K-1 9.29 代々木第二(レポ/トーナメント):金子晃大、玖村将史下した大久保琉唯を決勝でKOし-55kgトーナメント優勝。タイから初参戦のヨードクンポン、スーパー・ライト級王座決定T決勝で稲垣柊下し王者に
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K-1 WORLD MAX 2024
2024年9月29日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)K-1 ※タイトルマッチ、ワンマッチは別記事でお伝えします
K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント
-55kg世界最強決定トーナメントは8選手が参加し、7月の代々木第二大会で一回戦4試合が行われた。昨年、コロナ禍による入国規制が無くなり、カルロス菊田プロデューサーに変わり、K-1の世界再進出路線が進む中、トーナメントでの海外勢の比率が高まる傾向があったが、今回は日本人4人、外国人4人と、以前のような編成となった。その編成でもこれまで強豪国タイの選手が必ず1名は参加していたが、今回は選ばれていない。
一回戦でK-1同級王者の金子晃大はカン・メンホン(カンボジア)を3R左フックでKOし、金子の対抗馬・玖村将史はアントニオ・オルデン(スペイン)を56秒左フック一撃でKO。Krush同級王者の璃明武はアンジェロス・マルティノス(ギリシャ)と延長戦の末に右ローキックで沈め、階級をアップし参加した大久保琉唯はジャオ・ジェンドン(中国)に判定勝ちし、日本人4選手が準決勝に残った。
金子と玖村は勝ち上がれば決勝で当たる山組に。両者は3度戦い金子の2勝1敗で、昨年9月の3度目の対戦では金子が延長の末に判定勝ちし、王座を防衛している。
第9試合 K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント・準決勝(1) 3分3R(延長1R)
○金子晃大[あきひろ](K-1ジム自由ヶ丘/FROG GYM/K-1スーパー・バンタム級(55kg)王者、元Krushバンタム級(53kg)王者)
×璃明武[りあむ](K-1ジム総本部チームペガサス/Krushスーパー・バンタム級(55kg)王者)
判定2-0 (岡田29-29/山根30-29/伊藤30-29)
両者は22年2月の第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント準決勝で対戦し、金子が2R KO勝し、決勝では玖村を破って優勝している。
1R、中盤からお互い右ミドルを当てるが、お互い慎重な攻防が続く。金子は時折右カーフを当てるが、まだ璃明武はひるまない。記者採点はイーブン。
2R、ミドルの応酬はあるが、まだ均衡が崩れない。中盤、金子が胸を付けた状態で膝やパンチを当てるが、水谷レフェリーはつかみとみなさず注意しない。記者採点はイーブンだが、やや積極的に蹴っていた璃明武につく可能性はある。
3Rもクリンチが繰り返され、金子も組んでいるが、水谷レフェリーは璃明武にだけ注意する。中盤、クリンチになると、金子はその状態で右のパンチを璃明武の後頭部に連打する。2Rにも見られた光景だが、水谷レフェリーは璃明武にだけ注意し、累積で警告扱いとなる。お互いミドルやローを当てるが、均衡は崩れない。残り30秒、またもクリンチ状態で右のパンチを当てるが、ブレイク後、璃明武にだけ注意し、減点1となる。最後、璃明武が左ハイを当てるが、金子はひるまず終了する。記者採点はイーブンだが減点があったため30-29で金子。ジャッジは1者がイーブン、2者が30-29で金子を支持し、金子の判定勝ちとなったが、水谷レフェリーのクリンチの評価基準に疑問が残る試合だった。
第10試合 K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント・準決勝(2) 3分3R(延長1R)
×玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/元Krushスーパー・バンタム級(55kg)王者)
