K-1 7.7 代々木第二(レポ/2):ストーヤン・コプリヴレンスキー、ブアカーオとデング・シウバとアキモフ破り-70kg1DAYトーナメント優勝
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AZABU presents K-1 WORLD MAX 2024
2024年7月7日(日)国立代々木競技場第二体育館
レポート&写真:井原芳徳 ※ワンマッチは別記事でお伝えします。
中継:ABEMA(5,500円)、GAORA(1,320円/月)
-70kgトーナメント準々決勝
第7試合 K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント・準々決勝(1) 3分3R(延長1R)
○ストーヤン・コプリヴレンスキー(ブルガリア/マイクスジム/元GLORYライト級(70kg)2位、MAX FIGHTライト級(70kg)王者)
×ブアカーオ・バンチャメーク(タイ/バンチャメークジム/K-1 WORLD MAX世界70kgトーナメント2004・2006優勝、シュートボクシングS-cup 70kg 2010優勝、元WMC世界スーパーウェルター級王者)
判定3-0 (水谷30-28/西村30-27/梅木30-28)
3月にK-1の-70kg世界トーナメントが開幕し、14選手が参加し、一回戦で勝った7選手が7月の決勝ラウンドに進出した。日本代表の和島大海、璃久、中島玲は開幕戦で敗退し、外国人7選手が残った。プラス1選手がシードで入る形となり、旧K-1での70kgトーナメントを2度制した現在42歳のベテラン・ブアカーオがシード枠の選手に選ばれた。
ブアカーオは04年のトーナメントでジョン・ウェイン・パー、小比類巻貴之、魔裟斗を破り優勝。06年は佐藤嘉洋、ドラゴ、アンディ・サワーを下し2度目の優勝を果たした。旧K-1の活動休止後も主に中国の大会で活躍。近年はRWS、RIZINに上がり、昨年5月に安保瑠輝也と引き分け、今年3月には木村“フィリップ”ミノルを2R KOした。K-1のトーナメント参戦を待望する声が多く、今回はRIZINの協力もあり参戦することになった。
当初、現K-1スーパー・ウェルター級(70kg)王者・オウヤン・フェンと準々決勝を予定していたが、フェンが肋骨の骨折により欠場し、コプリヴレンスキーに変更となった。
コプリヴレンスキーはオランダの名門・マイクスジムに所属する、GLORYライト級(70kg)の元ランカー。“元”ではあるが、現在GLORYではライト級ランキングを廃止していることが理由で、ランカー相当の選手であることに変わりはない。22年12月に初来日しRISEのリングで海人と接戦を繰り広げるも判定負け。今年3月のK-1 -70kg世界トーナメント開幕戦ではカスペル・ムジンスキと対戦し、試合終了間際にダウンを喫し判定負けしている。6月13日のK-1ルーマニア大会に出場予定だったが試合が直前で無くなり、視察に訪れていたK-1のカルロス菊田プロデューサーも直接会って「本人は準備ができていると言っていました」といい、今回の敗者復活とブアカーオ戦のチャンスが訪れた。
中継席では魔裟斗氏、須藤元気氏も見守る中ゴング。1R、長身のコプリヴレンスキーの左ジャブや右ストレートや左右のハイが伸びてくるが、ブアカーオはかわしたりブロックしつつ、右ミドル、ハイ、膝蹴りなどを返し続ける。記者採点はイーブン。
2R、ブアカーオは左右のミドル、右ローのヒットを増やすが、コプリヴレンスキーはひるまず右ストレート、ローをコツコツと返す。終盤、ブアカーオが左ミドルを増やすが、コプリヴレンスキーがカウンターで右ストレートを合わせるように。コプリヴレンスキーはさらに右ローもヒット。するとコプリヴレンスキーがスイッチを繰り返してオーソドックスに戻し、ブアカーオに左ミドルを蹴らせると、コプリヴレンスキーは蹴りをボディで受けてから、右ハイの足先をブアカーオのアゴに当てる。不意を打たれたブアカーオは真後ろに倒れ、豊永レフェリーはダウンを宣告する。
3R、ブアカーオは逆転を狙って前に出てパンチを振るいつつ、コプリヴレンスキーが蹴れば押し倒し、なんとか流れをつかもうとするが、強打にはつなげられない。終盤にはブアカーオが組んでの膝を当ててしまい、豊永レフェリーから注意を受ける。結局流れは変わらず終了。記者採点はイーブン。合計28-30でコプリヴレンスキー。ダウンを奪ったコプリヴレンスキーが2~3ポイント差をつけて判定勝ちし、ブアカーオは初戦敗退となった。
