K-1 10.5 エディオンアリーナ大阪(レポ):K-Jee、ジェロム・レ・バンナを1R右ハイでKOし12.14代々木の世界トーナメント進出。小田尋久、-70kgT優勝者コプリヴレンスキー相手に健闘も延長判定負け
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K-1 WORLD GP 2024
2024年10月5日(土)エディオンアリーナ大阪 第1競技場
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)K-1
K-Jee、ジェロム・レ・バンナを1R右ハイでKOし12月の世界トーナメント進出
第18試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級アジア予選 3分3R(延長1R)
×ジェロム・レ・バンナ(フランス/レ・バンナ・Xトリームチーム/K-1 GP 1995 2002 準優勝/120.30kg)
○K-Jee[けいじ](K-1ジム福岡チームbeginning/元K-1&Krushクルーザー級(90kg)王者/96.30kg)
1R 1’22” KO (右ハイキック)
12月14日の代々木競技場第一体育館大会で行われる8選手参加の1DAYトーナメント「K-1 WORLD GP 2024無差別級世界最強決定トーナメント」の出場権を懸け、「アジア予選」と題した4カードが組まれ、フランスから51歳のベテラン・ジェロム・レ・バンナが参戦した。
レ・バンナは旧K-1時代の無差別級世界トーナメントのレギュラー選手で2度準優勝。近年は日本でも試合をし、HEATや熊本でのKNUCKLE’Sでキック、MMAの試合を重ねていた。
K-Jeeは21年7月に愛鷹亮に勝利して以降は5連敗中で、最近では昨年9月のK-1で上田幹雄にKO負けし、今年3月はイタリアでマティア・ファラオニに判定負けしている。
1R、体格で勝るレ・バンナがサウスポーで構えてプレッシャーをかけ、ワンツーでの左ストレートを放ち続ける。K-Jeeはブロックとスウェーで対処し、左に回って距離を取りつつ、右ミドルと左ローを当てる。レ・バンナは左インローやミドルも絡めるように。すると中盤、いきなりフィニッシュが訪れる。K-Jeeは左ボディをきっかけに、前に出てレ・バンナのブロックの上から左右のフックを連打して下がらせると、レ・バンナのガードが少し下がったタイミングで右ハイキックにつなげ、これが側頭部にクリーンヒット。レ・バンナは伸びた状態でダウンし、K-JeeのKO勝ちとなった。
マイクを持ったK-Jeeは「1回チャンピオンになってから、ずっと自分のパフォーマンスが出せなくて、実は3年ぶりに勝ちました。今日、K-Jee、完全復活です。12月、日本人一人になったのは寂しいですけど、必ず12月に夢をかなえたいと思いますので、皆さん熱い応援をお願いします」とアピールした。
第17試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級アジア予選 3分3R(延長1R)
○エロール・ジマーマン(キュラソー/ヘマーズジム/K-1欧州GP2008優勝/110.70kg)
×山口翔大(GENESIS/RKS&AJKNクルーザー級王者、JFKO全日本フルコン空手道選手権2018・19重量級優勝/94.50kg)※TEAM3Kから所属変更
3R 1’16” KO (右フック)
山口は34歳。フルコンタクト空手で活躍後、22年にキックデビューし7戦7勝(3KO) 。昨年12月のK-1大阪大会では星龍之介とダウンの応酬の末に3R KO勝ちした。今年7月のホーストカップでは入田和樹に判定勝ちしている。
ジマーマンは38歳。旧K-1時代はグラウベ・フェイトーザ、エヴェルトン・テイシェイラといった空手家にも勝利。20年以降はMMA含め5戦程度しかしておらず試合ペースは落ちているが、今年6月のK-1ルーマニア大会でマイク・カラマスケタスに1R KO勝ちしている。