○大久保琉唯[るい](K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER/元Krushフライ級(51kg)王者、K-1甲子園2021 -55kg優勝)
判定0-3 (水谷29-30/山根29-30/三浦29-30)
1R、玖村がプレッシャーをかけ、大久保が距離を取り、お互い左ミドルを当てる。大久保は次第に左ジャブを当てるようになり、ヒット数ではやや上回る。終了間際、玖村は左ジャブ、右フックをヒットし、ややいい形で終えるが、はっきりした差はつけられない。記者採点はイーブン。
2R、玖村は変わらず前に出るが、大久保はこれまで同様に回り、対処を続ける。すると中盤、大久保が左ハイを空振りさせてから、中央側に回り込むと、右の飛び膝蹴りを当てて、玖村の腰が沈む。玖村は挽回を狙って前に出続け、左ジャブを当てるが、大久保は左ミドル、ジャブを返し、反撃を許さない。記者採点は大久保。
3R、大久保は左ジャブを連続で振るってから、右ストレートをヒットする。中盤は左ジャブの応酬になるが、両者組む展開が繰り返されると、豊永レフェリーは大久保にだけ注意を出す。終盤も両者左のパンチの応酬に。その流れで胸がくっつき、大久保が両脇を差して組み付いてしまうと、豊永レフェリーは大久保に警告を出す。最後、大久保は左のミドル、ハイをガードの上から連打して、挽回して終える。記者採点はイーブン。合計29-30で大久保。ジャッジ3者も同じ採点で、大久保が判定勝ちし、見事番狂わせを起こして見せた。
第8試合 K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント・リザーブファイト 3分3R(延長1R)
×池田幸司(ReBORN経堂/元Krushバンタム級(53kg)王者)
○永坂吏羅[りら](K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
1R 2’31” KO (2ダウン:右フック)
池田はK-1バンタム級の主力選手として活躍しつつ、昨年12月にはRISEに参戦し松下武蔵に判定勝ち。今年3月にもRISEに参戦したが花岡竜に判定負けした。Krushバンタム級王座を返上し、スーパーバンタム級に階級を上げて臨んだ7月のK-1での晃貴戦では、2Rに右フックを効かせてからのパンチ連打でKO勝ちし、インパクトを残した。
永坂はテコンドーをベースとし、11戦6勝(6KO)4敗1分で勝った試合は全てKO勝ち。4連勝後、23年7月のKrushスーパー・バンタム級タイトルマッチで王者・璃明武に挑むも判定負けし、足の怪我の療養を経て1年ぶりに復帰した。
試合はダウンの応酬に。1R、スイッチを繰り返す永坂がサウスポーになった際、池田が右ミドルとストレートを当ててひるませるが、永坂はロープにぶつかり、ダウンを免れる。池田はさらに右ミドルとストレートを連打したが、永坂は打ち終わりに左ストレートをクリーンヒット。のけぞった池田に永坂はパンチを連打し、左右のフックの連打でダウンを奪う。池田は立ち、笑顔を浮かべるが、ダメージは隠せない。だが突っ込んできた永坂に、池田が右ストレートをクリーンヒット。永坂は尻もちをついたが、すぐ立ったせいか、伊藤レフェリーはダウンを宣告しない。とはいえ永坂は自らパンチを振う際にスリップし、パンチ自体も大振りで動きが荒く、池田は落ち着いた様子で左フックを当ててダウンを奪い返す。しかし池田もダメージが抜けきっていない。パンチの打ち合いで、永坂が右フックを当てて2ダウン目を奪いKO勝ちした。
第18試合 K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント・決勝 3分3R(延長1R)
○金子晃大[あきひろ](K-1ジム自由ヶ丘/FROG GYM/K-1スーパー・バンタム級(55kg)王者、元Krushバンタム級(53kg)王者)
×大久保琉唯[るい](K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER/元Krushフライ級(51kg)王者、K-1甲子園2021 -55kg優勝)
2R 0’26” KO (右ローキック)
※金子が優勝