第8試合 K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント・準々決勝(2) 3分3R(延長1R)
○デング・シウバ(ブラジル/スクアドン・タイ・ブラジル/SFT COMBAT -70kg級王者)
×ダリル・フェルドンク(オランダ/ファイトチーム・リンガー/元Enfusionライト級(70kg)王者)
判定3-0 (岡田29-28/西村29-28/箱崎29-28)
1R、中盤のパンチの打ち合いの展開で、シウバが右フックでフェルドンクを倒すが、水谷レフェリーはなぜかスリップと判断すする。その後もシウバがパンチのヒットで上回り優位に。
2R、序盤こそ苦しそうだったフェルドンクだったが、前に出続けパンチを当てると挽回し、終盤には左ハイ、右ボディも強打しシウバを追い詰める。
3R、フェルドンクが前に出るが、疲れが溜まっており、シウバが右ストレートで倒すと、軽めの当たりだが、フェルドンクの苦しそうな表情を見た水谷レフェリーはダウンを宣告する。両者消耗が激しいが、激しい打ち合いを続けて終了。ダウンを奪ったシウバが判定勝ちした。
第9試合 K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント・準々決勝(3) 3分3R(延長1R)
○ヴィクトル・アキモフ(ロシア/ブラジリアン・タイ/元RKSウェルター級王者)
×ロマーノ・バクボード(スリナム/ARJトレーニンゲン/GLOBAL FIGHTS -70kg級王者)
2R 0’06” KO (右ストレート)
1R、近距離でパンチ主体の攻防が続き、差の乏しい状態だったが、終了間際、パンチが交錯した場面でアキモフの左ボディストレートが当たるとバクボードがダウンする。そこまで強打ではなく唐突な印象だったが、バクボードはこれで肋骨を痛めた模様で、2R開始すぐのパンチが交錯した場面で、アキモフのパンチが軽く胸に当たった程度でバクボードが再びダウンすると、レフェリーがストップし、アキモフがほぼ無傷で初戦を突破した。
第10試合 K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント・準々決勝(4) 3分3R(延長1R)
○カスペル・ムジンスキー(ポーランド/アルミア・ポルコビツェ/MFC・IRON FIGHTER・WFMCポーランド・WKSFポーランド-70kg級王者)
×ゾーラ・アカピャン(アルメニア/グリディンジム/RCC Fair Fightウェルター級王者、FEA WGPライト級王者)
判定3-0 (西村30-28/水谷30-28/豊永30-28)
1R、一回戦でコプリヴレンスキーに勝利しているムジンスキーがプレッシャーをかけ続け、ボディと顔面にコンビネーションでパンチをまとめ主導権を握る。
2Rもムジンスキーが前に出続け、パンチを当てつつ、右膝蹴りやローも絡めてアカピャンを苦しめる。
3Rは攻め疲れた様子だが、ムジンスキーが変わらずパンチを随所で当てて主導権を譲らず判定勝ちした。
第6試合 K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント・リザーブファイト 3分3R(延長1R)
×ペトロス・カベリーニョ[Petros Cabelinho](ブラジル/テイシェイラ・チーム/WGP Kickboxingウェルター級(71.8kg)王者)
○セルジオ・サンチェス[Sergio Sanchez](スペイン/エリートJTタルデア/ISKAフリースタイル・世界スーパーウェルター級王者、WAKO-PRO世界スーパーウェルター級王者)
2R 2’25” KO (右ストレート)
1Rはほぼ互角の攻防で、2Rからカベリーニョの右ローが効き目を発揮する。サンチェスはひるんだが、カベリーニョが追撃を狙ったところで右ストレートをクリーンヒットしダウンを奪う。カベリーニョは立ったもののフラついており、箱崎レフェリーがストップし、サンチェスのKO勝ちとなった。
なお、この第6試合と第7試合では、スペシャルラウンドガールとして、K-1女子アトム級王者の菅原美優が登場した。
-70kgトーナメント準決勝