1R、体格で勝るジマーマンに対し、山口は物おじせず前に出て、押し込みつつ右ロー、カーフフック、膝を当てる。ジマーマンは右の膝、カーフキック、ストレートを随所で強打する。だが、終盤には早くも疲れて来たか?ジマーマンは勢いが落ちる。山口も右カーフ、ロー、左膝を返して終える。記者採点はイーブン。
2R、山口は前に出て、スイッチのフェイントを見せてから左ミドルを当て、真っすぐ下がるジマーマンに左ストレートを当て、ジマーマンは頭がのけぞり、場内は大歓声に包まれる。中盤、お互い右ロー、カーフを打合う中で、山口がまたも右フックを当ててジマーマンをひるませる。終盤、山口は押し倒し、胴回し回転蹴りも出し、差を印象付ける。記者採点は山口。
だが3R、山口もダメージと疲れが溜まっており、ロープにもつれてブレイクがかかった後、ジマーマンの右飛び膝をもらい、山口はダウンしてしまう。山口はすぐ立ち、前に出てコーナーに詰めてパンチを連打し、右カーフも当てて必死に抵抗したが、ジマーマンが右アッパーとフックを連打すると、山口はまたもダウンし、ダメージが大きく、梅木レフェリーがストップした。
第16試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級アジア予選 3分3R(延長1R)
―シナ・カリミアン(イラン/SINA ARMY/元K-1クルーザー級(90kg)王者/99.80kg)
―クラウディオ・イストラテ (イタリア/コンバットジム/K-1 30周年記念無差別級トーナメント2023準優勝/108.50kg)
1R ノーコンテスト
カリミアンとイストラテは昨年9月のK-1 30周年記念無差別級トーナメント準決勝で対戦したが、後頭部への打撃や金的といった反則が双方連発する荒れた展開となり、イストラテが判定勝ちしている。イストラテは決勝でリュウ・ツァーにKO負けした。
その後のイストラテは、今年6月の無差別級GP東欧予選一回戦でニダル・ブチリと対戦も、判定を不服として試合放棄。9月には巌流島で三上ヘンリー大智に判定負けしている。カリミアンは3月にリュウ・ツァーにKO負けしている。
因縁の両者の再戦は、またも荒れることに。レフェリーは前回同様、箱崎雄三氏が務める。1R、イストラテは前に出て、左右のフックを当てていると、後退したカリミアンに左フックを当ててダウンを奪う。カリミアンはダメージが大きい様子。イストラテが左右のパンチを当てると、カリミアンは組み付いて防御しようとしたが、イストラテの右のパンチが後頭部に当たると、カリミアンは後頭部を押さえながら倒れる。結局、ダメージの蓄積したカリミアンは倒れたまま動けず、ドクターストップがかかり、試合終了となった。カリミアンは担架で運ばれた。
梅木良則審判長は「イストラテ選手の行為をどのように判断するか協議しましたがまとまりませんでした。裁定は保留し、後日、協議の上、結果を発表します」と説明した。
(※10月17日追記:K-1 GROUPはこの一戦をノーコンテストとし、イストラテが12月のトーナメントに進出する裁定と発表した。発表内容は別記事参照)
第15試合 K-1 WORLD GP 2024 無差別級アジア予選 3分3R(延長1R)
×谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1無差別級トーナメント2022準優勝/98.00kg)
○クォン・ジャンウォン(韓国/チョンハク・ムエタイジム/元MAX FCヘビー級王者/132.30kg)
判定0-3 (28-30/28-30/27-30)
谷川は昨年7月にAKIRA Jrに判定勝ちしたが、12月にリュウ・ツァーにKO負け。今年3月に階級をミドル級に落としてKrush初代ミドル級決定トーナメントに出場したが、ブハリ亜輝留に判定負けしている。
ジャンウォンは19戦17勝(13KO)2敗の26歳。3月のK-1に秋山成勲推薦で参戦し、安藤優介を1R右フックでKOしている。