両者大きなダメージは無い状態で決勝を迎える。1R、金子は準決勝よりもプレッシャーをかけ、左ジャブを振いつつ、右ボディストレートを当てる場面もあるが、長身の大久保を詰め切れず、攻撃が少ない状態に変わりはない。大久保も右ロー、左ジャブを当てるが、手数が少ない。記者採点はイーブン。
すると2R、序盤にいきなり決着がつくことに。金子は1R同様に前に出ると、右ボディストレートを当てる。大久保もすぐ左ミドルを返し、応戦できていたが、再び金子が前に詰め右のローを太腿の裏に強打すると、これ一発で大久保は顔をしかめてダウンする。大久保は足を壊された様子で立てず、金子のKO勝ちとなった。
優勝記念のベルトを腰に巻き、チャンピオンベルトを肩にかけた金子は、マイクを持つと「格闘技関係者、ファンのみなさんに迷惑をかけて本当に申し訳なかったなと思っていて。たしかに周りの人から見たら良くないことかもしれないですし、出回った動画とかを見た人からすれば、理解できないことかもしれないけど、格闘技に対して裏切ったつもりもなくて。言っても分からないと思うんで、そことはずっと向き合おうと思っています。僕は今回のことで落ちていったというか。ここで結果を出せなかったら、一回落ちたら見ている人は終わりと思ってしまうんで、このトーナメントで命をかけて勝つことで、人間誰しも何かと戦う時があると思うんで。僕が一番責任があるんですけど、そこと戦うってところを、辛いときに思い出してくれればと。このトーナメント、最初は辞退をしようかと思っていたんですけど、見ている人に届けたくて、頑張ることができました。会場の皆さん、トーナメントに出てくれたみなさんのおかげで高められたと思います。ありがとうございました。僕というリアルを、戦いながら見せていくんで、役に立てればいいかなと思います」と、途中に涙声になりながらも話した。金子は1か月前、練習仲間への暴行疑惑で近く千葉県警から書類送検されるとデイリー新潮で報じられていた。
第7代K-1 WORLD GP スーパー・ライト級(65kg)王座決定トーナメント
大和哲也がK-1スーパー・ライト級王座を3月に返上したこと受け、秋の王座決定トーナメントを見据え、春にトーナメント出場者を決める査定試合が組まれた。3月のK-1では鈴木が卜部功也とのダウンの応酬を制し判定勝ち。4月のKrushでも同級で4試合が組まれ、Krush同級王者の稲垣柊が元K-1ライト級王者・林健太を圧倒し判定勝ちし、番狂わせを起こした。結局、鈴木と稲垣がトーナメントに選ばれ、海外から招へいした6選手と王座を争った。
第3試合 第7代K-1 WORLD GP スーパー・ライト級(65kg)王座決定トーナメント・一回戦(1) 3分3R(延長1R)
×鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス/元Krushスーパー・ライト級王者)
○イオヌット・ポパ[Ionut Popa](ルーマニア/チーム・スーパープロ・アリン・バラサ・シビウ/ISKAインターコンチネルタル・ライトウェルター級(65kg)王者)
3R 2’25” TKO (レフェリーストップ:左ハイキックによる右まぶたのカット)
鈴木は26戦17勝(10KO)8敗1分の34歳。昨年3月にパコーンに判定負けしたが、7月にはデンサヤームをKO。9月の横浜アリーナでのK-1新体制第1回大会の本戦第1試合では、モハメド・イスラムと死闘の末に延長判定勝ちし、稲垣とは対照的に対海外勢の免疫は十分についている。3月の代々木第一大会では鈴木が元K-1 2階級制覇王者の卜部功也とのダウンの応酬を制し判定勝ちしている。
ポパは22戦17勝(7KO)4敗1分の25歳。6月にISKAインターコンチネルタル・ライトウェルター級王座を獲得し、今回K-1に初参戦した。
1R、鈴木はサウスポー、ポパはオーソドックスで構える。鈴木は左ミドルを当て、前に出てパンチを当て、手数では互角に近い状態で渡り合うが、同じような攻撃でもポパの一発一発のほうが重く、終盤にはポパが右ミドルを当てていると、鈴木は顔をしかめるように。記者採点はポパ。
2R、ポパは途中まで右ミドル主体だったが、中盤からスイッチし、左ローのヒットを増やし、鈴木を削る。だが鈴木がパンチを当て続けるうちに、ポパも次第に勢いが落ち、鈴木の左ジャブやボディブローが目立つように。記者採点はイーブンだがポパにつく可能性もある。
