KNOCK OUT 8.2 後楽園ホール(レポ):WBCムエタイ日本4階級王座戦 福田海斗、竹内賢一を圧倒し2R KO。重森陽太、REITOを1R KOで返り討ち。渡部蕾、谷津晴之を肘で切り裂き5R TKO勝ち。壱・センチャイジム、乙津陸との接戦制す

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MAROOMS presents KNOCK OUT.66
2026年8月2日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
※KNOCK OUTのBLACKルールは肘無し・ワンキャッチワンアタックのキックルール。REDルールはオープンフィンガーグローブ着用・肘有りキックルール。UNLIMITEDルールはREDルールに加え倒してからの打撃も有効なルール
最近のKNOCK OUTは独自の八角形リングでの試合が定着しているが、今大会ではWBCムエタイ日本タイトルマッチを4試合並べるため、WBCムエタイルールに則り四角形のリングを採用する。BLACK・RED・UNLIMITEDの3つのルールがある中、さらにWBCムエタイの試合を積極的に実施することについて、6月の会見でKNOCK OUTの山口元気代表は「僕の目標はWBCムエタイだけで代々木第二を埋められるようにしていくことです。『WBCいらねえよ』というファンからの声もあるんですが、肘有り、ムエタイをやってる選手たちの希望になりたいと思います」とビジョンを語っており、今回の4階級王座戦でムエタイをファンに浸透させ、代々木第二大会につなげたい考えだ。
福田海斗、竹内賢一を2R KOし日本フェザー級王者に
第8試合 WBCムエタイ日本フェザー級王座決決定戦 3分5R
○福田海斗(キング・ムエ/1位、IMSA世界フェザー級王者、元True4uバンタム級&スーパーフライ級王者、元ムエサイアム中部スーパーフライ級王者、元WPMF世界&プロムエタイ協会フライ級王者)
×竹内賢一(TenCloverGym世田谷/7位、元Bigbangフェザー級王者)
2R 1’18” KO (右膝蹴り)
※福田が王者に
4階級のWBCムエタイ王座戦の最後の試合の赤コーナーに立つのは、日本ムエタイ界をリードしてきた選手の一人福田だ。福田は27歳。地元愛知のムエタイ・スーパーファイトに出場しつつ、タイでも活躍し、プロムエタイ協会、True4u等、多くのタイトルを獲得。昨年12月のラジャダムナンでのRWSでのスラサック戦では1Rでは8年ぶりにKO負け。今年5月の常葉大会でKNOCK OUTに初登場し、スラサックに3R KOでリベンジ。KNOCK OUTに継続参戦し、今回はWBCムエタイ日本タイトルマッチが組まれた。
竹内は29歳。RISE、Bigbang等、様々な大会に参戦し、昨年11月にKNOCK OUTに初参戦し、以降3試合ともREDルールで出場し、祐輝を3R 左膝蹴りでKO。今年3月、“狂拳”迅に1R KO負け。6月の代々木大会では茂木豪汰に判定勝ちしている。
この日は竹内含め、ムエタイの試合前の儀式・ワイクルーで踊らない選手が大半の中、福田はじっくりと踊り、待ちぼうけを食らう竹内が苦笑する一幕も。綺麗な舞いを福田が締めくくると、場内は拍手で包まれ、試合でも華麗なムエタイで観客を魅了することに。
1R、竹内が左右のボディを当てるが、福田は首相撲で捕まえて膝を当て、肘も絡めて圧倒する。終盤、福田は横から組んで頭を下げさせ、左膝をボディに連打してから、右膝を頭に当ててダウンを奪う。竹内は10カウントギリギリで立つが、ダメージが大きい。福田が飛び膝蹴りで襲い掛かると脇に当たりクリーンヒットとはならなかったが、竹内がスリップする。北尻レフェリーはダウンとみなさず、福田は不満げにし、ラウンド終了のゴングが鳴る。
2R、福田は組んでの膝を連打し、足に力の入らない竹内はスリップを繰り返す。レフェリーがなかなかストップせずにいると、竹内の左前蹴りのタイミングで、福田は左の縦肘を当ててダウンを奪う。最後は福田が首相撲で捕まえ右肘を連打して切り裂いてから、右膝蹴りを連打して倒したところで、ようやくレフェリーがストップした。竹内は左まぶたを切られ血だるまになっていた。
勝利者インタビューで福田は「ワイクルーも長めに踊ってしまったんですけど、そういうところを含め(ムエタイの)文化として楽しんでいただけていたらいいなと思います」とムエタイの魅力をアピールし「ムエタイがもっと好きになってもらるよう頑張ります」と宣言した。