1R、34kg重いジャンウォンが前に出て、谷川は押される状況が続き、中盤にはジャンウォンが右ローと右フックを連打してダウンを奪う。谷川はホールディングが多くレフェリーから警告を出される。
2Rもジャンウォンが押し気味の展開だが、両者ともホールディングが多く、レフェリーは警告を出す。
3R、どちらも右ローを当てているが、終盤のジャンウォンの右ローで、谷川はスリップしてしまう。両者ホールディングが多い展開となり、両者に警告が出される。膠着した試合となったが、ダウンを奪ったジャンウォンが判定勝ちした。
この大会ラスト4試合のアジア予選の結果、K-Jee、ジマーマン、ジャンウォンが12月の決勝トーナメントに進んだ。カリミアン×イストラテのみ結果保留となっている。
小田尋久、-70kgT優勝者コプリヴレンスキー相手に健闘も延長判定負け
第14試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
○ストーヤン・コプリヴレンスキー(ブルガリア/マイクスジム/K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント優勝、元GLORYライト級(70kg)2位、MAX FIGHTライト級(70kg)王者)
×小田尋久[じんく](TEAM3K/Krushスーパー・ウェルター級王者)
4R 判定2-1 (10-9/9-10/10-9)
3R 判定0-0 (28-28/28-28/28-28)
コプリヴレンスキーは30歳。GLORY推薦で22年12月のRISEに参戦し、海人と接戦を繰り広げるも判定負け。今年3月のK-1 -70kg世界トーナメント開幕戦ではカスペル・ムジンスキに判定負けした。7月の準々決勝でブアカーオと戦う予定だった同級王者・オウヤン・フェンが欠場したため、コプリヴレンスキーが代役を務めると、ブアカーオから右ハイでダウンを奪って判定勝ちした。さらに準決勝でデング・シウバに判定勝ち、決勝でヴィクトル・アキモフに1R KO勝ちし、敗者復活からの優勝を果たした。
小田は今大会の地元大阪出身の22歳。新極真会で空手を習い、21年11月のDEEP☆KICKでキックデビュー。昨年2月からK-1 GROUPに参戦し、夜叉猿、山崎陽一に勝利。11月にフランスでGLORYライト級(70kg)3位のゲリック・ビレットとWAKO世界ミドル級(75kg)王座決定戦を行い、5R判定負けに終わったものの、接戦を繰り広げ評価を高めた。今年2月のKNOCK OUTでは中島弘貴に延長(4R)判定勝ちした。5月のKrush王座決定トーナメント準決勝では森田奈男樹に3R左フックでKO勝ちし、8月の決勝で璃久に判定勝ちし王者となった。
1R、長身のコプリヴレンスキーが右ストレート、ミドル等でやや積極的に攻めるが、小田は力負けせず、サウスポーからの左フックや右ローを随所で返す。まだ差は乏しい。
2R、お互いパンチ、ミドル、ローを積極的に打ち合う展開が続く。小田は互角に渡り合う。
3Rも激しく打ち合う中で、コプリヴレンスキーが序盤から左右のストレートを連打しダウンを奪う。コプリヴレンスキーはさらに攻め、中盤過ぎには左アッパーで小田はのけぞるが、さらにコプリヴレンスキーが右の前蹴りで詰めて来ると、小田は右ストレートを合わせ、ダウンを奪い返す。その後もお互い攻撃を出すが五分のまま終わる。ジャッジは3者ともダウン分のみポイントを付け28-28で延長へ。
延長R、小田が前に出ると、下がったコプリヴレンスキーが突き放そうと押した際にバッティングとなり、アゴにもらった小田がダメージを負い一時中断する。再開後、小田が右前蹴りを放つが、直後のコプリヴレンスキーの右フックで、小田は腰が沈む。小田は疲れとダメージが溜まっているが、終盤には左右のパンチを随所で返し、巻き返して終える。記者採点は迷ったが、強打のあったコプリヴレンスキー。ジャッジは割れ、2者がコプリヴレンスキーを支持し、コプリヴレンスキーが判定勝ちした。コプリヴレンスキーは7月に1日3試合してから3か月間隔での試合ながら、今回も4R戦い抜きタフさで印象を残した。小田も1年前のビレット戦同様、GLORYの元ランカー相手に健闘した一戦だった。