3R、ポパは最初からサウスポーで構え、スイッチを繰り返してから左ハイキックを当てると、鈴木は右まぶたをカットし出血する。ポパはオーソドックスに戻し、右ミドルを連打する。中盤、鈴木にドクターチェックが入り止血を経て再開するが、すぐに出血が始まる。鈴木は歯を食いしばって必死に前に出てパンチと蹴りを放つが、ポパは落ち着いて自分の蹴りとパンチを当て続け主導権をキープする。結局、鈴木が血だるまになったところで、水谷レフェリーがストップした。
第4試合 第7代K-1 WORLD GP スーパー・ライト級(65kg)王座決定トーナメント・一回戦(2) 3分3R(延長1R)
○ヨードクンポン・ウィラサクレック[Yodkhunpon Weerasakreck](タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/トップキング&MXムエエクストリーム-70kg級王者)
×カン・ピナール[Can Pinar](トルコ/マイクスジム/FFCトルコ-66kg級王者)
1R 2’50” KO (2ダウン:左ストレート)
K-1スーパー・ライト級の初代・第3代の王者はゲーオだったが、ゲーオをK-1に推薦したウィラサクレック・ウォンパサー氏が新たにK-1に送り込むのが29歳のヨードクンポン。21年1月にK-1で野杁正明と対戦する予定だったが、コロナ禍の影響で試合が中止になっており、満を持してK-1に初参戦し、存分に強さを見せつける。対するピナールは19戦17勝2敗の24歳。セコンドにはジョーダン・ピケオーがつく。
ヨードクンポンはダメージ無しで初戦を突破することに。1R、両者オーソドックスで構え、ピナールが詰めてパンチを放つが、ヨードクンポンはかわしながら、自分の的確に左フックを的確に当て続ける。前蹴りやミドルを絡めるが、基本的にパンチ主体で、最近のタイ人らしく、K-1的な戦い方に慣れている印象だ。すると終盤、ピナールが詰めて来たところでヨードクンポンがカウンターの左フックを当ててダウンを奪う。ピナールはダメージが大きく、ガードの隙間からヨードクンポンが左ストレートをクリーンヒットし、2ダウン目を奪い、トーナメント規定でKO勝ちとなった。
第5試合 第7代K-1 WORLD GP スーパー・ライト級(65kg)王座決定トーナメント・一回戦(3) 3分3R(延長1R)
×レニー・ブラジ[Lenny Blasi](イタリア/チーム・カルツォラーリ/ISKAムエタイ欧州ライトウェルター級(65kg)王者)
○稲垣 柊[しゅう](K-1ジム大宮チームレオン/Krushスーパー・ライト級王者)
3R 1’35” KO (飛び膝蹴り)
稲垣は13戦12勝(6KO)1敗の24歳。19年のKrushでプロデビューし、K-1のプレリミナリーに出たことはあるが、本戦は初出場。外国人選手との試合は22年4月のヴィトー・トファネリ戦のみだ。23年4月にKrush王座を獲得し、11月に小嶋瑠久を破って初防衛。4月のKrushでは元K-1ライト級王者・林健太に判定勝ちしている。
ブラジは37戦26勝(15KO)8敗3分の20歳。23年10月にONE Friday Fightsに参戦してタイの7chの元王者・ノンタキットに3R KO勝ちしている。
試合は稲垣が幸先の良いスタートを切ることに。1R、稲垣がサウスポーで左の奥ロー、ミドルを当てつつ、ハイにもつなげる。長身のブラジも右フック、膝を返す。お互い強打はあるが、ひるまず五分をキープする。記者採点はイーブン。
2R、稲垣は序盤から左の膝蹴り、三日月蹴りをボディに効かせ、先手を取る。右ジャブ、左ストレートも当てていると、ブラジは左まぶたを腫らすように。ブラジも右ボディ等のパンチを当てるが、全体的には稲垣の的確さが上回る。記者採点は稲垣。
3R、ブラジは前に出て右フック、テンカオで積極的に攻めるが、すぐに稲垣は距離を取って左ミドル、三日月蹴りを当て、反撃を封じる。稲垣はさらに右フック、左ボディも効かせると、右ジャブで下がらせてから、ブラジのガードが下がった隙を逃さず、左の飛び膝を放つと、アゴにクリーンヒット。ダウンしたブラジはダメージが大きく、レフェリーはすぐさまストップした。