壱・センチャイジム、乙津陸との接戦制し日本スーパーバンタム級王座防衛
第7試合 WBCムエタイ日本スーパーバンタム級タイトルマッチ 3分5R
○壱[いっせい]・センチャイジム(センチャイムエタイジム/WBCムエタイ日本&ムエタイオープン・スーパーバンタム級王者、元KNOCK OUT-RED同級王者、元ルンピニー日本バンタム級王者)
×乙津 陸[おつ りく](KNOCK OUTクロスポイント大泉/6位、KNOCK OUT-REDバンタム級(53.5kg)王者)
判定2-1 (北尻47-48/和田48-47/秋谷48-47)
※壱が初防衛
壱は28歳。昨年10月、繁那に判定勝ちしWBCムエタイ日本スーパーバンタム級王座を獲得。12月のムエタイオープンではタイ人のワイトップに2R TKO勝ち。今年2月のKNOCK OUTでは前田大尊に判定勝ち(当初発表の前田の判定勝ちから変更)。4月の沖縄大会ではクルンタイと引き分けた。
乙津は22歳。昨年4月のKNOCK OUTでの約1年ぶりの試合で森岡悠樹に1R KO負け。6月、石川直樹を3R KO。12月、星拓海に判定負け。今年3月のジャパンキックでの西原茉生戦では54kgのリミットを1.15kgオーバーし失格となる。階級アップのためKNOCK OUT-REDバンタム級(53.5kg)王座を返上。5月のK-1では璃明武に判定負けした。
1R、壱がサウスポー、乙津がオーソドックスで構え、蹴り主体の攻防に。壱が左ミドルを蹴れば、乙津は右ミドル、ローを必ず返す。乙津から右ミドル、ローを当てれば、壱は返せず、やや印象が悪い。記者採点は乙津。
2R、乙津が変わらず壱の攻撃の後に右ミドル、ローを返す。終盤、壱が首相撲に持ち込んでも乙津は崩れず、膝の打ち合いで五分で渡り合い、最後も右ミドル、ローを当て、いい形で終える。記者採点は乙津。
だが3R、壱が首相撲に持ち込み、脇を差して首を押さえコントロールし、何発も左主体で膝蹴りを当て、乙津を苦しめる。30秒近く首相撲で捕まえて膝を当てる場面もあり、明確に差をつけることに。壱は肘も当てる。記者採点は壱。
4R、壱が左ミドル、組んでの膝を当て、やや優位だが、3Rに体力を使ったせいか、3Rほど乙津を追い詰められない。乙津も右ローやバック肘を返すが、攻撃が伸びない。記者採点は壱だが割れる可能性もある。
5R、若い乙津は序盤から右ミドルを強打し、その後も右ミドルを随所で当て、印象を作る。壱も左ミドルやハイを返すが、攻撃数と力強さでやや劣る感が否めない。記者採点は乙津だが僅差のため割れる可能性もある。合計47-48で乙津。ジャッジは割れ、3者とも47-48とつける大接戦となり、2者が壱を支持し、壱が初防衛した。敗れた乙津はマットを叩いて悔しさを露わにした。
重森陽太、REITOを1R KOで返り討ちし日本スーパーライト級王座獲得
第6試合 WBCムエタイ日本スーパーライト級王座決定戦 3分5R
○重森陽太(KNOCK OUTクロスポイント吉祥寺/1位、元KNOCK OUT-RED&WKBA世界ライト級王者、元新日本フェザー級&バンタム級王者)
×REITO BRAVELY(BRAVELY GYM/2位、M-1世界同級王者、WMF世界ライト級王者、元M-1 JAPAN同級王者、KOSスーパーフェザー級王者)
1R 3’00” KO (右ハイキック)
※重森が王者に
両者は21年10月、重森が所属していた新日本キックの大会で対戦し、重森が判定勝ちしている。
重森は31歳。昨年6月、ゴンナパーに3R KO負けしREDライト級の王座から陥落。10月、小林司を3R KOし連敗を4でストップ。12月、ロムイーサンに判定勝ち。2月大会ではREITO BRAVELYとのWBCムエタイ日本スーパーライト級王座決定戦を予定していたが、練習中の怪我により右膝靱帯断裂・全治6週間と診断されたため欠場した。5月、ソー・バー・ヘインを3R KOした。
REITOは26歳。昨年7月、2年ぶりにKNOCK OUTに参戦し、エイ・マムリンプートングに3R KO負け。9月、乱牙を3R左ハイでKO。今年2月、重森陽太とのWBCムエタイ日本王座決定戦が中止となり、ロムイーサンとワンマッチを行いドロー。6月7日のKODO大分大会ではトゥアンサップを3R左ストレートでKOしWMF世界ライト級王座を獲得している。