第13試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
○ジョーダン・ピケオー(オランダ/マイクスジム/元Krushスーパー・ウェルター級王者)
×デング・シウバ[シルバ](ブラジル/スクアドン・タイ・ブラジル/K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント3位、SFT COMBAT -70kg級王者)
4R 判定3-0 (10-8/10-8/10-8)
3R 判定0-1 (29-30/30-30/30-30)
ピケオーは昨年7月に和島大海にKO負けして以来の来日。3月のトーナメントにもエントリーしていたが欠場した。トーナメント3位入賞のデングとの試合は今後の-70kg戦線を占う試合だったが、両者とも精彩に欠く内容に。
1R、ピケオーは長身のデングに対し、右ミドル主体で攻める。デングは最初オーソドックスだったが、途中からサウスポーに切り替え、左ストレートやテンカオを当てる場面もあるが、まだ連打につながらない。
2R、ピケオーが右のミドル、前蹴りを当て、少し優位に立つが、中盤、デングも左右のストレートを連打し巻き返す。終盤、パンチと蹴りで両者一進一退で譲らない攻防が続く。
3R、ピケオーがデングをコーナーに詰めてパンチを連打した後、ピケオーがデングを押し足すような形になり、デングは左耳のあたりを打ち付け、一時中断する。再開後、お互いパンチを当てる場面はあるものの、手数が少なく、ひるませたりまとめたりできないまま終わる。記者採点は3Rともイーブン。ジャッジは1者がデングを支持したが2者がイーブンで延長へ。
延長Rもお互いなかなか強打が出なかったが、中盤、ピケオーが右ストレートを連打してダウンを奪い、ようやく差をつけることに成功する。その後もピケオーが右のオーバーハンドフックを当て、主導権を維持し終了。ピケオーが判定勝ちした。
第12試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
○和島大海(月心会チーム侍/元K-1スーパー・ウェルター級王者)
×キム・ジュンファ[Kim Joon Hwa](韓国/アンヤン・サムサンジム/MAX FCミドル級(75kg)&ウェルター級(70kg)王者)
1R 1’19” KO (左膝蹴り)
昨年12月にオウヤン・フェンにK-1同級王座を奪われ、3月のトーナメント開幕戦でフェルドンクにKO負けし2連敗中の和島は、地元大阪で再起戦。初参戦のジュンファは韓国のMAX FCの2階級を制した33歳。31戦22勝(10KO)8敗1分。
試合は大方の予想通り、和島の完勝に。1R、長身の和島がサウスポーで構え、左ミドル、インローを開始すぐから何発も当てて主導権を握る。ジュンファは防御できず、和島が左の三日月蹴り一撃でダウンを奪う。ジュンファは立ったがダメージが大きく、和島が左のテンカオで再びダウンを奪うと、すぐさま梅木レフェリーがストップした。
マイクを持った和島は「和島大海、復活しました」と叫び「今日は勝てたんですけど、まだまだこれからだと思います。70kg、もう一回ベルトを取るために頑張っていきます」と宣言した。
第11試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
○ダリル・フェルドンク(オランダ/ファイトチーム・リンガー/元Enfusionライト級(70kg王者)
×ゾーラ・アカピャン(アルメニア/グリディンジム/FEA WGPライト級王者、RCC Fair Fightウェルター級王者)
4R 判定3-0 (水谷10-9/箱崎10-9/鶴和10-9)
3R 判定0-0 (水谷30-30/箱崎30-30/鶴和30-30)
-70kgトーナメント開幕戦で和島をKOし、7月のトーナメント初戦でデングに判定負けしたフェルドンクは、7月のトーナメント初戦でムシンスキに判定負けしたアカピャンと対戦した。