第6試合 第7代K-1 WORLD GP スーパー・ライト級(65kg)王座決定トーナメント・一回戦(4) 3分3R(延長1R)
×メン・ガオフォン[Meng Gaofeng](中国/天津阿福ファイトクラブ/CFP/武林風(WLF)-65kg級世界王者)
○トーマス・アギーレ[Tomas Aguirre](アルゼンチン/ドージョー・セルピエンテ/WGPスーパーライト級(64.5kg)王者)
判定0-3 (山根27-30/岡田27-30/27-30)
※2R左ストレートでメンに1ダウン
ガオフォンは23年11月にセルゲイ・アダムチャックを破り武林風王座を獲得した選手。アギーレはGLORYにも出場経験のある選手。
1R、長身のガオフォンが右カーフキック、左ボディを的確にヒットする。アギーレも右ローを返すが、終盤にカーフをもらうと足が流れ始める。記者採点はガオフォンだが、まだイーブンもありうる。
2R、ガオフォンが右カーフを当てたが、アギーレは左足を上げて対応しつつ、すぐに前に出て左ストレートを当て、ダウンを先取する。アギーレは前に出続け、再び左フックを強打する。さらにアギーレは飛び膝も絡め、勢いよく攻める。ガオフォンも随所で右カーフを当てるが、アギーレは前に出続ける。記者採点は8-10でアギーレ。
3R、逆転を狙うガオフォンは前に出て積極的にパンチや膝を出すが、アギーレはブロックしてしっかり対処し、随所で左フックを返す等して、反撃を封じて終了する。記者採点はイーブンだがアギーレにつく可能性はある。合計28-29でアギーレ。ジャッジ3者は27-30とつけ、アギーレが判定勝ちした。
第2試合 第7代K-1 WORLD GP スーパー・ライト級(65kg)王座決定トーナメント・第1リザーブファイト 3分3R(延長1R)
○佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krushスーパー・ライト級王者&ライト級王者)
×齋藤紘也(ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪)
判定3-0 (30-26/30-26/30-26)
※1R左フックで齋藤に1ダウン
第1試合 第7代K-1 WORLD GP スーパー・ライト級(65kg)王座決定トーナメント・第2リザーブファイト 3分3R(延長1R)
×瑠久[るーく](RAUSU GYM)※ARROWS GYMから所属変更
○寺島 輝[ひかる](TANG TANG FIGHT CLUB)
3R 2’29” KO (右ローキック)
第11試合 第7代K-1 WORLD GP スーパー・ライト級(65kg)王座決定トーナメント・準決勝(1) 3分3R(延長1R)
×イオヌット・ポパ[Ionut Popa](ルーマニア/チーム・スーパープロ・アリン・バラサ・シビウ/ISKAインターコンチネルタル・ライトウェルター級(65kg)王者)
○ヨードクンポン・ウィラサクレック[Yodkhunpon Weerasakreck](タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/トップキング&MXムエエクストリーム-70kg級王者)
1R 1’12” KO (2ダウン:右フック)
初戦に続き、ヨードクンポンの左が開始すぐから炸裂することに。1R、両者オーソドックスで構え、ヨードクンポンが右ローを当て、さらに詰めて軸足刈りのような形で右足で蹴っていったが、少しポパがバランスを崩した隙を逃さず、左フックを当てて、開始わずか10秒でダウンを奪う。ヨードクンポンが攻撃を当て続けると、ポパはサウスポーに切り替えるが、ヨードクンポンは動じず、右ストレートをガードの隙間から当てつつ距離を詰めてから、左フックと右ミドルもヒットする。フラついたポパに対し、ヨードクンポンがパンチを連打し、右フックで2ダウン目を奪ってKO勝ちした。
第12試合 第7代K-1 WORLD GP スーパー・ライト級(65kg)王座決定トーナメント・準決勝(2) 3分3R(延長1R)
○稲垣 柊[しゅう](K-1ジム大宮チームレオン/Krushスーパー・ライト級王者)