試合は重森の完勝に。1R、サウスポーで前に出るREITOに対し、重森はオーソドックスで構えて距離を取りつつ、右ミドルを的確に当て続ける。中盤、重森は右インカーフを絡め、右ハイでひるませ、ストレート、肘を絡めて追い詰め、右ハイでダウンを奪う。その後も重森が右の蹴り主体で翻弄し、ラウンド終了間際、右ハイをクリーンヒットしてREITOを倒すと、REITOは動けず、重森のKO勝ちとなった。
渡部蕾、谷津晴之を肘で切り5R TKO勝ちし日本フライ級王座初防衛
第5試合 WBCムエタイ日本フライ級タイトルマッチ 3分5R
○渡部 蕾[らいな](KNOCK OUT クロスポイント大泉/王者)
×谷津[たにつ]晴之(新興ムエタイジム/5位、NJKFフライ級1位)
5R 2’32” TKO (ドクターストップ:左肘打ちによる右眉のカット)
※渡部が初防衛
渡部は18歳。24年プロデビューし、昨年前半はREDルールで藤原将裕、タネ♡ヨシキ、エイル・ルーククロンタンをKO。8月の第5代Krushフライ級王座決定トーナメント一回戦で安尾瑠輝に3R KO負けしプロ初黒星。10月のGOATでの-BLACKルールの試合では片山魁を2R左ストレートでKO。2月のKNOCK OUTでのWBCムエタイ日本フライ級王座決定戦では、ムエタイでの経験で上回るコウシ・ノーナクシンの額を2R左肘打ちで切り裂いてTKO勝ち。5月、ダン・マイ・トゥエイに判定勝ちし、8戦7勝(4KO)1敗とした。
谷津は27戦14勝(8KO)7敗5分の23歳。NJKFに所属し、24年からONEフライデーファイツに参戦し、ONEで4連勝(3KO)の快進撃を続けたが、6月にKO負けし、10月にミャンマーの選手に判定負けし2連敗。今年2月、ミャンマーの選手を53秒左ボディでKOし、35万バーツ(約170万円)のボーナスを獲得。6月14日のNJKFでのNJKFフライ級次期挑戦者決定戦では悠に判定0-2で敗れた。ONEでの戦いぶりをKNOCK OUTの山口代表が高く評価しオファーした。
試合は渡部の肘が決め手に。1R、オーソドックスの谷津に対し、渡部はサウスポーで構えて距離を取る。お互い慎重だが、終盤、渡部が左ハイ、バックハンドブローを立て続けに当て、印象を作って終える。記者採点は渡部。
2R、谷津は右ミドルのヒットを増やす。渡部も左ストレートをタイミング良く当てる場面を作るが、カウンター狙いで攻撃がなかなか増えない。記者採点は谷津だが僅差のため渡部につく可能性もある。
3R、谷津が右ミドルを当てるが、渡部は組むと、左肘を連打し、谷津の右眉付近を切り裂く。中盤過ぎにドクターチェックが入る。再開はしたが、止められるリスクのある谷津は圧を強める。だが渡部は的確に左ストレート、ハイを当て、主導権を維持する。記者採点は渡部。
4R、谷津が時折右ミドルを当てるが、ヒットは伸びない。カットの影響で谷津の顔は引き続き血で染まる。渡部は距離を取り、随所で左ストレートをヒット。僅差だが渡部が試合のペースを引き続き握っている感がある。記者採点は渡部だが割れる可能性もある。
5R、渡部は距離を取り、左ストレート、ミドル、膝を当て、主導権を維持する。すると残り30秒、血だるまの谷津を見た秋谷レフェリーがドクターチェックを要請すると、ドクターがストップし、渡部のTKO勝ちとなった。
漁鬼が1R KO勝ちし12月のユリアン・ポズドニアコフ戦希望
第10試合 BLACK メインイベント スーパーウェルター級(70kg) 3分3R
○漁鬼[りょうき](SHINE沖縄/KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級王者、TENKAICHI&BEASTウェルター級王者)
×吉宗、(心誠塾/岡澤道場/KROSS×OVER KICKスーパーウェルター級王者)
1R 0’30” KO (右ストレート)
1R、漁鬼が序盤から前に出て、サウスポーの吉宗、に右ストレート、左フック、右ストレートを3連続でヒット。吉宗、は頭からマットに突っ込むようにダウンし、すぐさま和田レフェリーがストップした。
勝利者インタビューで漁鬼は「自分もKNOCK OUT初参戦で担架送りでした。吉宗、選手、またKNOCK OUTに上がって勝って欲しいです」と話し、「(BLACKウェルター級王者の)ユリアン(・ポズドニアコフ)の予定が空いていたら12月にタイトルマッチを組んでください」とアピールした。