1R、お互い蹴りも出すがパンチ主体の攻防。だが片方がパンチを打てば、もう片方はしっかりブロックして防御する。ガードの隙間から当てるパンチの数ではアカピャンが少し上回っているが、まだ差は乏しい。
2Rも同様の攻防が続いていたが、フェルドンクが左の前蹴りをアカピャンに当て続けていると、アカピャンは苦しそうな表情を見せるように。だが終盤、アカピャンは前に出返して詰めて左ボディを連打して挽回する。
3R、フェルドンクが前に出て右ロー、左ミドルを当てるが、アカピャンも随所で左ボディを返し、お互い一歩も引かない攻防が続く。フェルドンクはしんどそうだが、最後、左ミドル、右フックを強打し、若干リードで終える。記者採点は3Rともイーブンで合計30-30。ジャッジ3者も同じ採点で延長へ。
延長R、フェルドンクはこれまで同様に前に出て積極的に攻める。だが中盤過ぎからアカピャンも右ストレートや左フック等を返して巻き返す。最後までお互い激しい打ち合いを繰り広げ、接戦のまま終わる。記者採点は迷ったが中盤から反撃したアカピャン。ジャッジは手数で勝ったフェルドンクを支持し、フェルドンクが判定勝ちした。
なお、スーパー・ウェルター級4試合パートの前には、同門のアカピャンに帯同した第2代スーパー・ウェルター級王者でONEの同階級の現王者のチンギス・アラゾフがリングインし、大会中継の解説を務めた魔裟斗氏と記念撮影した。
☆SAHO☆が地元凱旋試合で判定勝ち
第10試合 女子フライ級(52kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○☆SAHO☆(闘神塾/K-1女子フライ級王者、S1女子世界&日本バンタム級王者、WMC日本スーパーバンタム級王者、元ミネルヴァ同級王者)
×エリヴァン・バルト[Erivan Barut](トルコ/デルシム・キックボクス/WAKO-PRO世界女子スーパーフライ級(50kg)王者)
判定3-0 (30-27/30-26/30-27)
3月にアントニア・プリフティを下しK-1女子フライ級王者となった☆SAHO☆は、地元兵庫の隣の大阪で凱旋試合を行った。バルトはプロのキックは5戦5勝(2KO)だが、欧州U-22 ボクシング選手権優勝、ムエタイのIFMA欧州王座獲得など、アマチュアで豊富な実績がある。22年6月のK-1女子大会の日本vs世界・3対3対抗戦での高梨knuckle美穂とのプロ無敗対決では距離を取ってパンチと蹴りを的確に当て続け判定勝ちしている。
1R、バルトが右フック、ストレート、左ミドルをヒットし、積極的に攻める。☆SAHO☆はなかなか攻撃が増えなかったが、中盤、バルトが右ミドルを放った際、左ジャブを合わせて倒すと、正味のダメージは小さく見えたが、岡田レフェリーはダウンを宣告する。バルトはダウン宣告に不満を示す。
2R、☆SAHO☆は右ローのヒットを増やし、やや優位に。だがクリンチや蹴り足キャッチが多く、☆SAHO☆に注意、バルトに注意より上で減点の手前の警告が出される。
3R、☆SAHO☆が前に出続け、右ロー、左ボディ、ミドルを随所で強打する。変わらずクリンチも多いが、☆SAHO☆のパワーにバルトが対処できなくなっている印象だ。記者採点は☆SAHO☆。合計30-27で☆SAHO☆。ジャッジも☆SAHO☆を支持し、☆SAHO☆が判定勝ちした。
近藤拳成、元K-1王者・林健太に逆転KO勝ち
第9試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
×林 健太(FRYSKY GYM/Tmile Gym/元K-1ライト級王者、元Bigbangスーパーライト級王者)
○近藤拳成(TEAM3K/AJKNスーパーライト級王者、K-1甲子園2016 -65kg優勝)
2R 1’36” KO (3ダウン:左ストレート)
林は4月のKrushで稲垣柊に敗れ2連敗中。近藤は勝ち負けを繰り返し、昨年3月のKrushで斉藤雄太にKO勝ちしたが、計量で1.3kgオーバーした。その後、大阪でのAJKNで連勝し、王座も獲得し、1年半ぶりにK-1 GROUPに戻って来た。