×トーマス・アギーレ[Tomas Aguirre](アルゼンチン/ドージョー・セルピエンテ/WGPキックボクシング・スーパーライト級(64.5kg)王者)
判定3-0 (30-28/30-28/30-27)
※2R左フックでアギーレに1ダウン
1R、15センチ背の高い稲垣がサウスポーで構えて距離を取るが、アギーレは右ミドルを当てつつ、前に出て右のフックも当てる。稲垣は攻撃があまり出ないが、終盤に右カーフを当てると、初戦でガオフォンのカーフをもらっていたアギーレは少しバランスを崩し、しっかりダメージを与える。記者採点はイーブン。
すると2R、前に出てパンチを振って来たアギーレに対し、稲垣が右と左のフックを連打してダウンを奪う。アギーレはすぐ立ち、ダメージは小さい様子。アギーレは変わらずパンチ、ミドルを積極的に出し続ける。稲垣はブロック等である程度対処しているが、終盤は少し苦しそうな様子で消耗してきている。それでも稲垣は随所で右ジャブを返し、決定打を許さない。記者採点は10-8で稲垣。
3R、逆転を狙うアギーレは前に出てパンチを振う。稲垣は左膝とストレートを連打する等、随所で攻撃を返す。終盤には稲垣が右ジャブ、左ミドル、左ストレートを当てていると、さすがにアギーレも疲れて来た様子で、反撃も力が入りきらず。最後は稲垣やや優位で終了する。記者採点は稲垣。合計30-27で稲垣。ダウンを奪った稲垣が判定勝ちで決勝に駒を進めた。
第17試合 第7代K-1 WORLD GP スーパー・ライト級(65kg)王座決定トーナメント・決勝 3分3R(延長1R)
○ヨードクンポン・ウィラサクレック[Yodkhunpon Weerasakreck](タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/トップキング&MXムエエクストリーム-70kg級王者)
×稲垣 柊[しゅう](K-1ジム大宮チームレオン/Krushスーパー・ライト級王者)
判定2-0 (岡田30-29/水谷30-30/豊永30-29)
※ヨードクンポンが優勝、王者に
2連続1R KO勝ちのヨードクンポンに対し、稲垣は合計6R半戦っての決勝戦。1R、稲垣はサウスポーで構え、ヨードクンポンはオーソドックスで構え、お互いミドル主体の攻防に。終盤、ヨードクンポンは右テンカオをヒット。ヨードクンポンはコーナー際まで下がるが、詰めて来た稲垣に左フックを当てる。離れれば右のスーパーマンパンチ、バックスピンキックもヒットし、引き出しの多さを印象付ける。記者採点はヨードクンポンだがまだイーブンもありうる。
2R、稲垣が左フックで詰めると、ヨードクンポンは左フックをヒットし、さらに細かい左右のパンチの連打につなげる。ヨードクンポンは蹴り足をつかむ場面が多く、箱崎レフェリーから注意される。それでも稲垣は左ボディ、ハイをヒットする。ヨードクンポンは対サウスポーだと戦いにくそうだが、終盤には踏み込んでの右ストレートと右フックを連打し、随所でしっかり好印象を残す。記者採点はヨードクンポン。
3R、ヨードクンポンは変わらずパンチを当て、稲垣は左飛び膝を当て、お互い決勝の最終ラウンドにこれまで見せた持ち味を改めて見せる。稲垣は左ボディを当てるが、ヨードクンポンはすぐにパンチの連打を返す。終盤、ヨードクンポンは軸足刈りを出し、詰められればクリンチし、時間稼ぎモードに。組むヨードクンポンにレフェリーは警告を出すが、減点ギリギリまで反則を絡めて休むクレバーさは、ゲーオやゴンナパーを思い出させる。稲垣は左テンカオ、ボディを当てるが、ヨードクンポンはクリンチで休みつつ、随所でパンチを返し、反撃を封じて終了する。記者採点はイーブン。合計30-28でヨードクンポン。ジャッジは1者がイーブンとしたが、2者は30-29でヨードクンポンを支持し、ヨードクンポンが判定勝ちし、トーナメント優勝と王座獲得を果たした。稲垣は敗れたが、9R戦い抜き、最後までヨードクンポンと接戦を繰り広げ、評価を高めた1日となった。
ベルトを巻きマイクを持ったヨードクンポンは「これまでタイ人でK-1王者になったブアカーオ選手、ゲーオ選手、ゴンナパー選手の先輩に並びたくて一生懸命練習してきたので、今日は優勝できてうれしいです」と話した。