており、SBではなくK-1で初来日する。
璃久は16戦11勝(5KO)4敗1分の25歳。シュートボクシングの元日本ランカーで、23年7月からK-1 GROUPに参戦し、森田奈男樹、アビラル・ヒマラヤン・チーターに勝利し、デング・シウバに1R TKO負け。第5代Krushスーパー・ウェルター級王座決定トーナメント準決勝で藤村大輔に判定勝ちし、8月の決勝では小田尋久に判定負け。11月のKrush名古屋大会では匡志に判定勝ちしている。
1R、サウスポーのブタザに対し、璃久がプレッシャーをかけ、積極的にパンチを振るうが、まだ強打は打てない。ブタザは慎重な様子で動きが硬かったが、終盤になると前に出るように。記者採点はイーブン。
2R、璃久が左ジャブ、右ストレートを当てていると、ブタザは鼻血を出すように。中盤、ブタザが圧を強めてパンチや飛び膝で脅かすが、終盤、璃久が右ストレートを的確に当て、若干だが優位に進める。記者採点はまだイーブンだが璃久につく可能性はある。
3R、ブタザは手数を上げ、左ミドル、インローなどを当てるが、璃久はひるまず前に出て、随所で右ストレートをクリーンヒットし印象を作る。とはいえ終盤までブタザも攻撃を返し続け、はっきりした差はつけさせない。記者採点は璃久だがイーブンもありうる。合計29-30で璃久。ジャッジはやはり2・3Rの評価が分かれた模様で、1者は30-30としたが、2者は璃久にポイントを振り、璃久が判定勝ちした。
第13試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
○デング・シウバ[シルバ][Dengue Silva](ブラジル/スクアドン・タイ・ブラジル/K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント3位、SFT COMBAT -70kg級王者)
×小田尋久[じんく](TEAM3K/Krushスーパー・ウェルター級王者)
判定2-0 (岡田29-28/豊永28-28/梅木29-28)
※シウバが前日公式計量を50gオーバーし1R減点1、ファイトマネーの20%を小田に譲渡、小田8オンス・シウバ10オンスのグローブハンデ
小田は22歳。新極真会で空手を習い、21年11月のDEEP☆KICKでキックデビュー。23年2月からK-1 GROUPに参戦し、夜叉猿、山崎陽一に勝利。11月にフランスでGLORYライト級(70kg)3位のゲリック・ビレットとWAKO世界ミドル級(75kg)王座決定戦を行い、5R判定負けに終わったものの、接戦を繰り広げ評価を高めた。今年2月のKNOCK OUTでは中島弘貴に延長(4R)判定勝ち。5月のKrush王座決定トーナメント準決勝では森田奈男樹に3R左フックでKO勝ちし、8月の決勝で璃久に判定勝ちし王者となる。10月のK-1大阪大会ではK-1 WORLD MAX -70kgトーナメント優勝者のストーヤン・コプリヴレンスキーに延長判定負けしたが、ダウンを奪うなど健闘し評価を高めた。
デングは31歳。-70kgトーナメントでは璃久とダリル・フェルドンクを下したが、準決勝でコプリヴレンスキーに判定負けし。10月の大阪大会ではジョーダン・ピケオーと対戦し、延長Rにダウンを奪われ判定負けしている。
1R、両者右ロー、カーフを当てていると、中盤からデングがサウスポーに切り替えるように。デングは伸びのある左ストレートを放って脅かす画面もあるが、小田はかわし、まだ強打はもらわない。記者採点はイーブン。
2Rも均衡状態が続いていたが、中盤過ぎ、デングがオーソドックスに戻し、両者右ミドルの相打ちになると、直後に放ったデングの右ストレートで小田が倒れ、レフェリーはダウンを宣告する。小田のダメージは小さい様子だ。10-8でデングが取る。
3R、後の無い小田は前に出続けてパンチを振るうが、なかなか強打につなげられず、デングが逃げ切る形で終わる。記者採点は小田。合計29-28でデング。ジャッジ1者はイーブンとしたが、2者は順当にデングを支持し、デングが判定勝ちした。