バズーカ巧樹、NJKF吉田凛汰朗からダウン奪い判定勝ち
第9試合 セミファイナル RED ライト級(62.5kg) 3分3R
○バズーカ巧樹(菅原道場/BRAID/元KNOCK OUT-RED・REBELS-BLACK・MA日本スーパーライト級王者、元KNOCK OUT-BLACKライト級王者)
×吉田凛汰朗(VERTEX/Road to Muaythaiスーパーライト級王者、元NJKF同級王者)
判定2-0 (勝本29-29/和田29-28/大澤29-28)
1R、バズーカがオーソドックス、吉田がサウスポーで構え、時折両者スイッチする。吉田が積極的に攻め、随所で左主体でミドルやローを当てる。バズーカはほとんど攻撃が返せないが、まだ追い詰められるほどにはならない。記者採点はイーブン。
2R、バズーカはバックハンドブローを繰り返すが空振りが続く。中盤、吉田はオーソドックスでプレッシャーを強め、右ボディを当てつつ、右ストレートをクリーンヒットし、バズーカをひるませて好印象を作る。終盤も吉田がスイッチを織り交ぜつつ右ストレート等で積極的に攻め主導権を維持する。記者採点は吉田
すると3R、後の無いバズーカがチョップ気味のパンチを含めて、パンチを積極的に振るうようになると、サウスポーからの左フックでダウンを奪う。吉田は鼻血を出し、反撃を狙って必死にパンチを振るうが、バズーカはパンチを返しつつ反撃を振り切り終える。記者採点は10-8でバズーカ。何故か勝本ジャッジのみ3Rを10-9としてドローとなったが、2者は順当にバズーカを支持し、バズーカが判定勝ちした。
第4試合 BLACK ライト級(62.5kg) 3分3R
×乱牙(フリー/元NKBライト級王者)
○隼大[はやと](Y’ZD GYM)
2R 1’26” KO (右フック)
1R、オーソドックスで前に出る乱牙に対し、隼大がサウスポーで距離を取り、左ミドル、テンカオを随所で当てるが、まだ乱牙を苦しめるほとにはらなない。
すると2R中盤、前に出る乱牙が右ミドルを振るうと、隼大がカウンターで前手の右フックをクリーンヒット。真後ろに倒れた乱牙は後頭部をマットに打ち付け、ダメージが大きく、すぐさま勝本レフェリーがストップした。
第3試合 RED フェザー級(57.5kg) 3分3R
×茂木豪汰(上州松井ジム)
○大渕 翼(React Gym Shonan)
判定0-3 (勝本29-30/秋谷29-29/和田28-30)
1R、サウスポーの茂木がパンチ主体、オーソドックスの大渕が右の蹴りと組んでの膝主体で攻める。大渕の巧さがやや光るものの、まだ追い詰めるほどにはならない。
2R、大渕の右ストレートが当たり出し、そこから大渕が組んでパンチと膝をまとめ、差を印象付ける。
3R、群馬から来た応援団の声援を背に、茂木は必死に前に出るが、大渕がかわし、膝や右ローを的確に当て、崩しでも翻弄し、反撃を封じ判定勝ちした。
第2試合 RED 女子スーパーフライ級(52kg) 3分3R
○辻井和奏[わかな](BRING IT ONパラエストラAKK/元スック・ワンキントーン女子フライ級王者)
×ルアンペー・コマンドジム[Ruanphae](タイ)
1R 2’02” KO (ストレート連打)
1R、体格で勝る辻井がサウスポーで構え、オーソドックスのルアンペーにプレッシャーをかける。ルアンペーは右ミドルを蹴り続けるが、スピードが遅く、辻井は対処すると、右の顔面前蹴り等を当ててから、左ハイをクリーンヒット。ひるんだルアンペーにさらに左右のストレートを連打すると、ルアンペーはダウンし、大の字になって倒れ、辻井のKO勝ちとなった。
第1試合 BLACK スーパーフェザー級(60kg) 3分3R
○横山晏輝[はるき](リーブルロア/KROSS×OVER KICKフェザー級王者)
×我如古[がねこ]優貴(タイガーキック沖縄)
判定3-0 (和田29-28/北尻29-28/秋谷29-28)
晏輝はK-1スーパーフェザー級王者・横山朋哉の弟でKNOCK OUT初参戦。1R、お互い右カーフを蹴るが、慎重な攻防が続く。2R、晏輝の右カーフが効き目を発揮し、左フックでダウンを奪う。だが終盤は我如古が左膝蹴りを効かせて巻き返す。
3R、我如古が左フック、ボディを効かせ、巻き返して場内を沸かせるが、最後は晏輝も攻撃を返し、反撃を抑えて判定勝ちした。


