1R、開始すぐから林が前に出るが、近藤はコーナーを背負いながらも左ジャブを的確に当て続ける。林はそれでも前に出続けると、コーナーに詰め、右アッパーをガードの上に当ててから、左ボディをクリーンヒット。近藤は崩れ落ちダウンする。さらに終盤、林はコーナーに詰めての右フックと左ジャブの連打で再びダウンを奪う。だが最後、近藤は右ストレートを当てて林をフラつかせ、2Rの逆転の伏線を作る。
2Rも林が近藤をコーナーに詰めて左ボディを当てるが、近藤は耐え、左ジャブを返しつつ、右ストレートにつなげ、着実に林にダメージを与える。すると中盤、コーナーから近藤が離れて右に回ると、追いかける林に、ワンツーでの右ストレートをクリーンヒットし、ついにダウンを奪い返す。さらに近藤はパンチ連打からの右ストレートでダウンを奪い、最後は近藤が林をロープに詰め、左ストレートで林の頭がのけぞったところで、箱崎レフェリーがストップした。
兼田将暉、71秒KO勝ちし軍司戦・寺田との再戦熱望
第8試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×斗麗[とうま](WIZARDキックボクシングジム)
○兼田将暉(RKS顕修塾/RKSフェザー級王者・元同スーパーフェザー級王者、元HEATライト級王者、K-1甲子園2017 -60kg優勝)
1R 1’11” KO (左フック)
兼田は7月のK-1で寺田匠と接戦の末に判定負けしたが、寺田は1週間前、軍司泰斗に延長判定勝ちし、フェザー級王座を獲得している。
試合は短時間決着に。1R、両者サウスポーで構え、斗麗が序盤から左ミドル、ロー、ストレートを積極的に放って当てる。兼田はなかなか攻撃が出なかったが、斗麗が左のテンカオを放つと、左のオーバーハンドフックを合わせてクリーンヒットしダウンを奪う。不意打ちを食らった斗麗はうつぶせで倒れ、立とうとしたが崩れ、鶴和レフェリーがストップした。
マイクを持った兼田は「寺田選手に負けて、この3か月、怖かったんですけど、なんとかKOで勝ててうれしいです」と少し涙声になりながらも話し「その寺田選手が先週チャンピオンになったんで、僕と軍司選手とか、オモロくないですか?軍司選手とできないなら、寺田選手ともう一回、タイトルマッチでお願いします」とアピールした。
第7試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×椿原龍矢(月心会チーム侍/元K-1フェザー級王者、K-1甲子園2017 -55kg優勝)
○玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス/元Krushフェザー級王者、元NJKFバンタム級王者)
判定1-2 (加納30-29/田中28-30/豊永28-30)
両者は21年5月のK-1で対戦し、椿原が判定勝ちしている。1R、玖村が前に出て、椿原は右に回って距離を取る構図が続く。終盤にお互いミドルやローのヒットが増えるが、まだ均衡は崩れない。
2Rも同様の構図で蹴り合いが続き、均衡は崩れない。だが両者とも右ローでダメージを少しずつ負い、スリップしたり少し足が流れる状態だ。すると終了間際、右フックが交錯し、腕がもつれると、椿原がマットに背中を打ち付ける形で倒れる。椿原はダメージを負っており、インターバル後も苦しそうな様子だ。偶発的なテイクダウンとみなされたか?玖村には注意やペナルティは出されない。
3R、椿原は距離を取って回り続け、ある程度回復した様子。お互い変わらず強打につなげられないが、終盤、玖村が左ボディ、フックを立て続けに当て、右ミドル、飛び膝も当てると、椿原は自ら右フックを振いながらスリップしてしまい、印象を悪くする。飛び膝をもらった椿原は額をカットし、血だるまになって終える。記者採点は3Rのみ玖村につけ29-30で玖村。ジャッジは意外にも割れたが、2者が玖村を支持し、玖村が判定勝ちでリベンジを果たし、2連勝とした。