第15試合 K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント・準決勝(1) 3分3R(延長1R)
○ストーヤン・コプリヴレンスキー(ブルガリア/マイクスジム/元GLORYライト級(70kg)2位、MAX FIGHTライト級(70kg)王者)
×デング・シウバ(ブラジル/スクアドン・タイ・ブラジル/SFT COMBAT -70kg級王者)
判定3-0 (岡田30-27/箱崎30-28/梅木30-28)
1R、お互い右ローを当てるとバランスを崩し、初戦のダメージが残っている様子。長身のシウバが伸びのある飛び膝、ハイなども絡め、やや積極的だが、コプリヴレンスキーもパンチなどを返し続け、差はつけさせない。
2R、右ローの応酬の中で、コプリヴレンスキーが右ローのヒットを増やし、じりじりロープ際まで詰めると、右ストレートでダウンを奪う。シウバもパンチを返すが、ダウンを奪い返せない。
3R、お互い疲弊しているが、スタミナで勝るコプリヴレンスキーが積極的にパンチ、ローを放ち続け、やや優位な状態をキープする。シウバも右ロー、左ストレートを当て返すが、流れは変えられず終了する。ダウンを奪ったコプリヴレンスキーが決勝にコマを進めた。
第16試合 K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント・準決勝(2) 3分3R(延長1R)
○ヴィクトル・アキモフ(ロシア/ブラジリアン・タイ/元RKSウェルター級王者)
×セルジオ・サンチェス[Sergio Sanchez](スペイン/エリートJTタルデア/ISKAフリースタイル・世界スーパーウェルター級王者、WAKO-PRO世界スーパーウェルター級王者)
3R 1’33” KO (左インローキック)
カスペル・ムジンスキーが準々決勝で右拳を負傷し骨折の疑いがありドクターストップがかかり、リザーブファイトでKO勝利したサンチェスが繰り上がりとなった。
1R、アキモフがサウスポーで構えてプレッシャーをかけ続け、サンチェスが回って距離を取る構図が続く。お互いヒットになかなかつなげられず均衡状態のまま終わる。
2Rは1Rよりもお互い積極性が上がるものの、まだ差は乏しい。どちらもパンチを当て、サンチェスが前に出返す場面も増えたが、明確な当たりには繋げられない。
すると3R、決着は唐突に訪れる。1Rからアキモフが随所で当てていた左インローが効き目を発揮し、中盤にアキモフが左インローを当てる。するとサンチェスは一発で倒れ、そのまま悲鳴を上げて動けず、アキモフのKO勝ちとなった。
-70kgトーナメント決勝
第19試合 K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント・決勝 3分3R(延長1R)
○ストーヤン・コプリヴレンスキー(ブルガリア/マイクスジム/元GLORYライト級(70kg)2位、MAX FIGHTライト級(70kg)王者)
×ヴィクトル・アキモフ(ロシア/ブラジリアン・タイ/元RKSウェルター級王者)
1R 2’07” KO (パンチ連打)
※コプリヴレンスキーが優勝
消耗度ではコプリヴレンスキーが大きく上回るが、基本能力の差で圧倒することに。1R、サウスポーのアキモフに対し、コプリヴレンスキーは圧力をかけ、右のミドル、ストレートなどを何発も当てて追い詰める、すると中盤、コプリヴレンスキーがスイッチを繰り返してから、アキモフに右ミドルを蹴らせると、左ストレートを合わせてひるませ、コーナーに詰めての左フックでダウンを奪う。アキモフはダメージが大きく。さらにコプリヴレンスキーが右ハイを当ててひるませ、パンチ連打でダウンを奪う。決勝は3ノックダウン制だが、アキモフのダメージの大きさを確認した豊永レフェリーはストップし、コプリヴレンスキーのKO勝ちとなり、コプリヴレンスキーが敗者復活からの優勝を果たした。
コプリヴレンスキーは「K-1王者になる夢がかなってうれしいです。レジェンドのブアカーオにも勝って優勝できてうれしいです。応援ありがとうございました」と話した。K-1のカルロス菊田プロデューサーは大会後の総括で、コプリヴレンスキーをスーパー・ウェルター級王者のオウヤン・フェンに挑戦させるとコメントし、コプリヴレンスキーも「オウヤン・フェンとベルトを懸けて戦いたい」と意欲を示した。
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