第12試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
○アビラル・ヒマラヤン・チーター(ネパール/志村道場/ISKA K-1ルール・インターコンチネンタル・スーパーウェルター級(70kg)王者、HEAT KICKミドル級(70kg)王者)
×白須康仁(PROTAGONIST/元WMAF世界スーパーウェルター級王者、元MA日本ウェルター級王者)
3R 1’13” TKO (コーナーストップ:パンチ連打)
アビラルは23年12月に璃久に判定負け。昨年10月にHEATでアントニー・マルコニをKOしISKAインターコンチネンタル・スーパーウェルター級王座を獲得した。白須は昨年3月に宇佐美秀メイソンにKO負けして以来の試合。
1R、長身のアビラルがプレッシャーをかけ続け、左ジャブ、右ストレート、右カーフ等を当て続け主導権を握る。白須は右フックをカウンターで返す場面もあるが攻撃が少ない。
2Rもアビラルの手数が上回るが、白須も右フック、ボディ等のパンチのヒットを増やして巻き返し差を縮める。記者採点はイーブン。
だが3R、アビラルが2R途中から多用し始めた奥足狙いの右インローと左アウトローを連打し、下に意識を向けさせてから、右ストレートでひるませ、パンチラッシュでダウンを奪う。白須のダメージは大きく、アビラルがロープ際にパンチを連打したところで、白須陣営がタオルを投入し、アビラルのTKO勝ちとなった。
大久保琉唯、朝倉未来推薦選手を3R KO
第11試合 58kg契約 3分3R(延長1R)
○大久保琉唯[るい](K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER/元Krushフライ級王者、K-1甲子園2021 -55kg優勝)
×竹見浩史郎(JAPAN TOP TEAM)
3R 1’39” KO (左三日月蹴り)
平本蓮とも親交のある大久保は、12月のK-1の璃明武戦で判定勝ちした後、大晦日のRIZINの平本と朝倉未来の率いるチームの対抗戦への出場を志願していたが、マッチメイク調整の結果、試合が決まらなかった。そこで今大会では未来率いるJTT所属のMMA選手との試合が組まれた。竹見は東海大学付属熊本星翔高校、法政大学のボクシング部に在籍していたストライカー。昨年9月にDEEPでプロデビューしてTKO勝ちし、DEEPのアマチュアの試合では一本負けしている。
竹見のセコンドにはJTTのコーチをしている山崎秀晃つく。1R、大久保が中央側で構え続け、右カーフ、ロー、ストレートを当てる場面もあるが、まだ回って距離を取る竹見を捕まえきれない。竹見は終盤になり右ボディを当てるように。記者採点はイーブンだが大久保につく可能性もある。
2R、大久保は圧を強め、右ストレート、左ボディ等のパンチのヒットを増やし、優勢を印象付ける。記者採点は大久保。ところが途中で大久保が足元を気にする様子を見せ、リングの一部がへこんで破損していることが判明し、修復のため5分ほどで再開する。
3R、大久保は変わらず前に出続けパンチ、膝で追い詰めると、中盤、左の三日月蹴りで竹見をKOした。
マイクを持った大久保は「途中、ハプニングがあって、冷めた感じで見られたかもしれませんが、倒せて良かったです。竹見選手はK-1というアウェーのリングに立ってくれてありがとうございます。朝倉未来選手、JTTだかBreakingDownだかわからないですが、このリングに上げるんだったら、もっと強い選手上げてほしいなと思います」とアピールした。
K-1 2.9 代々木第二(レポ/前半):松谷綺、19歳の新鋭・末松晄との接戦制し女子アトム級王者に。稲垣柊、佐々木大蔵とのダウンの応酬制す。兼田将暉、玖村修平を1R KOし軍司泰斗に再度対戦要求