第6試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×銀次(VAINQUEUR GYM/KPKBインターナショナル・フェザー級王者、元TENKAICHIフェザー級王者、元大和KICK -57.5kg王者)
○松本海翔[はると](TAD)
2R 2’16” TKO (コーナーストップ:右フックでダウン後)
松本は兵庫出身、4戦全勝の18歳。1R、松本がサウスポーで構え、銀次が右ミドルを当てると、松本がカウンターで右ジャブを合わせて倒す。銀次がすぐに立ったが、水谷レフェリーはダウンを宣告する。銀次はすぐ持ち直すが、終盤、松本が左ストレートで倒し、またもダウンを奪う。
2R、前に出る銀次に、松本が的確に左ミドル、ストレートを当て続ける。中盤過ぎ、松本が左ストレートのヒットを増やし、右フックを当てつつ押すと銀次は倒れ、レフェリーはダウンを宣告する。銀次は立ったが、セコンドからタオルが投入され、松本のTKO勝ちとなった。
マイクを持った松本は「絶対にK-1のベルトを巻きます。チャンピオン、待っててください」とアピールした。
第5試合 95kg契約 3分3R(延長1R)
○AKIRA Jr(フィリピン/Team Aj/RKSクルーザー級王者、元蹴拳スーパーミドル級王者)
×滝上正太(聖空会館/ACCELヘビー級王者)
4R 判定3-0 (10-8/10-8/10-8)
3R 判定1-0 (30-29/30-30/30-30)
AKIRAは蹴りを打ちつつ右フックを振い、滝上はミドル、ロー、前蹴り主体の戦いだが。お互い攻めあぐね、決定打が出ないまま延長へ。するとAKIRAが序盤から圧を強めてパンチを連打し、右フックでダウンを奪う。結局これが決め手となり判定勝ちした。
第4試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
×篠原悠人(DURGA/元Krushスーパー・ライト級(65kg)王者、K-1甲子園2015 -65kg優勝)
○古宮 晴[はる](昇龍會/元DEEP☆KICK -63kg王者、K-1甲子園2021 -65kg優勝)
2R 2’08” KO (パンチ連打)
1R、古宮が序盤から右のカーフキックを随所で当て、左インローも絡め、着実にダメージを与える。終盤には篠原が左右のパンチを振ったタイミングで、古宮が右カーフで倒す。篠原は足を引きずる状態ですぐ立てなかったが、豊永レフェリーはダウンとみなさない。それでも引き続き古宮が右カーフを連打し、再び倒すと、今度はダウンが宣告される。
2R、篠原はカーフキックを嫌って、サウスポーにスイッチする。古宮は篠原をコーナーに詰め、右ミドルを連打すると、篠原はパンチの打合いに持ち込み、右フックを当てる。だが篠原が自然とオーソドックスに戻ってしまうと、古宮が右のカーフを連打し、またもダウンを奪う。篠原はまたもサウスポーで構えるが、足取りが悪く、古宮はサウスポーにスイッチして左のカーフを連打して、さらに追い詰める。最後はコーナー際で足の止まった篠原に、古宮がパンチを当て続けたところで、レフェリーがストップした。
マイクを持った古宮は「11月末(23日)の名古屋Krush、僕は怪我もないので、大岩(龍矢)選手(Krushの)ベルト懸けてやりましょう」とアピールした。
第3試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○髙橋直輝(若獅子会館/元Krushスーパー・フェザー級王者、元ACCELバンタム級王者)
×松本涼雅(月心会チーム侍)
2R 2’05” KO (パンチ連打)
1R、お互い少し離れた間合いから、右のパンチ、ローを当て合い、五分の状態が続く。終了間際、髙橋が右フックを当てると、髙橋はパンチを振いながら前のめりで倒れるが、レフェリーはダウンとみなさない。
2R、見合う状態が続いたが、中盤、松本が左の前蹴りを放つと、髙橋は左手で蹴り足をつかんで松本のバランスを崩させてから、左フックを連打して倒す。蹴り足キャッチは反則だが、レフェリーはダウンとみなす。松本はダメージが残っており、髙橋が左右のパンチを当てた後に倒れると、レフェリーがストップした。
髙橋は「チャンピオンベルトを取られてめっちゃやり返したいんですよね。悔しくて悔しくて、また横山(朋哉)君とまた対戦できるよう勝っていきます」とマイクアピールした。
第2試合 51kg契約 3分3R(延長1R)
○大夢[だいな](WIZARDキックボクシングジム/Krushフライ級(51kg)王者)
×東虎之介(都城大叶ジム/PRINCE REVOLUTION -52kg級王者)
3R 1’34” TKO (ドクターストップ:右まぶたのカット)
1R、サウスポーの東に対し、大夢がプレッシャーをかけ、着実に右のインローを当て続けてダメージを与える。終了間際、大夢がサウスポーにスイッチし、左ローを連打し、東が左ローを放ちながらスリップすると、伊藤レフェリーはダウンと判断する。
2R、大夢がサウスポーに切り替えた際、東が左ローを当てると、大夢はスリップしたが、これは伊藤レフェリーはダウンとみなさない。中盤、おそらく大夢の右膝蹴りで東は右まぶたをカットして出血し、ドクターチェックが入る。再開後も差の乏しい状態が続く。
3Rもほぼ互角の攻防が続き、東も攻撃を返していたが、ドクターストップがかかり、大夢のTKO勝ちとなった。
第1試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
×黒田勇斗(K-1ジム心斎橋チームレパード)
○村田健悟(ALONZA ABLAZE)
2R 1’31” KO (左フック)
第1試合は地元大阪出身者対決となり、5戦無敗の20歳・村田がインパクトを残す。1R、中央付近で両者パンチとローを打ち合う。終盤、黒田が左右のミドルを絡め、手数を増すが、まだ差は小さい。2Rも接戦が続いていたが、右ローの応酬の後、村田が近距離から右の飛び膝を黒田のアゴに当ててダウンを奪う。奇襲を受けた黒田のダメージは大きく、村田がパンチを当て続け、黒田がガードして防戦一方になったところで、梅木レフェリーがストップした。
マイクを持った村田は「デビューして6戦6勝で来てて、KrushもK-1も両方のベルトを狙ってます」とアピールした。
プレリミナリーファイト第5試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R
×吉川 諒(VAINQUEUR GYM/KPKBスーパーライト級王者)
○大利賢佑(team ALL-WIN)
2R 3’01” KO (右ハイキック)
プレリミナリーファイト第4試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
○龍翔[りゅうしょう](EX ARES/ジャパンカップキックボクシング・スーパーバンタム級王者)
×稜賀(二刃会)
1R 2’15” KO (右フック)
プレリミナリーファイト第3試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R
○原田翔貴[とき](拳心會館)
×健真[たつま](BLACK☆Jr/DEEP☆KICK -60kg 3位)
判定3-0 (30-28/30-29/30-28)
プレリミナリーファイト第2試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
○堀井海飛[かいと](空手道柔拳)
×岩KING(心将塾)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
プレリミナリーファイト第1試合 51kg契約 3分3R
×湯桶[ゆおけ]勇成(K-1 GYM HIKARIMACHI TEAM BEAST)
○新井真惺[まさと](team M m/K-1甲子園2023 -55kg優勝)
判定0-3 (29-30/29-30/29-30)